2024.03.15
TypeScriptとは?JavaScriptとの違いやメリットなども解説
みなさんは、TypeScriptについてご存知でしょうか。TypeScriptとはオープンソースのプログラミング言語のことで、近年は導入を検討している企業が増加しています。
しかし、TypeScriptと他のプログラミング言語との違いがプログラミングに詳しくない方々には理解しにくいかもしれません。結果的に、TypeScriptの導入に対して二の足を踏んでしまい、導入を見送ってしまうケースも少なくありません。
本記事では、TypeScriptの導入を検討している方にTypeScriptとは何か、どのような特徴を持つプログラミング言語なのかを紹介します。また、TypeScriptが使用されているサービスや将来性についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- TypeScriptの基本知識
- JavaScriptとの相違点
- TypeScriptの強み
- TypeScriptが使用されているサービス
- TypeScriptの今後
目次
TypeScriptとは
TypeScriptとは、世界トップクラスのソフトウェア企業であるMicrosoftが開発したプログラミング言語です。2012年にリリースされて以来は、Web開発のコミュニティで広く採用されるようになりました。
TypeScriptは「JavaScriptのスーパーセット」で、つまりは既存の機能をすべて含んだ上で機能が拡張されている上位互換の存在です。現在では、AltJSや次世代のJavaScriptの最有力候補として存在感を強めています。
TypeScriptとJavaScriptの違い
JavaScriptとTypeScriptの違いは、以下のような点が挙げられます。
- 型定義
- コンパイル
- アクセス修飾子
- インターフェイス
それぞれどのような違いがあるのか、順番にチェックしていきましょう。
型定義
TypeScriptとJavaScriptは、型定義が異なります。型定義とは、データ型に任意の名前を付けたり、宣言文の書式を簡略化するための仕組みのことです。
型定義は、大きく分けると実行の時にデータ型を決める動的型付けと、あらかじめ型を定義する静的型付けの2種類に分類されます。JavaScriptの型定義は動的型付けであり、TypeScriptの型定義は静的型付けです。
プログラミングで扱うデータの種類には、文字列型や数値型、日付型などがあります。プログラムを正確に動作させるために、あらかじめどのような種類のデータを扱うのか、型定義によって指定しなければなりません。ちなみに、型定義にはプログラミングの作業性を向上させるだけでなく、記述したコードを読みやすくするという目的もあります。
コンパイル
JavaScriptとTypeScriptの違いは、コンパイルの有無も挙げられます。コンパイルとは、プログラミング言語で記述されたソースコードをコンピューターが直接実行可能な形式に変換する作業のことです。コンパイルの有無は、プログラミング言語によって異なります。
JavaScriptはインタプリタ型の言語で、コードを書けばすぐに実行することが可能です。TypeScriptは、コンパイラ型の言語の実行のためにはコンパイルをしなければなりません。
アクセス修飾子
JavaScriptとTypeScriptは、アクセス修飾子も異なります。アクセス修飾子とは、アクセス範囲を限定できる機能のことです。
以下、代表的なアクセス修飾子になります。
- public
- private
- protected
最近のJavaScriptのバージョンでは、クラスフィールドにprivateとpublicキーワードが導入されましたが、TypeScriptではこれらに加えてprotectedアクセス修飾子も利用できます。TypeScriptは、各種のアクセス修飾子の利用が可能です。アクセス修飾子を利用すれば、インスタンス内のフィールドに対して不用意な修正を実施し、バグが発生するようなトラブルを減らせるほか、コードも読みやすくなります。
インターフェース
インターフェースとは、オブジェクト指向プログラミング言語においてサポートされる、実装を持たない抽象型のことです。JavaScriptはオブジェクト指向言語ですが、インターフェースが存在しません。そのため、プロパティ名を間違っていても実行段階でエラーが吐かれるまでわからないことや、エラーになっても原因の解析に時間がかかるケースが多いです。
TypeScriptには、インターフェースが存在しているため実装時のミスが減り、プログラム開発の効率の向上効果が期待できます。
TypeScriptのメリット
TypeScriptの特徴や機能について、ご理解いただけたでしょうか。続いては、TypeScriptを導入するメリットについて解説します。
JavaScriptよりシンプルにコードを記述できる
TypeScriptを使用すると、型システムの恩恵を受けて、よりシンプルで管理しやすいコードを書くことができます。コードが複雑な場合は、修正箇所がひとつでもプログラム全体に大きな影響を与えます。また、変更後のテストケースの割り出しやテストの数も膨大になりやすいです。
しかし、シンプルなコードは修正箇所が複数あったとしても、容易に修正できます。そして、読みやすく理解しやすいため作業者同士の共有がしやすいです。
JavaScriptと互換性がある
JavaScriptと互換性がある点もメリットです。互換性とは、2つのシステムが変更を必要とせず連携できる機能のことで、互換性がないと新しいシステムにスムーズに移行できません。新しくシステムを構築するためにはお金も時間もかかりますし、その間に顧客を失う可能性も高いです。
しかし、TypeScriptはライブラリ群を含めてJavaScriptとは100%の互換性を持っているため、JavaScriptの開発環境を大きく変更することなく導入できます。
エラーを未然に防げる
TypeScriptの強みとして、エラーの発生を未然に防げる点も挙げられます。JavaScriptは動的型付けのため、データの型を気にせずコーディングができるのが利点です。しかし、実際に動かすまでエラーの存在に気付きにくいです。
TypeScriptは、あらかじめ型を定義する静的型付けを採用しています。コンパイルの際に、変数の型と値がマッチしないとコンパイルエラーとなるため、実際に動かす前にコードの問題点を見つけることが可能です。
大規模開発に対応できる
大規模開発に対応できる点も、TypeScriptを導入するメリットといえるでしょう。大規模なシステムを構築をする際は、コードの複雑化などさまざまな問題が発生しやすいです。
しかし、TypeScriptはコードがシンプルで情報共有がしやすい静的型付けのため、クラスの定義方法やモジュール分割が統一できるなど、大規模開発に対応できる要素が複数含まれています。TypeScriptの特徴のインターフェースを利用すれば、保守性が上がり複数人でシステムの開発をする際に実装が複雑化しません。また、インタフェース内で定義したメソッドは、継承先で実装しないとエラーになるため、実装漏れを防ぐ効果も期待できます。
JavaScriptの知識を活かせる
TypeScriptは、JavaScriptの知識が活かせるプログラミング言語です。プログラミング言語は種類によって記述のルールが異なりますが、TypeScriptとJavaScriptは互換性があるため、JavaScriptの経験や知識が役立ちます。
また、JavaScriptのフレームワークもTypeScriptへの対応を行っているため、フレームワークの経験も無駄になりません。
TypeScriptで作成されているサービス
さまざまな利点が存在するTypeScriptですが、現在は以下のようなサービスで実際に活用されています。
- LINE NEWS
- Netflix
- Slack
導入によって、それぞれのサービスでどのような効果があったのかも含めて、順番にチェックしていきましょう。
LINE NEWS
LINE NEWSとは、株式会社LINEが提供しているメディアサービスです。2013年7月にサービスの提供を開始して以来は、順調にアクティブユーザー数を増やしていき、現在では日本国内屈指の大規模サービスに成長しています。
LINE NEWSはもともとJavaScriptとReactで実装されていましたが、現在はJavaScriptがTypeScript化されました。導入の理由として、開発人数の多さやリリースの頻度の高さを原因とするキャチアップの困難さなどが挙げられます。
影響範囲がすべてだったため、導入にあたってほかの部分もバージョンアップにも取り組みましたが、移行後は危惧されていたバグの発生もなく、スムーズな導入に成功したそうです。
Netflix
Netflixとは、映画やドラマ、アニメなどの配信を行っているストリーミングサービスです。世界中で利用されており、日本でも2024年1月時点で、ユーザー数が600万人を突破しました。
Netflixでは、動画配信サービスのフロントエンド開発にTypeScriptが導入されており、サービスの品質向上と開発の効率化が進んでいます。具体的には、複雑なUIの実装がスムーズにできるようになったほか、型定義により思わぬバグが減少しました。
Slack
Slackは、ビジネス用のメッセージアプリのひとつです。連携できる外部ツールや利用できるデバイスの多さ、操作性のシンプルさが特徴で、初めてメッセージアプリを利用する方も安心して使いこなせます。
Slackのフロントエンドのコードベースは、ほぼTypeScriptです。型定義によって予期せぬエラーを防ぎ、検証のコストも低減することに成功しています。ちなみに、現在では社内インフラのサーバーサイドのコードもTypeScriptを使用するようにしているそうです。
TypeScriptの将来性
インターネットの普及により、Webアプリケーションやゲーム開発といったフロントエンド開発の需要は年々高まっています。フロントエンドとは、ユーザーが直接触れる部分、つまりウェブページやアプリケーションのインターフェースのことです。
現在は、フロントエンドで使用される主要なプログラミング言語のひとつにTypeScriptが挙げられ、2017年には、Google社がTypeScriptを社内の開発標準言語として採用しています。モバイルアプリの開発やサーバー開発もTypeScriptの採用が増加しているため、これからプログラミングを始める方や、エンジニアとして現役で活躍している方にもおすすめすることができるプログラミング言語です。
こちらの記事では、プログラミング言語について解説しています。代表的な言語やできることも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
以上、TypeScriptの特徴や将来性などについて取り上げてきました。JavaScriptと異なり大規模開発の適性が高いため、今後はさらに多くの企業で導入されることが予想されます。TypeScriptの学習をするのは、将来の選択肢を増やす意味でも非常に有効といえるでしょう。
ただし、現状はTypeScriptの参考書や学習サイトは決して多くありません。プログラミングの経験が浅い方は、JavaScriptの学習から初めて学んだことをTypeScriptで活かすと良いでしょう。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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