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システム開発

2023.10.12

IoTとは?読み方や意味・活用事例などをわかりやすく解説

IoTは身の回りでさまざま活用されており、日々の生活に溶け込んでいます。ビジネスの業務効率化や新規事業開発には、ぜひIoTを活用するのがおすすめです。

今回は、IoTとは何か、基本解説からIoTでできることなど、IoTについて詳しく解説します。
また、ICTとの違いや、具体的なIoT活用事例を分野ごとに紹介します。

この記事でわかること

  • IoTとは何か
  • IoTとICTの基本的な違い
  • IoTのできることと具体例
  • IoT分野ごとの活用事例

IoTとは

IoTとは

IoTとは、ひと言でいうと「モノのインターネット」です。まずは、読み方・意味・由来など、基本的な内容を整理しましょう。

読み方

IoTはInternet of Things(インターネット・オブ・シングス)の略で「アイ・オー・ティ」と読みます。

意味

IoTは、モノのインターネットという意味です。「モノ」とは、身の回りにあるインターネットに接続されたあらゆるものを指します。

一般的には、パソコン・スマートフォン・タブレット端末などを指します。しかし、最近では、生活家電のなかにもインターネットに接続されたモノがあります。たとえば、スマート家電はIoTを活用しています。

そのほか、スマートフォンでドア施錠・解錠が可能なスマートロック、体の状態を把握できるウェアラブルデバイスなども挙げられます。

また、スーパーで見かける無人決済機もIoT技術です。最近では、スタッフと完全非対面のコンビニまで登場しています。

由来

IoTという用語は、1999年にケビン・アシュトンが初めて使ったとされています。ケビン・アシュトンはイギリスの技術者で、RFID(※)やそのほかセンサの国際基準を確立した、マサチューセッツ工科大学の共同設立者です。

当初は、RFIDによる商品管理システムをインターネットにたとえたものでしたが、その後のスマートフォンの普及から、インターネット環境全体を指す用語として転用されました。

※無線周波数を介したタグからの識別情報読み取り、およびタグとの通信

IoTとICTの違い

IoTとICTの違い

IoTがあらゆるモノとインターネットで繋がる技術であるのに対し、ICTは、人と人がインターネットでつながる技術です。

ICTとは「information and Communication Technology」の略で、デジタル化された情報通信技術のことです。インターネットを経由して人と人をつなぐ役割をしており、ICTも身近なところで活用されている技術です。

最近では、小中学校でもICT教育が取り入れられています。調べものをするときは、資料集などと並行し、ひとり1台与えられているタブレットやパソコンを使って調べます。

算数の図形問題も平面の教科書に加えて、立体的なアニメーションで説明を受けます。そのほか、提出課題もタブレットで送信し、瞬時にほかの生徒と共有する仕組みを取り入れているなど、数年前と比べて、一気にICT教育は加速しました。

また、医療分野でもICT活用が普及しています。身近なところでは、医師が画面を通して自宅で診察をしてくれるオンライン診療です。オンライン診療により、通院が困難な患者や医療過疎地に住んでいる患者が、気軽に診察を受けられるようになりました。

このように、IoTとICTはつながる先が異なります。パソコンを利用している場合、オンライン会議はICT、動画配信サービスの閲覧はIoTです。

IoTでできること

IoTでできること

IoTには4つの機能が備わっています。モノを操作する・モノの状態を把握する・モノの動きを検知する・モノ同士で通信することの4つです。4つの機能に共通していることは、離れた場所からできるという点です。具体例を含めて解説します。

モノを遠隔操作する

とくに注目を集めているIoTを利用した機能が、モノの遠隔操作です。

たとえば、外出先からスマートフォンを使って、自宅のエアコンや照明などの家電操作、ドアや車庫のシャッターの開閉ができます。家電は単純なオン・オフだけでなく、温度調整など、スマートフォンをリモコン代わりに使うことも可能です。

また、ペットがいる家庭であれば、指定した時間にご飯やおやつを出したり、飼い主の録音をした声を聞かせたりできます。カメラ付きのフードサーバーであれば、リアルタイムでペットの様子を確認することもできます。

IoT化された家電を使用すれば、留守中の自宅を自由に操ることが可能です。

モノの状態を把握する

モノの遠隔操作だけでなく、自分がいない場所の状態把握もIoTを利用すれば可能です。

部屋の照明が点いているかどうか、稼働しているエアコンの設定温度、ペットの首輪からとれる運動量や食事量のデータ、冷蔵庫内を確認するための画像データの受信など、これらすべてを離れた場所から把握できます。

このように、モノの状態を把握できれば、帰宅時の室内を快適にできる、仕事帰りに必要なものを購入できる、ペットの体調の変化にすぐ気づき獣医師に連絡できるなど、スマートな生活が送れます。

モノの状態を把握できる機能は、ビジネス領域でも活用されている機能です。人の手を使ってマーケティングリサーチやアンケートを行わなくても、ユーザーのニーズを把握でき、商品開発に利用できます。

モノや人の動きを検知する

IoTを利用すれば、モノや人の動きを検知してそれらの現状を把握できます。

たとえば

  • 人がいないときは自動消灯する(人感センサー搭載の照明)
  • 子どもや高齢者の動きを検知して、車のブレーキを作動させる(自動運転技術)
  • バスの現在地を把握して、運行状況を可視化する

などが可能です。

このように、IoT化によって生活が便利になるだけでなく、事故の危険も回避できます。

身近なところ以外では

  • 温度・湿度・水位など、栽培環境を検知して最適な状態に自動調整する
  • 人を検知して重機や建機を自動停止する

など、農業の分野や建築現場でも活用しています。

IoT化によるモノや人の動きを検知できると、現在の状況を瞬時に把握して、素早く次のアクションに移れるところが利点です。

モノ同士で通信する

これまで紹介した、モノの遠隔操作・状況の把握・動きの検知の3つの機能を合わせたものが、4つ目のモノ同士の通信です。

モノ同士の通信の代表例として、スマートホームが挙げられます。AIスピーカーと連動しておけば、口頭でスピーカーに向かって指示するだけで、スピーカーを通して家電を起動させたり、お風呂のお湯を沸かしたりできます。

また、近年問題となっている異常気象での警報発令の際にも、モノ同士の通信が利用されています。警報発令は、蓄積されたデータを元に、現在の川の水位と降雨量を確認し、自動で発令されています。

最近では、自動で速度調整ができる自動運転機能も普及してきました。さらに、信号機が渋滞状況によって切り替え時間を変更し、渋滞緩和につなげる取り組みも進められています。

モノ同士の通信は、人の判断を挟まずに、自動的に動作することもできる技術です。

IoTの活用事例

IoTの活用事例

IoTの活用事例を身近な家電分野から交通分野、さらに農業分野まで、詳しく紹介します。IoTは、普段の生活にすでに馴染んでいるため、気づかないうちに利用していることも多いでしょう。

家電分野

家電分野では、スマート家電があてはまります。スマート家電とは、スマートフォンやタブレットと連携できる家電のことで、エアコン・冷蔵庫・スピーカー・照明など、対応している家電の種類は豊富です。

今ではメジャーになったお掃除ロボットも、スマート家電のひとつです。お掃除ロボットは、障害物を自動で認識し、避けて掃除をしてくれます。あらかじめ部屋を動き回って間取りを把握してくれるタイプは、重点的に掃除して欲しい部屋を設定しておくことも可能です。

また、ユーザーの生活パターンを学習し、設置環境に合った運転をしてくれる冷蔵庫もあります。

医療分野

医療分野でもIoT活用は活発です。患者の細かな生体データを集計して管理し、疾患の早期発見や治療に役立ち、手遅れになるのを防ぎます。

また近年では、医師による診断にAIを利用する取り組みも始まっています。AIをうまく取り入れられれば、誤診を防ぎ、患者の異変発見の精度やスピードの向上が可能です。

さらには、災害発生時に、医師がすぐに足を運べない場合のリモート診断や、名医が別の場所にいても手術が受けられるリモート手術も話題になっています。

もっと身近なところでは、スマート家電にもあたる電気ポットも医療分野のひとつです。離れた場所に住む祖父母が家庭の電気ポットを利用することよって、登録しているスマートフォンに通知がくるサービスもあります。

物流分野

物流分野では、温度管理や荷物の入出荷に関わるリストなど、倉庫やコンテナ管理にIoTが活用されます。荷物の情報と管理システムの連携によって、万が一荷物が紛失しても、どの工程で紛失したのか原因追究が可能です。

また、温度管理が必要な荷物の場合は、温度計システムと連携したシステムで、コンテナ内を設定温度に自動調節します。さらに通知機能をプラスすれば、設定した環境から外れたときに通知を受けられ、事前のトラブル対策も可能です。

物流分野にIoTを活用すると、人件費削減や業務の効率化だけでなく、フードロス対策など環境配慮にもつながります。

交通分野

交通分野では、バスのIoT化が進んでいます。電車と異なり、バスは道路の渋滞によって、予定通りにバス停に到着しない場合も多い交通手段です。しかし、バス停をIoT化することで、Webサイトや停留所にあるQRコードから、バスが何分後に来るのかリアルタイムで確認できます。

バスが時間通りに到着せず、タクシーや電車に変更するか悩んでも、次に来るバスの状態を把握できれば参考にできます。

農業分野

農業の分野でも、IoTを活用した自動システムが役立っています。ハウス栽培の水やりや肥料も、日射量や土壌の状態から与える量やタイミングを測れるため、効率的な生産が可能です。

このように、IoTを取り入れたスマート農業なら、手間のかかるデータの収集を24時間365日集められるようになり、蓄積されたデータを元に、分析・予測して事前に対策できます。また、リスクが起こると判断した場合は、自動でシステムの制御も可能です。

IoTを活用して業務を効率化しよう

IoTを活用して業務を効率化しよう

IoTとは、モノのインターネットの意味で、インターネットと接続したあらゆるものを指す言葉です。IoTを活用すれば、スマートフォンを利用した遠隔操作や離れた場所の状態把握、人感センサーや自動運転技術などの動きの検知、スマートハウスのモノ同士の通信ができます。

IoTは生活を充実させるだけでなく、業務の効率化にも役立ちますので、ぜひ積極的に取り入れましょう。また、IoTの活用は環境配慮にもつながることから、持続可能な社会を目指す近年の情勢において、大きなアピールポイントにもなります。

IoT導入の際は、株式会社テクノデジタルにおまかせください。お客様の要望をお伺いしたうえでゴールに対する戦略を設計し、そのストーリーを元に、求めるゴールに到達させるデザイン・コピー・演出を行います。

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投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。