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ECサイトのブログ運営は必要?メリットや書き方のコツ

ECサイトのブログ運営は必要?

ECサイト担当者の中には「ECサイトでブログ運用をする重要性は何?」と疑問がある方もいるのではないでしょうか。ほかにも、「ECサイトのブログ運営のコツを知りたい」と考えている方もいるかもしれません。


本記事では、ECサイトにブログ運営が必要かどうかについて解説します。また、ブログを立ち上げる方法やECサイトのブログのコツについても触れていきます。本記事を読むことで、ブログ運用の重要性がわかり、準備を始められるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • ECサイトでブログ運営をする重要性
  • ECサイトでブログ運営をするメリット
  • ECサイトのブログの書き方・コツ

ECサイトでブログ運営をする目的と重要性

ECサイトでブログ運営をする目的と重要性

ECサイト向けの施策としてブログ運営を取り入れる目的は、「集客数の向上」と「ブランディング」の2つが挙げられます。


ECサイトの流入は、一般的に商品の検索やサイト名の検索がメインです。そこでブログ運営を始めることでECサイトへの入り口が増え、集客向上を期待できます。


また、商品ページだけでは伝えきれない商品の魅力を伝えることによって、ブランディングとなり競合サイトとの差別化を図れるでしょう。

このように、ECサイトのブログは非常に重要な役割を持っています。

ECサイトでブログ運営をするメリット

ECサイトでブログ運営をするメリット

ECサイトでブログ運営をするメリットは、以下の通りです。

ここでは、それぞれのメリットについて解説します。

集客力向上につながる

ECサイトでブログ運営をするメリットは、購入意欲が高くないユーザーや情報収集段階のユーザーの流入を期待できることです。


より多くのユーザーに自社のECサイトへ流入してもらえれば、結果的に自社ECサイトやブランドを認知してもらえるでしょう。将来的には購買に繋げられると期待できます。


さらに、ブログコンテンツに共感したユーザーがSNSで拡散する可能性もあります。自社製品に興味を持っているユーザーや相性の良いユーザーに訴求することで、SNSからの流入も期待できるでしょう。

SEOによるドメインパワーの向上

ECサイトでブログ運営をするメリットとして、SEOによるドメインパワーの向上も挙げられます。これはECサイトと同じドメインで運用している場合に当てはまるケースで、ブログ運営でドメインパワーが向上することによって、ECサイト自体のSEOにつながるのです。


もし異なるドメインでブログを運営していても、ECサイトと相互リンクをつなぐ被リンク効果を期待できます。ブログ記事の順位が上がるにつれて、ECサイトの評価も高まるでしょう。


ただし、SEOは即効性のある施策ではないため注意が必要です。SEOによるブログやECサイトへの集客効果が現れるまでには、最低1〜3か月、長くて半年から1年以上かかるでしょう。

低コストで始めやすい

広告やインフルエンサーマーケティングのような集客方法と比較すると、ブログ運営は低コストで始められる手法です。


ECサイトをすでに運営している場合、サービスによっては既存で利用しているシステムの追加機能でブログを始められる場合もあるでしょう。ブログ運営では記事を作成する労力はかかるものの、費用対効果は高いことも魅力です。

ユーザーからの信頼構築

ブログ運営のメリットの一つに、ユーザーからの信頼を構築できるという点があります。

ECサイトには「実際に商品を手に取って確認できない」という課題があり、ユーザーはこうした不安を抱きながら買い物することとなります。ブログで商品の使い方やサイズ感などを詳しく説明することで、商品ページの説明だけでは書ききれない特徴を紹介できるのです。

その結果、購入前の不安やイメージとのギャップを回避でき、購入につながりやすくなるでしょう。

ECサイトのブログを立ち上げる方法

ECサイトのブログを立ち上げる方法

ECサイトのブログを立ち上げる方法は、以下の通りです。

一部のASPカートにはブログを始められる機能もあるので、手軽に始めたい場合におすすめです。集客やSEOを本格的に行う場合は、WordPressでブログを立ち上げ、SEOやマーケティングに強いテーマを利用するといいでしょう。

WordPressを利用する

WordPressの強みは、SEOに強いテーマやプラグインがあることです。そのため、ECサイト自体のドメインパワーが低く検索上位を獲得できていない場合に向いています。


また、同じドメインを利用する場合はドメイン評価が引き継がれるため、ブログを立ち上げてからすぐ上位表示しやすくなることも魅力です。


他にも、カスタマイズが自由で拡張性やデザインに優れており、ECサイトと世界観を合わせられるというメリットがあります。ただし、カスタマイズするにはある程度知識や技術が必要なので、その点はデメリットだと言えるでしょう。


料金は利用形態やプランによって異なりますが、既存のECサイトと同じドメインやサーバーで立ち上げるのであれば費用がかかりません。

ASPカートのブログ機能を活用する

現在利用しているASPカートのブログ機能を活用するのも、ブログ立ち上げの1つの手段です。サービスによっては1クリックや追加料金なしで利用できるものもあるため、手軽にブログ運営を始められるでしょう。

たとえば、Shopifyならアカウントさえあれば管理画面からブログ機能を利用できます。また、BASEには「Blog App」という専用アプリがあり、インストールするだけでブログを始められます。


ASPカートのブログ機能のデメリットは、SEOに最適化されていない可能性があることです。場合によってはカスタマイズ性が低いこともあり、ブランディングに適していなかったり、トンマナを統一できなかったりするでしょう。

ブログサービスを利用して別ドメインで立ち上げる

ECサイトとは別のブログサービスを利用して、完全に別ドメインでブログを立ち上げる方法もあります。有名なブログサービスは、noteやアメーバブログなどです。

中でも、noteではECサイトで販売している商品を、自身のnote上で一覧表示できる「ストア」機能があります。以下のようなプラットフォームを利用しているユーザーであれば、noteと連携が可能です。

  • STORES
  • minne
  • BASE
  • iichi
  • MUUU
  • EC-CUBE
  • カラーミーショップ

ECサイトのブログの書き方

ECサイトのブログの書き方

ECサイトのブログの書き方は、以下のような流れになります。

  1. ペルソナ設定
  2. テーマ設定
  3. キーワード選定
  4. タイトル作成
  5. 記事執筆
  6. 購入導線の追加

ここからは、各ステップについて解説します。

ペルソナ設定

ECサイトでブログを書き始める前に、まずは誰に向けて書くのかのペルソナを決める必要があります。

ペルソナとは、自社のECサイトを利用している典型的なユーザー像のことです。ペルソナ設定では、以下のような属性を具体化していきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成

ペルソナを考える際は、自社商品を購入するユーザーを想定して考えるようにしましょう。ペルソナが一致するようにすることで、自社製品を購入してくれる可能性がある人に向けて発信できます。

テーマ設定

ペルソナを決めたら、次はどのようなテーマで記事を書くのかを決めましょう。テーマ設定をすることでブログ全体のテーマがぶれにくくなります。その結果、何を取り扱うECサイトなのかが読者に伝わりやすくなり、ファンや顧客の獲得につながりやすいです。

ECサイトにおいては、以下のようなテーマを取り扱うといいでしょう。

  • 商品の細かい仕様や特徴
  • 商品を作るまでのストーリーや裏話
  • その商品はどういった使い方ができるのか

テーマを決める際のポイントは、ターゲットユーザーがどのような情報を欲しているのかを考えることです。「商品やECサイトの魅力を伝えられるか?」「読者にとって有益な情報か?」「ユーザーが読んで共感できるか?」などの視点を取り入れてみましょう。

キーワード選定

集客力向上のためにブログを立ち上げる場合は、キーワード選定が重要です。キーワード選定とは、読者がどのようなキーワードで検索して流入するかを予想して選定する手法です。

読者の興味があるキーワードを無料で調べられる代表的なツールとして、以下が挙げられます。

  • Googleキーワードプランナー
  • ラッコキーワード

キーワード選定の際は、メインとなるキーワードに対してユーザーの課題を解決できるような2〜4語程度掛け合わせた複合キーワードを選ぶことがポイントです。


たとえば「秋服」や「誕生日プレゼント」のような単体のキーワードは、競合企業が多いため上位表示が難しいです。そこで複数のキーワードを組み合わせることで、検索数は減りますが、競合が少なく上位表示を目指しやすくなります。


キーワード選定においては、検索窓にカーソルを合わせた際に出てくる「サジェストキーワード」や、検索結果下の「他の人はこちらも検索」といったキーワードを参考に、どのような内容で記事を書くべきか考えてみましょう。


自社で取り扱う商品に関する悩みや課題、ニーズを具体化させたキーワードを狙うことで、購入にもつながりやすくなります。

タイトル作成

キーワードを選定したら、そのキーワードの検索結果を確認してタイトルを決めましょう。現状どのようなサイトが上位表示されているのかを確認することで、ニーズを把握できます。


もしニーズや検索意図に合っていないタイトルを付けると、ユーザーにクリックされず読んでもらえない原因になってしまいます。ユーザーを惹きつけるには、クリックしたくなるようなフレーズや、目を引く数値、関心が高そうなキーワードなどを入れることがポイントです。


なお、ECサイトの場合はタイトルの文字数を28文字〜35文字程度に収めましょう。ECサイトはスマートフォンからの流入が多いため、検索結果でタイトルが何文字表示されるのかを確認しておくと安心です。

記事執筆

タイトルが決まったら、読者のニーズを想像して悩みを解決できるような記事の構成を作成しましょう。

構成を作成する際のポイントは、記事を「導入」「本文」「まとめ」の3つのセクションに分けて考えることです。この構成に当てはめることで、読みやすいブログになります。また、本文を書き始める前に、タイトルと記事内容がマッチするようにある程度流れを考えておくと、読者を裏切らないコンテンツになるでしょう。

本文執筆の際は、PREP法で記載するとわかりやすい文章になります。PREP法とは、以下の頭文字を取って名付けられた技法のことです。

  • Point …要点
  • Reason…理由
  • Example…具体例
  • Point …要点

要点から述べることにより、明確でわかりやすい文章になります。

なお、上記では検索キーワードを取り入れる重要性について説明しましたが、だからといってキーワードを詰め込み過ぎたり、集客のために関係のないキーワードを使用したりするのはやめましょう。


その理由は、検索エンジン側からペナルティ判定され、検索結果にドメイン自体が表示されなくなってしまう恐れがあるからです。また、読者的にもキーワードが詰め込まれただけの記事は読む価値を感じず、かえってイメージダウンになってしまうでしょう。

購入導線の追加

記事の執筆が完了したら、自社商品への購入導線を設置しましょう。

ブログを読んだユーザーは商品への理解や知識が深まり、サイトに信頼感がある状態です。そこで購入導線を設置することで、商品購入や会員登録などのアクションにつながりやすくなります。

商品購入だけでなく、他の記事への導線やメルマガ購読、SNSシェアなどに誘導するのも一つの手段です。

ECサイトのブログのコツ

ECサイトのブログのコツ

ECサイトのブログのコツとして、以下の方法があります。

ここからは、それぞれの方法について解説します。

SNSでの拡散を忘れずに行う

記事を公開したら、必ずX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで拡散しましょう。SNSを利用することにより、効率的に流入を狙うことが可能です。

ブログで記事を公開しても、検索結果にすぐ表示されるわけではありません。それは、検索エンジンのクローラーがURLを検知し、インデックスするまでに出るまではある程度時間がかかるからです。


さらにSEO観点と集客の観点から、SNSではハッシュタグやライブコマース機能、ショッピング機能をフル活用して流入増加を狙うことが重要です。

また、会員向けのメルマガでも発信することで、ブログ記事からのさらなる集客効果が期待できるでしょう。

ECサイトと同一ドメインで運用する

ECサイトでブログ運営を行うコツとして、ECサイトと同一ドメインで運用することも挙げられます。その理由は、検索エンジンのクローラーがすでに検知しているドメインを利用することで、立ち上がりが早くなるからです。


とはいえ、新規ドメインにもメリットがないとは言いきれません。新規ドメインには、より専門的なSEOを行ったり検索結果で自社ECサイトと自社ブログの2つが表示されたりするメリットがあります。


どちらにするかは、戦略的に選ぶ必要があります。ただ、最終的な目標は自社ECサイトの上位表示やユーザーへの認知拡大なので、既存のECサイトと同じドメインを利用するのがいいでしょう。

定期的なリライトを実施する

ブログを公開するだけではなく、公開後に再度内容を編集するリライトを行うことも重要です。近年の検索エンジンでは情報の更新性や正確性が重視されつつあり、古い情報を掲載したコンテンツは検索上位に表示されにくいからです。


こうした特徴から、新商品が年に何回も出るジャンルや、季節によってニーズが変動するジャンルの場合は、その都度記事を更新する方がいいでしょう。

また、ヒートマップツールの活用も効果的です。ヒートマップツールにより、読者がどこで離脱しているのか、どこを熟読しているのかがわかるため、記事の改善につながります。

無料で使えるツールには「Microsoft Clarity」があり、知識がなくても数分で簡単に設定できるのでおすすめです。

取り扱う商品と同じ分野の記事を書く

集客目的のブログであれば、商品や関連分野に関する知識を記載することがコツです。自社の専門知識を活用することで、ユーザーの製品理解を深め、関心を持ってもらえるでしょう。


たとえば、化粧品を扱っているなら、化粧品に関する悩みを解決するようなコンテンツが向いています。

企業が集客のためにブログを運営する際は、日記のような感想のブログだけにならないよう注意しましょう。

購入への導線を主張しすぎない

ブログを書く際は、商品購入への導線を主張しすぎないように注意しましょう。ブログは読者に有益な情報を届け、ファンになってもらうことが主な目的だからです。


ブログ運営は、あくまで情報発信をメインの役割と考え、購入導線や販促は控えめにすることがポイントです。あまり宣伝の色が強いブログだと読者は離脱してしまい、イメージダウンにつながるおそれもあるでしょう。

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

ECサイトの集客施策としてブログ運営は効果的です。低コストで始めやすく、ユーザーからの信頼を獲得できるといったさまざまなメリットがあります。


ブログを立ち上げて記事をかく際は、ペルソナやテーマを設定しておくことがポイントです。また、投稿時にSNSによる拡散も忘れずに行いましょう。


もしブログ運営について悩みや疑問がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築や運営をはじめ、各種Webメディアの運営サポートを行っています。ぜひお気軽にご連絡ください


投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。