2024.05.09
セレクトショップ開業の流れは?
セレクトショップとは、独自のコンセプトに応じて複数のブランドを仕入れたアパレル専門店のことです。
セレクトショップに興味がある方の中には、「開業の流れや必要なものを知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ほかにも、個人で開業できるのか不安に思っていたり、セミナーの受講を考えていたりする方もいるかもしれません。
本記事では、 セレクトショップ開業の流れについて解説します。ほかにも、必要な資金の目安や成功ポイントについても触れていきいます。本記事を読むことで、未経験でも失敗しないよう準備を進められるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- セレクトショップ開業の流れ
- セレクトショップ開業に必要な資金の目安
- セレクトショップ開業の成功のポイント
目次
セレクトショップ開業の流れ
ECサイトにおける在庫管理のポイントは、以下の通りです。
セレクトショップ開業の流れは、以下の通りです。
大まかな流れを把握することで、開業するためにどんな準備が必要になるのかが分かるでしょう。未経験の方は、必ずチェックしておきましょう。
ここからは、それぞれのステップについて解説します。
セレクトショップ開業に必要な資格や届出
セレクトショップを開業する際に必要な届出は、基本的には「個人事業の開業届」と「青色申告承認申請書」です。
ただし、取り扱う商材によっては許可や資格などが必要になるため注意が必要です。ここからは、必要な資格や届出について、詳しく解説していきます。
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
セレクトショップを開業するには、開業届が必要です。
開業届とは、事業を始めたことを税務署に報告するための書類です。会社員の場合は給与から所得税が天引きされますが、個人で事業を行う場合は、所得に応じて税金を支払わなくてはなりません。開業届は、そのための準備として提出します。
開業届の提出期限は、原則として開業から1カ月以内です。書類作成後は、管轄の税務署へe-Taxで送付するか、直接窓口に持参するかして提出しましょう。書類は国税庁のホームページからダウンロード可能です。
青色申告承認申請書
セレクトショップを開業した際は、青色申告承認申請書も提出します。青色申告承認申請書とは、青色申告を受けるために必要な書類のことです。青色申告は大きな節税効果を期待できる申告納税制度のことで、最大65万円の特別控除が受けられます。
ただし、確定申告の際は白色申告より複雑で、貸借対照表と損益計算書の書類提出が必要となり、複式簿記による記帳が求められます。
青色申告承認申請書の提出期限は申告する年の3月15日までです。ただし、その年の1月16日以後に事業を開始する場合は、事業開始日から2か月以内に提出します。
会計期間を2024年1月1日~12月31日までとした場合
開業日の例 | 提出期限 |
---|---|
2023年に開業し2024年から青色申告する場合 | 2024年3月15日 |
2024年1月1日~1月15日に開業した場合 | 2024年3月15日 |
2024年1月16日以降に開業した場合 | 事業開始日から2か月以内 |
書類作成後は、管轄の税務署へe-Taxで送付するか、直接窓口に持参するかして提出しましょう。書類は国税庁のホームページからダウンロード可能です。
取り扱う商材ごとで必要な申請や許諾
セレクトショップ開業時には、取り扱う商材によっては申請や許諾が必要になるものがあります。たとえば、中古品や酒類、化粧品などを販売する際には、以下のように許可が必要です。
商材の種類 | 必要な資格 | 具体例 |
---|---|---|
中古品 | 古物商許可が必要な場合がある | 絵画、洋服、カメラ、バッグ、本、雑誌 |
酒類 | 通信販売酒類小売業免許、一般酒類小売業免許 | アルコール度数1%以上の酒類・みりん |
化粧品 | 化粧品製造販売業許可、化粧品販売業許可など | 自社で化粧品を製造または輸入し、自社の製品として出荷 |
商材の種類や仕入れルートによって、必要かどうかが変わるケースもあります。セレクトショップ開業と取り扱う商品が決まったら、資格が必要かどうかを必ず確認しましょう。
コンセプトを決める
セレクトショップを開業する際には、まずコンセプトを決めましょう。最初にコンセプトを考える理由は、開業後の事業の進め方やターゲット、店舗の運営方法を定めるためです。コンセプト決めはその後の売上や店舗の強みに影響するため、重要なポイントです。
コンセプトを決める際は、以下3つの項目に分けて考えます。
コンセプトの項目 | 例 |
---|---|
誰に | 年齢 性別 趣味 悩み ライフスタイル |
何を | 商品のジャンル 種類 ブランド |
どのように | ブランディング方法 |
コンセプトを決めるときのポイントは、お店の雰囲気を分かりやすくするために、なるべく具体化させていくことです。そのためには、他のセレクトショップを研究したり、ショップで扱う商材に統一感を持たせたりしましょう。
また、ショップの名前やロゴが決まった際は、すでに同じ名前や類似デザインのロゴが使用されていないか、必ず確認しておきましょう。
仕入れ先を決める
コンセプトを定めて取り扱う商品が明確になったら、仕入れ先を決めていきます。セレクトショップにおいては、仕入れ方法は以下のように3つあります。
このとき、仕入れ方法をひとつに絞るのではなく、複数の方法を組み合わせて利用することが重要です。ここからは、それぞれの方法について解説します。
メーカーから直接仕入れる方法
セレクトショップで商品を仕入れる方法として、メーカーから直接買い付けて仕入れる方法があります。この場合、展示会やショーに足を運んだり、ホームページから情報収集してメールや電話で問い合わせたりします。
メーカーから直接仕入れるメリットは、まだ市場に出回っていない商品がいち早く手に入る可能性があることです。また、場合によっては良い条件で商品を入手できることもあります。
ただし、開業したばかりでは売上実績がなく、交渉できないこともあるかもしれません。
問屋から仕入れる方法
セレクトショップでは、問屋から仕入れるケースもあります。問屋とは、メーカーから直接商品を仕入れて小売業へ販売している事業のことです。
問屋から仕入れる際は、問屋街に足を運んだり、問屋へ電話やインターネットで問い合わせたりします。
問屋から仕入れるメリットは、複数のメーカーとの取引があることです。そのため、複数のメーカーと直接やり取りする手間が省けます。また、在庫が多いとすぐに納品してもらえることもあります。
ネットの仕入れサービスで仕入れる方法
セレクトショップで販売する商品は、インターネットから仕入れることも可能です。一般的には卸サイトと呼ばれ、「TopSeller」や「卸の達人」といったサイトが代表的です。
ネットの仕入れサービスを利用するメリットは、24時間365日いつでも仕入れができることです。忙しい隙間時間に利用したり、自宅でゆっくり比較検討したりなど、さまざまな使い方ができます。
一方で、ネットの仕入れサービスには商品を手に取って選べないというデメリットがあります。そのため、質感や手触りなどを確認するのは難しいでしょう。
資金調達をする
セレクトショップを開業する際には、ある程度まとまった資金が必要です。そのためには、資金調達が欠かせません。
自己資金だけで賄うのが理想ですが、必ずしもその通りにならないこともあるでしょう。自己資金だけで足りない際は、国や自治体が運営している補助金制度や金融機関の融資などを受ける方法があります。
セレクトショップで使える代表的な調達方法は、以下の通りです。
- 日本政策金融公庫
- 信用保証付の融資
- 新創業融資
- 小規模事業者持続化補助金
上記以外にも、クラウドファンディングを利用する手段もあります。
備品・道具・設備の準備をする
コンセプトや仕入れ先が決まったら、開業に必要な備品や道具、設備などの準備をしましょう。実店舗で開業する場合、一般的には以下のようなアイテムが必要です。
- 什器
- レジ
- キャッシュトレー
- 領収書
- 印鑑・朱肉
- ペンやはさみなどの文房具
- 封筒
- ゴミ箱
- 電卓
- ショップカード
- ショッパーや梱包材
アパレルの場合は上記に加えハンガーやバー、裾上げ用のミシンなども用意しましょう。
一方で、ネットショップで開業する場合は、インターネット環境とパソコン、スマートフォン、梱包材などがあれば最低限で開業できます。ネットショップを開設する際は、ASPサービスを利用して自分でネットショップを立ち上げるか、ECモールに出店するかを選ぶ必要があります。
関連記事:ライブコマースとは?市場や向いている商品、メリットデメリットを解説
セレクトショップ開業に必要な資金の目安
セレクトショップ開業に必要な資金の目安は、実店舗を持つ場合と、ネットショップだけにする場合で異なります。ここからは、それぞれの場合に必要な資金の目安について解説します。
実店舗を開く場合
セレクトショップを実店舗で開設する場合に必要な資金の目安は、およそ400万~1,000万円です。開業においては、以下のような費用が発生します。
実店舗開設に必要な資金 | 内訳 |
---|---|
初期費用 | 物件取得費 外装工事費 内装工事費 販促費 設備・備品 梱包資材費用 商品仕入れ費用 |
運転資金 | 家賃 人件費 水道光熱費 商品仕入れ費用 |
こうした費用が必要になるため、資金に余裕がある場合に実店舗を選ぶといいでしょう。
ネットショップを開く場合
セレクトショップをネットショップで開設する場合に必要な資金の目安は、20万〜100万円程度です。具体的には、以下のような費用が必要です。
ネットショップ開設に必要な資金 | 内訳 |
---|---|
初期費用 | ネットショップ構築費用 PCなど機器購入費用 販促費 梱包資材費用 商品仕入れ費用 |
運転資金 | サーバ費用 ドメイン費用 ソフトウェア更新費用 人件費 商品仕入れ費用 ネットショップ更新費用 |
ネットショップの開設は、資金に余裕がなくても比較的始めやすいです。ただし、ネットショップ運営に関するノウハウが必要になるため、サポート体制についてもチェックしておきましょう。
セレクトショップ開業の成功のポイント
セレクトショップ開業の成功のポイントは、以下の通りです。
- コンセプトを明確にする
- SNSや広告などの集客施策を考える
- 競合との差別化を考える
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
コンセプトを明確にする
セレクトショップを成功させるには、コンセプトを明確にすることが特に重要です。
その理由は、明確なコンセプトがないと顧客の期待に応えられず、リピートに繋がらないからです。また他社のブランドと差別化ができていないため、売上も安定しないでしょう。
セレクトショップ運営のポイントは、最初に決めたコンセプトから軸をぶらすことなく、コンセプトに合った商品を仕入れ続けるようにすることです。
SNSや広告などの集客施策を考える
セレクトショップで売上を確保するには、開業するだけでなくSNSや広告などの集客を行うことがポイントです。
特に、開業したばかりのことは知名度も低いため、ユーザーが増えません。認知拡大のためにも、積極的に集客施策を実施する必要があります。
具体的な施策としては、以下のような方法が有効です。
- ホームページの作成
- SNSにおける発信
- ファッション系メディア・雑紙・ガイド本への掲載
- ブログの作成
競合との差別化を考える
売上を安定化させるために、同じような商品を取り扱う競合との差別化を行いましょう。たとえば、店舗では取り扱っていないようなニッチな商品を仕入れることで、セレクトショップとしての価値を高めることができます。
ほかにも、固定ファンがつきはじめた際は自社ロゴやショップ名のタグがついたオリジナル商品を販売することも有効です。
セレクトショップ開業のメリット
セレクトショップ開業のメリットは、以下の通りです。
- 好きな商品を販売できる
- 実店舗とECサイトの両立を運営するメリットが大きい
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
好きな商品を販売できる
セレクトショップの最大のメリットは、自分が好きな商品を販売できることです。分野としてはアパレルが多いものの、インテリア・雑貨・家電などの領域でセレクトショップを開業する人も増えてきています。
自身の世界観を店舗やECサイトに反映できるので、自分の好きな分野で販売できるのはモチベーション向上にもつながるでしょう。
関連記事:アパレルネットショップを開業する手順は?流れや方法、儲かるためのポイント
実店舗とECサイトの両立を運営するメリットが大きい
セレクトショップを開業する際には、実店舗とECサイトの両方を運営するメリットが大きいです。
商品を手に取って確認してから購入したいユーザーには、実店舗に来てもらうことが可能です。一方で、遠方のユーザーにはECサイトで購入を促したり店舗受け取りをしたりしてもらうといった戦略を取れます。こうした戦略により、売上向上につながるでしょう。
また、ECサイトを開設しておくことで定休日や深夜といった営業時間外でも注文を受け付けられるため、機会損失を防げることも強みです。
ECサイトとリアル店舗の連携方法については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
関連記事:ECサイトとリアル店舗の連携方法は?実店舗との違いやメリット
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
セレクトショップを開業する際は、書類作成や資金調達などの事務手続きが必要です。ほかにも、売上安定のためにコンセプトを決めたり、仕入れ先を確保したりすることも大切です。これからセレクトショップを開業する方は、ぜひ本記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。
もしセレクトショップの開業について不明点や悩みがありましたら、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築から運用まで、幅広くサポートを行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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