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システム開発

2023.10.25

サーバー構築とは?基礎から応用、目的別のサーバー選びと実践的構築手順

サーバー構築とは?基礎知識と種類から考える目的に応じたサーバー選び

システムを動かすにはサーバーが必要です。しかし、サーバーには複数の種類があるため、どのサーバーが適切かお悩みではないでしょうか。

実は、適切ではないサーバーを選んでしまうと、システムの価値は一気に下がってしまうでしょう。なぜならサーバーには、種類によって向いているシステムがあるからです。そこで本記事では、サーバーの基礎知識を深めつつ、目的にあったサーバーについて解説します。

この記事でわかること

  • サーバーについて
  • サーバーの種類と適したシステム
  • サーバー構築を行う際のポイント

サーバー構築の基礎知識

サーバー構築の基礎知識

サーバー構築とは、Webシステムなどを提供する際の土台となるサーバー環境を作ることです。サーバーはシステムやサービスごとに異なるため、複数のシステムやサービスがある場合は、一つひとつ構築していく必要があります。

この章では、サーバー構築について理解を深めるために、はじめにサーバーの基礎知識を解説します。

サーバーとは

サーバーとは、情報が保存されている保管庫です。ネットワークを介して、情報やサービスを別のコンピューターに提供します。ひとくちに「情報」といってもさまざまで、具体例を挙げると以下のとおりです。

  • 顧客情報
  • 社内資料
  • 売り上げ
  • 購入情報
  • レイアウト情報

ユーザーは、これらをサーバーに対してリクエストすることで、サーバーから提供される情報を受け取れます。

ハードウェアとしてのサーバー・ソフトウェアとしてのサーバー

サーバーという名称は、ハードウェアに対してもソフトウェアに対しても用いられます。ハードウェアとしてのサーバーは、それ自体をサーバーとして扱うコンピューターのことです。サーバーコンピューターやサーバーマシンと呼ばれます。

一方、ソフトウェアとしてのサーバーは、サーバー機能を提供しているソフトウェアのことです。サーバーソフトやサーバーウェアと呼ばれます。区別したい場合は、それぞれサーバーコンピューター、サーバーウェアと呼ぶと伝わりやすいでしょう。

ハードウェアとしてのサーバーの種類

ハードウェアとしてのサーバーには、以下のような種類があります。

  • 共用サーバー
  • 専用サーバー
  • クラウドサーバー
  • VPS

この章では、一つひとつ詳しく解説します。

共用サーバー

ひとつのサーバーを複数人で共有して使います。ユーザーは、サーバー貸出業者からサーバーをレンタルしている状態です。そのため、レンタルサーバーとも呼ばれます。

共用サーバーのメリットは、以下のとおりです。

  • 価格が安い
  • 簡単に使い始められる
  • 専門的な知識がほとんどいらない
  • メンテナンスはサーバーの運営会社が行ってくれる

一方、デメリットには以下の内容が挙げられます。

  • サーバーの運営会社に依存してしまう
  • 共有しているほかのユーザーの悪影響を受けやすい
  • サーバーの管理権がないため、好きなアプリケーションをインストールできない

サーバーを用意するスキルや知識はないものの、高パフォーマンスのサーバーが欲しい方におすすめです。

専用サーバー

専用サーバーは、物理サーバーを1台丸ごと専有して使えます。メリットは以下のとおりです。

  • ほかのユーザーの影響を受けない
  • サーバーの管理権が付与されるので、好きなOSを選べたり、好きなアプリケーションをインストールできたりする

一方、デメリットは以下のとおりです。

  • メンテナンスのためのスキルや知識が必要
  • 専有できるうえに、ハイスペックなので価格が高い

サーバー管理に関する知識があり、サーバーを自由にカスタマイズしたい方におすすめです。

クラウドサーバー

クラウドサーバーは、ユーザーそれぞれに仮想のサーバーが提供される仕組みです。仮想サーバーは物理サーバーの上に存在し、ユーザーはネットワーク経由で仮想サーバーにアクセスします。なお、メリットは以下のとおりです。

  • ユーザー一人ひとりが仮想サーバーを持っているため、ほかのユーザーの影響を受けない
  • 仮想サーバーにはユーザーごとに管理権が与えられるため、アプリケーションを自由にインストールできる
  • 使用料は、1日ごと、1時間ごとで区切られるため、工夫次第では料金を抑えられる

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • サーバー運営会社に依存してしまう
  • 時間単価なので、長期的に利用するとコストが高くなることもある

高コストを投じる余裕があり、自由度の高いサーバーを用意してもらいたい方におすすめです。

VPS

VPSとは、仮想専用サーバーの略称です。クラウドサーバーのように物理サーバーの上に仮想サーバーが存在します。その仮想サーバーを、ユーザー一人ひとりに提供し、ユーザーは提供された仮想サーバーを専有して使えるという仕組みです。

メリットとしては以下が挙げられます。

  • 仮想サーバーの管理権を持っているので、自由にカスタマイズできる
  • レンタルサーバーよりもほかのユーザーの影響を受けなくなる

一方でデメリットは以下のとおりです。

  • クラウドサーバーほど拡張性がない
  • サーバーを自分で構築、メンテナンスするスキルが必要になる

高パフォーマンスは求めておらず、コストを抑えたい方におすすめです。


ソフトウェアとしてのサーバーの種類

ソフトウェアとしてのサーバーの種類

ソフトウェアとしてのサーバーの種類には、以下の7種類があります。

  • データベースサーバー
  • Web サーバー
  • アプリケーションサーバー
  • ファイルサーバー
  • メールサーバー
  • DNSサーバー
  • FTPサーバー

データベースサーバー

データベースが搭載されているサーバーです。ユーザーからの要求がくると、データベース内にある適切な情報をユーザーへ提供します。

たとえば、賃貸サイトにアクセスし、家賃6万円以下でオートロックつきの物件を探すとします。このとき、データベースサーバーは、条件に合った賃貸のデータをデータベースのなかから探して、ユーザーに提供しています。なお、これらの情報を管理しているのは、データベース管理システムです。

Web サーバー

ユーザーにWebサイトやブログといったWebページを表示するサーバーです。したがって、Webページを構成している情報が保存されています。

たとえば、テキストが記載されたHTMLファイルやページのレイアウトが記載されているCSSファイル、画像、動画などです。ブログやWebサイトを運営する際、Webサーバーは必要不可欠となります。

アプリケーションサーバー

Webシステムに搭載されたアプリケーションの機能を動かすためのサーバーです。

Webサーバーからのリクエストに応じて、JavaScriptやPHP、Rubyなどのプログラムを実行し、必要なデータを取り出します。取り出したデータは、Webサーバーに送り返します。簡潔に説明すると、プログラミング言語で作られたアプリを動かして、動的コンテンツを作成するサーバーということです。

ファイルサーバー

ファイル共有機能に特化したサーバーです。同じネットワークに接続している人同士でデータを共有、使用します。なお、ファイルサーバーには以下の2種類があります。

  • オンプレミス型:自社にサーバーを設置して管理、運用する
  • クラウド型:クラウドサービス上にサーバーを設置する

昨今、注目を集めているのは、クラウド型ファイルサーバーです。

メールサーバー

メールを送受信するときに使われるサーバーです。厳密には、送信用と受信用でわかれています。送信サーバーはSMTPサーバー、受信サーバーはPOPサーバーやIMAPサーバーと呼ばれるのが一般的です。

メール送信を行う際、SMTPサーバーはDNSサーバーとともに宛先を探し送信します。DNSサーバーは次の節で解説しています。

また、POPサーバーではメールの保管、IMAPサーバーではメールの受信を行います。なお、メールの送受信を行うには、メールサーバーからの承認を得なければいけません。

DNSサーバー

DNSサーバーでは、IPアドレスとドメインが結びつけられます。IPアドレスとは、Web上の媒体の識別番号、現実世界の住所のようなものです。ドメインとは、IPアドレスに名前をつけたもので、Webサイトの名前として扱われます。

DNSサーバーは、IPアドレスをドメインに変換する役割を果たしています。インターネットを利用するうえで欠かせないサーバーです。

FTPサーバー

FTPサーバーは、Webサーバーにファイルを送受信するために用いられるサーバーです。Webサイトを作成するときは、Webサーバーにファイルをアップロードします。その際、ファイルをアップロードするために、用いられるのがFTPサーバーです。

Webサーバーは、ユーザーの要求に応じてファイルを提供するだけです。一方でFTPサーバーの場合、ユーザーはFTPサーバーにファイルをアップロードしたり、反対にFTPサーバーからデータをダウンロードしたりできます。

サーバー構築において重要なポイント

サーバー構築において重要なポイント

サーバー構築において重要なポイントは以下の2点です。

  • 自社での構築の場合
  • 外部委託する場合

自社での構築の場合

自社でサーバーを構築する場合、運用にどのくらいの費用がかかるか把握しておくことが重要です。サーバー構築には、初期費用や運用費用などの高い費用がかかります。加えて、サーバーを設置する場所、人材、設備も必要です。これらのコストをもとに、自社でサーバー構築を行うべきか検討しましょう。

また、実際に自社でサーバーを構築する場合は、目的を明確にしてください。理由は、目的によって最適なサーバーが異なるからです。たとえば、ECサイトのような多くのユーザーの利用が予想されるサイトを運営する場合は、VPSのような高負荷にも耐えられるサーバーが適切です。

外部委託する場合

外部委託する場合も、自社で構築する場合と同様に、サーバー構築を行う目的を明確にしましょう。本記事で紹介したとおり、サーバーには専用サーバーや共用サーバー、VPSといったさまざまなサーバーが存在します。それぞれに長所と短所があるため、できるだけ長所を活かせるようなサーバー選びが重要です。

長所を活かすためには、サーバーを構築したい理由を明確にし、共有する必要があります。たとえば、知識がなくても運用しやすいサーバーが欲しい場合、後々になって専門知識が必要になる専用サーバーは選ぶべきではありません。共用サーバーのような、知識がなくても使えるサーバーが望ましいです。

サーバー構築を含めたITインフラ構築は、ぜひテクノデジタルのエンジニアチームにお任せください。こちらのページでは、当社のITインフラ構築の強みを紹介しています。


まとめ

まとめ

サーバーとは、情報が保存されている保管庫です。ネットワークを介して、情報やサービスをほかのコンピューターに提供するという仕組みです。

また、サーバーにはハードウェアとしてのサーバーとソフトウェアとしてのサーバーが存在します。そのため、適切なサーバーを選ぶためには、サーバー構築を行う目的を明確にすることが重要です。

もし、サーバー選びにお悩みの方は、テクノデジタルまでお問い合わせください。サーバーに関する経験が豊富なスタッフが、ヒアリングから構築まで丁寧にサポートいたします。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。