2023.10.02
【初心者向け】越境ECの始め方|出店方法の種類や必要な準備、注意点を紹介
現在多くの企業が越境ECで売上を獲得しています。さまざまな企業が越境ECで成功していることから、自社商品を海外で販売したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、越境ECの始め方をわからずに出店しても、商品が売れない可能性があるため注意が必要です。
本記事では、越境ECの始め方や出店方法の種類、必要な準備、注意点を紹介します。本記事を読むことで具体的な手順や注意すべきポイントが分かるため、すぐに準備に取り掛かれるでしょう。EC事業未経験の方にもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 越境ECの準備
- 越境ECの始め方
- 越境ECの注意点
越境ECの始め方6選
越境ECには以下のようにさまざまな方法があります。
- 国内で自社ECサイトを構築する
- 進出国で自社ECサイトを構築する
- 越境に対応できる国内ECモールに出店する
- 海外のECモールに出店する
- 保税区を活用してECサイトを出店する
- 販売代行サービスを利用する
上記の中から自社にとって最適な方法を見つけてみてください。ここからは、それぞれの手順について解説します。
国内で自社ECサイトを構築する
越境ECは、国内で自社のECサイトを構築して始めることができます。もともと自社のECサイトを持っている企業の場合、多言語対応することによって販路を広げるケースもあります。
構築方法はさまざまですが、オリジナルデザインにこだわりたい場合はフルスクラッチで一から構築可能です。
また「BASE」や「STORES」などのASP型ネットショップを利用することもできます。これらのサービスを利用することで、多言語化にも比較的簡単に対応できます。
なおECサイトの種類については下記記事で解説しているので、合わせてお読みください。
進出国で自社ECサイトを構築する
越境ECには、商品を販売する国でECサイトを構築して販売する方法もあります。この方法はすでに海外で商品が浸透している企業におすすめです。
ただし、海外で新たにECサイトを構築するとなるとそれなりの労力とコストがかかります。また集客方法も現地に合わせる必要があり、現地の文化やニーズを満たすコンテンツが求められるため難易度も高いです。
こうした特徴から、ノウハウがある企業やリソースに余裕のある企業でないと難しいでしょう。
越境に対応できる国内ECモールに出店する
初心者にも向いているのが、越境に対応できる国内ECモールに出店するという方法です。有名なモールを挙げると「Amazon」や「楽天市場」がこれにあたります。これらのモールは日本で利用したことがある人も多く、出品方法もイメージしやすいのではないでしょうか。
基本的には日本語で作成した商品を多言語に反映するだけであるため、ほかの方法に比べて参入ハードルが低いのが特徴です。EC事業の知見が少ない人でも始めやすいでしょう。
海外のECモールに出店する
海外で主流のECモールに販売するのも一つの方法です。進出したい国で利用者が多いECモールであれば、見込み顧客も多く閲覧してくれる機会も多いでしょう。
ただし、出店や出品の際には現地のECモール事業者と交渉する必要があります。また法的な手続きも発生するため、手間がかかりやすいのが難点です。
自社にノウハウがある場合は問題ありませんが、そうでない場合は専門も代行会社にサポートしてもらう必要があるでしょう。
保税区を活用してECサイトを出店する
越境ECにおいては、保税区を活用してECサイトを出店するという手段もあります。保税区とは、他国の税関で流通の許可をもらうまでの間、一時的に海外で商品を保管する地区のことです。特に中国のECで多く活用される方法で、メリットもいくつかあります。
商品は一括で輸送できるため、輸送費のコストを削減できます。またECサイトで注文が入ると現地からそのまま商品を出荷できるので、消費者にとっても送料の負担がかかりません。さらに配送時間の削減につながり、顧客満足度の向上が期待できます。
販売代行サービスを利用する
もし自社でECサイトを構築するのが難しい場合は、販売代行サービスを利用することをおすすめします。
越境ECに対応している販売代行サービスなら、専門のノウハウがあるため法的な手続きなども含めて依頼できます。またECの販売にかかる手間を削減できため、その分のリソースを商品開発などに充てられるでしょう。
ただし、販売代行サービスに依頼すると、顧客とのメッセージのやり取りがなくなるため、顧客情報を得にくいといったデメリットもあります。
越境ECを始めるための準備
越境ECを始めるには、以下のような準備が必要です。
- 市場調査と法律・規制を確認して販売する商品を決める
- ターゲットを設定する
- 出店方法を決める
これらの準備を行うことにより、海外進出による売り上げ拡大を見込めるでしょう。ここからは、それぞれの準備について解説します。
市場調査と法律・規制を確認して販売する商品を決める
販売したい国をある程度絞り込むために、市場調査によって取り扱う商品を決めます。
この時、市場調査に役立つのがBEENOSの消費動向分析です。「越境ECヒットランキング2022」では需要の高い商品をジャンルごとにランキング形式で紹介しています。これらのつち、自社で扱っている商品がないかチェックしてみましょう。
さらに、法律や規制を確認することも重要です。商品を海外に送れるか、輸出量が限られていないかを調べましょう。
最後に関税についても確認し、結果的に商品の販売価格が高額になっても売れるかを考えてみてください。越境ECに関する関税については、下記記事で解説しています。
ターゲットを設定する
販売する商品が決定したら、ターゲットを設定します。具体的にターゲットを決めると集客方法が明確になります。
そこでターゲット設定の際は、以下の属性を細かく設定しましょう。
- 国・地域
- 文化や習慣
- 年齢
- 性別
- 家族構成
- 年収
- 趣味・関心
ターゲット設定のポイントは、国や地域だけでなく文化や習慣も確認することです。
同じ国に住んでいる人でも地域や宗教、文化によってライフスタイルや関心が異なっています。たとえば、「アメリカ人」と一口に言っても宗教や人種が異なるため、自社商品が刺さらない可能性があります。
ターゲットのことをよく理解するためには、文化や習慣についてしっかり深堀していくことが大切です。
出店方法を決める
ターゲットを設定したら、出店方法を決めましょう。出店方法は以下のようにさまざまな方法があります。
- 自社ECサイトの構築
- ECモールの出店
- 販売代行サービスの代行
- 保税区による販売
出店方法を決める際のポイントは、自社の予算やECに関するスキル、知見を考慮して決めることです。
たとえば、自社にプログラミングスキルやマーケティングスキルがある場合は、自社でECサイトを構築しても問題ないでしょう。スキルが足りない場合は、販売代行サービスを利用するのも一つの方法です。
無理な方法を選んでしまうと収益が見込めない可能性があるため、よく考慮しましょう。
5ステップでできる越境ECの始め方
越境ECを始める際の手順は以下の通りです。
- ECサイトを準備する
- 決済方法を設定する
- 配送方法を決める
- 集客方法を検討する
- 販売を開始する
この順序で進めることにより、手戻りなくスムーズに進められるでしょう。ここからは、それぞれのステップについて解説します。
ECサイトを準備する
はじめに、越境ECに必要なECサイトの制作準備をします。何を準備するからは出店方法によって異なりますが、最も準備が多いのは自社でECサイトを構築する場合です。サーバーを借りたり、ドメインを取得したりする必要があります。
またサイトのデザインを決める際はターゲットの好みを調査することも忘れてはなりません。国内でウケのいいデザインだったとしても、海外ではそうでない可能性があるので注意が必要です。
一方、ECモールに出店する場合はサイトを制作する必要がないので、出品に必要な画像や他国の言語に合わせた商品登録をするなど、この段階で必要な準備は比較的少なくなります。
決済方法を設定する
ECサイトの準備ができたら、ターゲットの利用方法に合わせた決済方法を設定します。自動翻訳があれば各言語に対応できますが、不自然な翻訳になっていないか代行会社もしくは現地の担当者に確認してもらうといいでしょう。
決済方法の例は以下の通りです。
- キャッシュレス
- クレジットカード
- コンビニ払い
- 代引き
クレジットカードやキャッシュレスを利用した場合は、トラブルに発展しないようセキュリティ対策も万全にしておきましょう。
ただし必ずしもこれらの必要だというわけではありません。ターゲットがよく利用している決済方法を確認し、導入するようにしましょう。
また為替による影響で損しないよう、日本円建てにするか外貨決済にするかを選ぶのことも大切です。
配送方法を決める
決済方法が決まったら、商品の発送方法を決めます。たとえば、日本から海外に商品を発送するには、以下のような方法があります。
- 国際郵便サービス(EMS)での発送
- 海外の発送代行による発送
- 進出国への物流拠点の設置
国際郵便サービスとは日本郵政のサービスで、世界の120カ国以上が対象となっています。EMSは個別で配送するため、1回あたりの配送料が高くなり、税関手続きは事業者または購入者が行わなくてはなりません。
海外発送代行サービスなら国内の倉庫に商品を保管でき、注文ごとに発送してくれます。発送手続きの費用はかかりますが、書類関係の業務や梱包作業の手間が省けます。
進出国に拠点を置けば、注文後24時間以内に発送することが可能です。ただし発送業務の品質は進出国によって左右されるため、頑丈な梱包にするなどの対策が必要になります。
配送方法を決める際のポイントは、コストや商品の特性を考慮することです。購入された商品が確実に顧客のもとに届けられる販売ルートを決め、配送会社と契約しましょう。
集客方法を検討する
認知度や購入意欲を向上させるためには、集客方法の検討が必要です。ターゲットに刺さるメッセージを考え、どのように告知すれば多くの人に自社商品について知ってもらえるかを考えていきましょう。
集客方法を決める際のポイントは、進出国でよく使われているチャネルを活用することです。宣伝するSNSやメディアなどを調査し、どのチャネルを利用すればターゲット層に届けられるのかを調査しましょう。
集客方法の一例が、海外のインフルエンサーを起用したマーケティングです。ターゲットから指示されているインフルエンサーを起用すれば、注目してくれる可能性が高まります。
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販売を開始する
越境ECの準備が整ったら、いよいよ販売を開始します。
顧客満足度を向上させるためには、正しい商品を確実にお届けすることが求められます。そのためには注文管理や在庫管理を適切に行いましょう。
もし最適な管理方法が確立していない場合は、管理システムの導入するのも有効です。システム化することによって人為的なミスが減り、業務効率化につながります。
越境ECを始める際の注意点
越境ECを始める際は、以下の点に注意しましょう。
- 自動翻訳のみに頼らず多言語に対応できる人材を確保する
- 現地の文化や流行を定期的に把握するようにする
- 商品の配送状況を常に把握できるようにする
これらのポイントを意識することで、現地のニーズを満たした運営ができるようになります。ここからは、それぞれの注意点について解説します。
自動翻訳のみに頼らず多言語に対応できる人材を確保する
ECサイトの多言語対応は自動翻訳のみに頼るのではなく、各言語に対応できる人材を確保しましょう。
自動翻訳は機械的な翻訳になり、ニュアンスや真意を伝えるのには限界があります。現地に馴染みのない言い回しがあると、商品の魅力を伝えるのも困難になるでしょう。
またページの翻訳だけでなく、現地の消費者の問い合わせに対応するためにカスタマーサポートの手言語対応も必須です。必要に応じて適切に対応できるよう、ターゲットの国の言葉に対応できる人材を確保することをおすすめします。
もし人材の確保が難しい場合は、翻訳の代行サービスを活用することも検討しましょう。
現地の文化や流行を定期的に把握するようにする
越境ECを始める際は、現地の文化や流行を定期的に把握するように努めましょう。ターゲットの国の文化によってニーズのある商品が異なり、日本でヒットした商品が必ず売れるとは限りません。
そこで、現地のニーズを満たすECサイトにするために、以下のようなポイントを意識して情報収取してみましょう。
- ターゲット層がよく利用するSNS
- 使用されている検索エンジン
- 現地の人に好まれるデザイン
- 一般的なサービス対応
また、損失を出さないためにも進出国の政治や経済のリスクも確認することも重要です。大きな為替変動があると円高の影響で想定よりも利益が見込めない可能性があります。
商品の配送状況を常に把握できるようにする
物流体制を整え、商品の配送状況を常に把握できるように努めましょう。配送遅延や輸送中の商品の故障があると、顧客満足度の低下につながります。サービス向上のためにも、確実に商品を指定日時に届けられるような体制を整える必要があります。
とはいえ、発送遅延が発生しないとも限りません。万が一に備えてお問い合わせ窓口を用意するなど、トラブルがあった際に対応できるようにすることが大切です。
また商品の積み込みや荷降ろしの際に商品の破損が発生する可能性があります。破損トラブルによる損失を防ぐためには、配送業者の保証を活用するのも一つの手段です。
自社に合う越境ECの始め方を検討して出店しよう
越境ECにはいくつか出店方法があります。それぞれメリットやデメリットがあるため、本記事で紹介したポイントを参考に選んでみてください。
出店方法を選ぶ際は、自社の成長段階やノウハウを考慮して出店方法を選ぶことが重要です。社内にノウハウやリソースがない場合は代行サービスを利用することで、効率的に進められるでしょう。
もし越境ECについて悩みや不安がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。テクノデジタルでは、ECサイト制作をはじめとしたEC事業の支援を行っています。越境ECに関するノウハウはもちろん、お客様企業の事業に見合ったソリューション提案が可能です。お困りごとがある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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