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2023.12.27

Kotlinとは?Javaとの違いやできること・将来性を解説

Kotlinとは?Javaとの違いやできること・将来性を解説

KotlinはAndroidのアプリなどを開発する際に用いられる言語の一種で、将来性が高い言語として知られています。では、Kotlinを利用することでどのような開発が行えるのでしょうか。


本記事では、これからAndroidアプリ開発を行う人やKotlinを学び始める人に向けて、 Kotlinについて詳しく解説します。

Kotlinとは

Kotlinとは

Kotlinとは、2011年にJetBrains社によって開発された、静的型付けのオブジェクト指向プログラミング言語です。


元々はJavaプラットフォームのために作られ、Javaとの相互運用性を重視していますが、現在ではAndroidアプリ開発の公式言語としても支持されており、JavaScriptやネイティブアプリケーションの開発へのコンパイルもサポートしています。簡潔さ、安全性、ツールの充実を重点に置いて設計されており、開発者によってはJavaよりも生産性が高いとされることもあります。

KotlinとJavaの違い

KotlinとJavaの違い

前の章でKotlinはJavaを改良して作られたと解説しました。そのため、双方には共通点が多いです。

しかし、双方にはさまざまな点で違いもあります。たとえば以下の3点です。

  • 開発環境
  • 難易度
  • 開発できるもの

また、KotlinとJavaは扱う難易度も異なります。実際に双方を比べると、Kotlinの方が難易度が優しい傾向にあります。その証拠に、KotlinではJavaよりも短いコードで開発できるケースが多いです。

くわえて、KotlinとJavaは開発できるものにも違いがあります。たとえば、Javaであれば組み込み系システムやソフトウェアの開発が可能です。一方でKotlinはサーバーサイドの開発を行うことができます。

Kotlinでできること

Kotlinでできること

Kotlinでは、主に以下の3つのことができます。

Androidアプリの開発

KotlinはAndroidアプリの開発を得意としています。Kotlinが開発されるまでは、Android開発はJavaが採用されることが主流でした。しかし、スピーディな開発をはじめとしたKotlinの良い点が認められ、今ではKotlinを用いる方が主流となっています。

また、現在の世界ではAndroidの利用が盛んです。そのため、Kotlinを利用したAndroidアプリ開発ができるようになると、世界で活躍できるチャンスも増加するでしょう。

Webアプリの開発

Kotlinには、開発の手助けをしてくれるさまざまなフレームワークが存在します。そのなかのひとつを利用すれば、Webアプリの開発が可能です。事実、KotlinはWebアプリの開発に長けており、SpringBootやJoobyといったフレームワークを利用することでWebアプリ開発のエンジニアとして活躍できます。

こちらもAndroidアプリ開発と同様、今まで採用されてきたJavaの代わりにKotlinが主流になったケースです。コードを短くできるというメリットを最大に生かして開発できるのが魅力のひとつと言えるでしょう。

サーバーサイドの開発

Kotlinはサーバーサイドの開発を行う際にも採用されることが多いです。一般的な用途としては、Javaで開発されたサーバーサイドの修正や追加などをKotlinを用いて行います。Java用のフレームワークを用いることで、開発を進めやすくするという工夫がされています。

また、Android開発におけるフロントエンド開発でもKotlinを用いるケースが多いです。したがって、Kotlinを習得しておくことで、サーバーサイドにもフロントエンドにも対応できるという利点もあります。

Kotlinのメリット

Kotlinのメリット

Kotlinのメリットは以下の4点です。

シンプルなコードで表現できる

Kotlinは、シンプルなコードでさまざまなシステムを表現できる点がメリットです。Javaでは数行にわたるコードも、Kotlinであれば1行で記述可能です。

こうした特徴から、Kotlinを用いることで作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減、生産性の向上につながります。エンジニアへの負担が少ないうえに需要が高いことは、Kotlinを語るうえで欠かせないメリットだと言えるでしょう。

Javaと相互利用できる

Android開発では、KotlinとJavaの両方を用いた開発が可能です。たとえば、Kotlinで開発している最中にJavaを持ってきたり、Javaで開発を進めている途中でKotlinを持ってきたりできます。

また、KotlinとJavaは互換性があることも特徴です。そのため、Javaで開発、作成したシステムをKotlinのプラットフォームに移行できます。さらには、JavaはKotlinに変換することも可能です。

このような背景から、いくつかの企業ではKotlinの導入を始めています。これまでJavaエンジニアとして活躍していたエンジニアも、気軽にKotlinエンジニアとして活躍できるでしょう。

安全に開発できる

Kotlinは安全に開発できる点もメリットです。たとえば、Nullに対する意識の高さです。

Kotlinは、Nullを許可するタイプと許可しないタイプで分類されています。これにより、代入ミスがあったときはコンパイルの時点でエラーを出力してくれるため、設計上の誤りにいち早く気付けるでしょう。

こうした仕様はJavaでも実現できますが、Kotlinほど細かく厳重ではありません。Nullによるエラーを未然に防げるので、エンジニアの負担を減らせる点がメリットです。

Googleのサポートを受けられる

Kotlinを用いて開発を行っているエンジニアは、Googleからの充実したサポートが受けられます。たとえば、Kotlinを用いたAndroid開発エンジニアの成長を促すための活動やオンラインで開発のスキルを学べるコースなどです。こうしたサービスが始まった理由としては、KotlinがGoogleのAndroid開発の公式言語として採用されたことが挙げられます。

初心者からKotlinエンジニアになったとしても、充実したサポートがあるため、戦力になるまで最短で突き進むことが可能です。文法がシンプルで勉強しやすいことも相まって、プログラミングの入門にはおすすめの言語だと言えるでしょう。

Kotlinのデメリット

Kotlinのデメリット

Kotlinには多様なメリットがある一方でデメリットも存在します。たとえば、以下の3点です。

  • ライブラリが少ない
  • 事例や日本語のドキュメントが少ない
  • Javaに引けをとる部分がある

KotlinはJavaをはじめとしたほかの言語に比べると、新しいプログラミング言語です。そのため、用意されているライブラリも比較的少ない印象にあります。

もし希望するライブラリがない場合は、Java用のライブラリを引用して利用しなければいけません。その際は、Javaの知識を必要とするので人によっては不便を感じるでしょう。

また同様の理由で、開発事例や日本語のドキュメントが少ないのもデメリットです。学習開始のハードルが低いとはいえ、教材として参考にできる媒体が少なく、勉強につまずくケースも見られます。

さらには、Javaと比べると汎用性に欠けるシーンも見受けられます。たとえば、Javaはサーバーサイドやアプリ、組み込み系ソフトといったさまざまな開発に採用されるのが一般的です。

一方でKotlinは、Androidアプリ開発あるいはサーバーサイド開発がメインです。こうした背景から、幅広く活躍できるのはJavaエンジニアと言えます。

Kotlinの将来性は高い

Kotlinの将来性は高い

Kotlinは高い将来性を持つプログラミング言語です。その理由としては、以下の3点が挙げられます。

スマートフォンの出荷台数が増えている

Kotlinの将来性が高いと言える理由の1点目は、スマートフォンの出荷台数が増えているということが挙げられます。KotlinはAndroidのアプリ開発を得意としている言語です。つまり、Androidのシェア率が増えるにつれて、Kotlinの需要も増加する可能性が高いということです。

また、5Gなどの最先端技術が発展していることも、スマートフォンの出荷台数が増えていることの後押しとなっています。Androidアプリ開発のエンジニアを目指している人にとっては、喜ぶべきポイントでしょう。

世界的な企業やサービスで使用されている

Kotlinの将来性が高いと言える理由の2点目は、世界的な企業やサービスで使用されているという点です。Kotlinは、GoogleのAndroidアプリ開発の公式言語として採用されました。Googleという世界的な企業から採用されたという信頼と実績はとても大きく、Kotlinの行く末を大幅に左右させたといっても過言ではありません。

ほかにも、Kotlinはさまざまな企業やサービスで用いられています。こうした背景から、Kotlinの将来性は高いと言えるでしょう。

日々アップデートを繰り返している

Kotlinの将来性が高いと言える理由の3点目は、アップデートを定期的に行っており日々進化している点です。Kotlinは世界中で利用され始めてからも、高い頻度でアップデートを繰り返しています。

アップデートを繰り返すたびにKotlinは洗練されていき、近年でもその進化が止まることはありません。その証拠に、GoogleやAndroidから公式言語として認定されたあともアップデートを繰り返しています。

こうしたKotlinの歩みは、これからも続くことが予想されるでしょう。したがって、Kotlinの将来性は高いと言えます。

Kotlinは今後も注目の言語

Kotlinは今後も注目の言語

KotlinとはAndroidのアプリ開発などで用いる言語の一種で、近年高い人気を見せています。Javaの改良版であるため、Javaとの互換性が高く相互利用できるのが特徴です。

しかしながら、Javaよりもシンプルなコードで開発がしやすいというメリットもあります。とはいえ、比較的新しい言語なので、ドキュメントや開発事例が少ない点がデメリットです。これからKotlinエンジニアを目指す方は、こうした特徴を踏まえつつ学習していくことをおすすめします。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。