2024.03.26
楽天への出店は儲からない?理由や儲かる店舗の特徴、対策を解説!
楽天市場へ出店するか検討している方の中には、「出店して儲からなかったらどうしよう?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。また、実際に楽天市場へ出店していて、あまり効果が出ていない方もいるかもしれません。
この記事では、楽天市場への出店が儲からない理由について解説します。ほかにも、儲からない店舗の特徴と儲かる店舗の特徴についても触れていきます。本記事を読むことで、楽天市場で儲からない店舗の特徴を把握し、出店戦略を決められるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 楽天市場への出店が儲からない理由
- 儲からない店舗の特徴・儲かる店舗の特徴
- 楽天市場への出店で売上や利益率を上げる方法
目次
楽天市場への出店が儲からないと言われる理由
楽天市場へ出店したものの、儲からなかったため「やめたい」「失敗した」と考えている人も多いのではないでしょうか。実際に、楽天市場の撤退率は76%と言われています。
出典:相次ぐ楽天市場離れ 理想に現実追いつかず|日経ビジネス
儲からない理由は以下のように複数あると考えられます。
- 月額利用料や手数料が高い
- 競合が多く価格競争や差別化が難しい
- 楽天市場の店舗ガイドラインへの対応が必要
- 顧客対応や発送作業が負担になる
- 楽天内の検索システムで不利になることがある
- 専任のECコンサルタントの対応の質に差がある
ここからは、それぞれの理由について解説します。
月額利用料や手数料が高い
楽天市場に出店しても儲からない理由として、楽天市場のデメリットである月額利用料や手数料の高さが挙げられます。
楽天市場への出店には、出店料として月額利用料やプランに応じたシステム利用料が発生するからです。また、楽天ペイ利用料などの決済手数料も発生し、おおよそ売上の10%程度となっています。
さらに楽天市場ではSNS連携やメール配信オプションなどもあり、オプションを増やすほど負担は大きくなるでしょう。
このように、出店に必要な料金がコストを圧迫する原因となり、儲からない理由の一つになっていることが多いです。
競合が多く価格競争や差別化が難しい
楽天市場に出店しても儲からない理由として、競合が多く価格競争に陥ったり、差別化が難しかったりすることが挙げられます。
2022年3月時点で、楽天市場の出店数は56,000店舗です。
出典:数字で見る「楽天市場」25年の歩み|Rakuten Today
こうした数字から、同じカテゴリーや商品で競合する店舗が多く存在していると考えられます。
競合が多いと類似商品や同じような価格帯で販売されるようになり、差別化が難しくなる傾向です。そのため、自分の店舗の商品を売り込むのが難しくなるため、価格競争をせざるを得ない状況になるケースがあります。価格競争に陥ってしまうと、利益率が低くなり儲からなくなってしまいます。
楽天市場の店舗ガイドラインへの対応が必要
楽天市場への出店時に楽天独自のガイドラインやルールに従わなくてはならないことも、儲からない理由のひとつです。こうした規約への対応には手間がかかってしまうからです。
その例のひとつとして、ルール改定があります。変更が発生するとその都度対応しなければならず、過去には送料無料ラインの導入や禁止タグの追加などで店舗への負担が増えた事例もありました。
さらに、店舗ガイドラインに複数回違反すると、ペナルティや出店停止などの処分を受ける可能性があります。
このように、楽天市場独自のガイドラインがあると、対応工数やコストがかかってしまうことがあります。
顧客対応や発送作業が負担になる
楽天市場に出店すると顧客対応や発送作業などの運営業務が発生するため、これらも負担になりがちです。
この負担を解消するために、楽天市場では「楽天スーパーロジスティクス」という物流代行サービスが用意されています。とはいえ、サービス料が発生することから、出店規模や売上によっては、かえってコスト面で負担がかかるでしょう。
こうした事情から、自社で対応するとしても時間や人員、コスト面で負担が大きくなってしまいます。
楽天内の検索システムで不利になることがある
楽天市場の検索システムの傾向によって、売上を伸ばしにくいことも儲からない理由と大きく関係しています。
楽天市場の検索システムは、売上上位または人気ショップの商品が検索結果の上位に表示されやすい仕組みとなっています。そのため、新規店舗は検索に不利なのです。
その対策として、検索上位に表示されるために広告を打ち出したり、送料を無料にして競合と差別化したりするケースもありますが、結果的に利益率が低下してしまいます。
専任のECコンサルタントの対応の質に差がある
楽天市場の専任ECコンサルタントの対応についても、人によって差があることも問題のひとつです。
楽天市場では、出店者に1店舗ごとに専任のECコンサルタントが付いています。ECコンサルタントは売上や利益率の向上を目指して、商品ページの作成や改善、SEOや広告運用などのアドバイスやサポートを行ってくれます。
しかし、専任のECコンサルタントの対応の質には個人差があり、必ずしも一定の品質が担保されているわけではありません。場合によっては担当者が変更になることもあり、対応の質が低いと出店者の売上や利益率の向上に影響する可能性があるのです。
楽天市場への出店で儲からない店舗の特徴
楽天市場への出店で儲からない店舗には、以下7つの特徴があります。
- 商品の利益率が低い
- 競合商品や他店に関する調査ができていない
- 商品の質が悪い・売上につながる商品がない
- 配送対応が遅い
- 商品レビューがない・悪い
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
商品の利益率が低い
儲からない店舗の特徴のひとつとして、販売している商品自体の利益率が低いことが挙げられます。
利益率の低い商品はたくさん販売しても、システム利用料や月額費用を差し引いた際に利益が少なくなるため、儲かりにくいです。場合によっては、赤字になるリスクもあるでしょう。
そこで利益率を高めるためには、取扱商品の見直しが必要です。できれば、原価率が低くて利益が取れる商品を取り入れるようにしましょう。目安は、仕入れ価格の5倍~10倍で販売できる商品です。
競合商品や他店に関する調査ができていない
競合商品や他店の調査ができていないと、楽天市場に出店しても儲かりにくくなります。その理由は、適切な戦略を立てられず競合差別化ができないため、顧客に選ばれづらくなるからです。
儲かる店舗にするには、自社商品や店舗が市場でどのような位置付けにあるか調査しましょう。競合の比較した際の強みや弱みを把握し、競合がどのようなポイント還元率やクーポン設定をしているのかを定期的に確認することで、必要な施策や戦略が見えてきます。
商品の質が悪い・売上につながる商品がない
取り扱っている商品に問題があると、購入につながらず儲かりません。
たとえば、消費者のニーズに合っていなければ、そもそも購入してもらえないでしょう。またニーズに合う商品を販売していても、低評価を付けられてしまい、ほかのユーザーから避けられてしまいます。場合によっては、クレーム対応に追われ、余計な業務が発生してリソース不足になってしまいます。
楽天市場では競合が多いため、同じ商品を取り扱っているだけでは売れません。
配送対応が遅い
配送対応が遅れることにより、顧客満足度が下がって競合店舗に顧客が流れやすくなるため、機会損失に繋がりやすくなります。
今では多くの消費者がECサイトを利用しており、配送対応が早い状態に慣れています。そのため、商品の品質に問題がなくても、配送対応が遅れただけで低評価につながることも珍しくはありません。
さらには、配送に時間がかかると分かった場合、カゴ落ちにつながる恐れもあります。
商品レビューがない・悪い
商品レビューも売上を大きく左右する原因のひとつです。
たとえば、商品レビューが一切ないと、「信頼できる店舗だろうか?」と不安を感じて購入を避けられることがあります。さらには、低評価や印象の悪いレビューがあると、人気がないと判断されてしまい、購入につながらなくなってしまうでしょう。
また、評価の高い順にショップを並べ替えられてしまうと、上位に表示されなくなるため、注文してもらえません。こうした問題には、口コミ投稿を促すようなレビューキャンペーンや施策を実施すると効果的です。
楽天市場への出店で儲かる店舗の特徴
楽天市場への出店で儲かる店舗には、以下のような共通点があります。
- 商品ページを工夫している
- アクセスの解析・分析ができている
- 集客や広告での戦略ができている
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
商品ページを工夫している
楽天市場へ出店していて儲かっている店舗には、商品ページにいくつかの工夫が見られます。商品ページのなかでも、以下のような箇所は優先的に見直すべきです。
- 商品タイトル
- 商品画像
- 商品説明
利用シーンがイメージしやすいか、商品の特徴を理解できるか、といった視点から、以下の手順で見直しましょう。
- ユーザーが商品を購入するために必要な情報を整理する
- ユーザーの流入経路・商品ページを見る順番を整理する
- 構成を作成しデザインを決める
- 安心感を与えられるようプロモーションを実施する
- テキスト情報・図・画像のバランスを整える
上記に加え、スマートフォンで見やすいかどうか確認することも重要です。
アクセスの解析・分析ができている
ユーザー行動やアクセス数などの解析と分析ができていると、ユーザーにとって分かりやすいページとなるため、購入につながりやすくなります。
たとえば、商品ページにおいて分析すべき指標としては、以下の通りです。
分析で見るべき指標 | 例 |
---|---|
利益にかかわる指標 | 売上 ROI(投資利益率) ROAS(広告費用対効果) CPA |
顧客数にかかわる指標 | 会員数 アクセス数(PV数) CVR(コンバージョン率) |
顧客単価にかかわる指標 | 商品単価 購入点数 LTV(生涯顧客単価) |
ユーザー行動にかかわる指標 | 滞在時間 離脱率 直帰率 リピート率 |
詳しい分析方法については、以下の記事で紹介しています。こちらもあわせてお読みください。
集客や広告での戦略ができている
楽天市場で儲かっている店舗はさまざまな集客対策を行っています。
たとえば、自然流入のためのSEOや、SNS広告やWeb広告が代表的です。ほかにも、楽天市場のサイト内検索にも力を入れています。
もし集客スキルや知識がなく、どうすればいいのか分からない場合は、メルマガ配信オプションを活用してみましょう。一度商品を購入したユーザーにメルマガ配信することで、リピーター獲得につなげやすくなります。
ほかにも、楽天アフィリエイトも効果的です。楽天アフィリエイトは、外部ユーザーがSNSやブログで商品を紹介し、それを通じて商品を購入してもらう仕組みです。一度アフィリエイトプログラムに登録すれば、複数のユーザーに紹介してもらえるチャンスが生まれるため、効率的に集客できるでしょう。
楽天市場への出店で売上や利益率を上げる方法
楽天市場への出店で失敗しないためには、以下6つの売上を上げる方法を活用してみましょう。
- 利益率を考慮してプランを選ぶ
- 競合の状況に合わせて料金設定をする
- 送料設定・配送設定を最適化する
- 需要の高い売れ筋商品を用意する
- 広告運用をして集客につなげる
- 商品やブランドの認知度を上げる
そのうえで、現在の利益率を計算し、人件費や原価などの見直しも併せて行うとよいでしょう。ここからは、それぞれの方法について解説します。
利益率を考慮してプランを選ぶ
楽天市場の出品プランを選ぶ際は、利益率を考えて選択することがポイントです。自社の商品や店舗の規模、目標を考慮しながら、月額利用料や手数料などのコストとの費用対効果を考えます。
楽天市場では、月商が約140万円を超える場合はスタンダードプランが一番お得です。もうすでに楽天市場に出店している場合は、今のプランが合っているのか見直しておきましょう。
楽天市場のプランについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてお読みください。
競合の状況に合わせて料金設定をする
料金設定は、競合ショップの状況を見ながら行いましょう。売上を伸ばすためには、競合がいくらで販売しているのかを知らなければなりません。
なお、販売価格を下げ過ぎると利益率も下がってしまいます。闇雲に下げるのではなく、原価や販売目標も含めて判断することが重要です。
楽天市場では「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」などのイベントが開催されますが、こうしたタイミングで競合ショップが価格を下げる可能性が高いです。タイミングを考え、競合に影響されすぎないように注意しましょう。
送料設定・配送設定を最適化する
送料設定や配送設定は、配送コストや利益率、競合店舗の状況などを考慮して設定しましょう。
送料無料の商品は売れやすい傾向にありますが、店舗側が負担することとなるため、利益は減少するといったデメリットもあります。そのため、必ずしも送料無料にすればいいわけではなく、バランスを考えることが重要です。
また、キャンセルや再配達を減らすこともコスト削減につながります。キャンセルや再配達を防ぐためには、以下のような施策が効果的です。
- 配達プロセスの見直し
- 事前の発送連絡
- 受け取り確認の実施
需要の高い売れ筋商品を用意する
売上アップのためには、ユーザーのニーズやトレンドに合った売れ筋商品・入口商品を用意することが重要です。
売れ筋商品があればユーザーに商品を購入してもらいやすくなるだけでなく、楽天市場の店舗のページを見てもらいやすくなり、他商品への誘導バナーや店舗ページを見てもらう可能性が高まります。同時に購入までの導線や訴求を最適化し、購入につなげましょう。
そのために、楽天市場のランキングやレビュー、よく検索されている語句を調査しておくことが重要です。
広告運用をして集客につなげる
楽天市場では、新規店舗にとって検索システムが不利になります。そこで売上や利益率を上げるためには、広告運用を行って購入されやすい仕組みを構築することが有効な方法です。
楽天市場には、以下のような広告タイプが存在します。
インターネット広告 |
|
---|---|
プロモーションメディア広告 |
|
アセット |
|
これらの広告運用は、知識がなくても簡単に設定できるようになっています。そのため、予算を考慮しつつ利用することも検討してみましょう。
商品やブランドの認知度を上げる
楽天市場に限りませんが、ECサイト運営にとって商品やブランド自体の認知度を上げることも重要なポイントです。
商品の認知度を向上させる具体的な方法として、以下が挙げられます。
- SNSの活用
- プレスリリースの発信
- YouTubeを活用した動画での製品紹介
- インフルエンサーの活用
また、楽天市場の管理システム「RMS」を利用すれば、簡単にクーポン設定が可能です。
クーポンの種類はさまざまで、メルマガに添付できるクーポンや購入後に配布できるクーポンなどがあります。こうしたクーポンを活用することで、リピート率を上げ、認知度上昇に利用しましょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
楽天市場は国内でも人気のECモールで、店舗数が多いからこそライバルが多く、価格競争に陥りやすいです。ライバルと差別化するには、アクセス解析や分析を行い、商品ページの問題を洗い出しましょう。そのうえで改善を行うことで、購入につながりやすくなります。
もし楽天市場への出店について不安がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECモール出店・運営のサポートを行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事