2023.10.02
【OMO導入事例10選】成功のための3つのポイントを紹介!
本記事では、OMO導入に関する成功事例と失敗事例を紹介します。またOMO導入を成功に導くためのポイントも解説しています。これからOMOを導入しようと検討している担当者は、ぜひ記事を最後まで読んでいただき、自社のOMO導入の参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 国内・海外のOMO導入事例
- 国内のOMO導入事例
- OMOの成功ポイント
OMOとは?
OMOとは、オンラインとオフラインを意識せず顧客体験を構築するマーケティング手法のことです。英語の「Online Merges with Offline」を略した言葉で、日本語では「オンラインとオフラインの統合」という意味を持ちます。
たとえば、実店舗で靴を選びスマートフォンで決済した場合、商品情報がお客様IDと紐づけられます。すると購入情報を元に、お客様へセールの案内メールを送るなどのアプローチが可能になるのです。
なお、OMOについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてお読みください。
関連記事:OMOとは?O2Oやオムニチャネルとの違いも含めてわかりやすく解説
国内のOMO導入事例5選
国内でOMOの導入に成功した事例は以下の通りです。
- 1.サントリー「TOUCH-AND-GO COFFEE」
- 2.ニトリ「LiveCall(ライブコール)を活用したビデオ通話」
- 3.西武・そごう「CHOOSEBASE SHIBUYA」
- 4.BEAMS「顧客カルテ」
- 5.Zoff「Zoff STAFF COLLECTION」
国内の企業は参考になる部分も多いので、ぜひ事前にチェックしておきましょう。ここからは、それぞれの事例について紹介します。
1.サントリー「TOUCH-AND-GO COFFEE」
出典:サントリー
サントリーは「伊右衛門」や「BOSS」などの人気商品を製造している飲料メーカーです。同社には、OMOによって新感覚コーヒーショップ「TOUCH-AND-GO-COFFEE」を実現したという事例があります。
これはLINEを使ってコーヒーを事前注文できるというサービスです。オーダーから決済までスマートフォンで完結できるため、手軽に参加できることが特徴です。オーダーの際は、コーヒーの味やミルクの種類、甘さなどを選べます。
このOMOマーケティングが成功したポイントは、オリジナルラベルにあります。作成したラベルをSNSでシェアしたくなる取り組みを構築することで、より多くのユーザーに拡散してもらうことに成功しました。
2.ニトリ「LiveCall(ライブコール)を活用したビデオ通話」
出典:ニトリ
ニトリは「お、ねだん以上」のキャッチコピーで知られる家具・インテリア用品の会社です。同社ではリフォーム相談をする「ニトリのリフォーム」というサービスを展開し、その中でビデオ通話ができる「LiveCall(ライブコール)」を活用しています。
通常であればショールームは現地まで足を運ぶ必要があります。そこでLiveCallを利用することにより、ショールームが自宅の近くにない顧客でも、自宅の様子を担当者に見せながらリフォーム相談が可能です。
この取り組みによって、オンラインとオフラインの境界をなくし、顧客体験の向上が期待できるようになりました。またユーザーにとってはリフォーム案が定まった状態で来店できるため、気軽に相談できます。
3.西武・そごう「CHOOSEBASE SHIBUYA」
西武・そごうは全国に展開している百貨店で、2021年9月にメディア型アパレルOMOストアとして「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)」をオープンしました。
このショップでは、ユーザーはスマホ上でWebカタログを確認しながら商品をカートに追加したり購入したりできます。これはスマートフォンが店員の役割を果たしており、ユーザーは新しい購買体験を楽しめることが特徴です。
同時立ち上げのECサイトは、一部商品を除き店舗の在庫状況と連携されています。そのため、ECサイトで注文した商品を店頭で受け取ることができます。また、店頭で見て気に入った商品を帰宅後ECサイトで購入することも可能です。
4.BEAMS「顧客カルテ」
出典:BEAMS
BEAMSは衣類や雑貨を扱っているセレクトショップです。BEAMSではOMO導入のため、実店舗とECサイトの顧客データベースを統合し、「個客カルテ」という仕組みを導入しました。
個客カルテとは、各チャネルにおける顧客の行動を一元管理する仕組みです。具体的には、店舗スタッフが動画やブログなどでファッションに関する情報発信を行い、顧客接点を増やしています。さらに店舗以外にも、メルマガ、広告、SNSなどさまざまなツールを用いて顧客接点を拡大し、より良い顧客体験を実現しています。
なお、アパレルECの現状や課題については以下の記事で解説しています。アパレルECについてより詳しく知りたい方は、こちらも合わせてお読みください。
関連記事:アパレルECの現状と課題がわかる!成功させるポイントも解説
5.Zoff「Zoff STAFF COLLECTION」
出典:Zoff
Zoffとは、インターメスティックが運営している眼鏡・アイウェアのストアブランドです。同ブランドでは、OMOの取り組みを強化するためにEC上でのデジタル接客の実現を目指しています。
ECサイトではスタッフの顔写真や商品に対するコメントに加え、顔型や目の位置を表す瞳孔間距離(PD)やパーソナルカラー診断なども取り入れています。ほかにも、顧客が選びやすく買いやすいコンテンツも制作していて、店舗で選ぶような感覚でお気に入りの商品を探すことが可能です。
またZoffhでは店舗スタッフの多様な働き方や活躍の場が広がることに期待していて、今後は1店舗1人以上のインフルエンサーを輩出することを目標にしています。
海外のOMO導入事例5選
国内だけでなく、海外にも成功事例があります。この記事で紹介する成功事例は以下の通りです。
- 1.Amazon「Amazon GO」
- 2.Walmart(ウォルマート)「3つの独自アプリ」
- 3.NIKE「Nike Live」
- 4.平安保険「健康アプリ グッドドクター」
- 5.CODE41 (コード41)「HubSpot」
ここからは、それぞれの事例について紹介します。
1.Amazon「Amazon GO」
出典:Amazon
Amazonは世界的に利用されている大手ECサイトで、アメリカ国内では「Amazon GO」というスーパーが複数店舗展開されています。
このスーパーはAmazonアカウントを持っている人のみが入店可能で、店内に従業員がいないこととレジがないことが大きな特徴です。ユーザーにとっては入店から対店までの動きがスムーズになるため、ストレスなく利用できます。
また運営側にとっては、顧客データ・購買データを取得できるため、今後店舗にどんな商品をどれくらい置けばいいのか予想しやすくなります。さらに従業員が不要なので、人件費を削減できることも大きなメリットです。
このように、Amazon GOの事例は日本国内でも模倣すべき成功事例だと言えます。
2.Walmart(ウォルマート)「3つの独自アプリ」
出典:Walmart
Walmartはアメリカにある世界最大級のスーパーマーケットで、以下のような独自のアプリを提供しています。
- Shopping & Savin
- Savings Catcher
- Savings Catcher
Shopping & Savinとは、オンラインでオーダーすると2日以内に自宅に商品を届けてくれるアプリです。実際に店舗に行かなくても商品を購入できるため、ユーザーの利便性を向上できます。
Savings Catcherとは、他の店舗が同じ商品をウォルマートより安価で販売していた場合、会計後にその分の差額をギフトカードで受け取れるアプリです。このアプリにより、ほかの店舗に流れることを防止できます。
Scan & Goは、無人で商品を購入できるアプリです。購入したい商品のバーコードをアプリで読み込み、無人の専用レジでバーコードを読み取るだけで支払いが完了します。
なおECアプリについては、以下の記事で詳しく解説しています。成功するためのポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:ECアプリとは?アプリ化するメリットやECサイトとの違い、アプリ運用で成功するためのポイントを徹底解説
3.NIKE「Nike Live」
出典:NIKE
NIKEはスポーツウェアやシューズを製造・販売しているブランドです。NIKEでは「Nike Live」というサービスを展開し、店舗周辺のNIKEメンバーから得られる意見や会員データをもとに、その地域の顧客ニーズに合わせた商品や体験を提供しています。こうしたサービスは、顧客満足度の向上とともに、顧客ロイヤリティの育成にもつなげられるでしょう。
ほかにも「Nike Fit」というサービスがあり、自分の足のサイズと幅をデータでアプリ内に保存し、商品選びに活用することが可能です。一度保存すればその後スムーズに商品を購入できるようになるため、リピーター獲得になります。
これらの事例は元々はアメリカのみで行っているものでしたが、2019年には日本にも導入されました。
4.平安保険「健康アプリ グッドドクター」
出典:Bloomberg
平安保険とは中国最大の保険金融グループのひとつで、健康アプリ「グッドドクター」を提供しています。このアプリにより、体調が悪いときや健康に不安があるときにいつでも無料で医師に相談可能です。
また薬が必要な場合は処方箋を発行できたり、診察が必要になったら実際に病院の予約を取ったりすることもできます。さまざまなやり取りをアプリで完結できるため、ユーザーにとっても便利です。
グッドドクターの便利な機能は、顧客の相談内容が病院側に蓄積されていることです。データを参考にすることで顧客のニーズを正確に分析できるようになり、顧客一人ひとりに合わせた保険の提案が可能です。最終的には、顧客の囲い込みにもつながるでしょう。
5.CODE41 (コード41)「HubSpot」
出典:CODE41
CODE41はスイスの新世代時計ブランドで、ECマーケティングにはCRMプラットフォームである「HubSpot」を取り入れ、理想的なCX戦略を実現しました。
たとえばEメールマーケティングでは、営業を目的とする戦略ではなく価値ある情報を届ける教育メインの戦略にシフトしました。顧客に時計や自社ブランドについて詳しく知ってもらうことで、興味関心を高め、顧客ロイヤリティを向上することができます。
こうした取り組みにより、スイスのみならず、フランス、ドイツ、イギリスを中心に40万人の会員が集まるブランドへと成長しました。
Eメールマーケティングは、メルマガを配信して商品ページの入り口を提供することが多いですが、読み物コンテンツを配信することもできます。
OMO導入による失敗事例
国内には成功事例だけでなく、失敗事例も存在します。中でも知っておくべき失敗事例は、以下の2つです。
- セブンイレブン「セブンペイ」
- 東急ストア「スマホアプリ」
これらの失敗事例を参考にすることで、リスク回避につながるでしょう。ここからは、それぞれの事例について解説します。
セブンイレブン「セブンペイ」
出典:セブンイレブン
セブンイレブンは国内大手のコンビニエンスストアで、2020年8月にスマホ決済アプリ「セブンペイ」をリリースしました。ところが、不正利用が相次ぎわずか3カ月で中止しています。
その敗因は、中でも決済関係のシステムは個人情報を扱うためデリケートであるにもかかわらず、システムを作るための開発期間を短くしすぎたことにあります。
被害額は約5500万円に上り、企業は「全ての被害に対して補償を行ってまいります」と表明することとなりました。当時このニュースは大々的に取り上げられ、企業の信用を揺るがす大きな痛手となっています。
東急ストア「スマホアプリ」
出典:東急ストア
東急ストアは東京、神奈川を中心に首都圏で展開しているスーパーマーケットで、過去には専用アプリをリリースしたことがありました。ところがアプリの登録者数が伸びなかったため、現在ではサービスを終了しています。
ダウンロード数が伸びなかった原因は、導入のハードルが高くなりすぎたことです。アプリのダウンロードは面倒だと感じる人が多いので、より多くのユーザーに利用してもらうにはそうした心情を汲み取ってあげることが大切です。
ただ東急ストアは失敗後にシフトチェンジを行っており、多くの人が使っているLINEを活用することで登録者数を伸ばしました。
OMOの成功ポイント3つ
OMOを導入して成功させるには、以下3つのポイントを意識することが大切です。
- 1.一貫した顧客体験の提供
- 2.顧客データベースの反映
- 3.顧客の悩みを解消
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
1.一貫した顧客体験の提供
OMOマーケティングを導入する際は、オンライン・オフラインで一貫した顧客体験を提供することが重要です。
そのためには、オンライン上のデータをオフラインでも活用し、安定した顧客体験を提供するよう心がけましょう。そしてデータベースの構築以外にも「データを有効活用するための仕組みづくり」が必要です。
たとえば、店舗で購入したサイズがECサイトにも反映されれば、ユーザーが自分にあう商品を探しやすくなります。
このように、ユーザーにとってはオンライン・オフラインともにひとつのサービスです。設計する際は、ユーザー視点に立って考える必要があります。
2.顧客データベースの反映
オンラインの取り組みは顧客情報を集めやすいというメリットがあるため、獲得した情報をデータベースにまとめてオフラインに反映させることが大事です。
セブン&アイ・ホールディングスでは、顧客がよく使うセブン-イレブンの情報から、引っ越しの有無を判別するという手法を取り入れています。ユーザーが近々引っ越しすると判断した場合は、引っ越し先の百貨店やスーパーを紹介し、グループ全体の売上を高めることに成功しています。
このように、顧客データベースを反映することでユーザーの囲い込みができるようになります。競合へ流れにくくなるので、安定した売上を確保できるでしょう。
3.顧客の悩みを解消
OMOマーケティングでは、顧客の悩みを解消することも大切です。顧客の悩み(ペインポイント)は、新たな取り組みを思いつくきっかけになります。
たとえば、マクドナルドではファーストフードにもかかわらず混雑時は行列ができるという悩みがありました。そこでその悩みを解決するために開発されたのがモバイルオーダーです。モバイルオーダーにより、ユーザーはほとんど並ばずに商品を受け取れるようになりました。
こうした悩みを表面化するためには、実際に顧客にインタビューやアンケートを実施すると効果的です。直接対話することで、現状感じている不満や疑問点などを明確に理解できるようになります。
OMOの成功事例をもとに自社の売上アップにつなげよう
OMOを導入することでオンライン・オフラインをつなげたサービスをユーザーに提供できるようになります。OMOマーケティングで成功するための大切なポイントは、一貫したサービスを提供することです。そのためには、データを有効活用するための仕組みづくりを行いましょう。
もしOMO導入について疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社はECサイト制作や運用代行を得意としており、マーケティング戦略立案を行っています。お客様企業の事業に合わせたソリューション提案もいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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