2024.02.27
チャットコマースとは?メリットと注意点を解説!
ECサイトの運営に携わっている方の中には、「チャットコマースについて知っておきたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ほかにも、活用方法やメリットについて興味がある方もいるかもしれません。
本記事では、チャットコマースについて解説します。ほかにも、チャットコマースのメリットや注意点についても触れていきます。本記事を読むことで、自社にチャットコマースを導入するかどうかの判断材料が得られるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- チャットコマースとはなにか
- チャットコマースのメリット
- チャットコマースの注意点
目次
チャットコマースとは?
チャットコマースとは、ECサイトやその運営会社がチャットを使ってユーザーと会話し、商品紹介や問い合わせに応じる手法のことです。
多くの場合、LINEやFacebookメッセンジャーのようなアプリを活用します。チャットコマースにより、インターネット上のコミュニケーションが可能です。
チャットコマースとひと口に言っても、以下のようにいくつか種類があります。
- AIチャットボット…AIによるチャット
- シナリオ型チャットボット…選択肢によって分岐するチャット
- 有人チャット…担当者が直接行うチャット
なお、チャットコマースは「会話型コマース」とも呼ばれることがあります。
チャットコマースとチャットボットの違い
チャットコマースとチャットボットの違いは、施策なのかプログラムなのかという点にあります。
チャットコマースは、チャットを用いたマーケティング施策です。チャットボットを用いることから、両者を混同することも多いです。しかし、チャットコマースでは人間が直接チャットに対応するケースもあるため、必ずしもチャットボットを用いるとは限りません。
一方で、チャットボットはAIによるプログラムを意味しています。従って、チャットボットはチャットコマース以外のシーンでも利用されます。
チャットコマースの市場規模
チャットコマースの市場規模は、英国の調査会社Juniper Researchによると、2021年時点で410億米ドル(約5.9兆円)であると発表されています。
さらに2025年になると、2900億米ドル(約42兆円)規模にまで成長すると予想されています。そのうちアジア地域が90%を占めると予測されていて、今後ますます市場は大きくなるとされています。
チャットコマースの7つのメリット
チャットコマースのメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 顧客満足度の向上
- コスト削減につながる
- 業務効率化につながる
- 海外ユーザーへの接客もできる
- 回答の質が均一になる
- ユーザー情報やデータを蓄積できる
- 競合との差別化につながる
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
顧客満足度の向上
チャットコマースのメリットは、顧客満足度の向上につながることです。現代ではチャット文化が根付いているため、24時間365日迅速な対応ができることで安心感を持ってもらえます。
また、チャットコマースによってリアル店舗での双方向の接客のような体験をユーザーに届けられることも魅力です。担当者と相談しながら商品を決めるなど、顧客体験価値の最大化にもつながるでしょう。
コスト削減につながる
チャットコマースで問い合わせ対応ができるようになれば、電話での問い合わせも減るためコスト削減につながります。
ECサイトでは、問い合わせやクレームに対応するためにオペレーターを用意していることがあります。ユーザーにとって電話で対応してもらえるのは嬉しいですが、運営側にとっては人件費がかかる点が課題です。
そこでチャットコマースを導入することで、電話対応を最小化し、コストを削減することが可能です。
業務効率化につながる
よくある質問や問い合わせをチャットコマースで対応できるようになれば、業務効率化に繋がります。
特に、ECサイトの規模が大きくなるほど問い合わせ件数は増えていきます。対応件数が増えると個別に対応するのに時間がかかり、返品や発送が遅れるとクレームにもつながるでしょう。
こうした観点からも、チャットコマースで業務効率化することで、運営者とユーザーの両社にメリットをもたらします。
海外ユーザーへの接客もできる
チャットコマースなら外国語対応ができるため、海外ユーザーへの接客も可能です。チャットコマースならリアルタイムで対応できることから、スムーズにコミュニケーションを取れます。
なお、越境ECについては以下の記事で詳しく解説しています。越境ECに興味がある方は、こちらもあわせてお読みください。
回答の質が均一になる
チャットコマースではあらかじめどのように対応するのか決めていることから、均一で正確な回答が可能になります。担当者の違いによる対応のムラが発生しないため、顧客満足度を維持できるでしょう。
ユーザー情報やデータを蓄積できる
チャットコマースでユーザー属性や情報を収集・分析することにより、マーケティング施策に反映できることも大きなメリットです。
チャットコマースでは、個別にユーザーと対応できることから、さまざまな情報を収集できます。こうした情報を施策に反映することで、よりユーザーニーズを満たした施策になるでしょう。
競合との差別化につながる
チャットコマースによって顧客体験が改善されることで、競合との差別化につながります。
特にライバルが多いECサイトにおいては、ユーザーを自社サイトに囲い込むための競合差別化が非常に重要です。チャットコマースによって顧客体験価値を最大化すれば、リピート率が向上するでしょう。
チャットコマースを導入する際の3つの注意点
チャットコマースを導入する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
- 導入する目的を明確にする
- 完全に無人対応できるわけではない
- ライブコマースと併用する
ここからは、それぞれの注意点について解説します。
導入する目的を明確にする
チャットコマースを導入する際には、「導入して何を実現したいのか」といった目的を明確にすることが重要です。
新しい施策を導入すると、これまでとは違うオペレーションになります。現場のスタッフにとっても負担が大きいため、目的が曖昧なまま始めると社内のモチベーションが下がり、成功しません。
目的を明確にして社内で共有することで、共通認識を持って進められます。
完全に無人対応できるわけではない
チャットコマースを取り入れても、完全に無人で運用できるわけではない点に注意しましょう。
チャットコマースはあらかじめ決まった回答をユーザーに提供するものです。そのため、内容によってはオペレーターの対応が必要になることがあります。シーンに応じてオペレーターとの連携ができるよう、エスカレーションの体制を整えておくことが重要です。
ライブコマースと併用する
チャットコマースを導入する際には、ライブコマースと併用するのも戦略のひとつです。ライブコマースとは、ライブ配信をしながらユーザーの質問に答えたり、使い方を説明したりする施策のことです。
チャットコマースとライブコマースを併用することにより、担当者とコミュニケーションを取りながら買い物する機会を増やせます。そのため、顧客体験価値を最大化するチャンスが増えるでしょう。
チャットコマース導入がおすすめな企業
チャットコマース導入がおすすめな企業の特徴は、以下の通りです。
- 顧客満足度を上げたい企業
- 問い合わせスピードを上げたい企業
- 従来型のコマースが停滞している企業
- オペレーター不足の企業
チャットコマースを導入すれば、問い合わせやクレームに対してスムーズに対応できます。従来の方法よりも効率的に対応できるため、問い合わせスピードが向上し、その結果顧客満足度を上げられます。
また、半自動化できる点から、リソース不足も解決できることがチャットコマースの魅力です。チャットコマースにより、従来型のコマースが停滞していたり、オペレーターが不足していたりする問題も解決できるでしょう。
チャットコマースを活用している企業の事例
チャットコマースを活用している事例として、以下の企業の例が挙げられます。
- ヤマト運輸
- H&M
- BULK HOMME
ここからは、それぞれの事例について紹介します。
ヤマト運輸
出典:ヤマト運輸
チャットコマースの活用例 | LINEで配送状況の問い合わせに対応 |
---|---|
工夫している点 | 受け取り場所・指定日時の変更が可能 |
公式サイト | クロネコヤマト |
「クロネコヤマト」で知られるヤマト運輸では、LINEを用いたチャットコマースを実施しています。
ユーザーはLINE上で配送状況を確認できるため、オペレーターの対応が不要です。また受け取り場所・指定日時の変更ができるため、ユーザーの在宅時間時に荷物を届けることができます。
H&M
出典:H&M
チャットコマースの活用例 | 会員メンバーにコーディネートを提案 |
---|---|
工夫している点 | ユーザー情報を蓄積できる |
公式サイト | H&M |
H&Mでは、会員メンバーにコーディネートを提案するといったチャットコマースを実施しています。メンバーの好みをヒアリングすることで、自分のタイプに合う服を見つけることが可能です。
またチャットコマースを続けることで、ユーザー情報を蓄積できるため、今後のマーケティング施策に反映できるでしょう。
BULK HOMME
出典:BULK HOMME
チャットコマースの活用例 | LINEにてオペレーターが対応 |
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工夫している点 | 悩みに応じておすすめ商品を提案 |
公式サイト | BULK HOMME |
BULK HOMMEでは、LINEを用いたチャットコマースを実施しています。顧客の悩みをLINEヒアリングし、おすすめ商品を提案しています。ユーザーの悩みを解決できる商品をすぐに提案することで、購買へつなげることが可能です。
チャットコマースに使えるおすすめサービス
チャットコマースに使えるおすすめサービスは以下の通りです。
- zeals
- LINE公式アカウント
- Instagramビジネスアカウント
- Facebook Messenger
ここからは、それぞれのサービスについて紹介します。
zeals
出典:zeals
zeals(ジールス)では、ユーザーとのやりとりをLINE上で完結できます。入力された情報は自動で書き込まれるため、API連携など複雑な開発が不要です。
また、ユーザーの回答に応じてセグメントを制作できます。ユーザー属性に合わせた配信により、顧客満足度向上を期待できるでしょう。
LINE公式アカウント
出典:LINE公式アカウント
LINE公式アカウントでは、チャット機能によって個別にコミュニケーションを取ることが可能です。日本人が使い慣れたアプリなので、ユーザーにとっても安心感があるでしょう。
また、ターゲットを絞ったメッセージ配信ができます。問い合わせ内容を引き継ぐことで、ユーザーの属性やステータスに応じてフォローすることもできます。
Instagramビジネスアカウント
出典:Instagram
InstagramビジネスアカウントはMessenger APIを活用することで、Instagramのユーザーと対話できるようになります。LINEのように使い込んでいるアプリのIDを交換するのに抵抗感があるユーザーもいるでしょう。Instagramならプライベートと使い分けられるため、ユーザーにとって気軽に利用できるといったメリットがあります。
また、ユーザーが「おすすめ商品」などのキーワードを入力すれば、自動で商品を提案してくれます。そのため、販促活動を半自動で行うことも魅力です。
Facebook Messenger
強み・メリット | ユーザーにダウンロードしてもらう必要がない |
---|---|
公式サイト | https://www.messenger.com/?locale=ja_JP |
Facebook Messengerは、Facebookのプラットフォームを利用したアプリです。利用者の多いアプリなので、わざわざユーザーに新しいアプリをダウンロードしてもらう必要がありません。利用までのハードルも低いため、スムーズに対応できるでしょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ECサイトは本来ユーザーと直接コミュニケーションが取れない媒体です。チャットコマースを導入することで、店舗を利用しているような感覚で買い物ができるようになります。運営者にとっては業務効率化やコスト削減などのメリットもあるため、ぜひ導入してみましょう。
チャットコマースについて悩みや疑問がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築から運営サポートまで行っています。チャットコマース導入サポートもいたしますので、お気軽にご連絡ください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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