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システム開発

2023.10.13

システム開発における6つのリスクとは?発注側が取り組むべき対策を解説

システム開発のリスクとは、システム開発の失敗原因となり得る物事のことを指します。実際に問題が起きてからでは、費用や時間などリソースを急に割くことができず、対処しきれない場合が多いため、早期からシステム開発でのリスクを把握する必要があります。

システムが完成しない状態や、プロジェクトが中断するといった事態を避けるためには、なによりも事前のリスク対策が重要です。

この記事では、システム開発における6つのリスクについて紹介していきます。システム開発を成功に導くために、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • システム開発で避けたい6つのリスクについて
  • リスクを避けてシステム開発をするには
  • 発注する開発会社の選び方について
  • リスク管理表の重要性について

システム開発のリスクとは

システム開発のリスクとは

システム開発においてのリスクとは、予算を立てる段階で想定していなかったコスト増加や、打ち合わせていた内容との相違、システムの不具合などの問題のことです。

リスクには、大きく分けて既知のリスクと未知のリスクがあります。なかでも、すでに分析ができており、事前対策が可能な既知のリスクに対して、システム開発を進める前に十分想定しておくことが求められるでしょう。

いざトラブルが発生した時点では、対処が間に合わないケースも多いため、余裕を持ったリスク対策が重要となります。

リスク対策をしないとどうなる?

これらのトラブルはひとつずつではなく、複数起こることも珍しくありません。トラブルが頻発した場合は、クライアントとの関係も破綻することがあります。

システム開発で成功を収めるには、早期からのリスク管理をすることで、予算やシステム不具合といったリスクを避けることができます。そのため、システム開発においてリスク対策は、非常に重要度の高い項目といえるでしょう。

懸念すべき6つのリスク

懸念すべき6つのリスク

システム開発において、リスクとはどのようなものがあるのでしょうか。リスクを項目に分類すると、6つのリスクがあります。

金銭的リスク

システム開発では、もともとのツールで補えない機能をニーズに合わせてオーダーメイドで構築するため、予算時より最終費用が増えてしまうケースがあります。

このように、打ち合わせ時に提示されていた金額が、システム開発途中で膨大に増えてしまうことが金銭的リスクです。

開発が進んでいた途中で「この機能を追加したい」と使用変更することで、開発費用が増えてしまい、納期が伸びる原因となります。

納期遅延リスク

最初は小さい遅れでも、積み重なってくると遅延が増えてしまい、元々のメンバーで対応できずに、追加の人員が必要になることもあります。

その結果、システム開発が想定していたスケジュール通りに進まず、納期が遅れてしまうことが納期遅延リスクです。

途中から人員を追加すると、当初の目的やシステム要件について伝達しなければなりません。また、正しい情報が渡らなければ誤認が増え、さらに作業が増えてしまうといった悪循環が発生することもあります。

組織的リスク

システムを構築するときは、システム開発の目標や要件定義、現場の展開などをまとめ上げて形にしていくために、リーダーシップをとる力が必要です。

リーダーシップがうまくとれない状態でシステム開発が進むと、当初の方向性から大きく外れた状態でシステムが開発されるおそれがあるでしょう。結果として、完成物が現場で使われないケースが考えられます。

また、新システム反対派の社員が開発を妨害してしまうケースもあります。

認識的リスク

発注側と受注側の相違が起こることを、認識リスクと言います。両者のイメージがずれてしまうと、食い違いが増え、修正が難しくなるのが認識的リスクです。

具体的には「完成したシステムが打ち合わせ時と違う」「要望していた機能がついていない」といったズレが生じます。

このズレを修正するにあたって、修正費用や追加の作業期間が発生してしまいます。リスクのなかでも一番発生しやすく、コストもかかるため、とくに注意したいリスクです。

技術的リスク

システム開発前の段階では、技術的に設計可能と考えていた機能が、開発を進めていくうちに実装困難なことがわかる場合があります。

また、新機能が実装可能と判断された場合に、実装後にエラーが増えてシステムが作動しない場合や、動かないといった場合も技術的リスクです。

法律的リスク

システム開発は、請負契約に分類されます。納品されたシステムの不備や、納品後のシステムが完成されていないと判断された場合、損害賠償責任を負う可能性があります。

このように、発注者と受注者の相違があった場合に、法的紛争に発展するリスクを法律的リスクといいます。

システム開発リスクへの対策法

システム開発リスクへの対策法

システム開発のリスク対策は、事前準備のほか、トラブル発生直後に対応できるものがあります。システム開発におけるリスクへの対処法について、発注側の目線からひとつずつ紹介していきます。

十分な予算を確保する

金銭的リスクを起こさないためには、十分な予算を確保することが重要です。システム開発における予算の主な内訳は、以下のとおりです。

  • 要件定義費用
  • 設計費用
  • デザイン費用
  • 開発費用
  • 進行管理費用
  • テスト費用
  • 導入費用
  • 受入支援費用
  • 導入支援費用
  • 購入費用
  • 交通費用
  • 保守管理費用

このように、システム開発にはさまざまな費用が発生します。そのため、開発をスタートさせる前の見積もり段階で、綿密な打ち合わせが重要です。

トラブルが起きたときの原因の所在が曖昧な場合や、見積もり時の内容で不透明な費用があるといった場合は、金銭的リスクが高くなります。金銭的リスクを避けるためにも、見積もり時から開発会社と確認しながら進めることをおすすめします。

実現可能な納期を設定する

納期遅延リスクを避けるためには、開発段階から実現可能な納期を設定することが重要です。

また、各フェーズの納期が存在します。システム開発における5つのフェーズは、以下のとおりです。

  • 要件定義
  • 設計
  • 開発
  • テスト
  • 導入

この5つのフェーズで、設定されている期限で問題なく実現できるか、確認する必要があります。また、期限が過ぎてしまった場合の対応を聞いておきましょう。

さらに、余裕を持った納期の設定は、実際の開発が進んでいくなかで初めて発現する未知のリスクへの備えにもつながります。

責任者はリーダーシップを持って指揮する

システム開発において、責任者は重要な存在です。そのため、責任者がリーダーシップを持ってプロジェクトを指揮できることが大切となります。

プロジェクトを進めるにあたり、あらゆる価値観やスキルをもったスタッフとともに仕事をすることになるでしょう。開発中のシステムに対し、意見や要望の取りまとめが適切に行われず、当初計画していたシステムとはまったく異なるものが完成してしまう事態は避けなければなりません。

そのため、責任者は現場の声をまとめ上げ、スケジュールやコスト管理など進捗状況をみながら、時に軌道修正を行いつつプロジェクトを進めていく必要があります。

コミュニケーションを欠かさない

システム開発は、開発側と発注側でコミュニケーションを取って進めなければなりません。ニーズにあった質の高いシステム開発には、双方の認識のすり合わせを十分に行うことが必須です。

また、費用や納期など契約上でのリスクを回避するうえでも、密なコミュニケーションは効果的です。万が一トラブルが発生した際に、具体的な解決策と今後の再発防止案を話し合える環境づくりも期待できるでしょう。

必要な機能・要望を絞り込む

システム開発を進めるにあたり、実現可能な技術なのか、また、本当に必要な機能であるか見極めることが必要です。発注側が思いつくままに機能や要望を盛り込んでしまうと、プログラムが複雑となってしまい、技術的リスクが高まります。

よくあるケースでは、従来のシステムに慣れた従業員から新システムへの反発が起こることを危惧して、旧システムと同じ操作性を求めるといった例が挙げられます。

しかし、技術的な進化から、旧システムの機能が今日においては一般的でない場合、実装のためのコストがかさむおそれがあり、納期も長くなってしまいます。

そのため、早急に実現可能な技術なのかも含め、実際に業務で必要な機能なのか、どの要望までシステムに盛り込むのかを選定することが必要です。

開発側に丸投げしない

開発側にすべて丸投げの状態でシステム開発がスタートすると、双方の間でズレが発生する、認知的リスクが高まります。

そのため、発注者と受注者の間で密にコミュニケーションを取ることが重要です。開発を丸投げせず、どのようなシステムが必要かを開発会社と話し合う必要があります。

必要事項は可視化する

開発における必要事項について、あらかじめ可視化する必要があります。システム開発をするうえで、重要な機能のリストアップを伝え、使いたい機能から優先的に開発を依頼すれば、大幅な修正を抑えることができます。

システム開発の質は受注者の責任もありますが、認識的リスクを減らすためには、発注者も開発の流れを確認し、不明点がある場合はその場で質問することが重要です。

開発企業の選定は慎重に行う

システム開発時のリスクを減らすためには、発注する開発企業の選定を慎重に行うことが重要です。

新しいシステムを導入するとなると、費用もかかります。優良な開発企業を選ぶためには、以下の点を意識してみることをおすすめします。

  • システム開発の実績や専門分野の経験の有無
  • 担当者の対応の早さ
  • 受注者の要望を理解しているか
  • 質問が的確に返ってくるか
  • 相見積もりを取る

最も重要になるのは、開発会社の担当者とのコミュニケーションが円滑に取れるかです。要望の受け入れや、問題点や不明点が的確に返ってくるかなど、システム開発においてコミュニケーションは重要となります。

これらのポイントを参考にして、開発企業の選定を行いましょう。

リスク管理表作成のすすめ

リスク管理表作成のすすめ

システム開発を失敗に終わらせないために、リスク管理表を作成することをおすすめします。リスク管理表を作成することにより、懸念すべき6つのリスクを避けられるでしょう。

優先度や重要度をあらかじめ決めてからシステム開発を進めることで、どのリスクから避けて進めればいいのか、明確に判断することができます。

リスク管理表に記載すべき項目

システム開発を進めるうえで、リスク管理表に記載すべき項目についてまとめました。

  • リスク状況
  • リスク発見日
  • リスク対応担当者
  • リスク重要度
  • リスク対応優先度
  • リスク対応策
  • 対応期日
  • ステータス

リスク管理表は、GoogleスプレットシートやExcelなど、共有しやすいツールで作成することができます。

これらの情報を社内で情報共有できる形にしておき、常に最新状況に更新しておくことで、早い段階でリスクに気づくことができます。

紹介した項目以外でも、プロジェクトのメンバーで話し合いながら、起こりやすいリスクやそれに対応する方法を共有していくことが重要です。

まとめ

まとめ

システム開発は、開発会社に一任すればうまくいくものではなく、さまざまなリスクが潜んでいます。そのため、発注者もリスクに対して理解を深め、受注者と発注者の双方でコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。

また、開発会社選びも重要なポイントになります。コミュニケーションが取れて信頼できる開発会社を選ぶことにより、懸念すべきリスクを避けることができます。

株式会社テクノデジタルでは、正確な現状把握が可能な事業支援と、高度なノウハウを持ってビジネスをサポートすることが可能です。システム開発会社をお探しの企業様は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。