Shopify(ショッピファイ)とは?機能の全てを解説!評判も徹底検証
この記事の所要時間:15分
オンラインでの商品販売が増え、EC市場が拡大しているなか「Shopify」という言葉を耳にすることが多くなりました。
Shopifyとは、世界で最も利用されているEC構築プラットフォームです。
現在175か国170万以上のネットショップがShopifyで構築されており、日本国内でもShopifyを活用してネットショップを立ち上げる事業者が増えています。
そんな世界中で注目を集めているShopifyですが、実際にどんな機能があり、他の類似サービスより何がすごいのか、はっきりわかっていない方も多くいると思います。
また、Shopifyは機能やプログラムが多くあり、アップデートも日々行われるので、情報を網羅することは非常に困難です。
そこで今回は、Shopify専門メディアの運営者としてShopifyに関する100以上のコンテンツを執筆してきたショピナビ編集部が、まだShopifyを使ったことがない方でもShopifyについて網羅的に把握できるように、一本の記事にまとめました!
本記事は10,000文字以上と、かなりのボリュームがありますが、Shopifyについて全体の80%は理解することができるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
Shopifyとは
Shopifyは、誰でもすぐにネットショップを構築してネット販売ができるEC構築プラットフォームです。読み方は、カタカナで書くと「ショッピファイ」です。
これまでのECサイト運営は、サイト構築やサーバーの準備、決済サービスの導入など、費用や手間が掛かっていましたが、Shopifyはそれら全てをパッケージとして月額制(月額33ドル~)で提供しています。
※年間契約の場合は、月額25ドルから利用可能です。
低コストで簡単に高性能のECサイト構築ができるため、現在世界で170万を超える販売事業者がShopifyを利用してネットショップ運営をしています。
Shopifyは2006年にカナダで設立され、2017年にShopifyの日本法人が設立されました。それ以降、グローバルで急激な成長を続けている将来性が高いサービスです。
Shopifyの基本機能
では、まずShopifyの基本機能(デザイン、決済、在庫管理、拡張機能)について解説します。
テーマ(デザイン)
Shopifyは「テーマ」といわれるネットショップのテンプレートデザインを選択して使用します。
Shopifyテーマは公式のものだけで約100種類あり、非公式のものを合わせるとさらに多く存在します。(無料テーマもあれば有料テーマもあります。)
またShopifyテーマは、ノーコードで自分好みのレイアウトに編集することができ、コードを編集してさらに細部までカスタマイズすることも可能です。
そのためコード編集の知識さえあれば、どんなデザインのサイトでも構築することができます。
Shopifyテーマについては、以下の記事を参考にしてください。
【2022年最新版】Shopifyの無料テーマ18種類を徹底比較!
Shopifyペイメント(決済)
ShopifyにはデフォルトでShopifyペイメントという決済システムが導入されており、Shopifyペイメントは審査なしで利用することができます。
Shopifyペイメントの導入により、クレジットカード決済(VISA, Mastercard, American Express, JCB)に対応することができ、同時にApple pay、Google Pay、Shop Payでの決済も可能になります。
Shopifyペイメントは導入の初期コストや月額利用料は不要で、商品が購入された際に決済手数料が発生します。決済手数料については後ほどご紹介します。
またShopifyは、PayPalやAmazon Payなどと直接連携しているため、これらの決済サービスも簡単に連携することができます。
銀行振込やコンビニ決済に対応する場合は、KOMOJUやペイディといったまた別の決済サービスを導入する必要があります。
在庫管理
Shopifyでは複数のロケーション(住所)を登録することができ、実店舗や倉庫のロケーションを登録しておくことで、ロケーションごとの商品在庫をShopifyの画面で一元管理することができます。
つまり、どこの倉庫にどの商品がいくつあるのかを常に把握することができます。
また、ロケーションの登録地近辺ではローカルデリバリー(直配送)や店鋪受取も行うことができるので、配送業者による商品配送だけではなく、顧客のニーズに合わせて柔軟に配送オプションを選択することが可能です。
Shopifyアプリ(拡張機能)
Shopifyには、Shopifyアプリという拡張機能があり、ネットショップに様々な機能を導入することができます。(WordPressのプラグインのようなものです。)
予約販売を可能にするアプリやポイント機能を実装するアプリ、チャットボットを導入するアプリなど、様々な機能をネットショップに導入することができます。
現在6,000以上のShopifyアプリがあり、導入したいアプリを選択して月額利用料を支払うことで利用することができます。中には無料で利用できるアプリも多数存在します。
実際のShopifyアプリについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【2022年最新版】Shopifyのおすすめアプリ25選まとめ
Shopifyの特徴
Shopifyには他のECプラットフォームとは異なる機能が複数あります。次はShopifyの特徴について解説します。
マルチチャネルで販売が可能
マルチチャネルとは、複数の販売チャネルを通じてユーザーにアプローチする販売戦略のことです。
Shopifyでは、ネットショップで商品を販売するだけではなく、以下のような販売チャネルでも商品を販売することができます。
- Webサイト(WordPressなど)
- Facebookショップ
- Messenger
- Instagramショッピング
- Googleショッピング
- LINE
- 楽天市場
- 実店舗(Shopify POS)
- Shop(Shopifyのモール型サイト)
ShopifyはSNSアカウントと連携することで、SNS上で商品を販売することができます。
また、Shopifyが提供するPOSシステム「Shopify POS」を活用することで、実店舗での販売も可能です。
Shopify POSは無料のスマホアプリなので、スマートフォンやタブレットで簡単にインストールできます。
Shopify POSを利用することで、店舗で販売した商品の在庫や顧客情報、売上レポートなど、全ての情報をネットショップの情報とリアルタイムで同期して一元管理することができます。
このように、Shopifyは消費者の週間に合わせて様々な購入方法を提供しています。
様々な集客方法
Shopifyは広告配信サービスと連携して、あらゆる運用型広告をShopifyの管理画面上で一元管理することができます。
例えば、Googleのショッピング広告やFacebook広告、TikTok広告などをShopifyの管理画面ですべて管理することができ、広告の配信やレポートの確認が可能になります。
その他にもShopifyのブログ機能でSEO対策を行ったり、クーポンやディスカウント機能を活用したマーケティング施策を行うなど、様々な方法で集客することができます。
Shopifyでの集客方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
また、Shopifyが提供する買い物アプリ「Shop」では、Shopifyを利用して販売されている全ブランドを検索することができ、そのままアプリ上で簡単に商品を購入することができます。
Shopのユーザー数は1億人を超え、Shopifyのモール型ECサイトとして利用されています。
モバイルアプリで操作
Shopifyには、Shopとは別で販売事業者用のモバイルアプリが存在します。
Shopifyのモバイルアプリでは、パソコンと同じようにShopifyの管理画面を操作することができ、ほとんどの操作がスマートフォンで完結します。
またShopifyのモバイルアプリには、商品が購入された際に通知を受け取る機能があるため、わざわざパソコンを開いて注文を確認する必要がなく、アプリ上でそのまま配送処理を行うことができます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
3DモデルとShopify AR
Shopifyでは商品の3Dモデルをネットショップに掲載することができます。
また、Shopify AR(AR機能)を利用することで、ユーザーは気になる商品を現実世界に表示して様々な角度から商品を見ることができます。
Shopify ARは実際の商品サイズを確認することができるので、ネットショッピングでも実際に商品を手に取る体験を実現できます。
Shopifyのプランと料金
Shopifyには、3つの通常プラン(ベーシック、スタンダード、プレミアム)があります。
その他にも、カート機能(購入ボタン)のみ利用できるスタータープランと、エンタープライズ(大規模の事業者)向けのShopify Plusがあります。
各プランの月額利用料と決済手数料(Shopifyペイメント)は、以下のとおりです。
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 5ドル | 33ドル | 92ドル | 399ドル | 2,000ドル |
国内のクレジットカード手数料 | 5% | 3.4% | 3.3% | 3.25% | 3.15% |
海外のクレジットカード手数料 | 5% | 3.9% | 3.85% | 3.8% | 3.75% |
JCBのクレジットカード手数料 | 5% | 4.15% | 4.1% | 4.05% | 3.75% |
※ベーシック、スタンダード、プレミアムプランの月額料金は年払いにすることで、それぞれ25%オフになります。
プランをアップグレードすると月額利用料は高くなりますが、商品を販売した際の決済手数料が低くなります。つまり売上の規模に応じてプランを変更する必要があります。
また、上記の決済手数料はShopifyペイメントの決済手数料です。
外部の決済サービスを利用する場合は、利用する決済サービスの決済手数料に加えて、以下のShopifyの取引手数料が発生します。
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
---|---|---|---|---|---|
取引手数料 | 5% | 2% | 1% | 0.5% | 0.15% |
※Shop Pay、Apple Pay、Google Pay、Amazon Pay、PayPalを利用する場合は、取引手数料は発生しません。
また決済手数料だけではなく、プランによって利用できる機能が異なります。
次は各プランの機能や特徴をご紹介します。
Shopifyの通常プラン(ベーシック、スタンダード、プレミアム)
通常3プランの機能比較は、以下の表をご覧ください。
基本的な機能はどのプランでも利用することができますが、管理画面にログインできるスタッフアカウント数や商品在庫を管理するロケーション数などがプランによって制限されます。
またレポート機能の制限や越境ECを運営する際の利便性という面で、プランを検討する必要もあります。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
ネットショップ | ○ | ○ | ○ |
無制限の商品登録数 | ○ | ○ | ○ |
スタッフアカウント数 | 2人 | 5人 | 15人 |
日本語のメールサポート | ○ | ○ | ○ |
販売チャネル追加機能 | ○ | ○ | ○ |
在庫のロケーション | 最大4ヵ所 | 最大5ヵ所 | 最大8ヵ所 |
手動で注文作成 | ○ | ○ | ○ |
クーポンコード | ○ | ○ | ○ |
無料SSL証明書 | ○ | ○ | ○ |
カゴ落ち対策メール | ○ | ○ | ○ |
ギフトカード | ○ | ○ | ○ |
プロフェッショナルレポート | × | ○ | ○ |
カスタムレポートビルダー | × | × | ○ |
外部サービスの計算済み配送料 | × | × | ○ |
不正解析 | ○ | ○ | ○ |
133種類の通貨で販売 | ○ | ○ | ○ |
複数の言語で販売 | 最大5ヵ国 | 最大5ヵ国 | 最大5ヵ国 |
海外のドメイン | × | ○ | ○ |
国際価格 | × | ○ | ○ |
国際価格 (バリエーション価格ごと) | × | × | ○ |
スタータープラン
スタータープラン(旧Shopify Lite)は、月額5ドルでShopifyの商品販売機能(カート機能)を利用できるプランです。
ネットショップを構築することはできませんが、Webサイトやブログ、SNSなどと連携して、他の媒体上で商品の販売することができます。
Shopifyは途中でプランを変更することができるので、まずはスタータープランでミニマムにネット販売をスタートすることもオススメです。
ですが、最小限の機能しか利用することができず、ログイン可能なスタッフアカウント数も1名までなので注意してください。
Shopify Plus
Shopify Plusは、月額利用料が2,000ドル以上のエンタープライズ(大規模事業者)向けプランです。
Shopifyの通常プランとは違い、以下のことが可能になります。
- チェックアウトページのコード編集が可能
- Launchpad(キャンペーンや新作商品の公開を予約)
- Script Editor(複雑なディスカウントの設定)
- Shopify Flow(ユーザーへの自動タグ付けや通知の設定)
- Transporter(他のプラットフォームから一括でデータを移行)
- Bulk Account Invite Sender(顧客へのパスワード設定メールを一斉送信)
- 専任のShopifyマネージャーが手厚くサポート
- Shopify POS Proを無料で利用可能
- ロケーションは20箇所まで登録可能
- スタッフアカウント数が無制限
- APIの使用制限がなくなる
- 卸売業者向けのサイトを構築できる
- 最大10サイトの運営が可能
- 決済手数料が低い
Shopify Plusは、チェックアウトページのコード編集や、Shopify Plus専用のアプリを使用することができます。その他にも通常プランで制限されているAPIの使用などが可能です。
ですが、必ずしもShopify Plusを利用すればいい結果が得られるというわけではありません。
Shopify Plusの利用を検討する方は、まずは以下の記事を確認してください。その上で自身に最適なプランだと感じた方は、Shopify Plusパートナーに相談することをオススメします。
誰でも理解できる!Shopify Plusのすべてを丁寧に解説
Shopifyのメリット
ここまでShopifyの機能について解説してきましたが、次はShopifyを利用するメリットをご紹介します。
Shopifyを利用するメリットは以下の通りです。
- 決済手数料が安い
- 入金サイクルが早い
- サーバーが無料で強い
- 簡単なチェックアウト
- 越境ECにチャレンジしやすい
- カスタマイズ性が高い
- SEOに強い
決済手数料が安い
Shopifyは、決済手数料が他のECプラットフォームと比べてかなり安くなっています。
Shopifyペイメントを利用する場合は、取引手数料は発生せず、売上入金の際に振込手数料も必要ないため、トータルとしてさらに安くなります。
入金サイクルが早い
入金サイクルとは売上が販売事業者の銀行口座に振り込まれるまでの期間です。
Shopifyの場合、入金サイクルは最短で5日後、最長で10日後です。他のECプラットフォームでは、 月末締め翌月末払い(30~60日後)のものがほとんどです。
以下の記事では、Shopifyで利用する決済サービスの入金サイクルについて詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
Shopifyのココがすごい!手数料と入金サイクルをわかりやすく解説
サーバーが無料で強い
Shopifyは自社でサーバーを準備する必要がなく、Shopifyのサーバーを無料で利用することができます。
Shopifyのサーバーは、稼働率が99.8%とかなり安定性があり、365日24時間体制で監視されているので、万が一トラブルが発生したとしてもすぐに通知を受け取ることができます。
また、Shopifyのサーバーは帯域幅とトランザクションに制限がないため、1分間に1万件の注文を処理することができます。そのため瞬間的にアクセスが急増加したとしても、サーバーダウンすることはありません。
簡単なチェックアウト
Shopifyは一度商品を購入することで、クレジットカード情報や配送先住所を暗号化して安全に保存することができます。
そのため2度目以降の決済時には、保存された決済情報が自動で入力され、煩わしい決済情報の入力をすることなく決済することが可能です。
また、Shopifyには動的チェックアウトボタンという数クリックで決済ができる機能があります。
動的チェックアウトボタンは、Amazon PayやGoogle Pay、Shop Payなど、特定の決済サービスを導入することで利用が可能になります。
越境EC(海外ユーザー向けの商品販売)にチャレンジしやすい
越境ECとは、ネットショップで国を越えて海外のユーザーに商品を販売することです。
国内ユーザーに向けた商品販売とは異なり、言語や通貨の設定など様々な設定が必要になります。ですが、Shopifyは誰でも簡単に海外のユーザー向けに商品を販売することができます。
越境ECサイトの運営において、Shopifyを利用するメリットは主に以下の4つです。
- 多言語/多通貨に対応できる
- 様々な決済サービスの導入が可能
- 国ごとの配送料や税率の設定が簡単
- 様々な販売チャネルを追加できる
- どこの国からのアクセスでも表示速度が速い
最近ではShopify Marketsという越境ECサイトの運営をより簡単にする機能が発表されました。
Shopifyで越境ECサイトを構築しようと考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
カスタマイズ性が高い
Shopifyには多くのテーマ(デザインテンプレート)が存在し、ノーコードでデザインを編集することができますが、コードを編集して更に細部までこだわったオリジナルデザインのストアを構築することができます。
またコーディングができない方でも、外部のパートナーに委託したり、ページビルダー(ノーコードのデザインツール)のShopifyアプリを活用することで、簡単にオリジナルデザインのストアを構築できます。
SEOに強い
ネットショップ運営において、最も多くの人が苦戦することが「集客」です。特に長期的に安定した集客を行うためには、SEO対策が大切になります。
SEO対策とは
SEO(Search Engine Optimization)対策とは「検索エンジン最適化」と言われ、主にユーザーがGoogle(検索エンジン)で検索した時に、あなたのサイトが検索結果の上位に表示されるように対策すること。
ShopifyはSEO対策が行いやすく、ページごとに「メタディスクリプション」や「タグ」の設定、画像のaltタグ(代替テキスト)の設定が可能です。
また、重複したコンテンツが検索結果に表示されないようにする「canonicalタグ」の自動生成など、あらかじめSEO対策が行われています。
Shopifyのデメリット
Shopifyを利用するメリットはたくさんありますが、一方でデメリットもあります。
Shopifyのデメリットは以下の通りです。
- 日本語の情報が少ない
- 日本にローカライズされていない
- 多少のコード編集が必要
- 固定費がかかる
- 網羅的に理解するのに時間がかかる
日本語の情報が少ない
Shopifyのデメリットとして特によく言われるのが、まだまだ日本語の情報が少ないことです。
管理画面や基本的な機能は日本語で利用することができますが、Shopifyアプリやテーマなどは英語仕様のものが多く、そのほとんどは日本語に対応していません。
またShopifyの開発情報など、複雑な情報を調べる際は英語での情報収集が必要になります。
カスタマーサポートも日本国内では混み合っていることが多く、早々に返事をもらいたい質問がある場合は、海外スタッフとの英語でのコミュニケーションが必要になります。
日本にローカライズされていない
Shopifyを利用する中で、日本にローカライズされていないと感じる箇所がいくつか見えてきます。
例えば会員登録機能を利用する場合、住所や氏名の入力欄が海外の標準になっているため、顧客は姓と名の順番を逆で入力することになります。
このような入力項目は事前に編集する必要があります。
またShopifyは代金引換に対応しておらず、チェックアウト時に代引き手数料を加算することができません。
Shopify Plus以外のプランではチェックアウト画面を編集することができないため、コード編集などで代引き手数料のオプションを加えることもできません。
同じようにチェックアウト画面に配送日時指定の項目がないので、コード編集や専用のShopifyアプリを活用して、カート画面に配送日時指定のオプションを追加することになります。
多少のコード編集が必要
コード編集を行わない方でも、先ほどご紹介した氏名の入力項目を逆転させるなど、多少のコード編集は必要になります。
他にもShopifyアプリの種類によっては、コードの埋め込みが必要なものなども多くあります。
コードの編集方法は様々な記事で紹介されているので簡単に行うことができますが、コード編集に慣れていない方には少し複雑に感じるかもしれません。
固定費がかかる
Shopifyは月額33ドル(年払いの場合、月額25ドル)から利用することができます。スタータープランに関しては月額5ドルで利用することができます。
Shopifyの月額だけだと安く利用することができますが、ネットショップを運営する中でShopifyアプリがいくつか必要になってきます。
各アプリの月額利用料も加算されていくので、Shopifyを始める際は、固定費を多く見積もることをオススメします。
網羅的に理解するのに時間がかかる
本記事の冒頭でも言いましたが、Shopifyには多数のShopifyアプリやテーマ、APIがあり、網羅的に理解するためにはかなりの学習時間が必要になります。
また、ネットショップの運営や運用型広告のノウハウ、SEOの知識など様々な事を理解する必要があります。
そのため、まずは自身の事業に必要な知識から学び、またShopifyパートナー(Shopify運営を支援する企業)などの協力を得ながら進めていくことをオススメします。
他のECサービスとの比較
Shopifyの他にもネットショップで商品を販売する方法はたくさんあります。
ではShopifyは、Amazonのような大手のモール型ECサイトや、BASE・STORESといった国内のECプラットフォームとどのような違いがあるのでしょうか。
次は、他のECサービスとの比較を解説します。
ShopifyとAmazon(モール型ECサイト)の違い
Shopifyは「Amazonキラー」としてメディアで紹介されることが多々ありますが、実際は将来的に競合する可能性があっても現時点で直接的な競合関係ではありません。
むしろ海外ではShopifyとAmazonを連携して、両方で商品を販売することができます。
Shopifyは自社のネットショップを構築するECプラットフォームです。一方でAmazonは「Amazon」というネット上のショッピングモールに商品を出品するモール型ECサイトです。
販売事業者から見ても「マーケットプレイス(モール型サイト)」と「ECプラットフォーム」というビジネスモデルの違いがあり、販売方法が大きく異なります。
例えば、Amazonに商品を出品する事業者は、Amazonのブランド力によって集客される顧客に商品を販売するので、自身で集客を行う必要はありません。
ですがShopifyで商品を販売する事業者は、サイトを構築するだけではなく、自身でSNSや広告媒体を活用して集客を行う必要があります。
また、それぞれ販売手数料や顧客情報の取得など異なる点が多くあり、事業の成長戦略も変わってきます。
ShopifyとAmazonのそれぞれの特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【Amazon VS Shopify】EC市場の現状を徹底解説
Shopify・BASE・STORESの比較
テレビCMでもよく見かけるBASEやSTORESも、Shopifyと同じECプラットフォームです。
Amazonのようなモール型ECサイトとは違い、自身でECサイトを構築して商品を販売するという意味では類似サービスと言えます。
ですが、これら3つのサービスには様々な違いや特徴があります。
Shopify | BASE | STORES | |
---|---|---|---|
月額費用 | スタータープラン:5ドル ベーシック:33ドル スタンダード:92ドル プレミアム:399ドル | スタンダード:0円 グロース:5,980円 | フリー:0円 スタンダード:2,178円 |
取引手数料 | 0円 (Shopifyペイメント利用) | スタンダード:3% グロース:0% | 0円 |
決済手数料 | スタータープラン:5% ベーシック:3.4% スタンダード:3.3% プレミアム:3.25% | スタンダード:3.6%+40円 グロース:2.9% | フリー:5% スタンダード:3.6% |
振り込み手数料 | 0円 | 2万円未満:750円 2万円以上:250円 | 1万円未満:550円 1万円以上:275円 |
入金サイクル | 毎週金曜日に入金 | 振込申請から10営業日 | 月末締め翌月末払い |
利用可能な決済手段 | クレジットカード、キャリア決済、コンビニ決済、銀行振込、代金引換 | クレジットカード、キャリア決済、コンビニ決済、銀行振込 | クレジットカード、キャリア決済、コンビニ決済、銀行振込、代金引換 |
テンプレート数 | 無料:18種類 有料:100種類以上(非公式のものを含む) | 無料:11種類 有料:100種類以上 | 48種類 |
コード編集 | ○ | ○ | × |
アプリ(拡張機能) | ○ | ○ | ○ |
ブログ機能 | ○ | ○ | ○ |
SNSの連携 | Facebook, Instagram, Twitter, Pinterest, TikTok, LINE | Facebook, Instagram, Twitter, LINE, Ameba | Facebook, Instagram, Twitter, WEAR, note, LINE |
メルマガ | ○ | ○ | ○ |
レビュー機能 | ○ | ○ | ○ |
カゴ落ち対策 | ○ | × | × |
ディスカウント機能 | クーポン、ディスカウント、ギフトカード | クーポン、ディスカウント | クーポン、ディスカウント |
Google Analyticsの連携 | ○ | ○ | ○ |
配送サービス | ○ | ○ | ○ |
多言語対応 | 50言語 | 英語 | 英語 |
多通貨対応 | ○ | × | × |
モール | Amazon, 楽天, Shop | Pay ID | × |
月額利用料や決済手数料も違いますが、機能の拡張性やデザインの自由度という面では大きく異なります。
個人で小さくネット販売を始めてみる場合は、BASEやSTORESから初め、事業を拡大していく中でShopifyに切り替えることをオススメします。
これら3つのECプラットフォーム比較についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を合わせてご覧ください。
2022年最新!Shopify・BASE・STORESを徹底比較【ネットショップ運営者必見】
Shopifyパートナーや外注について
ここまで本記事を読み進めていただいた方は、かなりShopifyについて理解できたと思います。
もうお腹いっぱいという声も聞こえてきそうですが、Shopifyを使いこなすためには、本記事でご紹介している内容を実際に取り組んでいく必要があります。
これらのことを全て自社で取り組むのはとても大変だと思います。そんな販売事業者を支援する仕組みが「Shopifyパートナープログラム」です。
Shopifyパートナープログラムとは
Shopifyパートナープログラムとは、Shopify公認のパートナー企業があなたのストア構築や運営を支援してくれる仕組みです。
Shopifyパートナーは、販売事業者のストア構築を代行したり、テーマの制作やアプリを開発することで、Shopifyから報酬(レベニューシェア)を受け取ります。
販売事業者は、Shopifyを自社だけで0から始めるのではなく、ストア構築やコンサルティングをShopifyパートナーに委託することで、効率良く、且つ正しくShopifyを使いこなすことができます。
Shopifyストア構築の外注費用の相場
Shopifyのストア構築を外注する場合の構築費用は、ストアの規模や依頼する企業によって異なります。
またストア構築といっても、コード編集が必要なのか、商品数はどのくらいあるのか、オリジナルのアプリ開発は必要なのかなど、要件によって費用も大幅に変動します。
なのであくまでも目安になりますが、Shopifyでのストア構築を外注する際は、以下の相場を参考にしてください。
30-100万円 | 100-300万円 | 300-1,500万円 | |
---|---|---|---|
概要 | 基本機能のみで追加開発なし | コードを編集してオリジナルのストアを構築 | 大規模なストア構築(他ECサイトからの大型リプレイスなど) |
また、Shopifyパートナーの中でも、Shopifyから特別に実績を認められた企業やフリーランスは、Shopifyエキスパートとして認定されます。
Shopifyエキスパートは、Shopifyの審査を通過した信頼性の高いパートナー企業なので、依頼するパートナーを選ぶ際は、Shopifyエキスパートであるかなども一つの判断材料になります。
Shopifyを学習するためのおすすめ本
ここまで読んだ方は、Shopifyについて理解できたと思います。
次にご紹介するShopify関連の本も読むと、Shopifyについて更に詳しくなるので、Shopifyについてもっと深く知りたい方は、以下の本も参考にしてください。
用途に分けて、以下の3つの本をご紹介します。
- いちばんやさしいShopifyの教本
- Shopify運用大全
- エンジニアのためのShopify開発バイブル
いちばんやさしいShopifyの教本
いちばんやさしいShopifyの教本(いちやさShopify)は、「EC担当者として業務を任された」「ネットショップってどうやって始めるの?」と困っている方に、まず一番最初に手に取ってもらいたい本です。
本書は、Shopifyを熟知したShopify公認パートナーが執筆した、最短で挫折することなく効率的にShopifyを学べる書籍です。
Shopifyの管理画面の写真付きで、操作方法をわかりやすく丁寧に説明しているので、初めての方にはとてもオススメです。
Shopify運用大全
Shopify運用大全も、Shopify公認パートナーが執筆した書籍です。
いちやさShopifyよりも玄人向けで、「EC運営全体の解説」「グロースハック」など、幅広く且つ直接的に運営に役立つ情報が詰まっています。
Shopifyでネットショップを構築した後に出てくる課題(マーケティングやオペレーションなど)に対する情報も細かく説明されているのでオススメです。
エンジニアのためのShopify開発バイブル
エンジニアのためのShopify開発バイブルは、上場企業のフィードフォースグループが執筆したShopifyエンジニアのための書籍です。
小手先のノウハウではなく、Shopifyのコアな機能や考え方について詳細に説明されており、Shopify開発の技術力をつけたい方には必須の書籍です。
ですが、豊富な経験を持つエンジニアが、Shopifyをカスタマイズする際に熟読する書籍なので、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
【最後に】実際にネットショップを構築しよう!
今回はShopifyについて徹底的に解説しました。ここまでお疲れ様でした!
これであなたもShopifyについてかなり理解できたと思います。次は、これらの知識を持って実際にネットショップを構築していきます。
以下の記事では、Shopifyに登録してからネットショップを公開するまでに必要な手順をご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ショップ公開までに行う7つの設定!Shopifyの使い方完全ガイド
またショピナビコンサルチームでは、Shopifyのストア構築やマーケティング支援(集客支援、サイト改善)を行っています。
Shopify運営でお困りの方は、以下のリンクからお気軽にご相談ください。