2024.05.31
WordPressを使ったECサイトの構築ステップとおすすめプラグイン
WordPressでは拡張機能(プラグイン)を活用することで、ECサイトを構築できます。しかし、ECサイトに必要な機能やWordPressの機能について理解していないと、適切なECサイトを作れません。
本記事では、WordPressでECサイトを構築する方法や必要な機能について詳しく紹介します。ほかにも、WordPressのECサイト構築におすすめの外部サービスについても触れています。
この記事を読めばECサイト構築に活用できるプラグインや外部サービスも知ることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- WordPressでECサイト構築に必要な機能
- おすすめのプラグイン
- WordPressでECサイトを構築するメリット
- おすすめの外部サービス
目次
WordPressでのECサイト構築に必要な機能
WordPressでECサイトを構築する場合、少なくとも以下のような機能が必要になります。
ECサイトに必要な機能を理解すれば、過不足なくECサイトを構築できるようになるでしょう。ここからは、それぞれの機能について解説します。
ショッピングカート機能
ショッピングカート機能は買い物かごの役割を果たす機能で、ECサイトでは必須のアイテムです。基本的にはユーザーが購入ボタンを押した商品を記憶したり、商品の合計金額を計算したりする機能があります。
基本的な機能のほかに、クーポンやポイントシステムなど商品購入に関する機能があるショッピングカートもあります。
ショッピングカート機能はECサイトの利便性に関わることから、マーケティング戦略に合わせた実装が必要です。
決済機能
決済機能とは、ユーザーがECサイト上で購入した商品の料金を支払うための機能です。決済機能には、以下のようなさまざまな決済方法があります。
- クレジットカード
- 電子マネー決済
- 銀行振込
- 代金引換
- 後払い
決済機能を選ぶ際のポイントは、ターゲットがよく利用している機能を用意することです。ユーザーが利用する決済方法があれば購入までスムーズに進めるので、かご落ち防止につながります。
データ管理機能
データ管理機能とは、ECサイトの運営に関する情報を管理できる機能のことです。具体的には、以下のような情報を管理できます。
- 商品情報
- 在庫管理
- 受注管理
- 顧客情報
データ管理機能によって自動的にデータ管理ができるため、バックオフィス業務を自動化できます。
なお、実店舗をもっている企業の場合は、ECサイトと情報を連携することも重要です。データ管理機能についてはどのように連携できるのかをポイントに選定してみましょう。
セキュリティ機能
WordPress単体では充分なセキュリティ対策ができないため、セキュリティシステムを導入することが大切です。ECサイトではユーザークレジットカードなどの個人情報を入力するため、セキュリティ機能の選定は重要です。
特に、個人情報の漏えいリスクがあった場合は大きな損害になりかねません。ECサイトはもちろん、企業の信用も失ってしまうでしょう。
またECサイトには不正アクセスやウイルス感染のリスクがあります。リスク回避のためにも、ファイアウォールやSSL化などの対策を実施することが大切です。
お問い合わせ機能
ECサイトでは、ユーザーがいつでも安心して買い物をするためにもお問い合わせ機能
は必須です。お問い合わせフォームがあれば、わからないことがあった際いつでも質問できる良心的なECサイトになります。
お問い合わせ機能にはECサイト内にフォームを設置するタイプや、メールアプリを起動できるタイプなどいくつか種類があります。お問い合わせ機能を選ぶ際は、ユーザーニーズの高いものを選びましょう。
WordPressでのECサイトの作り方
WordPressでECサイトを構築する場合、一般的にプラグインを利用します。プラグインとは、WordPressの拡張機能のことです。
WordPressにはECサイトに必要な機能が揃ったプラグインが販売されていて、無料でインストールできます。
構築手順は以下の通りです。
- ECサイトに関するプラグインを追加する
- WordPressのテーマを選定する
- 決済・セキュリティに関するプラグインをインストールする
WordPressのテーマとは、デザインテンプレートのことです。テーマによってECサイトの見た目や機能が異なります。テーマには無料のものと有料のものがあり、無料でも申し分ありません。
とはいえ、有料テーマの方が見栄えも良く機能も充実しているため、予算に余裕がある場合は有料テーマの使用をおすすめします。
WordPressでのECサイト構築におすすめのプラグイン
WordPressでECサイトを構築する場合は、以下のプラグインがおすすめです。
どちらも有名なプラグインで、さまざまなECサイトで利用されています。もしどのプラグインを利用したらいいのか分からない場合は、これら2つのプラグインを検討してみてください。
ここからは、それぞれの特徴について紹介します。
Welcart
引用元:Welcart
Welcartはコルネ株式会社が運営するECプラグインです。国内トップシェアを誇り、会員機能やポイント機能など、基本的な機能が全てそろっています。
機能 | 商品一括登録(CSV) 会員機能 ポイント機能 キャンペーン割引/ポイントアップ機能 商品オプション機能 商品バリエーション(複数SKU)の設定 在庫管理 軽減税率設定 新規会員登録時のメール認証(OFF可) Google reCAPTCHA v3による会員登録フォーム保護 ブルートフォース攻撃対策 営業日カレンダー |
---|---|
特徴 | ECパッケージサービスあり |
料金 | 無料 |
Welcartの特徴は、全てをおまかせできるサービス「WelHost」があることです。これはサーバーの構築をはじめ、WordPressとWelcartのネットショップ運営に必要なすべてのサービスを提供するサービスです。セキュリティ対策も完備しているので、初心者でも簡単に開設できます。
WooCommerce
引用元:WooCommerce
WooCommerceは海外で開発されたECプラグインです。世界的に利用されていて、無料で利用できます。
機能 | 多言語化機能 定期購入商品の販売機能 価格の一括変更機能 顧客リストとメールリストの同期機能 AmazonなどのECモールとの連動機能 |
---|---|
特徴 | 管理アプリあり |
料金 | 無料 |
WooCommerceの特徴は、ECサイトをスマートフォンから管理できるアプリがあることです。AndroidとiOSのどちらにも対応していて、無料でダウンロードできます。スマートフォンから商品情報を更新したり管理したいという方におすすめです。
WordPressでECサイトを構築するメリット
ほかの構築方法よりもWordPressでECサイトを構築する方がいい理由は、以下4つのメリットがあるからです。
これらのメリットを理解することで、自社にとってWordPressが最適かどうか判断できるようになるでしょう。以下では、それぞれのメリットについて解説します。
低コストで構築できる
WordPress自体は誰でも無料で利用できるため、ECサイトの構築や運用に料金がかかりません。またWordPressのプラグインについても無料のものも多いため、予算が限られている場合でも構築可能です。
もちろんECサイトの運用に欠かせないドメイン代やサーバー代は発生しますが、年間数万程度で済みます。
一方、通常の構築方法でECサイトを構築すると数百万円かかります。「BASE」や「Shopify」といったASP型サービスなど、低価格帯のECサイト構築サービスでも初期費用・月額料金で数万円必要です。
こうした特徴から、できるだけ料金を抑えたいEC事業者にはWordPressがおすすめです。
コンテンツマーケティングによる集客に強い
WordPressには、コンテンツマーケティングによる集客に強いといったメリットがあります。コンテンツマーケティングとは、自社で情報発信して、自社の認知度向上やブランディングをする施策のことです。
WordPressにはオウンドメディアとして活用できるといった特徴があります。SEOに強いコンテンツを制作することで検索結果の上位に表示されやすくなるため、流入を増やせます。
また、自社商品の使い方・選び方などを解説する記事も効果的です。ユーザーが商品に興味をもつきっかけとなり、購入につなげられます。
なお、ECサイトの集客方法については関連記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
カスタマイズ性が高い
WordPressの強みはコストの割にカスタマイズ性が高いことです。デザインテーマが豊富なので、自社のブランドの世界観や商品のイメージなどを反映したデザインを選べます。
またプラグインも複数あるため、自社に必要な機能を簡単に実装できます。上記ではECサイト機能のプラグインを紹介しましたが、ほかにも以下のようなプラグインが存在します。
- 音声入力機能
- 画像のサイズ変更機能
- セキュリティ機能
- SEO機能
このように、プラグインを活用することで業務効率化やサイト改善に繋げられます。プラグインはインストールするだけで使用できるため、プログラミングスキルがない人でも実装可能です。
参考にできる情報が多い
インターネット上にはWordPressに関する記事が多数あるので、参考にできる情報が多いのも強みの一つです。
ある調査によるとWordPressのシェア率は世界で43%とされており、多くのWebサイトがWordPressで構築されています。
参考:W3Techs|Usage statistics of content management systems
こうした事情から、WordPressによるECサイト構築方法の情報はインターネットや書籍で多数出回っています。情報収集がしやすいため、何かわからないことがあれば、インターネットで調べてそのまま解決できる可能性が高いです。
また学習が必要になった際はオンライン講座も受けることもできるため、ノウハウがない方でもある程度の知識を身に付けて運営できるようになるでしょう。
ただし、サイトに出回っている情報は小規模なサイト向けのものがほとんどです。大規模サイトに関するは少ないため、制作会社に運営を依頼するなどの対応が必要になるでしょう。
WordPressでECサイトを構築するデメリット
WordPressには以下のような点がほかの構築方法よりも劣っています。
これらのデメリットを知っておくことで、自社でWordPressを導入して問題ないかの判断材料になるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
セキュリティ面でリスクがある
WordPressにはセキュリティ面でリスクがあるといった大きなデメリットがあります。オープンソースとは、無償で一般公開されているソースコードのことです。さらに世界で最も利用されているコンテンツであるため、第三者からシステムの脆弱性を把握される危険もあります。
中にはシステムの脆弱性を利用してサイバー攻撃を仕掛ける人がいて、情報漏洩や不正アクセス、Webサイト改ざんにつながる危険があります。
こうしたリスクを回避するには、セキュリティ強化が必要です。プラグインを導入したり、バージョンを最新版にすることが重要です。
決済方法が限られている
WordPressの決済方法はプラグインに左右されるため、決済方法が限定されることがあります。プラグインによっては、新しい決済方法に対応できない可能性もあるでしょう。
もしユーザーが使用したい決済方法を利用できないと、かご落ちにつながることもあります。せっかくの購入チャンスを逃してしまうため、致命的なデメリットです。
そこで多種多様な決済方法に対応したいのであれば、ECサイトの構築に特化したサービスでECサイトを構築することをおすすめします。WordPressに比べて制作費用はかかりますが、ユーザーニーズを満たしたサービスになります。
専門知識が必要な場合がある
WordPressは基本的にノーコード制作できるサービスですが、最低限WordPressを利用するためにはCMSの知識は必要です。そのためには専門用語を学ぶ必要があり、知識がまったくない人にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。
またテーマの一部を編集してオリジナリティを出すとなると、HTMLやCSSの編集が必要です。コードの編集は知識がないとできないため、初心者には厳しいでしょう。
もしデザインや機能にこだわりたいのであれば、制作会社に依頼するのも一つの手段です。WordPressで構築できる製作会社もあるので、アフターサポートさえ充実していれば公開後も技術的な相談ができます。
カスタマーサポートがない
WordPressにはカスタマーサポートがないため、トラブルが発生しても運営チームに問い合わせができません。WordPressには「WordPress サポートフォーラム」というページがあり、Yahoo!知恵袋のように質問することは可能ですが、回答までに時間がかかるため快適なサービスとは言い切れません。
このようにWordPressでECサイトを構築すると、初心者の方や専門的な知識がない方でも自力で解決しなければならないため、厳しい状況も考えられます。
ただし、プラグインの開発・運営会社によってはカスタマーサポートがあるため、こうしたサポートを活用するのも一つの方法です。しかしプラグインによっては有料サービスになることもあるため注意が必要です。
WordPressと外部システムを連携してECサイトを作る方法もある
ここまでWordPressによる構築方法を紹介しましたが、外部システムと連携してECサイトを構築することも可能です。以下のような人は外部のECサイトの構築サービスを利用することも検討してみてください。
- 専門知識があまりない人
- セキュリティ面に不安がある人
たとえば、ASP型のECサービスはインターネット上で誰でも利用できるサービスで、初心者の方でも簡単にECサイトを構築できます。サービスによってはWordPressと連携できるサービスもあります。
ASP型のECサービスを利用するメリットは、セキュリティ対策が充実していることです。WordPressとは違いオープンソースではないため、顧客情報の漏洩などのリスクを回避できます。
ただし、ASP型のECサービスには以下2つのデメリットがあります。
- WordPressより費用が高くなる
- 管理画面が2つになる
ASP型のECサービスは月額料金が発生するため、WordPressよりも割高です。予算が確保できなかったり、低コストで制作したかったりする場合には向いていません。
またASP型のECサービスとWordPressの2つのシステムで管理が必要になります。編集の際は管理画面が2つになるため、画面の行き来が面倒に感じるでしょう。
WordPressのECサイト構築におすすめの外部サービス
もし外部サービスを利用してWordPressのECサイトを構築する場合は、以下のサービスがおすすめです。
これらのサービスは国内でも利用ユーザーが多く、困ったときにはインターネットで検索すれば多くの場合は解決できるでしょう。ここからは、それぞれの特徴について解説します。ぜひ比較検討してみてください。
なお、ECサイト制作においては制作費用を把握することが大切です。以下の記事では費用相場について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
Shopify
引用元:Shopify
Shopifyはカナダのオタワに拠点を置く多国籍eコマース企業が提供しているサービスです。世界的にも利用されているサービスで、英語に対応できれば柔軟にカスタマイズできます。
機能 | 24時間体制サポート 販売チャンネルの追加機能 手動での注文作成 クーポンコード 注文編集機能 無料SSL証明書 カゴ落ち対策 ギフトカード |
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特徴 | 決済機能が豊富 |
料金 | ベーシック:月額$33 スタンダード:月額$92 プレミアム:月額$399 |
Shopifyの特徴は、決済機能が豊富であることです。クレジットカードを初め、携帯キャリアからキャッシュレス決済まで幅広く取り揃えています。さらにShopify独自のオンライン決済サービスもあるため、決済方法によるかご落ちを防止できるでしょう。
なお、Shopifyについては下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【最新版】Shopify(ショッピファイ)とは?機能や料金プラン、メリットを解説
BASE
引用元:BASE
BASEはBASE株式会社が運営するECサイト構築サービスです。国内のサービスなので、英語が苦手な方でも安心してご利用いただけます。
機能 | 独自ドメイン シークレットEC 配送日設定 送料詳細設定 年齢制限 商品検索 ブロックリスト |
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特徴 | 無料でも利用できる |
料金 | スタンダードプラン 月額0円 サービス利用料3% 決済手数料3.6% グロースプラン 月額5,980円 決済手数料2.9%~ |
BASEの特徴は、無料でも利用できることです。スタンダードプランでは月額料金がかからず、商品が購入されたときのみ手数料が発生します。そのため、小規模から始めたい方にも安心です。また無料で利用できる機能も多数そろっているため、機能面やデザイン面での自由度も高いです。
WordPressを利用して魅力的なECサイトを構築しよう
ECサイト構築はコストがかかりがちですが、WordPressを活用することにより低コストで構築できます。初心者の方でも簡単に操作できるサービスで、デザインテーマも豊富です。決済方法を豊富に取り揃えおけば、かご落ちも防げるでしょう。ECサイトの利用を検討している担当者の方は、ぜひこの記事でご紹介したポイントを取り入れてみてください。
もし自社にECサイトに関するノウハウがない場合、トラブルが発生した際の問い合わせ先がなく困るでしょう。もし技術的な不安がある場合は、製作会社に構築を依頼してみてください。
テクノデジタルではECサイトの構築・運営サポートをおこなっています。リリース後の効果検証や戦略立案もでき、お客様の事業に合わせた提案が可能です。気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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