2024.05.09
ECサイトのフロントエンド業務とバックエンド業務とは?違いや仕事内容
ECサイト担当者の中には「バックエンド業務ってなに?」といった疑問がある方もいるのではないでしょうか。ほかにも「フロントエンド業務との違いを知りたい」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、バックエンド業務とフロントエンド業務について詳しく解説します。本記事を読むことで2つの業務の違いがわかり、具体的な内容について理解できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- バックエンド業務とフロントエンド業務の違い
- バックエンド業務の具体的な内容
- フロントエンド業務の具体的な内容
ECサイトの2つの業務内容
ECサイトの業務内容は、大きく分けて「フロントエンド業務」と「バックエンド業務」の2つに分けられます。
フロントエンドとは、ユーザーの目に直接触れる部分に関する業務のことです。一方で、バックエンドはユーザーの目には直接触れない事務的な業務を意味します。
ECサイトのフロントエンド業務とは?
ECサイトのフロントエンド業務(フロント業務)は、大きく分けて集客を行う「マーケティング業務」と、商品企画や仕入れなどを行う「マーチャンダイジング業務」の2つに分けられます。
フロントエンド業務の特徴は、売上に直結する領域であることです。そのため、適切なプロモーションを行って売上と集客につなげることがポイントとなり、専門的な知識や情報収集能力が求められます。
こうした特徴から、EC運営に欠かせない領域であるといっても過言ではないでしょう。ここからは、フロントエンド業務についてより詳しく解説します。
マーケティング業務
マーケティング業務とは、より多くのユーザーに商品やサービスを購入してもらうための戦略を考える業務です。市場調査によってユーザーニーズを深堀し、売上拡大につなげることが求められます。
マーケティング業務の具体的な内容は、以下のように3つに分類できます。
- ECサイトの制作と改善
- ECサイトへの集客
- キャンペーン・販促企画
ここからは、それぞれの業務について解説します。
ECサイトの制作と改善
マーケティング業務では、ユーザーが商品を購入したくなるようなECサイトを目指して制作と改善を行います。
ECサイト改善では、以下のような施策が効果的です。
- サイトのデザイン変更
- 入力フォーム改善
- 返品ポリシーや送料・手数料の明記
- ページの読み込み速度の改善
- カゴ落ち対策
- サイト内検索やレコメンドの精度向上
また、ユーザーが使いやすいECサイトにブラッシュアップしていくには、定期的に効果測定を行う必要があります。具体的な方法として、アクセス解析ツールやヒートマップツールが挙げられます。
このように、ECサイトは公開後も問題点を分析して改善する取り組みが欠かせません。
関連記事:カゴ落ちとは?13個の原因と購入率を劇的に上げる対策
ECサイトへの集客
ECサイトを立ち上げただけでは、アクセスを集めることはできません。そこでマーケティング業務では、サイトの流入を増やすために集客を行います。
そのためにマーケティング業務の担当者は、以下のような施策で流入数を増加させます。
- SEO
- アフィリエイト広告
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS運用・SNS広告
- ブログ運営
- メルマガ
上記のうち、比較的コストをかけずに始められるSEOやブログ運営、SNS運用がおすすめです。ECサイトを立ち上げたばかりで多くの予算を確保できなくても取り組めるでしょう。
一方で、広告出稿はある程度コストがかかる施策です。売上が安定してきたタイミングで実施しないと利益率が下がってしまう可能性があるため、注意しましょう。
ECサイトのブログ運営については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ECサイトのブログ運営は必要?メリットや書き方のコツ
キャンペーン・販促企画
販売促進のための施策を検討することも、マーケティング業務の1つです。販促やキャンペーン企画の例として、以下の施策が挙げられます。
- 送料無料キャンペーン
- ポイント制度・会員制度
- クーポン発行
- 期間限定商品
- レビューキャンペーン
販促企画やキャンペーンを実施する際のポイントは、利益率や顧客の反応などを必ず確認することです。
ECサイトの販促施策については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
関連記事:ECサイトの販促施策目的別37選!成功させるためのポイントも
マーチャンダイジング業務
マーチャンダイジング業務とは、商品販売に関わる業務全般を意味します。ユーザーニーズを満たした商品を届けるために必要な戦略を立てるのが目的です。
具体的な業務内容については、以下のように3つあります。
- 商品の企画
- 商品の仕入れ
- 商品の価格調整や商品の入れ替え
ここからは、それぞれの業務について詳しく解説します。
商品の企画
商品企画は、ECサイトの方向性を決めたり、売上に直結したりする分野です。そのため、マーチャンダイジング業務の中でも重要な業務だと言えます。
商品企画は競合優位性になる傾向があるため、市場調査や顧客ニーズの分析が必須です。また、ヒット商品を生み出すには、常にアイデアを探求する姿勢が求められます。
ユーザーニーズを満たす魅力的な商品企画にするには、ユーザーからのフィードバックやアンケートを取り入れて商品改良を行ったり、オリジナル商品のメーカータイアップによる開発を行ったりする必要があるでしょう。
商品の仕入れ
商品の仕入れも、マーチャンダイジング業務の1つです。
商品仕入れでは、商品の売れ行きや販売予測数、現在の市場のトレンドなどを加味して仕入れ数を調整する必要があります。そのためには、在庫切れや在庫過多にならないよう適正在庫をキープすることが重要です。
また、必要に応じて仕入れ先を変更するなど、柔軟な対応が求められます。
商品の価格調整や商品の入れ替え
商品の価格調整や商品の入れ替えも、マーチャンダイジング業務に含まれます。
たとえば、過剰在庫が発生したり、季節商品が余りそうになったりした際は、価格を下げて売り切るなどの施策を行います。ほかにも、消費税率が変更になったり、セールを実施したりする際に、適切な価格変更を行うのもマーチャンダイジング業務です。
マーチャンダイジング業務においては、利益の現況や市場の動向をキャッチアップし、臨機応変に対応することが重要です。
ECサイトのバックエンド業務とは?
ECサイトのバックエンド業務とは、ECサイトの安定的な運営をサポートするものです。
売上には直結しない業務が多いものの、対応できないと機会損失や売上ロスにつながる恐れがあるため、重要な業務です。担当者には、情報収集能力や情報処理能力が求められます。
業務においては顧客対応や管理業務全般を任されるため、物流や商品について幅広い知識が必要です。人材教育のためにも、以下の業務について知っておきましょう。
ここからは、それぞれの業務について解説します。
商品情報登録・管理
バックエンド業務では、商品を管理するために商品の名称や価格、サイズ、スペックなどの詳細情報を登録します。ほかにも、以下の情報登録が必要です。
- JANコード
- 販売日時
- 商品カラー
上記の情報は、ユーザーが購入するかどうかを判断する重要な情報です。登録や管理の際は、間違えないようにしましょう。
情報登録が完了したら、ささげ業務を行います。ささげ業務とは、以下の業務の頭文字を取ったものです。
ささげ業務 | 内容 |
---|---|
撮影 | 商品の写真を撮影する |
採寸 | 商品サイズを図る |
原稿作成 | 商品説明などの原稿を作成する |
これらの業務は、商品の見え方を大きく左右します。商品の魅力を引き出せるように意識することが重要です。
受注処理・受注管理
商品が注文すると発生する受注処理や決済処理、受注数の管理をすることも、バックエンド業務の1つです。受注処理では、以下の手順で業務が行われます。
- 注文状況のメール送信:注文内容を確認し、注文状況を顧客に通知
- 在庫の引き当て作業:注文された商品の在庫を確認し、引き当てる
- 出荷指示:出荷担当者への出荷指示
受注処理や受注管理を行う際のポイントは、正確かつ素早く対応することです。出荷の速さや正確さがあれば、顧客満足度向上を期待できます。
在庫管理
ECサイトの在庫管理では、入庫・検品・保管・棚卸しなどの業務を行います。具体的な在庫管理業務は、以下の通りです。
- 仕入れ時の在庫数の確認
- 仕入れ時の商品状態のチェック・検品
- 注文や発送後の在庫数の更新
- 棚卸し時の在庫数の誤差確認
在庫管理では、機会ロスや売上ロスを防ぐために適正在庫をキープすることがポイントです。そのためには、在庫数から販売予測を立てるなどの取り組みが重要になります。
ただし、取り扱い商品が数千・数万単位であったり、複数のECモールへ出品していたりする場合は、在庫管理が複雑になります。また、実店舗も並行して運営している場合も管理が難しくなるため、在庫管理システムの導入がおすすめです。
出荷管理・配送
商品の注文処理後から発送までに発生する、以下の業務もバックエンド業務に含まれます。
- ピッキング
- 検品
- 配送伝票や納品書の作成
- 梱包
- 配送業者へ渡す
- 発送連絡
顧客満足度を維持するためには、商品のピッキングと梱包をする際に出荷指示の内容と相違がないか確認し、確実に商品を発送することが大切です。中身が間違っていたり梱包が雑だったりすると、ユーザーからの印象が悪くなってしまいます。
ほかにも、緩衝材をしっかり詰めたり、メッセージカードのような同梱物を入れたりなど、工夫をすることで満足度向上を狙えます。
アフターサービス・カスタマーサポート
バックエンド業務には、アフターサービスやカスタマーサポートも含まれます。具体的には、以下のような業務が含まれます。
- 顧客からの問い合わせ対応
- 返品対応
- クレーム対応
クレーム対応や不良品の返品は不満のあるユーザーに対応する業務ですが、次第では好印象を受ける可能性があります。あらかじめ対応フローを決めて迅速に対応することがポイントです。
ほかにも、レビューを依頼したり購入者にメルマガを送付したりするなど、アフターフォローも欠かさず行うことが重要です。顧客満足度の向上につながり、リピート率向上を狙えるでしょう。
総合管理業務
ECサイトにおける総合管理業務とは、お金やサイトシステム、人事など幅広い業務が求められる業務です。
具体的には、以下のような業務があります。
ここからは、それぞれの業務について解説します。
売上・人件費・アクセス数などの各種数値管理
ECサイト運営で発生する各種数値の管理も、バックエンドの重要な業務です。ECサイト運営では、売上や人件費、アクセス数などの数値を管理することで、運営方針が決まります。
外部サービスやツールの検討・活用
ECサイト運営では、外部サービスやツールの検討をするのもバックエンド業務の1つです。
ECサイトの業務は多岐にわたり、専門性が高い業務も多いです。もし企業内で知見を持つ人がいない場合は、ツールの導入や外注を検討しましょう。
不具合対応や業務効率化などの検討
バックエンド業務では、ECサイトを運営する中で発生したサイトの不具合や、業務フロー改善なども行います。
ECサイトの現状を把握するには、幅広い知見が求められるため、未経験者には難しいこともあるでしょう。状況に応じて外注やコンサルティングを活用しながら改善を進めることが必要です。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
フロントエンド業務はユーザーの目に直接触れる領域に対応するのに対し、バックエンド業務ではユーザーの目には直接触れない事務的な業務を担当します。どちらもECサイト運営には欠かせない業務であるため、役割を理解して進めることが重要です。
もしECフロントエンド業務やバックエンド業務についてお悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築からリリース後のサポートまで幅広く対応しています。ぜひお気軽にご連絡ください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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