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システム開発

2023.12.27

SIerとは何か?仕事内容やSESとの違いを開発者向けに解説

SIerとは何か?仕事内容やSESとの違いを開発者向けに解説

SIerとは、システム開発を専門に請け負う企業のことをいいます。クライアントの要望に応じて設計・開発・運用・保守・コンサルティングなど幅広く行います。

IT機器や業務用システムを導入したい企業のなかには、ノウハウがなかったり適したエンジニアがいなかったりと、思うように業務を進められないこともあるでしょう。


そんな企業にとってSIerはシステム開発のみならずITベンダーとしても頼れる存在です。今回はSIerの仕事内容やSESとの違いについて解説していきます。

この記事でわかること

  • SIerの仕事内容と種類
  • SESや受託開発との違い
  • SIerに委託するメリットと将来性
  • SIerの選び方

SIerとは

SIerとは

SIer(エスアイヤー)とは、システム開発を請け負うIT企業のことで、正式にはSystem Integrator(システムインテグレーター)といい、略称としてSIerと呼びます。この業界でSIとはシステムインテグレーションの略称であり、システムの開発から運用・保守まで一貫して請け負うサービスや企業を意味します。


SIerは、状況によりシステムベンダーやITベンダーなどと呼ばれることもありますが、SIerは国内でのみ通じる和製英語なので、海外では通じない可能性があることは覚えておきましょう。


SIerの仕事内容

おおまかな仕事内容は、システムの設計や開発、アプリケーション開発、サーバーやデータベースの構築、ホームページの構築、ソフトウエア開発、システムの保守・運用、課題解決に向けたコンサルティングなど多岐にわたります。具体的にはクライアントの要望に応じて細かいところまで対応することがほとんどです。


SIerが扱うプログラミング言語や得意分野は異なるものの、広い意味でいえばシステム開発におけるほぼすべての業務に対応できるといっても良いでしょう。また、複数のSIerが連携して業務を行うケースも多々あり、大手が要件定義・設計工程を行い、下請けが開発・運営をする場合もあります。


たとえば、業務効率が悪いので生産性をアップさせるため、該当業務をシステムで自動化したいといったおおまかな相談があったとします。SIerはその業務を分析して課題を整理して、どんなシステムが必要かをまとめて提案します。その後は設計・開発と順を追って進み、完成後は導入のサポートを経て運用・保守まで担当します。


役割分担が企業で分かれる場合もありますが、こうした一連の流れで進んでいきます。

ほかには、クライアント先に出向き滞在して開発することもあり、SIer企業としての立場や対応可能な規模の違いによって、対応が異なることが特徴です。

SIerの種類

SIerとひと口にいっても企業により種類があります。それぞれの特徴や得意分野を把握しておけば、適切な企業にアウトソーシングできるでしょう。企業によってはさまざまな分野に長けているところもありますが、大まかに分類すると5つの種類に分けることができます。


1つ目はメーカー系で、主にPCメーカーから独立したNECや日立製作所などが挙げられます。親会社やグループ会社の開発がメインなことが特徴です。


2つ目はユーザー系で、一般企業のIT部門が独立したNTTデータなどが挙げられます。異なる業界の企業や親会社の開発を担うことが特徴です。


3つ目ははじめからSI事業を目的とした独立系が挙げられます。親会社を持たず外部事業をメインとしていることが特徴で、大塚商会などが挙げられます。


4つ目は海外をステージに事業展開する外資系があり、Accenture(アクセンチュア)などが代表的です。


5つ目は、業界を問わずコンサルティングを担うコンサル系が挙げられます。主に企画提案や要件定義を得意としており、アクセンチュアなどが代表的な企業です。

SIerとSES・受託開発の違い

SIerとSES・受託開発の違い

SIerと似た言葉にSESがありますが、同じSがついてもサービス内容は異なります。また、SIerは受託開発とよく似た仕組みだと思う方もいると思いますが、こちらもまた異なる解釈となっています。


IT業界では似たような言葉や仕組みであったとしても、全く異なる解釈であることが多いです。ここでは、それぞれの意味や仕組みの違いについて解説していきます。

SESとの違い

SESとはシステムエンジニアサービスの略称で、正式にはエンジニアを企業に派遣して開発・運用・保守を行うサービスです。自社内に専門知識や技術を持つエンジニアを保有していて、これらの人材をクライアントに対して提供することが主な事業内容です。


SIerはシステム開発のすべての工程を請け負い、全体的な構築を担当する際に利用されることが多いのに対し、あくまでも足りないITスキルや人材・労力を提供するサービスである点が大きな違いといえます。


似ている言葉にSEが挙げられますが、これはシステムエンジニアのことで、業務に必要な専門知識を持つ人材のことを指します。対してSESはこうした人材を提供するサービスと言う解釈になります。

受託開発との違い

SIerの業務内容を見る限り、受託開発とよく似た仕組みだと感じた方もいることでしょう。しかし、前者は企業の種類であり後者は契約形態と、そもそも性質の異なるものです。


受託開発は委託を受けて請負契約を結び、契約内容に則って作業を行い、完成後に報酬が発生することがほとんどです。請け負う仕事の規模も大小さまざまで、請け負った会社が単独で対応する傾向があります。


一方でSIerは、受託のほかに自社開発やSESも扱っている企業もあり、全体的な構築を求められる場合の利用が多いです。他社と連携して得意分野だけを提供するケースや、メーカー系、独立系などのように種類によっても内容が異なります。

SIerに委託するメリット

SIerに委託するメリット

システム開発を委託する方法として、SESや受託開発といった選択肢があるにも関わらずSIerを選ぶのはなぜなのでしょうか。ここでは、企業がSIerに委託するメリットをチェックしていきましょう。

自社に開発部門がなくても開発できる

企業によっては社内にIT部門や開発部門がないか、十分なノウハウや経験・知識・人材・環境がないといったところもあります。そのような状態でも開発のすべての工程を任せられるSIerなら、自社が希望する開発をすすめられることが最大のメリットです。


もちろん委託する会社選びは重要ですが、自社が求める分野に強い企業なら安心して任せることができるでしょう。また、開発したい内容をうまくまとめられていないとしても、業務の課題を解決したいといったことが伝われば、課題を分析してどんなシステムを構築すれば良いかを提案してくれます。


委託する際は企業の実績や事業内容を確認し、課題の解決にマッチする企業を選ぶことをおすすめします。

最適なシステムを開発できる

SIerは、ITが導入されていないような状態からでもシステムを構築できることが強みです。そのため、さまざまな要望に沿った開発を実現することができます。委託する側とすれば、業務に最適なシステムを開発してもらえるわけです。


会社にシステムを導入する場合、既存のクラウド型やパッケージ型などを検討する場合もあるでしょう。しかし、すべての既存のものが自社にマッチするとは限らず、使わない機能がある・欲しい機能がないといったミスマッチも考えられます。場合によっては欲しい機能を補うために別でツールを導入するといったこともあるでしょう。


こうしたミスマッチを省き、業務に最適なシステムを開発できることがSIerに依頼するメリットです。

SIerの将来性

SIerの将来性

近年は国をあげてデジタル化を推進する動きがあり、一般企業が成長と生き残りをかける意味でもデジタル化を進めることは大切な要素です。高度なシステムの構築や運用・保守などが求められ、需要も高まっていくでしょう。そのため、SIerが活躍する分野・必要とされるシーンは今後も拡大していくことが予測できます。


業務内容は日進月歩をたどり次々進化していくため、要望に合わせたシステムを構築する以外にも企業の課題を解決することにも貢献するでしょう。また、現在はITエンジニアが不足していることもあり、今後の需要はますます高まると考えられます。


一方でクラウドサービスの普及により、ゼロからシステムを構築する必要性が下がることも考えられます。とはいえ、ITの導入が遅れている企業がまだあることや、十分な人材を確保できていない企業もあることを考えると、十分な将来性があると言って良いでしょう。

SIerの選び方

SIerの選び方

会社のシステム開発を委託する際は、どのSIerに依頼するかが重要なポイントです。ここでは委託先の選び方について解説していきます。システム開発の委託を検討している方はぜひチェックしておきましょう。

どの分野が得意か

ひと口にSIerといっても得意な分野がそれぞれ異なります。たとえば、スマホアプリが得意、ソフトウェア開発に強いなど強みはそれぞれです。自社が希望する分野について精通しているなど、委託先が強い分野が重なるところを選ぶことが重要です。


ただ、社内にIT関連に詳しい人材がいないときはSIerを探すことも大変な作業になります。その場合は、SIerを検索できるサイトや一覧、マッチングサイトなどを利用するのも良い方法です。自社の希望する分野が得意であることのほか、コストや納期などそういった部分も含めて探してみてください。

アフターフォローは充実しているか

システム開発はコストや納期などに目がいきがちですが、導入したあとのアフターフォローがどれだけ充実しているかも外せない要素です。システムは導入してからが最も大事な部分であり、導入したばかりのころはうまく運用できないこともあります。


場合によっては不具合やトラブルが発生することもあるので、どうしてもアフターフォローが必要になります。夜間や休日などでも駆けつけてくれるか、何度でもサポートが受けられるかなど、柔軟な対応があることを基準に候補を絞り込んでみてください。

まとめ

まとめ

今回はシステムのすべての工程にゼロから対応できるSIerについて紹介しました。自社に開発部門がない、ITに詳しい人材がいないという場合でシステムの導入を検討するなら、彼らに委託することも検討してみてください。


企業の種類によって得意分野が異なり、業務内容もそれぞれ違うため、委託する際は事前に企業が強い分野を調べることをおすすめします。また、委託したい分野と委託先の得意分野が合致することが重要なほか、実績や業績などもあわせてチェックしておくと安心して任せることができます。


投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。