2024.05.30
ECサイト運営とは?業務内容から必要なスキルや費用を解説
ECサイトの新規立ち上げを担当することになった場合や、初めてECサイト担当になった場合など、運営方法がわからずに困る場合があると思います。
本記事では、ECサイト運営の具体的な業務内容や、スムーズに業務を行うためのポイントをご紹介します。
この記事でわかること
- ECサイト運営に必要な業務
- ECサイト運営に必要なスキル
- ECサイト運営をスムーズに行うためのポイント
目次
ECサイトの運営とは|業務は主に2つに分けられる
ECサイトの運営においては、商品販売のための業務である「フロントエンド業務」と、販売活動を管理する業務である「バックエンド業務」の2つがあります。
この2つがそれぞれどのような業務を指すのかを解説します
フロントエンド業務
フロントエンド業務の目的は集客やサイト上での購入を促すことです。
具体的には下記5つの業務があります。
- 商品企画
- 仕入れ
- ECサイト制作・管理
- 商品撮影
- マーケティング
フロントエンド業務で集客や購入促進を実現しなければ、売り上げを伸ばしていくことはできません。
バックエンド業務
バックエンド業務の目的はECサイトの運営や成長を支えることです。
具体的には下記5つの業務があります。
- 商品情報登録
- 受注管理
- 在庫管理
- 梱包や発送などの出荷業務
- アフターサービス
ミスを減らしつつ、顧客満足度を上げていくことがバックエンド業務のカギといえます。
たとえば、ECサイトの取引量が増えてくるとミスも増えやすくなるので、バックエンド業務にシステムを導入してミスを未然に防ぐといった対策も必要になるでしょう。
ECサイト運営に必要な業務内容の詳細
ECサイト運営に必要な業務としては下記があります。
以降、それぞれの業務について詳しく解説します。
商品企画
ECサイトでの利益の創出には、商品を売ることが大前提です。
そのためには顧客ニーズのリサーチ結果や、トレンドなどを考慮して、売れる商品を企画・検討する必要があります。
商品そのものの企画に加えて、顧客の印象に残るパッケージデザインやコピーライティング、仕様上のアピールポイントを検討することも重要です。
また、商品の原価率や利益率の計算に基づいた、具体的な販売計画の立案も商品企画業務の1つです。
仕入れ
販売計画に基づき、商品の仕入れをおこないます。
在庫が多すぎるとロスを生み、少なすぎると機会損失に繋がります。
生産数や在庫数を適切に調整し、過去の販売実績や今後の販売計画に基づいて在庫を確保することが重要です。
現在はSNSでの「バズり」によって、急に商品が大量に売れてしまうこともあります。
そのような場合に備えて、仕入れ先を複数確保するなど、クイックに在庫を確保できるようにしておくといった対策も必要になります。
ECサイトの制作・管理
ECサイトの制作業務では、自社が売りたい商品に合っており、かつ、顧客が使いやすいデザインを目指すことが重要です。
見た目だけが良くても、ユーザビリティが悪ければ顧客は離脱してしまい、購買にはつながりません。
サイトの管理業務は「撮影」「採寸」「原稿」の頭文字をとった「ささげ業務」から、商品の登録作業など多岐に渡ります。
商品写真、商品説明文は顧客がその商品を購入するかどうかの1番の検討材料になるため、「ささげ業務」は特に重要な業務といえるでしょう。
商品撮影
ECサイトは実店舗と違って実際に商品を見ることができません。
そのため、見やすく鮮明な商品写真は、顧客の満足度が高いECサイトの運営に必要不可欠です。
商品撮影の際には下記6つのポイントに注意しましょう。
- 印象を正確に伝えるために光を調整する
- 実際の商品使用場面を想起させるために、様々なコーディネートを用意する
- 演出には背景や小物を活用する
- 写真の平行感を整え、手ブレを防ぐために三脚を使用する
- サイズ感、素材感が伝わるカットも撮影する
- 必要であれば動画も活用して商品の素材感や使用感を伝える
ECサイトの商品撮影は多くの機材や技術が必要なため、より良い商品画像を撮るためには業者に依頼することも有効な手段となります。
プロモーション・マーケティング
ECサイトのマーケティングはWebを活用することが一般的です。
Webマーケティングには主に5つの手法があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- アフィリエイト広告
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
リスティング広告・ディスプレイ広告は顧客の行動や特性に合わせた広告を表示する方法で即効性はありますが、そのぶん費用がかかります。
ECサイトの立ち上げ初期段階などで、広告に費用が割けない場合は、コンテンツマーケティングやSNSマーケティングに注力する方法もあります。
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受注処理
顧客が商品を購入した後の下記バックエンド作業を指します。
- 注文状況メールの送信
- 在庫の引き当て作業
- 出荷指示
顧客とのやり取りが発生するのに加え、1つのミスから悪い口コミが広がることなどがよくあるため、ミスを起こさないように注意すべき業務です。
受注処理の業務は多岐にわたるため、「なるべく複数の担当者で対応する」、「必要に応じてシステムを導入する」「業者に外注する」といった対策も必要になるでしょう。
在庫管理
在庫の過不足の管理する業務を指します。
販売予測に基づいて、過剰な在庫や品切れが起こらないように適宜調整が必要になるため、経験値が必要な業務です。
実店舗を持っていたり、多くのモール展開をしていたりるECサイトの場合、在庫の管理が難しくなります。
受注処理業務と同様に、必要に応じて、システムの導入や業者への外注も検討する必要があるでしょう。
出荷
出荷指示や情報にもとづいて倉庫から商品を取り出し(ピッキング)、梱包して配送業者に引き渡すまでが、ECサイトの出荷業務となります。
注文から出荷までがスムーズであることに加え、梱包も他社と差をつけるためのポイントです。
特に梱包資材は、配送の安全性や、顧客の手元に届いた際の見た目での印象を左右します。
そのため、コストとのバランスを考えつつ、最適な選定を行う必要があります。
また、商品に一言メッセージを添えるなどの工夫も、企業のイメージアップやリピーター獲得につながる有効な手段と言えます。
配送
配送は外部の配送会社に委託する場合がほとんどのため、配送業者の選定が重要になります。
コスト面だけではなく、ECサイトで扱っている商品のサイズや特性に合った配送方法を使える業者を選ぶ必要があるでしょう。
必要に応じて、1つの配送業者に絞らず、複数の配送業者を使い分けて適切な配送方法を確保することが重要です。
アフターサービス
取引後のクレーム対応や問い合わせ対応や、商品のレビュー投稿の依頼など、アフターサービスの業務は多岐にわたります。
この中でも特に重要なのがクレーム対応です。
ECサイトを運営していると顧客からクレームが来ることもありますが、クレームに対して気持ちの良い対応をすることで、リピーターになってくれる可能性もあります。
顧客の声に真摯に耳を傾けて、迅速で丁寧な対応を行うことが重要です。
ECサイトでは新規顧客の獲得も重要ですが、同時に既存の顧客のケアにも注力することで、強い顧客基盤を作ることが可能になり、売上アップにつながります。
ECサイトの運営が向いている人
下記のような特徴がある人はECサイトの運営に向いていると言えるでしょう。
- 顧客目線に立てる人
- 分析が好きな人
- 柔軟な対応が得意な人
以降、それぞれの特徴について詳しく解説します。
顧客目線に立てる人
顧客に刺さるECサイトや商品を作るためには、顧客目線に立って考えることが不可欠です。
カスタマーサポートにおいても、顧客の気持ちに基づいた対応をしなければクレームに発展しかねません。
上記の理由から、ECサイトの運営担当者は、徹底して顧客に寄り添う姿勢が必要です。
分析が好きな人
ECサイトの運営には様々なデータを分析する必要があります。
販売実績やプロモーション・マーケティングによる効果など、見るべき数字やツールは多岐に渡ります。
このため、自分自身で分析を行い、業務に活かす能力がある人は重宝されるでしょう。
柔軟な対応が得意な人
ECサイトの業務は多岐にわたるため、業務ごとに適切な人員も変わります。
また、ECサイトの立ち上げ当初は一人で複数の業務を担当をするケースも少なくありません。
このため、柔軟に色々な業務に対応できる人はECサイトの運営において活躍できるでしょう。
ECサイトの運営未経験者が特に意識すべきこと
顧客に刺さる商品を作り、ECサイトを運営するには、顧客目線に立つことが重要です。
では、顧客目線を持つためにはどうすればよいのでしょうか。
最も効果的なのは、日用品から趣味のものまで、全てECサイトで購入する習慣をつけることです。
そしてただ単に買うだけではなく「なぜその商品をそのECサイトで購入したのか?」を具体的にメモするようにしましょう。
その内容こそが、ECサイトや商品について、あなたが顧客目線に立って感じたこととなるからです。
さらに、Amazonや楽天、ZOZOTOWNのような有名サイトだけではなく、様々なECサイトでも購入してみることで、さらに幅広い目線を持てるでしょう。
未経験者に限らずECサイト運営者は「顧客目線」を意識すべき
ECサイト運用は流動性の高いビジネスであるため、常に最前線の情報を把握し、知識を得続けなければ流れについていきづらくなります。
ですが、「顧客目線で考えること」や「顧客へのおもてなし」は忘れてはいけません。
このため、日々の業務に追われていても、常にお客様の立場で物事を考え続けることが必要です。
ECサイトの運営に必要な4つのスキル
ECサイト運営に必要なスキルは以下の4つです。
- Webマーケティングスキル
- クリエイティブスキル
- 商品企画スキル
- カスタマーサポートスキル
以降、各スキルの詳細を解説します。
Webマーケティングスキル
主に、下記3つの集客施策を考えるためのスキルを指します。
- SEO対策
- 広告運用
- SNS運用
ECサイト運営には集客施策が欠かせません。
良い商品やデザインに優れたECサイトを準備できても、集客対策ができていなければ、そもそもECサイトへの訪問がなく、 購入もされません。
このため、集客に必要なWEBマーケティングを実施できるようにしましょう。
クリエイティブスキル
ECサイトの制作・運用に必要な、主に下記3つのスキルを指します。
- コーディング(HTML・CSS)
- 商品撮影
- 画像の加工・制作
ECサイトの売上をアップするには、顧客満足度を向上させる必要があります。
上記のスキルは顧客へ商品の詳細や魅力を伝えて、満足度の高い買い物をしていただくために欠かせないスキルです。
商品企画スキル
顧客ニーズの調査や分析、トレンドを考慮したうえで売れる商品を企画するためのスキルを指します。
WEBマーケティングやクリエイティブに注力しても、顧客に刺さる商品を作らなければ売上アップは実現できません。
顧客に刺さる商品があれば、集客施策に多額なコストをかけなくても、優れた商品力で売上をアップすることができるでしょう。
カスタマーサポートスキル
主に、商品の受注前後における問い合わせやクレーム対応を行うスキルです。
ECサイトは実店舗と異なり対面の対応ができない分、顧客目線に立った素早い顧客対応が必要です。
このため、カスタマーサポートスキルは、ECサイト運営で必須なスキルといえます。
ECサイトの構築・運営にかかる費用
ECサイトの構築・運営にかかる費用は、ECサイトの規模や種類によって異なります。
そのため、費用を考える際に重視すべきポイントをご紹介します。
ECサイトの種類によってかかる費用は異なる
まず、ECサイトの構築方法によって大きく費用が変わります。
代表的な構築方法を比較すると下記のようになります。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 | 拡張性 | 製品例 |
---|---|---|---|---|
SNS | 0円 | 0円 | 不可 | Facebook (※ecカートの別途構築が必要) |
海外クラウド | 100万円~ | 25米ドル~(約3,400円〜) ※レートは2023年3月3日のもの | 可能 (一部制限あり) |
shopify |
クラウド | 19万円~ | 5万円~ | 可能 (一部制限あり) |
メルカート |
無料ASP | 0円 | 0円 (手数料は除く) |
可能 (一部制限あり) |
BASE Square |
有料ASP | 問い合わせ | 問い合わせ | 可能 | SalesForce CommerceCloud |
オープンソース | 0円 (制作費等は除く) |
6,800円〜 | 可能 | EC-CUBE |
パッケージ | 問い合わせ | 問い合わせ | 可能 | ecbeing |
フルスクラッチ | 数千万円~ | 数十万円以上 | 可能 | – |
これからECサイトを作る場合、それぞれの構築方法にかかる予算を把握した上で方法を選定する必要があります。
ECサイトの運営ではランニングコストに注意
基本的な構築システム費や人件費以外に、ECサイトの構築から運営までには、主に下記の費用が発生します。
- レンタルサーバー、ホスティング費用
- オープンソースの場合 2,571円/月〜
- ASP、クラウドの場合 月額利用料に含まれる
- 独自ドメインの取得・維持費用・・・1300円〜
- 独自SSLサーバー証明書の取得・維持費用・・・26,400円/年〜
- 決済代行会社の契約料・・・初期費用 0円 決済手数料 3%〜
- Web広告配信費用・・・10万円/月〜
- 物流サービス費用・・・保管料 1坪3,500円〜
これらの費用がランニングコストとして発生することを認識した上で、運営のための予算を組む必要があります。
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まとめ
ECサイト運営の業務内容および、必要なスキルやポイントは多岐にわたります。
業務を遂行するために必要な担当者を自社内で配置することが理想ではありますが、難しい場合には外部サービスの利用や、業者への外注を検討してもよいでしょう。
テクノデジタルではECサイトの構築から運用まで幅広いノウハウ・スキル・実績がございますので、お困りの際はぜひご相談くださいませ。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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