【Shopify】売れないネットショップの改善方法を徹底解説
この記事の所要時間:10分
Shopifyでネットショップを立ち上げてみたが、商品がなかなか売れない… と困っていませんか。
Shopifyはオンライン上で商品を販売するツールですが、ただショップをネットで公開するだけでは商品は売れません。
「ユーザーの集客」「転換率(流入ユーザーの購入率)を向上させる施策」「リピートする仕組みづくり」など、ネットショップ公開後も様々な施策に取り組む必要があります。
ですが、どこから取り組めばいいのかわからないという方も多くいると思います。
ネットショップ運営で大切なことは、まずネット販売の全体を理解して具体的にやるべきことに落とし込み、取り組む優先順位を決めることです。また取り組む施策の評価と改善が重要になります。
そこで今回は、Shopify運営のコンサルティングを行うshopinavi(ショピナビ)コンサルチームが、Shopifyの全体像をわかりやすく解説し、Shopifyで売れるネットショップを作るために行う、具体的なアクションプランをご紹介します。
本記事を読めば、あなたのショップを成功させるために抑えるべきポイントを理解することができます。
目次
商品と顧客の理解
まず、はじめにあなたの商品と顧客となるターゲットを明確に設定します。
もちろん、あなたはこれまでに商品と顧客の理解にたくさんの時間を費やしており、誰よりも深く理解していると思います。
ですが、今のあなたのネットショップを友人に見せて率直な意見をもらった時、サイトで何を販売していて、どんなメッセージを伝えたいのかなど、あなたが意図した答えが返ってくるか考えてみてください。
少しでも自信がないと感じた方は是非もう一度明確なターゲットを設定し直してみてください。
そしてそのターゲットとあなたが提供する商品が、主観ではなく客観的にマッチしているのかを4つのステップで確認するところから始めます。
1. あなたの商品をわかりやすく具体的な言葉で言語化する
あなたの商品を誰かに紹介する際、どんな言葉を使って表現していますか。できるだけ具体的で、誰にでも伝わる表現で言語化してください。
2. ターゲットのイメージを考える
次にターゲットを考えます。
あなたの商品が世界でたった一人の誰かに届けたいと思った時、その人はどんな人物なのかを言語化します。
その人はどこに住んでいて、どんな生活をしていて、どんな過去があって、いま何に悩んでいるのかなど、できるだけ具体的な人物像を考えます。
3. ターゲットがあなたの商品で実現したいことは何か
②で考えた人物は、あなたの商品を購入することによって、どんな結果を実現したいと考えているでしょうか。
その人物はあなたの商品を検索結果で見つけ、「まさに求めていた商品だ!」と喜んでいるかもしれません。その場合、どんなキーワードで検索していますか。
これらを具体的に考えることで、あなたの商品でターゲットの何を解決できるのか、何を実現できるのかまで明確にすることができます。
4. ヒアリングして意見をもらう
最後にその仮説はあっているのか、ターゲットに限りなく近い人を友人や知り合いから探し、実際にヒアリングをします。
そうすることで自分たちの仮説が正しかったのか、その商品がターゲットに本当に求められていたのかを客観的に理解することができます。
また、ヒアリングの結果からターゲット像が少しずつ修正され、本当にあなたの商品を求めているターゲットが見えてきます。
ネットショップの「マーチャント視点」と「顧客視点」を理解
商品と顧客の言語化ができれば、次にネットショップの全体の理解をします。ここではマーチャントと顧客の2つの視点から説明します。
1. 売上の構造 (マーチャント視点)
ネットショップにおける売上の構造を分解すると、以下のような式になります。
売上 = アクセス数 × CVR(購入率) × 平均注文単価
ショップにアクセスする人の数は何人なのか。そこから実際に購入する人の割合は何%なのか。そして、その平均注文単価はいくらなのか。これらの掛け算で売り上げが決まります。
つまり売上を上げるためには、「アクセスを増やす」「購入率を上げる」「平均注文単価を高くする」ことを考える必要があります。
具体的なアクションプランは後ほどご紹介します。
2. 購入までの感情の変化 (顧客視点)
一方で顧客視点に立ち、顧客はショップを見てどのように感じて購入まで至るのかを考えます。今回は顧客の購買行動を表すフレームワーク「AIDMA」に当てはめて流れを考えます。
それらを顧客の感情変化に落とし込むと次の図のようになります。
そして売上の構造とAIDMAをまとめると、次の図ように全体像を把握することができます。
この図をもとに取るべきアクションを決め、欠陥となっている部分の分析と改善を行います。
細分化した項目をアクションに落とし込む
商品と顧客、そしてネットショップの全体像を理解して、ここで初めて具体的なアクションプランを考えていきます。
導き出した売上とAIDMAの図を活用して、どの段階の顧客に対して何をするのかをそれぞれ説明します。
Attention(注目)
まずは、あなたの商品を全く知らない顧客に対して知ってもらうことからはじめます。方法は大きく分けて3つあります。
- SEO対策をして検索流入を増やす
- 広告を出稿してアクセスを集める
- SNSで発信する
ShopifyはCMSとしても優れているためブログ記事の作成やSEO対策がとてもしやすくなっています。
検索流入ユーザーは、あなたの商品に関連する何かのキーワードで検索を行い流入してきているため、購買意欲は比較的高い傾向にあります。
ブログ記事などで検索結果の上位表示を狙うには、時間と労力がかかりますが、中長期的に視点で考えるとかなり有効的です。
また、ShopifyはFacebookやGoogleと連携することで、それぞれの広告出稿も簡単にでき、Shopify上で各広告の状況やレポートを一元管理することができます。
これらの運用型広告は予算が必要ですが、すぐに集客を行いPDCAを回すことができます。
SNSで発信する方法も直接顧客と繋がることができるので、地道ではありますが効果的な方法です。
特にあなたのブランドの認知を広げるためにもSNS運用はとても重要です。
Shopifyでの集客方法やマーケティングについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
Interest(興味)
上記の方法で一定のアクセス数は獲得できます。
ですが、あなたのネットショップにアクセスした顧客が、トップ画面だけ見てそのまま離脱しては、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。
なのでネットショップのファーストビュー(サイトを開いて最初に見える画面)で、もう少しサイト内を見てみようと顧客を惹きつける必要があります。
ファーストビューで初回限定クーポンをポップアップ表示することや、セールやキャンペーンを表示するなど、「ちょっと見てみよう」と興味を持ってもらう工夫を行います。
Desire(欲求)
次はあなたのショップにアクセスした顧客が商品を欲しいと思うショップを作ります。そのために以下の4つのポイントを抑えます。
①商品情報
ネットショップにおいて商品の情報は最も重要です。充実した情報を掲載し、顧客が気になる点や不安要素を先にカバーします。
また、実際に購入した顧客のレビューやよくある質問などを記載することで、さらに細かな情報提供と安心感を与えることができます。
Shopifyアプリの「ポインポン」を使うと、購入者にレビューを投稿してもらい、商品レビューを商品ページに掲載することができます。
ネット販売では、第三者の客観的な意見が購買に大きな影響を与え、8割の顧客は商品を購入する前にレビューをチェックしていると言われています。
むしろレビューが全くない商品は、購入しづらい商品になります。なのでレビュー機能は導入必須と言っても過言ではありません。
②商品写真
商品写真も顧客の購買欲求に対して大きく影響を与えます。
余談ですが、民泊を貸し出すサービス「Airbnb」では、プロのカメラマンが宿泊施設の写真を撮るサービスがあり、そのサービスで収益40%アップが期待できるというデータがあります。それほど視覚情報の影響は大きいということです。
そして商品の写真だけはでなく、使い方や顧客が使用シーンをイメージできるような写真を掲載し、より身近に感じてもらえるようにすることが大切です。
画像の推奨サイズなどについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
③購買体験のスムーズさ
購入体験も大事な要素の一つです。まずは一度、自分自身であらゆる端末を使ってあなたのショップで購入を体験してください。
具体的には「購入までの導線は自然か」「おかしな遷移をするページや、デザインの崩れはないか」「ページの表示速度は遅くないか」などを体験して確認します。
購入までの導線やデザインの崩れなどは比較的見つけやすいですが、ページの表示速度は人それぞれ感じ方が違うので、複数人で体験して話し合うことが大切です。
2018年のGoogleの調査では、ページの表示速度が1~3秒になると離脱率が32%も増加し、ページの表示速度が1秒遅れるとCVR(購入率)が7%下がるというデータがあります。
売上にも大きく影響するので、ページの表示速度が遅いと感じたら表示速度が早いテーマを使用するか、「Page Speed Booster」を活用してページの表示速度を改善してください。
・Editorial
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・OS 2.0対応テーマ
<参考記事>
Page Speed Scores of Every Shopify Theme
またShopifyサイトの表示速度評価や改善方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
Memory(記憶)
これまでの過程をたどり商品をカートに入れたものの、購入せずにそのまま商品が忘れられることも多くあります。
そのことをネット販売用語で「カゴ落ち」と言いますが、アメリカのBaymard Institute社の調査によれば、平均して約69%の顧客がカゴ落ちしていることがわかっています。
そこで大事なのが顧客との接触を増やすことです。ショップに訪れた顧客との接触を増やす2つの方法をご紹介します。
①メールマガジン
メルマガ登録を設けて定期的に配信することはとても効果的で、顧客がショップに再び訪れる機会を作ることができます。
Shopifyアプリの「Klaviyo」を使うと細かくセグメント分けしたメールを自動で作成し、顧客に配信することができます。また、メールの開封率や売上に繋がったかなども分析できるのでオススメです。
メールマガジンの配信で大切なポイントは以下の3つです。
- 価値のある情報を提供する
- ブランドに一貫性を持たせる
- オプトアウト(配信停止)をわかりやすく用意する
メルマガ登録ユーザーを理解し、価値がある情報を定期的に発信します。
それはブランドのストーリーや新商品の情報、セール期間やクーポンなど様々です。
本記事の第一ステップで顧客の理解は深まっていると思うので、そのターゲットが求めている情報を配信します。
②カゴ落ち対策
Shopifyアプリを利用すると、カゴ落ちを検知してメールでリマインダーを送るなどのカゴ落ち対策が可能になります。
またその他にも、トップページから直接商品を購入できる動的チェックアウトボタンを設置したり、配送料の設計、決済方法の拡充など、取り組める施策はたくさんあります。
カゴ落ち対策に関してより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
Action(行動)
最後に、欲しいと思った顧客に対して購入のハードルを下げるため、安心と信頼を与えます。
ネットでの購入は、リアル店舗と違いマーチャントの顔が見えないので、購入することに少しハードルを感じてしまいます。
なので、できるかぎり安心と信頼を与えられるショップにする必要があります。ここでは3つのポイントをご紹介します。
①ショップ情報
ショップや運営会社の情報を充実させることで、安心感を与えることができます。
運営会社や代表者の名前、住所、連絡先などの情報を充実させることは、何かのトラブルがあった際にも問い合わせができるという安心感を与えます。
またプライバシーポリシーや返品ポリシーなどの記載も重要です。
法律文書を自動で作成する「KIYAC」は、簡単にこれらのポリシーページを作成することができるのでオススメです。
②スタッフの写真
代表者やスタッフの写真やメッセージを掲載することもオススメです。相手の顔がわかることは信頼性に繋がります。
またAboutページを設け、ブランドやスタッフの想いを語る文章もとても重要です。
何を想ってその商品を販売しているのか。その商品を手がけるスタッフの想いは信頼性だけではなく、共感も生みます。
③電話での対応
見落とされがちですが、問い合わせができる電話番号があることはとても安心感に繋がります。
購入した商品が間違っており返品ができるか問い合わせをする際に、メールだと返信がなかなか来なくて不安に思う人もいます。
人はトラブルの大きさよりも、そのトラブルが解消されない時間の長さに対してストレスを感じます。そのようなストレスがなく、何かあった時や質問したい時はいつでも連絡ができる窓口を作っておくことが重要です。
専用の電話番号がなく、電話での対応が難しい場合は「Shopify Inbox」など、チャット機能を導入することもオススメです。
各アクションを分析し、改善策を考える
ここまで売上を上げるために行う具体的なアクションを説明してきましたが、さらに重要なのがこれらのアクションの効果を分析し、改善することです。
次に、分析ツールと評価方法についてご紹介します。
集客の評価
サイトへの集客は、Shopifyのレポート機能とGoogle Analyticsで分析します。ここで見るべきポイントは、ショップへのアクセス数とアクセスの流入元です。
アクセス数を上げるためにどのような取り組みをすればいいのか、施策の立案と実行、評価、改善を繰り返し行います。
サイト内の評価
サイト内で顧客がどのような行動をしているのか、どこで詰まっているのかなどを分析します。方法は2つあります。
①レポート機能とヒートマップ分析
Shopifyのレポート機能は、顧客の流入元だけではなく、売れている商品や購入に至った顧客の分析が可能です。
また、ヒートマップツールは「何人」が「ページのどの部分を見ているのか」「どのボタンがクリックされているのか」など、顧客の動きを細かく分析できます。
Shopifyアプリには「Lucky Orange」というヒートマップツールがあり、こちらを導入して分析することで「このボタンは顧客から見えにくい」などの問題点を発見し、改善することができます。
②ヒアリングをする
友人などに実際に利用してもらい、意見をもらうこともとても効果的です。目安としては10名にヒアリングできれば、客観的に評価された結果が見えてきます。
ヒアリングの結果は、仮説ではなく具体的に改善箇所がわかるので、定期的に行うと常に新たな発見があります。
「平均注文単価」と「リピート顧客」の重要性
商品購入というゴールに対してのアクションや分析を説明しましたが、売上を上げるために、さらに大事なことが2つあります。
それは「平均注文単価の向上」と「リピート顧客の獲得」です。最後にこの2つについて説明します。
平均注文単価の向上
売上を上げるためには、一人当たりの購入してもらう注文単価を上げる施策が重要で、マーケティング用語でクロスセルやアップセルという手法があります。
■クロスセル
ある商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品もセットもしくは単体で購入してもらうこと
■アップセル
顧客の注文単価を向上させるため、現在ある商品を検討している顧客や以前商品を購入した顧客に対し、より高額な上位モデルに乗り換えてもらうこと
具体的な例としては、
- ○円以上商品を購入した顧客の「送料を無料」にする
- セット商品を販売する
などが考えられます。
またShopifyアプリの「Discounted Upsells」を活用すると、対象商品をカートに入れた顧客に対してセット商品のレコメンドを表示することができます。
このように平均注文単価を向上させることが売上に大きく影響を与えます。
リピート顧客の獲得
リピート顧客の獲得はネットショップ運営において最も重要と言っても過言ではありません。
マーケティング用語には「1:5の法則」という言葉があり、新規の顧客を獲得するには、既存の顧客の5倍のコストがかかると言われています。
新規顧客よりも既存顧客にリピートして購入してもらうことが、運営において重要な考え方となります。
例えば、あなたのショップにポイント機能を追加することや、購入に対する「お礼メール」を送ることなどが有効的です。
Shopifyアプリ「ポインポン」を活用すると、これらの機能を追加することができます。
こちらのアプリは顧客の商品購入やレビュー投稿に対してポイントを付与することができるので、リピーターの獲得だけではなく、新規顧客の購入率向上も期待できます。
今回はShopifyでネットショップを始めたものの、商品が売れなくて困っている方向けに、ネットショップ運営の全体把握と改善方法をご紹介しました。
本記事を参考にしながら実際に手を動かし、ひとつひとつ改善していくことでネットショップの収益拡大を目指してください。
またshopinavi(ショピナビ)コンサルチームでは、Shopifyを活用する販売事業者様のマーケティング支援(集客支援、サイト改善)を行っています。
Shopify運営でお困りの方は、以下のリンクからお気軽にご相談ください。
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