Shopifyマーチャント必見!ECサイトで話題のNFTを販売する方法を解説
この記事の所要時間:7分
あなたは「NFT」をご存じでしょうか?
NFTとは、非代替性トークンと呼ばれ、ブロックチェーン上に記録される代替不可能なデータ単位です。
このNFTを関連づけたデジタルアートの「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」という作品が75億円で落札されたなど、近年話題となっています。
その多くがNFT専用のマーケットプレイスで販売されており、販売者側はブランディングが困難とされています。
そんな中、ブランディングされたECサイトでNFTが販売されていたら、消費者は興味のある作品を容易に探し出すことができるでしょう。
Shopifyはそれを可能にします。
この記事では、ShopifyとNFTの関係、そして販売方法を解説します。NFTの販売に興味がある方はぜひ参考にしてください。
NFTとは
NFTについて
NFTとは、「Non Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略称で、一般的に「非代替性トークン」と呼ばれています。
NFTは、アートやビデオ、音楽など、複製可能なあらゆるデジタルコンテンツを唯一無二の資産にすることができます。
一般的に暗号通貨を使用してオンラインで売買され、暗号通貨と同じくブロックチェーン技術が採用されています。
NFTは、デジタルアート作品を売買する方法として人気が高まっているため、知名度が上がっています。NFTの市場規模は、2021年で410億ドルという驚異的なものでした。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは、システムの変更、ハッキング、不正行為を困難または不可能にする方法で情報を記録するシステムです。
ブロックチェーンは、基本的に、ブロックチェーン上のコンピュータシステムのネットワーク全体に複製され、分散された取引のデジタル台帳とされています。
チェーンの各ブロックには多数の取引が含まれており、ブロックチェーン上で新たな取引が発生するたびに、その取引の記録がすべての参加者の台帳に追加されます。
複数の参加者が管理する分散型データベースは、分散型台帳技術(DLT)と呼ばれます。ブロックチェーンはDLTの一種で、取引はハッシュと呼ばれる不変の暗号署名で記録されます。
NFTと暗号資産の関係
物理的なお金と暗号通貨は、互いに取引や交換が可能です。
1円は1円の価値があり、別の1円玉に交換することが可能です。ビットコインも同じく、常に価値が等価であるため代替可能です。
暗号化された通貨は互換性があるため、ブロックチェーン上で取引を行うための手段として信頼されています。
対してNFTはデジタル署名を利用しているため、NFT同士を交換したり等価にすることは不可能です。
ShopifyとNFT
通常NFTは、マーケットプレイスで販売されます。マーケットプレイスは、ユーザーが二次マーケットでNFTを購入あるいは販売できる場所です。
以下はNFTを購入・販売できる一部のマーケットプレイスです。
- OpenSea
- Rarible
- Foundation
- Nifty Gateway
- SuperRare
- VIV3
- Magic Eden
マーケットプレイスは、出品したNFTを差別化する方法はほとんどなく、ブランディングや分析、顧客管理においてできることは制限されます。
ShopifyストアでNFTを販売することで、マーケットプレイスで懸念されている問題を解消することが可能です。
Shopifyでは、通常の商品を出品するのと変わりなくNFTを販売することができ、ブランディングや分析、顧客管理すべてをShopifyの機能で行うことができます。
ShopifyでNFTを販売する際に利用できる機能に、トークンゲートコマースというサービスがあります。
トークンゲートコマースとは、NFTの保有者に対して商品、特典、体験へのアクセスを可能にするアクセス制限です。
Shopifyのトークンゲートアプリパートナーを利用することで、NFTとスマート契約を選択し、アクセス可能なコンテンツを選ぶことができます。
ユーザーが暗号通貨ウォレットにNFTを所有している場合、アプリパートナーは制限されたコンテンツへのアクセスをユーザーに許可します。
トークンゲートコマースを使用することで以下のメリットを得ることができます。
- Shopifyストアの限定アクセス権
- 新しいNFTリリースにアクセスできるNFT所有権
- AirDropの要件となるNFTの所有権
- トークンゲートを使用するShopifyの他ストアとのコラボレーションの可能性
- コミュニティエンゲージメントチャネルへの限定アクセス権
トークンゲートのアプリパートナーは、以下のリンクから確認してください。
ShopifyでNFTを販売する方法
NFTを販売する方法は、通常以下の手順になります。
- 仮想通貨ウォレットを作成
- NFTマーケットでアカウント作成
- NFTマーケットにNFTをアップロード
では、NFTマーケットではないShopifyではどのようにしてNFTを販売するのか、わかりやすく解説します。
まず、ShopifyでNFTを販売するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- NFTを販売するストアの拠点がアメリカである
- Shopify Plusの契約
- ShopifyのNFT Betaプログラムに参加している
- ストアがクレジットカード決済に対応している
- ストアが暗号通貨(仮想通貨)の代替決済方法に対応している
NFTを販売するストアの拠点がアメリカである
現在のNFT販売条件では、ストアの拠点によるNFT販売の制限が設けられています。現状日本を拠点とするストアでは、NFTの販売はできません。
NFTをShopifyで販売したい場合は、拠点をアメリカに置いたストアを作成する必要があります。
Shopify Plusの契約
Shopifyには、5種類のプランが存在します。
- スタータープラン
- ベーシックプラン
- スタンダードプラン
- プレミアムプラン
- Shopify Plus
Shopifyの各プランについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
あなたにあったプランがわかる!Shopifyの料金プランと機能を比較
■スタータープラン
月額5ドルの最も安価なプランであるスタータープランは、SNSに最適化されたプランです。
サイトを構築する手間と費用を無くし、ビジネスを立ち上げてすぐにオンライン販売ができる環境を作りたい場合には最適なプランです。
■ベーシックプラン
月額33ドル(年払いの場合、月額25ドル)から利用できるプランで、基本的な機能は一通り使用することができます。
上位プランと異なる点はスタッフのアカウント数と在庫のロケーション数が少ないことです。
これからShopifyでネットショップを始める場合は、ベーシックプランからスタートし、必要に応じてアップグレードするのが好ましいでしょう。
■スタンダードプラン
月額92ドル(年払いの場合、月額69ドル)から利用できるプランで、ベーシックプランに比べスタッフのアカウント数を5人まで追加することができます。
少し規模が大きくなり、管理スタッフを増やしたい際にスタンダードプランにアップグレードします。また決済手数料なども安く抑えることができます。
■プレミアムプラン
月額399ドル(年払いの場合、月額299ドル)から利用できるプランで、Shopifyの全機能が使用できるプランです。
ストアの月商が5,000万円ほどの規模になるとプレミアムプランに移行するのが好ましいでしょう。
■Shopify Puls
Shopify Plusは、月額利用料が2,000ドル以上で、利用できるエンタープライズ(大規模事業者)向けのプランです。
通常プランの機能はもちろん、その他にも様々な機能や専用アプリ、APIを利用することができます。
NFTの販売にはShopify Plusを契約する必要があります。アメリカ拠点のストア作成と併せてShopify Plusも契約しましょう。
ShopifyのNFT Betaプログラムに参加している
拠点をアメリカに置き、Shopify Pulsを利用するマーチャントは、NFT Betaプログラムに参加することができます。
Shopify NFT Betaプログラムの申し込み画面から、「Apply now」のボタンをクリックし、リクエストフォームの記入を行うと申請が送付できます。
ストアがクレジットカード決済に対応している
無事にShopify NFT Betaプログラムの申請が受理されれば、クレジットカード決済サービスを選択しましょう。
Shopifyには、Shopifyペイメントというクレジットカード決済サービスがあります。
Shopifyペイメントは、販売する通貨と異なる通貨での利用が可能です。Shopifyストアの管理画面から簡単に設定できるので、こちらを利用しましょう。
ストアが暗号通貨(仮想通貨)の代替決済方法に対応している
決済サービスの代替決済方法を選択すると、仮想通貨で購入が可能になります。
暗号通貨(仮想通貨)の代替決済サービスは以下の通りです。
- crypto.com
- Coinbase Commerce
- BitPay
- DePay
- OpenNode
- Strike
代替決済方法を選択しなければ、NFT作品を販売することができません。上記のサービスの中から1つ以上選択してください。
これで、ShopifyでNFTを販売する条件を全て満たしました。通常のShopifyで商品を販売するように、NFTを販売することができます。
【最後に】ShopifyからNFTを販売しよう
今回はShopifyでNFTを販売する方法について解説しました。
最後に、ShopifyでNFTを販売するメリットをもう一度おさらいしましょう。
NFTを購入・販売する場所は、ほとんどがマーケットプレイスです。マーケットプレイスではブランディングが難しく、データの分析や管理もできません。
Shopifyを利用することで、ブランディングされたストアからNFTを販売することができ、Shopifyの基本機能によるデータ分析や様々な情報の管理が可能になります。
現在、ShopifyでNFTを販売するための条件に「ストアの拠点がアメリカであること」とありますが、Shopify公式ページで「NFT Betaプログラムのアメリカ以外の国への拡大に向けて取り組んでいます。」と記述があります。
ストアの拠点に制限が無くなれば、NFTの販売におけるハードルが下がり、多くのストアからNFTの販売が開始されると予想されます。
また、現時点でShopify Plusの契約が必要なので、最低でも月額2,000ドルの費用がかかります。
ショピナビはShopifyに関する幅広い情報やノウハウを有しています。ShopifyでのNFT販売について、今後も情報を更新していくので、ぜひチェックしてください。