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EC業界の動向とトレンド!課題に対する解決策も解説

ECサイトの運営や立ち上げをするにあたって、業界の動向に興味を持っている方が多いのではないでしょうか。

EC業界の動向は、現状や今後の可能性を知るきっかけになり、EC運営の戦略に役立てられます。

本記事ではEC業界の動向やトレンドを詳しく解説します。課題に対する解決策にも触れているので、ぜひEC運営に生かしてみてください。

この記事でわかること

  • EC業界の動向とトレンド
  • EC業界の課題に対する解決策

EC業界の現状・動向を把握しよう

EC業界の現状・動向を把握しよう

EC業界の動向を知る上で、現状は特に把握しておきたいポイントです。

経済産業省では、例年ECサイトの動向をまとめた「電子商取引に関する市場調査」を発表しています。

調査結果を参考に、国内・海外のEC市場の規模やEC化率をチェックしていきましょう。

ECの市場については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

国内のEC市場規模とEC化率

経済産業省が発表した「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」では、国内のBtoC EC市場規模について、物販系分野とサービス系・デジタル系分野の市場規模を報告しています。

まずは、物販系分野の市場規模やEC化率をチェックしていきましょう。

物販系分野のECサイトは、2013年から2021年まで市場規模とEC化率が伸び続けています。2021年の市場規模は13兆2,865億円、EC化率は8.78%です。

【物販系分野】

物販系分野の経年推移

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査

次に、サービス系分野・デジタル系分野の市場規模を確認していきましょう。

デジタル系分野のEC市場は、2013年から2021年まで一貫して伸びています。

一方、サービス系分野のEC市場は、2013年から2019年まで伸び続けていたものの、2020年に一度規模が大幅に減少しました。2021年は2020年よりも規模が増加し、増加傾向を示しています。

【サービス系分野・デジタル系分野】

サービス系分野・デジタル系分野の経年推移

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査

世界・海外のEC市場規模とEC化率

経済産業省の同調査では、世界におけるBtoC EC市場の規模とEC化率も報告されています。

国内と同様に規模が拡大し続け、今後もさらに規模が大きくなると予想されているのが特徴です。

EC市場規模は2019年3.35兆USドルから2025年7.39兆USドル、EC化率は2019年13.8%から2025年24.5%に伸びると予測されています。

世界のEC市場規模

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査

2022年版ECサイト売上ランキングをチェック

株式会社インプレスは「月間ネット販売」で実施した売上高調査「ネット販売白書」に掲載されたEC売上ランキングを発表しています。

EC市場で上位に位置しているサイトを知るために、トップ10をチェックしていきましょう。

順位 会社名 EC売上高(単位:百万円)
1位 アマゾンジャパン 2,535,500
2位 ヨドバシカメラ 213,659
3位 ZOZO 166,199
4位 ビックカメラ 156,400
5位 ヤマダホールディングス 144,500
6位 ユニクロ 126,900
7位 オイシックス・ラ・大地 113,470
8位 ジャパネットたかた 82,700
9位 上新電機 75,890
10位 イオン 75,000

引用:impress BUSINESS MEDIA|【EC売上ランキング2022年版】1位はアマゾン、2位はヨドバシ、3位はZOZO

1位のアマゾンジャパンは誰もが知るECであり、取り扱い商品数の拡大やCMをはじめとしたPRの強化によって、高い売上を記録しています。

トップ10のうち5社が家電を主要商材としているのが特徴です。巣ごもり需要によって生活家電をネットで購入するユーザーが増えたのが好調の理由と考えられています。

ZOZOとユニクロがランクインしたアパレルは、店舗の休業を余儀なくされた時期からEC化がトレンドとなり、徐々に売上を伸ばしている市場です。

EC業界が成長している3つの背景・理由

EC業界が成長している3つの背景・理由

EC業界の市場規模やEC化率は近年好調であるため、市場が成長していると言えます。

EC業界が成長している主な背景は、以下の3つです。

  • スマートフォンからの利用が増えている
  • SNS利用がさらに広がっている
  • 巣ごもり需要がプラスに働いている

なぜEC業界が伸びているのかを正しく理解していきましょう。

スマートフォンからの利用が増えている

ほとんどの人がスマートフォンを利用するようになり、ECサイトをスマートフォンから利用するユーザーも増えています。

2021年の物販系ECの市場規模は13兆2,865億円でしたが、そのうちスマートフォン経由の売上は6兆9,421億円で、全体の52.2%を占めました。

スマートフォン経由の市場規模

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査 4.2.7 スマートフォン

スマートフォン比率は2020年から11.5%増加し、PCからスマートフォンへの移行が進んでいると考えられています。

より身近なスマートフォンからECを利用するユーザーが増えれば、EC市場がさらに拡大していくでしょう。

SNS利用がさらに広がっている

スマートフォンを所有するユーザーが増えるとともに、LINEやTwitterなどのSNS利用も当たり前になりつつあります。

ショッピングの情報収集に利用したり、EC機能を備えたSNSで買い物したりするなど、SNSとECの結びつきが強くなっているのが近年の傾向です。

SNS上に広告を出稿するECもあり、SNSを集客に活用する事例が増えています。ECの成長にも影響を与えており、今後さらにSNS活用がECに求められるでしょう。

巣ごもり需要がプラスに働いている

2020年に確認された新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでよりも外出が制限されています。

外出を控える人が増えた影響で、自宅での生活を充実させる巣ごもり需要が生まれました。自宅にいながら欲しいものを購入できるECは、これまでネットショッピングを敬遠していた層も取り込み、大きく成長しています。

ただ、新型コロナウイルス感染症の状況が改善傾向にあり、旅行や外食などに消費が移りつつある点には注意が必要です。巣ごもり需要が落ち着いてきているため、消費行動の変化を捉え、ECの動向に注目しましょう。

EC業界で押さえておくべきトレンド・キーワード

EC業界で押さえておくべきトレンド・キーワード

EC業界に参入していくなら、近年のトレンド・キーワードをしっかり押さえましょう。

注目したいトレンドは、以下の7つです。

  • DtoC(Direct to Consumer)
  • オムニチャネル
  • オンライン接客
  • 越境EC
  • ID決済
  • AI
  • 5G

トレンドを一つひとつ理解し、自社ECへの導入を検討したり、将来の展望をイメージしたりしましょう。

DtoC(Direct to Consumer)

DtoCは、自社商材をECサイトによって直接消費者に販売するビジネスモデルです。

Amazonや楽天市場といったECモールに出店する場合に比べて、ブランドの世界観や独自性を表現しやすく、自由にWebマーケティングを実施できます。ECモールを利用するための固定費がかからないこと、モール内での価格競争に巻き込まれないこともメリットです。

一方で、自社ECを構築するための初期費用や自社での集客が必要になることには注意しなくてはいけません。

現状は、自社ECでのDtoCとECモールを併用している事例が多いです。両者のメリットを生かしながら販売や集客を行い、販売チャネルを複数持つ事業者が増えています。

オムニチャネル

オムニチャネルとは実店舗やECサイト、アプリといった顧客との接点を統合する戦略です。

EC業界においては、実店舗とネットショップを連動させる取り組みを指す場合が多く、オムニチャネルを実践している事業者が増えています。

たとえば、店舗に欲しい商品がなかったとき、オムニチャネル化するとECサイトの在庫を案内可能です。ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ったり、ECと実店舗のポイントを連動させたりするなど、シームレスな購入体験を提供するのがトレンドになっています。

オムニチャネルと似た考え方がいくつかあるので、以下の表を参考に特徴や違いを理解しておきましょう。

用語 特徴 マルチチャネルとの違い
マルチチャネル 複数の販売チャネルを用意する戦略 それぞれのチャネルは連動していない
O2O 「オンラインからオフライン」または「オフラインからオンライン」に顧客を誘導する手法 意図的に顧客を誘導する
OMO オンラインとオフラインを統合するシステム 消費者の行動情報をすべてデータ化する

オンライン接客

ECサイトの実店舗のように直接接客できない課題を解決するべく、オンライン接客を取り入れるECが増えています。

商品に関する疑問や不安を非対面で解決できるチャット相談サービス、着用イメージが湧くコーディネート写真の投稿など、インターネット上でも不安なく購入できるサポートを充実させるのがトレンドです。

試着アプリやVRを活用したバーチャル試着など、さまざまな取り組みが行われているので、自社での活用を検討してみましょう。

越境EC

越境ECとは、国内から海外に向けて商品を販売するECの形態です。海外の顧客をターゲットに、より多くの顧客に販売できることから、越境ECを始める事業者が増加しています。

世界的にも越境ECは注目のモデルで、2026年には市場規模が4兆8,200億USドルまで拡大すると予測されているほどです。

EC市場規模の拡大予測

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査 7.2.2 世界の越境EC市場

実店舗を海外に出店するよりもコストを抑えやすく、国内にいながら運営が可能です。商材によっては国内よりもライバルが少なく、ビジネスを広げられる場合もあります。

一方で、海外への輸送費、国・地域に合わせた対応などには注意が必要です。コストを考慮した価格設定や外国語に対応したスタッフの採用などの対策が求められます。

ID決済

ECでの決済方法はクレジットカードが主流ですが、近年ID決済に注目が集まっています。ID決済とは、外部サービスの登録情報と連携した決済サービスです。

Amazon Payや楽天ペイが代表的なサービスで、いずれも会員情報に紐づいているため、氏名や住所などを入力しなくてもスムーズに決済できます。

購入前のユーザーの離脱はECの課題ですが、ID決済ならすぐに決済できるため、購入率のアップを期待できるのがメリットです。また、クレジットカード情報を各ECサイトで入力する必要がないため、個人情報保護の面でユーザーに安心感を与えられます。

まだ普及率は低いのが現状ですが、今後普及が進む可能性が高いです。先立って導入し、顧客の信頼を得る取り組みも検討してみましょう。

AI

さまざまな業界に取り入れられているAIは、EC業界にも変化をもたらすと考えられています。

ECにおけるAI活用の事例は、以下の通りです。

  • 需要予測
  • 商品のレコメンド
  • 広告や宣伝の自動生成
  • 配送期日の予測
  • 在庫管理
  • 問い合わせの自動化・効率化

AIは、顧客の誘導や問い合わせ対応などのEC業務に活用できるため、今後利用するECが増えていく可能性があります。

5G

大手携帯キャリアが提供している次世代移動通信システム「5G」は、スマートフォンやパソコンの通信はもちろん、さまざまなシーンで活用が期待されている技術です。

大量のデータを高速で通信できる技術であるため、EC業界でも活用が検討されています。たとえば、写真や文章などが充実した商品ページはデータが重くなりがちですが、5Gなら問題なく通信が可能です。

動画や音楽、ゲームなどのデータ販売も行いやすくなるため、デジタル系分野のECサイトがさらに伸びるかもしれません。

EC業界が抱える課題に対する解決策

EC業界が抱える課題に対する解決策

EC業界は近年伸びており、最新技術でさらに変化すると考えられていますが、抱えている課題もあります。

業界の課題であるとともに、EC事業者の課題でもあるため、あらかじめ理解し対策を立てなければいけません。

EC業界の以下4つの課題に対する解決策を詳しく解説していきます。

  • 情報セキュリティに対する不安が根強い
  • 集客が難しい
  • リピーターを獲得できない
  • ツールやテクノロジーの変化が早い

セキュリティの強化|情報セキュリティに対する不安が根強い

巣ごもり需要によってECが身近になりましたが、依然としてセキュリティに不安を感じる人が多くいます。特に「個人情報やインターネット利用履歴の漏えい」を不安視する声が多く、EC運営においてセキュリティの不安の払拭が重要です。

インターネット利用における不安の内容

引用:経済産業省|令和3年度 電子商取引に関する市場調査 4.2.6 情報セキュリティへの根強い不安

個人情報の漏えいはもちろん、クレジットカードの不正利用は直接的な被害が大きいため、特に対策が必要です。

3Dセキュアによる2段階認証やID決済など、安心して利用できる環境をつくることによって、ユーザーの信頼度や売上をアップできるでしょう。

コンテンツマーケティングの強化|集客が難しい

スマートフォンやSNSの普及によって顧客の購買行動が多様化し、ピンポイントなアプローチが難しく、集客に苦しむEC事業者が多いです。

集客の課題をクリアするために、コンテンツマーケティングの重要性が増しています。コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアやSNSなどで自社コンテンツを発信し、ECサイトへの集客を図る方法です。

ECサイトのコンセプトやブランドイメージを発信し認知度を高めたり、有益な情報によってユーザーとの信頼関係を構築したりできます。

施策の中でも、検索エンジンでの上位表示を目指すSEOは、注目されている取り組みです。ECサイトにおけるSEOについては下記の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

ユーザーとのコミュニケーションの強化|リピーターを獲得できない

EC業界の市場規模やEC化率が増加しているため、ライバルとなるECサイトが多くあります。ユーザーにさまざまな選択肢があり、リピーターの獲得が難しいのがEC事業者に多い課題です。

リピーターを獲得するためには、ユーザーとのコミュニケーションに力を入れましょう。メールマガジンで定期的にお得な情報を配信したり、リターゲティング広告で再訪問を促したりするなど、こまめなフォローによってリピートを期待できます。

ECサイトの集客については、下記の記事もぜひチェックしてみてください。

新しい技術の積極的な活用|ツールやテクノロジーの変化が早い

AIや5Gなど最新技術を活用したツールやテクノロジーは、短いスパンで変化しています。導入したタイミングで新しいツールが登場することもあるでしょう。

テクノロジーの変化に対応するためには、新しい技術を積極的に活用することが大切です。技術に触れることによって、メリットやデメリットを実感できます。最新技術に敏感になり、業界の動きに遅れないようにしましょう。

EC業界の全体像を理解し運営に役立てよう

EC業界の全体像を理解し運営に役立てよう

EC業界は市場規模の拡大が続き、EC化率も年々上昇しています。スマートフォンやSNSの利用拡大や巣ごもり需要などの影響を受け、今勢いのある業界です。

好調な業界であるため、参入する事業者が多く、競合に負けないためにはトレンドを捉えて質の高い運営をする必要があります。

当社では、最新技術や蓄積されたシステム資産を活用し、お客さまのビジネスをサポートしています。事業支援やマーケティングなどサービスは多岐に渡りますので、まずは気軽にご相談ください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。