すぐ理解できる!Shopify Plusでできることを丁寧に解説
この記事の所要時間:7分
Shopifyには通常の3プラン(ベーシック、スタンダード、プレミアム)の他に、Shopify Plusというエンタープライズ(取引量が多いストアや大企業)向けのプランが存在します。
Shopify Plusは月額利用料が2,000ドル以上なので、通常のプランと比べると圧倒的に高額なプランになっています。
ですが、日本国内でのShopify Plusの活用事例はまだまだ少ないため、「Shopify Plusは通常プランと何が違うの?」と疑問を持っている方も多くいると思います。
そこで今回は、そんなShopify Plusについてわかりやすく徹底解説します。
本記事を読めば、Shopify Plusと通常プランの違いを理解することができます。
目次
「Shopify Plusと通常プランの違い」まとめ
Shopify Plusには通常プランで使用できない機能がたくさんあります。
本記事では、そんなShopify Plusで使用できる機能や通常プランとの違いを解説しますが、まず最初に通常プランとの違いを一覧でご紹介します。
Shopify Plusを使用するメリットは、以下のとおりです。
- チェックアウトページのコード編集が可能
- Launchpad(キャンペーンや新作商品の公開を予約)
- Script Editor(複雑なディスカウントの設定)
- Shopify Flow(ユーザーへの自動タグ付けや通知の設定)
- Transporter(他のプラットフォームから一括でデータを移行)
- Bulk Account Invite Sender(顧客へのパスワード設定メールを一斉送信)
- 専任のShopifyマネージャーが手厚くサポート
- Shopify POS Proを無料で利用できる
- ロケーションは20箇所まで登録可能
- スタッフアカウント数が無制限
- APIの使用制限がなくなる
- 卸売業者向けのサイトを構築できる
- 最大10サイトの運営が可能
- 決済手数料が低い
では、順に解説していきます。
Shopify Plusについて
Shopify Plusの料金は月額2,000ドルです。通常のプランでは利用できない様々な機能を利用することができます。
Shopify Plusの概要について他のプランと比較すると以下のような違いがあります。
Shopify Plus | ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 2,000ドル | 33ドル | 92ドル | 399ドル |
スタッフアカウント数 | 無制限 | 2 | 5 | 15 |
国内のクレジットカード手数料 | 3.15% | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外のクレジットカード手数料 | 3.75% | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
Shopifyペイメント以外の手数料 | 0.15% | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
※Shopify Plusの契約は12ヶ月からとなります。
※Shopify Plusの月額料金は、月商80万ドルを超えると、売上の0.25%従量課金になります。
Shopify Plusは決済手数料が他のプランよりも安くなります。スタッフアカウントの数も制限がないため、多くのスタッフでネットショップを管理する場合でも、人数制限なくShopifyにログインすることができます。
チェックアウトの編集でできること
通常の3プランでは、チェックアウトページのコード編集ができませんが、Shopify Plusではチェックアウトページのコード編集が可能です。
チェックアウトページの編集ができることにより、以下の操作が可能になります。
- チェックアウト画面のレイアウト変更
- 配送先の国によって表示する画面の変更
- 日時指定や定期オプションの追加
- 代引き手数料の表示
- Google Tag Managerを設置し、チェックアウトまでを分析
- 複雑な割引の適用
このようにチェックアウト画面を編集することで、様々な機能が利用可能になります。
ですがチェックアウト画面にバグが発生すると大きな損失となるので、コード編集は慎重に行うようにしてください。
Shopify Plusでのみ利用可能なアプリ
Shopify Plusでしか利用できないアプリが複数あり、それぞれ無料で利用することができます。
これらのアプリを利用すると、ネットショップ運営の業務効率化や自動化が可能になるので、人件費の削減や事業の更なる成長に繋がります。
ここではShopify Plusでしか利用できない5つのアプリについてご紹介します。
Launchpad
Launchpadは、割引キャンペーンや新商品のリリースなどのスケジュールを設定することができるアプリです。
指定した時間に自動的にキャンペーンがスタートするので、越境ECの運営などで時差があっても担当者が公開時にボタンをクリックする必要がなくなります。
商品価格の変更、新商品の公開、テーマのカスタマイズ、割引の適用などを時間指定して実行することができます。
Script Editor
Script Editorは、複雑な条件のディスカウントを設定するなど、スクリプトを編集することができるアプリです。
以下の3タイプのカスタマイズが可能になります。
・項目スクリプト
1つ購入で10%OFF、2つ購入で20%OFFのような複雑な割引を行います。割合と定額によるディスカウント、またはその両方を組み合わせたディスカウントが可能です。
・決済スクリプト
決済サービスの変更や自動選択など決済周りのスクリプトを編集します。特定の商品購入に対して決済時に決済方法を限定することが可能です。
・配送スクリプト
配送方法や価格の変更、表示の設定などができます。VIPやサブスクリプションのユーザーの送料無料など配送周りの設定が可能です。
Shopify Flow
Shopify Flowは、ストア内の様々な業務を自動化するアプリです。
例えば、商品の在庫が少なくなった時や一定金額以上の購入があった場合に、メールやSlackに通知することができます。
他にも複数回商品を購入したユーザーに、クーポンを配信したり、自動でタグ付けして管理することができます。
複雑な設定やコード編集は必要なく、100種類近具あるテンプレートから使用するものを選択して設定することができます。
また、Shopify Flowは2022年夏頃からスタンダードプラン以上で利用ができるようになりました。
Shopify Flowについては、以下の記事で詳しく解説しています。
あらゆる業務を自動化できるShopify Flowの使い方を丁寧に解説
Transporter
Transporterは、他のECプラットフォームの顧客・商品・注文のデータをShopifyに移行できるアプリです。
既存システムのデータをCSVファイルに変換し、Shopifyに移行します。
通常はエラーを抑制するためにデータを複数のCSVファイルに分割して取り込みますが、Transporterは一括で大量のデータを取り込むことができます。
また進行状況がGUIで確認できるので、エラーを特定することも可能です。
Bulk Account Invite Sender
Bulk Account Invite Senderは、他のECプラットフォームからShopifyに移行した際に、顧客にパスワード再設定の通知を一括送信することができます。
Shopifyでは、Transporterなどのアプリを使用して顧客データを他のプラットフォームから移行することができますが、顧客アカウントのパスワードは移行できません。そのためBulk Account Invite Senderが必要になります。
細かいセグメント設定などもでき、顧客に合わせた内容のメッセージをカスタマイズして送信することも可能です。
その他のShopify Plusの魅力
手厚いサポート
Shopify Plusでは専任のサポートを受けることができます。ショップを公開するまではローンチマネージャー(エンジニア)が付き、公開後にはアカウントマネージャーがつきます。
あなたのショップに対して必要なアプリの提案や事業戦略など、さまざまなサポートを受けることができます。
Shopify POS Proの無料使用が可能
実店舗を持つマーチャントは、通常は月額89ドルかかるShopify POS Proを無料で使用することができます。
Shopify POSを使用することでネットショップと実店舗の在庫管理や売上データなどを統合管理することが可能です。
また、Shopify Plusは実店舗(ロケーション)を20箇所まで登録することができるので、配送、在庫管理、売上管理の点でとても使い勝手が良くなります。
Shopify Plus専用のAPIが利用可能
Shopifyの通常プランでは使用できるAPIが制限されていますが、Shopify Plus専用のAPIが使用可能になります。
例えば、Multipass APIを使用したsingle sign-on and userが使用可能になり、自社の会員システムとの連携が可能になるので、ユーザーは別サイトにあるログイン情報を使用してShopifyストアにログインすることができます。
他にも「Discounts」「Gift cards」「Product Recommendations」などのAPIの呼び出しが可能になります。
卸事業者向け販売が可能
Shopify Plusでは、Wholesale Channelを利用することで、ショップにパスワードを設定し、事業者ごとに別の卸価格で商品を販売することができます。また、事業者ごとに最低発注数量や最低価格を設定することも可能です。
再注文が簡単にできる設定やグループごとに異なる割引の適用、外部のソフトウェアとの同期なども可能です。
複数のストア構築が可能
構築したショップ以外に追加料金なしで9つまで別ストアを立ち上げることができ、合計で10サイトを使い分けることができます。
そのため、越境ECサイトを運営する場合でも、国ごとにドメインを切り替えてローカライズしたり、卸売専用のストアを別で構築することなどが可能になります。
【最後に】Shopify Plus Partnerに相談
Shopify Plusはエンタープライズ向けのプランというだけでなく、様々な機能やカスタマイズが可能になります。
魅力的で今すぐ使用したい機能もたくさんあったと思いますが、Shopify Plusは月額利用料が高く、12ヶ月間からの契約になるので、まずはShopify Plus Partnerに相談してみてください。