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システム開発

2024.03.15

WPFとは?UWPとの違いや将来性をわかりやすく解説

WPFとは?UWPとの違いや将来性をわかりやすく解説

突然ですが、みなさんはWPFというものをご存知でしょうか。WPFとはMicrosoft社が開発したGUI開発ライブラリです。しかし、IT分野に詳しくない方からすれば何のために使用するのか、またどのような強みがあるのか今ひとつよくわからない存在でしょう。


そこで、本記事ではWPFとは何か、基礎となる知識や将来性について紹介します。また、WPFの優れている点や使用環境、UWPとの違いなども解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • WPFの基本知識
  • WPFの使用環境
  • WPFとUWPの相違点
  • WPFの今後
  • WPFの強み

WPFとは

WPFとは

WPFことWindows Presentation Foundationとは、.NET Frameworkに含まれるGUI開発ライブラリのことです。GUIはGraphical User Interfaceの略で、コンピューターへの指示をユーザーが画面上で視覚的に捉え、行動を指定できるものを指します。基本的には、アプリケーションの画面を作るための技術という認識で問題ありません。

WPFを使用すれば、ボタンやテキストボックスなど、コントロールを使ったWindowsアプリケーションの作成ができます。

WPFを使用する環境

WPFを使用する環境

WPFは、すべての環境で使用できるわけではありません。以下、WPFが使用できる環境の一覧になります。

  • .NET Framework
  • Visual Studio
  • C#

それぞれどのような環境なのか、順番にみていきましょう。

.NET Framework

.NET Frameworkとは、2002年にMicrosoft社からリリースされたソフトウェアの開発フレームワークのことです。主にWindows系のアプリケーションや、Webサービスなどの開発に使用されています。

Visual BasicやC#など、多数のプログラミング言語をサポートしているのが特徴です。そのため、別の言語を使って設計された機器やソフトウェアと連携しやすく、限られた言語しか使用できない方も高度なソフトウェアを開発できます。

また、プログラミング初心者でもコードが書きやすいため、効率的な開発が実現できる点も強みです。スピード感が求められる開発現場では、とくに重宝される開発フレームワークといえるでしょう。

Visual Studio

Visual Studioとは、Microsoft社が開発しているIDEです。IDEとは総合開発環境のことで、ソフトウェア開発に必要なさまざまなツールがまとめられています。

Visual Studioの最大の特徴はコードの作成から編集、動作チェックまで実施できる圧倒的な機能性です。開発に必要なツールがすべて統合されているため、各機能を連携させることもできます。その便利さは何ができるかより、何ができないかを探した方が早いといわれるほどです。

また、多数の拡張機能が用意されているため、カスタマイズの自由度も高く、作業効率の向上も期待できます。複数のプログラミング言語にも対応しており、幅広い開発ニーズにも応えられるでしょう。

C#

C#とは、Microsoft社が開発したプログラミング言語です。JavaやC++など、世界的にもメジャーな言語と同じくオブジェクト指向を採用しています。ただし、CやC++とは別の言語であり、互換性はありません。

C#はC++とJavaをもとに作られた経緯があり、両方の言語の良いところを持ち合わせているのが特徴です。そのため、Javaを理解している方にとって習得がしやすい言語といえるでしょう。

また、汎用性の高さもC#の強みです。Windowsのデスクトップアプリをはじめ、Webアプリやスマホアプリ、Unityでのゲーム開発などに利用されています。これからプログラミングを学ぶ方はもちろん、開発者として活躍している方にとって習得のメリットは大きいです。

WPFとUWPの違い

WPFとUWPの違い

WPFと混同されがちなプラットフォームが、UWPです。どちらもWindows向けのアプリやシステムの開発に活用されますが、それぞれ詳細は異なっています。具体的にどのような点が違うのか、順番にチェックしていきましょう。

ターゲットデバイス

まず、WPFとUWPはターゲットデバイスが異なります。UWPはWindows 10、および10以降のバージョンで動作するためのアプリや、システムを制作するためのフレームワークのため、Windows 7をはじめとする古いOSでは利用できません。

一方のWPFは、使用する.NETのフレームワークバージョンによってターゲットのバージョンを調節できます。そのため、旧式の.NETフレームワークを使用すれば、古いOSにも対応可能です。

UI

WPFとUWPは、UIも違います。UIとはUser Interfaceの略で、ユーザーとコンピューターの間で情報をやり取りするために用いられるさまざまな機器や入力装置のことです。具体的なUIの例として、キーボードやマウスなどのデバイス、画面に表示される入力フォームやボタンなどの要素が挙げられます。

WPFではUIデザインのプリセットが用意されていますが、OSのスタイルとは違った見た目をしているのが特徴です。一方のUWPはそもそもWindows 10、および10以降のバージョン向けのフレームワークのため、標準で用意されているXAMLコントロールはOSに準拠しており、OSのUIとの統一性があります。

公開方法

WPFとUWPは、開発したアプリの公開方法も異なります。WPFで開発したアプリの場合は、ビルドした実行形式のファイルをそのまま配布することが可能です。

一方、UWPで開発したアプリの場合は、原則Windowsストア経由での配布となります。もし開発したUWPアプリがMicrosoft社の審査を通過しなければ、Windowsストアに掲載されることはありません。

手軽に利用できるアプリを制作したい場合はWPF、アプリを有料で公開したい場合はUWPを使用した方が良いでしょう。

WPFの将来性

WPFの将来性

Windowsデスクトップアプリケーションの開発技術は、現状ではマイナーな存在です。現在はWebとモバイルの全盛期であり、Windowsデスクトップアプリケーションにあえて資源を新規に投入する理由は少ないといえるでしょう。また、開発手法やアーキテクチャ、フレームワークに関する情報もあまり充実していません。

ただし、Windowsが生き残る限り、WPFの需要は確実に存在します。日本国内における PCのOSシェア率は2024年1月時点でWindowsが71.8%です。そのため、急にWPFが必要なくなることはないでしょう。

もし将来の選択肢を広げるためにWPFの習得を目指すのであれば、WPFとの相性が良好で、かつ需要が高いC#をはじめとするプログラミング言語を一緒に学ぶのをおすすめします。

Windows FormsからWPFへ移行すべきか

Windows FormsからWPFへ移行すべきか

Windows Formsとは、Microsoft社が開発するNET Frameworkに含まれるグラフィカルユーザーインターフェースAPIのことです。モダンな UI のアプリケーションの作成や、大規模アプリケーションの UI の保守性を高めたい場合は、WPFへ移行した方が良いでしょう。

WPFは、Windows Formsの欠点を補う形で開発されています。そのため、現行システムが Windows Forms で開発されてるなら、プラットフォームの移行もスムーズに行えるでしょう。ただし、アプリケーションの規模が小さく、シンプルな UI で良ければWindows Formsのままでも問題ありません。

Windows FormsよりWPFが優れている点

Windows FormsよりWPFが優れている点

WPFは、Windows Formsと比較すると以下のような点で優れています。

  • UIの開発効率
  • 画面描写性能
  • レスポンシブ対応

それぞれどのように優れているのか、詳しくみていきましょう。

UIの開発効率

WPFの主な利点のひとつが、UIの開発効率の高さです。WPFとWindows Formsは、それぞれレイアウトを構築する際の工程が異なります。

まず、Windows FormsはGUI を操作し、自動生成されたプログラムでレイアウトを構築するフレームワークです。一方のWPF は、XAML を通じてテキストベースでレイアウトを構築します。

そのため、類似画面を作る際に、いずれもコピーペーストで作成できますが、WPF はテキストのコピーペーストのため、Windows Formsよりも簡単に作業を行うことが可能です。

画面描画性能

Windows FormsとWPFの誕生時期は4年程度しか変わりませんが、画面の描写性能はWPFの方が優れています。Windows Formsの描画の基盤技術は、CPUに性能を依存しているGDI、またはGDI+です。

一方のWPFは、Direct3Dと呼ばれる3Dグラフィックスを描画するためのAPIを介してグラフィックの描画を行っています。これによってGPUによるハードウェアアクセラレーションが行われるため、CPUの負担を軽減することが可能です。

エンドユーザーのマシンスペックをフルに活かしたい場合は、WPFを利用した方が良いでしょう。

レスポンシブ対応

レスポンシブ対応も、WPFの方が優れているといえるでしょう。レスポンシブ対応とは、ユーザーが閲覧するデバイスの画面サイズに応じて、ページのデザインやレイアウトを最適化して表示させる技術のことです。レスポンシブ対応にすれば、ひとつのファイルでPCにもスマホにも対応できます。

このレスポンシブ対応ですが、Windows Formsは絶対配置が基本のため、現在利用されている高解像度のディスプレイに対応できないケースも少なくありません。一方のWPFは相対位置で記載しているため、フォントサイズやグリッドの見た目、ボタンの見た目などを自由に変更できます。

次にこちらでは、受託開発について、発注のメリット・デメリットや外注先を見つけるポイントを解説します。外部の開発者に依頼する際の参考にぜひご覧ください。

まとめ

まとめ

WPFはWindowsアプリケーションの作成に適したGUI開発ライブラリです。Windows Formsと比較されるケースが多いですが、UIの開発効率や画面描写性能、レスポンシブ対応を重視する場合はWPFを導入した方が良いでしょう。

ただし、現状のWPFはマイナーなスキルという立ち位置です。Windowsがなくならない限り需要はありますが、WPFを学ぶ際は相性の良いC#をはじめとするプログラミング言語も一緒に習得するのをおすすめします。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。