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システム開発

2024.03.15

Go言語とは?特徴やできることを解説

Go言語とは?特徴やできることを解説

プログラミング言語は200種類以上世界に存在していますが、実際に活用されているのは10%程度といわれています。現在のプログラミング言語で、注目を集めているのがGo言語です。しかし、プログラミングに触れる機会がない方は、そもそもGo言語とはどのような言語なのかもわからないでしょう。


本記事ではGo言語とは何か、特徴やできることについて解説します。今後、プログラミング言語の勉強をする方やGo言語に興味や関心を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • Go言語の基本知識
  • Go言語の個性
  • Go言語を使用してできること

Go言語とは?

Go言語とは?

Go言語とは、検索エンジンとして知られているGoogleが開発したプログラミング言語です。開発の目的は、Google内におけるプログラミング環境の改善であり、C言語と同じように静的型付けと明示的な型付けでプログラムの作成を行います。設計したのはUNIXやOSの開発に携わり、Limboという言語を開発したロブ・パイク氏と、UNIXの開発とともにそれを構成するC言語を開発したケン・トンプソン氏です。

Go言語は、2012年にリリースされましたが使用用途が限られていたため、当初は注目を集める存在ではありませんでした。しかし、アップデートによりGoogle以外でも活用できるようになると、YoutubeやDropboxなど、Go言語を使用する企業の数が増加していきました。

日本では、ドワンゴやメルカリなどのITベンチャー企業を中心にGo言語を使用する企業が増えており、今後の成長に期待が持てる言語のひとつといえるでしょう。

Go言語の特徴

Go言語の特徴

Go言語には、以下のような特徴があります。

  • 構文がシンプル
  • 実行速度が速い
  • 効率的なメモリの管理
  • goroutineによる並行処理
  • 機能的なライブラリ

それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。

構文がシンプル

Go言語は、JavaやC#などのプログラミング言語と比較すると、構文が簡易でわかりやすい点が特徴です。学習コストが低いので、プログラミングの経験がほぼない方でも、簡単なアプリケーションであればすぐに作成できるようになります。継続的に開発してメンテナンスをすることに適しているため、複数のエンジニアが合同で作業する場合にもおすすめです。

また、複雑な構文がないため、誰でも読みやすいコードが作成できる点もGo言語の強みです。可読性の高いコードは既存コードを読み込む時間が短縮できるため、全体の作業効率を向上できます。

将来的に機能を追加したり、修正したりする際に発生するリスクも把握しやすいです。ほかにも、コードレビューがしやすい、バグの原因を特定しやすい、コードの再利用がしやすいなどの利点があります。

一方で、暗黙の型変換など曖昧な記述はできません。テンプレートも存在しないため、大人数で開発をする際に意思の疎通をしておかないと、コードにばらつきが発生する可能性もあります。

実行速度が速い

Go言語は、処理速度に優れている点も特徴です。プログラミング言語には、コンパイラ言語とインタプリタ言語があります。インタプリタ言語はコンパイラをせずに動作確認ができるのが利点です。しかし、機械語に変換する際はコードを1行ずつ読み込む必要があるため、実行速度が遅いです。

Go言語は、記述したコードをプログラムの実行前に一括で機械語に変換するコンパイラ言語に分類されます。同じコンパイラ言語であるJavaやC#と異なり、機械語に変換の際に、中間言語に変換するプロセスも不要なため、より高速な処理が可能です。

効率的なメモリの管理

効率的なメモリ管理が可能な点も、Go言語の特徴です。プログラムを実行する際は、必要に応じてメモリを確保しなければなりません。メモリの確保ができなければ、起動に時間がかかったり、途中で処理がストップするなど、プログラムのパフォーマンスに影響を与える可能性が高いです。

しかし、Go言語にはガーベジコレクションと呼ばれる機能が存在します。ガーベジコレクションとは、プログラムの実行中に使用されなくなったメモリをオートで発見して、再利用できるようにするための機能です。自動でプログラムを実行するために必要なメモリを確保してくれるため、メモリ不足を気にすることなく開発に専念できて、無駄なメモリの消費も防げます。

goroutineによる並行処理

並行処理が可能な点も、Go言語の特徴のひとつです。Go言語には、goroutineと呼ばれる独自の仕組みが搭載されています。

goroutineとは、Go言語が使う軽量スレッドのことです。スレッドはプログラム内での実行の流れを意味し、Go言語で作成されたプログラムはすべてgoroutineで実行されています。

goroutineは常にバックグラウンドで動作しており、開発者サイドから処理の操作や制御に干渉することはできません。Go言語は、この仕組みによって自動的に複数処理を同時に行うように設計されています。そのため、プログラム全体の処理時間を大幅に短縮できます。

機能的なライブラリ

Go言語には、さまざまな機能的なライブラリが用意されています。ライブラリとは、頻繁に使われるコードや機能を、いつでも簡単に使えるようにまとめたものです。ライブラリは基本的に実行するためのものではなく、便利なソースコードの集まりのため、ライブラリ単体でプログラムを実行することはできません。

手作業ですべてのコードを記載しようとすると膨大な時間と手間がかかりますが、ライブラリを使用すれば作業の効率を大幅に向上できます。また、使用頻度の高いライブラリは、一定の品質が担保されているため、プログラム自体の品質も高く維持することが可能です。

Go言語は、ライブラリだけでなくフレームワークも豊富に用意されています。フレームワークとは、アプリケーションの枠組みを提供するツールのことです。開発者は、フレームワークで用意されたコードを修正したり、新しくコードを追加して利用します。

ライブラリとフレームワークを上手に使いこなすことで、Go言語を使用したより効率的な開発が実現できるでしょう。

Go言語でできることは?

Go言語でできることは?

Go言語は、プログラミング言語のなかでも汎用性の高い言語です。できることの幅が広く、現在では多くの企業でさまざまなサービスやアプリの開発に使用されています。具体的にGo言語では何ができるのか、順番にチェックしていきましょう。

Webサービスの開発

Go言語は、マルチプラットフォーム対応のクロスコンパイル機能が搭載されています。クロスコンパイル機能とは、プログラムのソースコードをもとに、開発に使用しているコンピューターの機種やOSとは異なる環境向けに実行可能なコードを生成する機能のことです。

クロスコンパイル機能によって、Go言語で作成されたプログラムはWindowsやmacOSなど、環境を選ばずに実行できるようになります。Webサービスはさまざまな機種やOSで利用されるため、実行できる環境の多様性は重要です。

また、メモリにかかる負担が少なく並行処理もできるため、実装後にさまざまな機能を追加するケースが多いWebサービスの開発に適しています。ユーザー視点でも、ネットショッピングの決済処理が早く実行できたり、多数のアクセスに対しても素早く正確に対処できるなど、メリットが多いです。

スマホ向けアプリの開発

Go言語は、スマホ向けアプリの開発にも適しており、日本国内でトップの知名度を誇るフリマアプリのメルカリもGo言語が使用されています。なぜなら、Go言語はエラーの検出性が高く、改修がしやすいからです。アプリ内の問題点を早い段階で検出して対処できれば、品質の良いアプリが制作できます。

スマホは機種によってOSが異なるため、それぞれのOSに対応できるようにアプリのコードを書き直さなければいけません。しかし、Go言語はスマホ向けアプリ開発用の制作ツールである、Go mobileやGo Cloudなどを標準搭載しています。そのため、iOSとAndroidのアプリ用やWeb用のコードを書き換えずに併用することが可能です。

IoT開発

Go言語は並行処理が得意で、かつ汎用性も高いため、IoT開発にも高い適性があります。Go言語でIoT開発をする場合は、ロボットやドローン、IoT開発に特化したGobotと呼ばれるフレームワークを使用するのが一般的です。

Gobotには、ハードウェアデバイスに接続するための35個のプラットフォームや、19個のGPIOドライバーなどの拡張可能なシステムが搭載されており、ロボット工学や物理コンピューティングプラットフォームでの利用ができます。

そのため、ロボットやドローン、Iot機器の操作や制御システムも簡単に作成可能です。ネットワーク上のデバイスや、複数のデバイスから相互に通信できる機能も搭載されています。

CLIアプリの開発

Go言語は、CLIアプリの開発も可能です。CLIとは、コマンドを実行する際に画面で動作するツールの呼称です。主にコンピューターやソフトウェア、アプリを動作させるために利用されます。

既存の言語では、個別に実行環境の調整が必要でしたが、Go言語なら実行環境のOSやバージョン、プラットフォームを考慮せずに開発ができます。

こちらの記事では、システム開発のリスクについて解説しています。懸念すべきリスクやリスクの対処法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

まとめ

Go言語とは何かを中心に、言語の特徴やできることについて取り上げてきました。現在では、国内外の企業で自社のシステムや業務アプリにGo言語を導入するケースが増えており、今後もGo言語の需要が高まることが予想されます。

シンプルな構文と機能的なライブラリが揃っているGo言語は、開発の経験がほとんどない方でも扱いやすい言語のひとつです。これからプログラミングを学ぶ方や、自身のキャリアを見据えて新しい言語の習得を考えている方にもおすすめの言語といえるでしょう。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。