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楽天市場の出店方法は?流れや費用、メリットデメリット

楽天市場の出店方法は?流れや費用、メリットデメリット

ショップ開設を検討している方の中には「楽天市場に出店したいけど出店方法がわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ほかにも、楽天市場に出店するのに必要な費用について知りたい方もいるでしょう。


本記事では、楽天市場の出店方法について解説します。また、出店に必要な費用やメリット・デメリットについても触れていきます。本記事を読むことで、出店までの流れや、必要な準備をイメージできるようになるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 楽天市場への出店の流れ
  • 楽天市場への出店費用
  • メリット・デメリット

楽天市場への出店の流れ

楽天市場への出店の流れ

楽天市場へ出店するには、以下5つのステップが必要です。

  • STEP1 Webから出店申込をする
  • STEP2 RMSアカウント開設を待つ
  • STEP3 開店準備を行う
  • STEP4 開店前の審査を受ける
  • STEP5 審査が完了したら運営を開始する

楽天市場への出店は、条件さえ満たせば個人でも可能です。最短でも開店まで2〜3か月程度かかるため、前もって準備しておきましょう。

ここからは、それぞれのステップについて解説していきます。

STEP1 Webから出店申込をする

STEP1 Webから出店申込をする

出典:出店申込情報の入力|楽天市場

楽天市場の公式サイトから[出店申込]へ遷移し、会社情報や店舗運営責任者情報に関する下記の必要事項を入力します。

  • 事業形態
  • 会社名
  • 本社所在地
  • 代表電話番号
  • 代表FAX番号
  • 代表者名
  • 店舗運営責任者
  • 所属部署(任意)
  • 郵送物等の送付先住所
  • 連絡先電話番号
  • 連絡先FAX番号
  • 連絡先メールアドレス
  • 取扱商材ジャンル

各項目にはヘルプページが用意されているので、どんな風に入力すればいいのか迷った際には、参考にしてみてください。

STEP2 RMSアカウント開設を待つ

申し込みが完了したら、RMSアカウントの開設を待つ必要があります。RMSアカウントとは「Rakuten Merchant Server(楽天マーチャントサーバ)」のことで、楽天市場の店舗運営に必要なシステムのことです。

RMSアカウントはおよそ2週間〜1か月程度で利用開始できるので、アカウントが開設されたらログインして次のステップに進みましょう。下記を準備しておくとスムーズに進められます。

  • 取り扱う商材を販売するにあたって必要な営業許可や資格
  • 商材の写真
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 個人事業主の場合は住民票と印鑑証明書、実店舗の写真

STEP3 開店準備を行う

RMSアカウントにログインしたら、開店準備を行いましょう。具体的には、以下のような準備が必要です。

  • 店舗情報の登録
  • 店舗ルール検定試験の合格
  • 決済方法と配送方法の設定
  • 売上の入金先の振込口座登録
  • 楽天への自動振替設定口座の登録
  • 商品登録
  • PC・スマートフォン用のTOPページの作成
  • 会社概要ページの作成
  • カテゴリページの作成
  • 看板画像の作成
  • 特定商取引法に基づく表記の作成

初めての店舗作成で不安な場合は、「RMSサービススクエア」というサービスを活用してみましょう。ページ作成の支援をしてくれるため、初心者でも安心です。

STEP4 開店前の審査を受ける

出店準備が整ったら、開店前に審査を受ける必要があります。審査の申し込みは出店申込書またはWebページから可能です。審査の結果によっては出店ができないこともあるので、必要書類を必ず揃えておきましょう。

申請書類に使用するのは、以下のものです。

  • お取扱予定商材の販売にあたって必要な営業許可・資格等の書類(古物取扱、酒類販売、食品営業、医薬品販売等)
  • 商材の写真
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

なお、個人事業主の場合は、市区町村役場にて印鑑登録済の実印、法人の場合は法務局登記済代表印でなければいけません。また、出店申込書や審査書類は最終的に原本の提出が必要になる場合があることも知っておきましょう。

開店前審査が通過したら、契約と入金によって開店できます。

楽天市場の審査に落ちる6つの原因

楽天市場では、ブランドや信頼性を保つために厳しい審査基準が設けられていると言われています。もし審査に落ちた場合は、下記の点に引っかかっていないか確認してください。

  • 個人の場合は、開業届を出した個人事業主であるか?
  • 取扱商品が禁止商材に含まれていないか?
  • 店舗での運営・販売実績があるか?
  • 契約住所はレンタルオフィスやバーチャルオフィスではないか?
  • 開店審査項目を満たしているか?
  • ガイドラインに抵触していないか?

STEP5 審査が完了したら運営を開始する

楽天市場での運営を成功させるには、RMS内の「R-Karte」というショップの分析レポートを使って、分析と改善を進めながら運営をしていきましょう。

R-Karteとは、楽天市場での売り上げ拡大に役立つ分析ツールです。新規・リピート別購入顧客数などのデータがグラフで表示されます。アクセス数や購入顧客数は、売上目標に必要な数字です。こうしたデータをツール一つで手に入るので、ノウハウがないかたでも簡単に分析ができるようになります。

楽天市場への出店時に使える3つのサポート

楽天市場への出店時に使える3つのサポート

楽天市場への出店時には、検討段階からページ作成や出店後の店舗運営までをサポートしてくれるサービスがあります。特に一人でショップを開設しようとすると、労力がかかるため、サポートを受けることで効率的に運営できるようになるでしょう。

サポート内容は以下の通りです。

  • 新規出店コンサルタント
  • 店舗オープンアドバイザー
  • ECコンサルタント

これらのサポートがあれば、苦手な分野やリソース不足などの問題を解消できるでしょう。ここからは、それぞれの内容について解説します。

新規出店コンサルタント

楽天市場への出店を検討している段階で利用できるサービスとして「新規出店コンサルタント」というサポートがあります。

新規出店コンサルタントでは、取り扱う商材や売上目標、楽天市場内の商品の売上トレンドをもとに、おすすめの開業時期を判断してくれるので初心者の方におすすめです。

また、ネットショップの市場動向や売り方などを学べる「楽天市場出店ECセミナー」も実施していて、無料で受講できます。

店舗オープンアドバイザー

楽天市場で店舗構築を行う際に役立つのが「店舗オープンアドバイザー」です。楽天市場でのページ作成での困りごとをサポートしてくれます。

ショップオープンまでサポートしてくれるので、初めてでもスムーズに開店準備ができることがメリットです。効率的に店舗を開設できれば、リソースが不足している状態でも準備ができるでしょう。

ECコンサルタント

初心者の方にとっては、「楽天市場でどんな商品を取り扱えば良いのか分からない」といった悩みもあるかもしれません。そこで楽天市場では、ショップの開店後も売れる店舗作りのためにECコンサルタントが1人付いてくれます。

トレンドや他店舗事例などの各種数値を見ながら、改善のための戦略を立ててくれます。そのため、ノウハウがない初心者でも改善しながら運営できます。

楽天市場の出店費用は?

楽天市場の出店費用は?

楽天市場の料金体系は、以下3つの要素から成り立ちます。

  • 月額出店料
  • システムサービス利用料金
  • 楽天ペイ(楽天市場)利用料

上記は、全プランで共通の費用と3つの料金プランの合計で料金が決まります。

なお、月額出店料は月ごとの支払いではありません。半年ごとの2回分割払い、または年間一括払いになる点に注意しましょう。また、クレジットカードやApple Payなどの決済手数料(楽天ペイ=楽天市場決済)もかかります。

ここからは、楽天市場の出店にかかる費用についてより詳しく解説していきます。

全プランで共通の費用

全プラン共通でかかる費用は以下の通りです。

初期登録費用 60,000円
楽天ポイント 楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%)
楽天スーパーアフィリエイト アフィリエイト経由売上の2.6~5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性
向上のためのシステム利用料
月間売上高の0.1%
R-Messe 月額固定費:3,000円~
楽天ペイ利用料 月額固定費:3,000円~

※上記の料金はすべて税別

出典:プラン・費用|楽天市場

楽天市場の3つの出店プランを比較

楽天市場の3つの出店プランは以下の通りです。

がんばれ!プラン スタンダードプラン メガショッププラン
月額出店料 19,500円/月
年間一括払
50,000円/月
半年ごとの2回分割払
100,000円/月
半年ごとの2回分割払
登録可能商品数 5,000商品 20,000商品 無制限
画像容量 500MBまで 5GBまで 無制限
システム利用料 月間売上高の
3.5~7.0%
月間売上高の
2.0~4.5%
月間売上高の
2.0~4.5%

楽天市場の公式サイトによると、目標月商が約140万円以上ならスタンダードプラン、商品数が20,000商品以上ならメガショッププランがおすすめとされています。月額費用を実際に計算できる「料金シミュレーション」もあるので、どのプランになるのか実際に確かめてみましょう。

なお、楽天市場の出店料については以下の記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてお読みください。

がんばれ!プラン

「がんばれ!プラン」は、3つのプランのうちで最も月額利用料が少ないプランです。

月額出店料 19,500円/月
年間一括払
登録可能商品数 5,000商品
画像容量 500MBまで
システム利用料 月間売上高の
3.5~7.0%

月額19,500円を年間一括支払いで支払う必要がありますが、一番少ない予算で出店を始められます。登録可能商品数は5,000商品、画像容量は500MBまでと制限があるため、小規模でスタートしたい場合におすすめです。

スタンダードプラン

スタンダードプランは、3つのプランのうち比較的ランニングコストが割安となっているプランです。

月額出店料 50,000円/月
半年ごとの2回分割払
登録可能商品数 20,000商品
画像容量 5GBまで
システム利用料 月間売上高の
2.0~4.5%

月額利用料は、半年ごとの2回の分割払いで月額50,000円です。登録可能商品数は20,000商品、画像容量は5GBまでとより多くの商品を出品できます。

システム利用料は月間売上高の2.0~4.5%で、がんばれ!プランよりもお得に利用できます。そのため、登録商品数が多い方や月商140万円以上の方に適したプランです。

メガショッププラン

メガショッププランは3つのプランのうち最も多く商品を登録できるプランです。

月額出店料 100,000円/月
半年ごとの2回分割払
登録可能商品数 無制限
画像容量 無制限
システム利用料 月間売上高の
2.0~4.5%

月額利用料は半年ごとの2回の分割払いで月額100,000円となっています。システム利用料はスタンダードプランと同じくシステム利用料は月間売上高の2.0~4.5%となっています。

メガショッププランは登録可能商品数や画像容量が無制限です。そのため、商品数や画像容量を気にせず利用したい方におすすめです。

使えるサービスや機能

楽天市場に出品すると、利用料金内で以下のサービスや機能を活用できます。

機能・サービス 詳細
ECコンサルタント エリアやジャンルの傾向に精通したECコンサルタントが、トレンドに合った販売戦略をサポート
コールセンター 店舗運営をサポートするサービス
EラーニングRUx ネットショップ運営に必要な知識を学べるEラーニング
楽天ペイ(楽天市場決済) 楽天市場向けの決済サービス
店舗構築機能R-Storefront 店内レイアウトの設定ができる機能
受注・管理機能 R-BackOffice バックオフィスのサポートツール
分析機能 R-Karte ショップの分析レポートツール
メルマガ配信 R-Mail お客様とコミュニケーションを取るためのメール配信ツール
問い合わせ管理 R-Messe ユーザーからの問い合わせを管理できる機能

楽天市場へ出店するメリット

楽天市場へ出店するメリット

信頼性と知名度が高い楽天市場に出品するメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 利用者が多く集客に強い
  • ECモールの中では店の特色が出しやすい
  • サポートが手厚い
  • ネットショップに関する知識が学べる
  • 売れている店舗のコツを知れる
  • 梱包や物流の作業をアウトソーシングできる

集客や運営のために必要なシステムが最初からすべて揃っているので、初心者でも簡単に開設できることもメリットでしょう。ここからは、それぞれのメリットについて解説します。

利用者が多く集客に強い

楽天市場では1億以上の楽天会員(2023年9月時点)がいるため、高い集客力を見込めます。

出典:楽天広告の強み|楽天モバイル

楽天スーパーセールのようなイベントや楽天ポイントなどの特典により、安定的な集客を見込めるでしょう。また、アフィリエイトプログラムによる別角度からの集客が見込める点がメリットです。

ECモールの中では店の特色が出しやすい

楽天市場はマーケットプレイス型であるため、他のECモールと比較して出店者側の個性を出しやすいというメリットもあります。

たとえば、Amazonはショップの品揃えやサービスによってオリジナリティを発揮しにくいです。一方で、楽天市場では独自の商品ページを作ることが可能なので、商品の良さを訴求しやすいです。

サポートが手厚い

楽天市場で出品すると、1店舗ずつにECコンサルタントが付くことも大きな魅力です。ECコンサルタントは売上向上の施策や相談が可能です。ほかにも、技術的な問題やトラブルが発生した際に強い味方となるでしょう。

また、「RMSサービススクエア」という店舗運営支援サービスがあることも強みです。画像素材やページデザインに関する相談ができます。

ネットショップに関する知識が学べる

楽天市場では、「楽天大学」という、ネットショップのノウハウを学べる講座があります。これは楽天市場での店舗運営に役立つ情報を、Eラーニング形式で学べます。動画は無料で視聴できて、5~10分程度で学べるため隙間時間に活用するのもいいでしょう。

また、全国各地にて座学で学べる教室も展開されています。わからないことは直接講師に質問できるため、よりノウハウを身に着けられます。

売れている店舗のコツを知れる

楽天市場で売上が伸びないときは、「NATIONS(ネーションズ)」というサービスが使えます。NATIONSとは売り上げ拡大を目指した勉強会のことで、目標に応じて以下のような4つのプログラムがあります。

Pre-NATIONS 売上を作る基礎を学ぶ
NATIONS BASIC 月商100万円を目指す
NATIONS 売上倍増を目指す
NATIONS ADVANCE 月商1.5倍を目指す

梱包や物流の作業をアウトソーシングできる

楽天市場では、物流アウトソーシングサービスも提供しています。

一人でネットショップを運営していたり、リソースが不足していたりすると、注文に対応できないことがあるかもしれません。ネットショップにおいては、注文からできるだけ早く商品を発送することが顧客満足度の向上につながります。そのため、アウトソーシングによってリソース不足を解消できるでしょう。

楽天市場へ出店するデメリット

楽天市場へ出店するデメリット

楽天市場に出品する際のデメリットとして、競合が多く価格競争になりやすい点が挙げられます。価格競争に陥ると利益率が下がってしまうため、売り上げ拡大から遠のいてしまうでしょう。

ほかにも、以下のようなデメリットがあります。

  • 広告費が高い
  • 出店費用が高い
  • プロモーションの制限が多い
  • 楽天の直営店が競合になる

これらのデメリットを知ることで、リスクを回避しながら運営できるようになるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。

広告費が高い

楽天市場では、リピーターの獲得難易度が高いため集客のための広告費が高くなりがちです。同じ商品を扱っているショップが複数あれば、競合サイトに流れてしまうかもしれないからです。

その結果、「儲からない」と言われることもありますが、楽天ランキング上位になると売上が伸びやすいという強みがあります。そこで、ランキングを狙うことで広告費を抑えられます。

出店費用が高い

楽天市場は、出店費用が他のECモールと比較して高いと言われています。たとえば、Yahoo!ショッピングは出店料が無料であるため、その点に注目すると高く感じるでしょう。

ただし、上記でも紹介したように楽天市場には集客やサポートなどのメリットがあります。ノウハウがまだない初心者でも失敗しにくくなるため、サポートを受けたいなら楽天市場がおすすめです。

プロモーションの制限が多い

楽天市場では、一部のプロモーションが利用できません。具体的には、以下のようなことができません。

  • 顧客データのダウンロード
  • 外部リンクの設置
  • 楽天会員に自社独自のメール送信
  • Googleアナリティクスなどの外部ツール使用

顧客データをダウンロードできないため、顧客分析に利用できません。こうした事情から、楽天から展開されているツールを使用する必要があります。

楽天の直営店が競合になる

楽天の直営店が増えているため、楽天の直営店が競合になる可能性があります。楽天の直営店のショップは以下の通りです。

  • 楽天ファッション
  • 楽天24
  • 楽天ビック
  • 楽天ブックス
  • 楽天スーパーDEAL
  • 39ショップ

なかでも衣類やアクセサリーを購入できる楽天ファッションがユーザーから人気です。扱うブランドも増えているため、自社独自の商品を扱うなどの工夫が必要です。

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

楽天市場にはショップごとにECコンサルタントが付いているため、運営に関するサポートを受けられます。また分析ツールで売り上げ拡大につながる戦略を立てられることも魅力的です。これから楽天市場に出店する方は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。

もし楽天市場での出店に関して疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECモールへの出店サポートを行っています。出店後のサポートもいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。