2024.05.21
予約販売とは?メリットや注意点・やり方
ECサイトを運用している担当者の中には「予約販売を販売方法として取り入れたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ほかにも、「どうやって予約販売を始めればいいの?」といった疑問がある方もいるかもしれません。
本記事では、予約販売の方法について解説します。ほかにも、メリットや注意点、成功するためのポイントについても触れていきます。本記事を読むことで、予約販売を始めるための準備が分かるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 予約販売の方法
- メリットや注意点
- 成功するためのポイント
目次
ECサイトの予約販売とは?
ECサイトの予約販売とは、将来商品を引き渡すことを前提に事前注文を受付け、発売日に購入者へ発送する販売形態のことです。
予約販売には4つの種類があり、以下のように活用できます。
活用方法 | 活用例 |
---|---|
在庫切れの場合 | 在庫が0になった段階で予約販売になり、次回入荷時期などを表示して機会損失を防ぐ |
発売前の場合 | 事前に受注数を把握し在庫過多を防ぐ |
生産数に合わせる場合 | 事前に受注数を把握し廃棄ロスを最小限に抑える |
一定数応募がない場合 | 購入者が一定数以上集まった場合にのみ生産を行い廃棄ロスを最小限に抑える |
予約販売と受注生産の違い
予約販売と受注生産の違いは、生産するタイミングにあります。
販売形態 | 特徴 |
---|---|
予約販売 | 生産数が注文数に左右されない |
受注生産 | 注文された数量のみ生産する |
予約販売は一般販売分も含めて予定生産数が決まっています。そのため、発売前に注文を受け付けますが、すでに生産は始めていることが一般的です。その一方で、受注生産では注文後に受注された数量しか生産しません。
こうした違いから、予約販売と受注生産は全く異なる販売形態だと言えます。
予約販売のメリット
予約販売のメリットは、以下の通りです。
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
発売日が未定の場合や変更になった場合でも販売可能
予約販売のメリットは、発売日に囚われず販売可能であることです。ECサイトでは、さまざまな事情で発売日が未定になったり変更になったりすることがあります。
予約販売であれば、「○月発売」「○日ごろ発売」といったかたちで柔軟に予約を受け付けられます。
売上計画を立てやすい
予約販売のメリットとして、売上計画を立てやすいことも挙げられます。発売日が決まっていなくても、予約販売で事前に注文を受け付けられます。特に、果物や輸入ワインなどの天候に左右される商品ではとくに有効な方法です。
季節商品やイベント商品の販売期間・機会が増える
販売期間が限られている商品でも、販売期間を長期化できることも予約販売のメリットです。季節商品やイベント商品など、商品によっては販売期間が限定されています。
たとえば、アパレルは短期間でトレンドが変わる傾向があるため、予約販売を取り入れることで販売機会を増やせます。ほかにも、クリスマスケーキやバレンタインなどの食品でも有効な手段です。
受発注管理がしやすい
予約販売によってある程度需要の予測ができるため、受発注管理がしやすくなります。また、予約販売と通常販売で一つのシステムの中で一括して商品の管理ができるため、業務効率化になる点もメリットです。
あらかじめ必要な作業工数を把握し、繁忙期には発送作業だけを行えば作業の負担も軽減できるでしょう。
売り切れによる機会損失を防止できる
予約販売なら、売り切れによる機会損失を防止できます。その理由は、在庫がなくても注文を受け付けられるため、顧客の離脱を防げるからです。
この場合は入荷待ちである状態が分かるようにし、次回入荷予定を明記しておくといいでしょう。
予約販売をする際の注意点
予約販売をする際の注意点は、以下の通りです。
- 1人あたりの予約制限機能が必要
- 商品を確保できないリスクがある
- 通常商品とのまとめ買いの際の発送制御
- 支払い方法の設定
- 一斉に発送するための在庫スペースの確保
- 予約キャンセル・受け取り不可の購入者が出る
ここからは、それぞれの注意点について解説します。
1人あたりの予約制限機能が必要
予約販売の注意点は、1人あたりの予約制限機能を設けることです。
なかには大量に商品を注文して独占し、転売しようとする人もいます。転売を防止するには、1人あたりの予約制限機能を設けることが大切です。
また、注文時の画面に転売禁止の旨を記載しておくといいでしょう。
商品を確保できないリスクがある
予約販売には商品を確保できないリスクがあることも注意点のひとつです。予約販売には、メーカー側や天候などの都合により商品が確保できないリスクがあります。
在庫を確保できなかった場合の対応をあらかじめ決めておき、購入前の注意点として同意してもらうフローにしておくことが重要です。
販売側都合でキャンセルすると顧客満足度を下げてしまうため、注意しましょう。
通常商品とのまとめ買いの際の発送制御
顧客が予約販売と通常販売の商品を同時に購入した場合、まとめて発送するとほかの商品をすぐに届けられません。顧客満足度を下げないためにも、通常商品を先に発送といった工夫が必要です。
支払い方法の設定
予約販売では、支払い方法の設定にも注意しましょう。特に注意すべきなのが、クレジットカード決済です。
売上が確定するのは商品を発送したタイミングです。予約販売では商品が入荷してから売上確定まである程度期間が空くため、クレジットカード決済を利用した場合、予約と引き落としのタイミングがズレることになります。
こうした性質から、クレジットカードの有効期限切れが発生する可能性や、何の支払いかわからず問い合わせになるケースもあると考えられます。
また、代引き設定についても要注意です。受取拒否されてしまうと、代金を回収できず損失になってしまう可能性があります。こうしたリスクから、予約販売時には代引きができないような設定をしておくといいでしょう。
一斉に発送するための在庫スペースの確保
予約販売を行う際は、一斉に発送するために在庫スペースを確保しましょう。
予約販売では、発売日が来たら一斉に在庫を出荷するケースが多いです。その場合、予約期間や販売直前の期間には予約数に合った在庫を抱えることになるため、通常より広いスペースや倉庫が必要です。
こうした性質から、あらかじめ注文数を予測し、倉庫やオペレーションを整備しておきましょう。
ECサイト向けの在庫管理システムについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
予約キャンセル・受け取り不可の購入者が出る
通常のECに比べて、予約キャンセルや受取不可のケースが多くなる点も予約販売の注意点です。
予約販売は注文から発送まで期間が空き、その間に気が変わってしまうことがあるからです。ほかにも、顧客が引っ越して住所が変更されていると受け取りができなくなります。
購入したことを忘れてしまったり、住所が変わっていたりするリスクを減らすためにも、発送前や注文後のフォローメールを丁寧に送付することが重要です。
予約販売のやり方
予約販売のやり方のなかで、もっとも簡単なのが既存のECサイトに搭載されている予約販売機能を用いることです。
たとえば、Amazonや楽天市場、makeshop、Shopifyには予約販売機能が用意されています。基本的には追加料金なしで利用できるため、どのような手順で利用できるか確認してみましょう。
予約販売を成功させるためのポイント
予約販売を成功させるためのポイントは、以下の2つです。
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
SNSやメルマガで事前告知をする
予約販売を成功させるためには、予約開始の段階でSNSやメルマガによって事前告知をすることが重要です。
事前告知を行うことによって集客率が高まり、成功しやすくなります。そのためにも、あらかじめSNSのフォロワーを増やしておいたり、広告を打ったりするなどの工夫があるといいでしょう。
ECサイトの集客方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
予約販売限定の特典やキャンペーンの実施
予約販売のメリットを感じてもらうことで、購入促進につなげられます。予約販売限定の特典をつけたり、キャンペーンを実施したりすると特別感を演出できるでしょう。
たとえば、ECサイト内で使えるポイント・クーポンを配布したり、デジタルギフトなどを用意したりすると効果的です。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
予約販売には、売上計画が立てやすく、受注管理業務も効率化できるメリットがあります。ただし、商品を確保できないリスクがあるため、在庫を確保できなかった場合の対応をあらかじめ決めておくことが大切です。
導入を検討している方は、ぜひ本記事でご紹介したポイントを取り入れてみてください。
予約販売に関して疑問やお悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイト制作から運用までをサポートしており、予約販売のお手伝いも可能です。ぜひお気軽にご連絡ください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事