2023.12.04
ICTとは?何の略?意味や活用例などの基本知識を解説
「ICTを導入したいけど、どのような技術なのかを知りたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。インターネットを活用したコミュニケーションの手法は数多くあり、現在では活用しないことで業務に影響を及ぼすこともあります。
ICTを導入することで、業務の効率化や円滑なコミュニケーションの構築が可能になります。
本記事では、ICTの活用で得られるメリットや活用事例について詳しく解説します。ITやIoT、DXとの違いについても解説しますので、ICTの活用を検討している方は、ぜひご覧ください。
この記事でわかること
- IT・IoT・DXとの違い
- ICTを活用するメリット
- ICTの活用事例
目次
ICTとは
ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、インターネットなどの通信技術を用いたコミュニケーションを行う役割を持っています。ITよりも通信による情報や知識の共有を重視している点が特徴です。
世界的にもICTと表現することが多く、IoTやAI技術が活用される社会を示す「Society5.0」に分類されています。Societyとは内閣府が定義している社会のことで、以下のような定義づけがされています。
- Society1.0:狩猟社会
- Society2.0:農耕社会
- Society3.0:工業社会
- Society4.0:情報社会
ITはSociety4.0に分類しており、ICTはITに「つながり」を加えた社会であることからITと同じ定義ではありません。
ICTとIT・IoT・DXの違い
ICTと似たようなものとして、IT・IoT・DXがあります。ここでは、ICTとそれぞれの違いについて解説します。ICTとはどのような部分が異なるのか、詳しく見ていきましょう。
ITとの違い
ICTと意味合いが似ているものとしてITが挙げられますが、細かい部分では異なります。ITとは「Information Technology」の略称で、パソコンやスマートフォンといった通信技術を指します。
2000年にIT基本法が制定されてから、ITという言葉が用いられるようになりました。また、インフラ構築や高速インターネットの普及などが進み、ITは技術として認識が広がっていきました。その後、通信技術を活用したコミュニケーションが発達したことによりICTが生まれ、ITと分けて考えられるようになったのです。
IoTとの違い
IoT(Internet of Things)とは、日本語で「モノのインターネット」と呼ばれており、家電製品や車、家などさまざまなものがインターネットとつながっている状態です。たとえば、スマートフォンのアプリでエアコンを操作する場合も、IoT技術が用いられています。
IoTは「モノ」が主体となっている一方、ICTは「人」とつながっていることが前提です。どちらもインターネットを活用している点は同じですが、主体となっている部分は同じではありません。
ICTとIoTは別々に用いられるケースが多いですが、オンラインゲームの場合、両方の要素を含んでいます。ゲーム機に保存されているプレイ時間や、ゲームの稼働状況などをスマートフォンなどのデバイスと同期している点は、IoTの要素を含んでいます。一方で、ほかのユーザーと協力してプレイしている状況は、ICTが用いられていると言えるでしょう。
状況によって、IoTとICTの両方を活用することができる点は、大きな特徴の一つと言えます。
DXとの違い
DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用してビジネスや生活を変革させることを指します。
たとえば、チャットアプリのLINEを活用することで、相手との情報共有が可能です。このような状況は、日常生活がDX化されていると言えます。一方で、ICTとは人とインターネットをつなぐ技術であるため、LINEのようなチャットアプリ自体がICTに該当します。
DX化を進めるにあたっては、ITシステムやツールの導入、データを活用できる仕組みづくりが重要です。そのため、パソコンやスマートフォンといったインターネットと接続できるデバイスが欠かせません。また、ICTは通信インフラの構築に必要な技術で、DX化を実現するための重要な要素です。
ICTを活用するメリット
ICTを活用する際に得られるメリットは、主に以下の3点です。
ICTを導入することで、これまでの業務で抱えていた課題を解決するきっかけを得られる可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
生産性を向上させられる
ICTを活用することで、書類の電子化や申請業務もオンライン上でできるようになります。出社が前提の業務も、リモートワークによって時間や場所を選ぶ必要がなくなるため、業務効率や生産性の向上が期待できるでしょう。
現在の日本は、少子高齢化による労働人口の減少が進んでいます。そのため、効率化や生産性の向上がさらに重要となるため、同じ勤務時間でも消化できる業務量を増やし、事業の拡大を目指すためにもICTの活用は重要です。
ヒューマンエラーを減らせる
ルーティン化された業務でも人が行う場合、どうしてもヒューマンエラーが起こる可能性があります。業務を進めていくうちに集中力が低くなっていくことから、ミスが起こりやすい状況が増えます。
ヒューマンエラーを減らすためにも、ICTを活用して業務の自動化を進めていくと良いでしょう。たとえば、会議などのスケジュールを調整する際にICTを活用すると、従業員が参加できる日程をすぐに作成できます。また、会議の日が近づくと従業員へ自動的にリマインドメールを送るといったことも可能です。
ICTの活用で、ヒューマンエラーの軽減が見込まれるため、業務を円滑に進めたい場合に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
情報共有がスムーズになる
従業員や顧客との情報共有の際にも、ICTが活用できます。電話をメインとしている場合、業務に関する内容や共有が必要な情報を口頭で伝えなければならず、相手に間違った認識を与えるリスクもあります。
ICT化を進め、チャットツールやクラウドサービスを活用すると、時間や場所にとらわれずに確実な情報共有が可能です。情報をリアルタイムで顧客へ伝えることもできるため、顧客からの信頼獲得にもつながります。
チャットツールやメールでは十分に情報を提供できない場合は、Web会議を用いることで正確な情報伝達が可能です。
ICTの活用例
ICTはさまざまな業界において活用されています。ここでは、以下の業界での活用例を紹介します。
以下で上記の事例について詳しく紹介していますので、ぜひ導入時の参考にしてください。
医療・介護
医療や介護業界において、ICTの活用は広がっています。医療施設では紙のカルテを扱っている場合にファイリングなどの管理業務が重荷に感じるケースもあります。そのため、電子カルテを導入することでファイリングの手間が省略されるほか、記入時間の短縮といった効果が得られます。
また、オンライン診療にも対応できるようになり、遠方や山間部に住んでいるなど通院が困難な人でも診察が可能です。さらにICTの導入で、集団感染のリスクも軽減できます。
介護業界においては、グループ通話機能を備えたインカムの活用により、情報共有にかかる時間の短縮に成功した事例があります。介助をしながらの連絡も可能になったことで、利用者を待たせる必要もなくなりました。
農業
農業分野におけるICTの活用では、人手不足や生産性の向上を目的としてドローンやIoTセンサーなどを活用した手法が取り入れられています。
手作業で田植え作業を行う場合、中腰の状態での作業が大きな負担となってしまいます。しかし、GPSを活用した田植え機の導入により、経験の浅い人でもまっすぐ田植えができるほか、作業の負担軽減も可能です。
教育
教育現場では、パソコンやタブレットを教材として活用する学校が増えており、授業で画像や動画を用いているケースもあります。埼玉県の公立高校では、科学の授業でパソコンのオンライン学習システムを活用して、問題の回答を共有するといった取り組みも行っています。
ICTの活用により、アナログな手法よりも生徒が楽しくモチベーションを維持しながら授業に取り組むことも可能です。また、他校との交流や不登校の生徒を対象とした学習システムを導入している事例もあるため、今後も教育分野での取り組みが広がることも考えられます。
サービス業
ICTの活用で、宿泊施設の業務効率化も実現しています。旅館を運営している企業では、これまで紙の台帳や日報などを使用しており、入力作業が複数回発生していました。
そこで、予約管理システムを導入したことで、予約時の入力作業は1回のみとなり、業務の効率化に成功。また、これまでは予約状況を社内の予約管理センターへ問い合わせる必要がありましたが、フロントに導入している端末からすぐに確認できるよう改善を実施しました。
地方活性化
NTT西日本支店では、福岡eスポーツ協会と連携し、eスポーツを活用した地域活性化に取り組みを実施しました。2022年9月には福岡県新宮町の住民を対象とした「eスポーツ体験会」を実施したほか、NTT西日本北九州支店には社内レクリエーション向けのeスポーツ体験コーナーを設置しています。
eスポーツの活用により、企業や住民とのコミュニケーションを実現し、地域全体の活性化につながるよう取り組みを進めています。
防災対策
防災対策においても、さまざまな地域でICTが活用されています。埼玉県上尾市では、リストに登録されている連絡先へ自動で音声メッセージを発信する「自動荷電システム」を導入しました。自動荷電システムの導入によって、電話連絡に必要な時間の短縮や避難勧告や避難指示の迅速化を実現しています。
長崎県東彼杵町では、モバイル通信やIP通信網を利用して住民のスマートフォンなどに災害情報を発信する「防災Infoひがしそのぎ」を導入。既読機能も搭載しているため、住民の安否確認や高齢者を見守るためのツールとしても活用しています。
ICTは現代において必要不可欠な技術
ICTとは、インターネットなどの通信技術を用いてコミュニケーションを構築する役割を持った技術です。LINEなどのチャットアプリもICTに該当しており、日常生活においてさまざまな部分でICTは活用されています。
ICTの活用によって、生産性の向上やヒューマンエラーの減少など業務においてさまざまなメリットが得られます。顧客との円滑なコミュニケーションも可能であることから、今後さらにICTの重要性は増していくでしょう。
ICT導入の際は、株式会社テクノデジタルにおまかせください。お客様からの要望をお伺いし、ゴールまでの戦略を提供します。ICTの運用にお困りの人は、お気軽にお問い合わせください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事