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2024.08.29

【知らないとまずい】ビジネスプロセスの全容を5ステップで解説

ビジネスプロセスの全容を5ステップで解説

「ビジネスマネジメントってなに?」「作業効率化ってどうするの?」「作業フロー最適化で何が変わるの?」

ビジネスを進める上で効率が悪いと感じたことはありませんか?


また、無駄な作業が多く、目標達成に時間がかかることはないでしょうか?

そのまま放置すると、自分の業務を遅らせるだけでなく、会社全体の業務を妨げる大きな要因となる可能性があります。

ビジネスプロセスを見直して効率化を図ることで、業務の効率化やスピードアップ、コスト削減が可能になります。


本記事では、ビジネスプロセスの基本から詳しく解説しています。今すぐに改善策を取り入れて、競合他社に遅れを取らないようにしましょう。

効率的なビジネスを実現するために、ビジネスプロセスの見直しと改善には今すぐ取り組むべきです。

この記事を読んで、ビジネスプロセスの改善方法を学び、今日から実践してみましょう!

この記事でわかること

  • ビジネスプロセスの基本概念とその重要性
  • 各業種のビジネスプロセスの違いと共通点
  • ビジネスプロセスの可視化と効率化のメリット
  • ビジネスプロセスに関わる用語の解説
  • ビジネスプロセス改善に役立つツールとサービスの紹介

ステップ1|ビジネスプロセスとは

ステップ1|ビジネスプロセスとは

ビジネスプロセスとは、企業内で行われている特定の目的を達成するために行う一連の活動のことです。

これは、組織の目的を実現するために組織関係者・メンバーが行う一連のタスクや活動を指します。

一言でいえば「顧客に対して製品やサービスを提供するまでに生じる業務全体の流れのこと」です。

作業によって異なるビジネスプロセスの違い

世の中には、さまざまなビジネスが存在します。

以下に業種ごとの大まかなビジネスプロセスの違いを提示します。

主な業種 主なビジネスプロセス
製造業 1. 製品の設計および開発
2. 原材料の調達
3. 生産ラインでの製造
4. 品質管理および検査
5. 製品のパッケージングと出荷
販売業 1. 商品の仕入れ
2. 店舗またはオンラインストアの運営
3. 販売促進やマーケティング活動
4. 在庫管理と補充
5. 顧客サービスとアフターサービス
サービス業 1. サービスの設計およびプランニング
2. サービスの提供
3. 顧客対応とコミュニケーション
4. サービスの品質管理と改善
5. 支払いや請求処理
金融業 1. 資金の調達と貸し出し
2. 投資商品の提供
3. 金融商品の取引とトレーディング
4. (保険商品の提供とクレーム処理)
5. リスク管理とコンプライアンス
医療業界 1. 医療診断と治療の提供
2. 医療機器や医薬品の提供
3. 医療記録の管理と保管
4. 医療施設の運営と管理
5. 医療保険請求と支払い処理
IT業界 1. ソフトウェア開発とプログラミング
2. ネットワークおよびシステムの設計と管理
3. クラウドサービスの提供
4. インターネットやアプリケーションの開発と保守
5. サポートサービスとトラブルシューティング

業種により違いはありますが、「顧客との接点⇒企業内(組織内)の作業⇒顧客への還元」という流れは共通です。

業務プロセスではなく事業プロセス

業務プロセスは、個別の業務や流れを指します。業務プロセスは個々の業務にフォーカスしたものであり、業務全体へ何らかのリスクが及ぶ可能性があります。一方で、ビジネス全体の流れを示す場合には「事業プロセス」という言葉が用いられることもあります。

事業プロセスは、ビジネス全体の流れを俯瞰(ふかん)した考え方です。 採算管理単位(例えば、部門やプロジェクトごとに収益と費用を計算し、収支のバランスを把握するための単位)やビジネスモデルの共有など、事業の視点からプロセスを捉えます。事業プロセスによって、企業は組織全体の効率化や目標達成に向けた戦略的なアプローチを実現することができます。

ステップ2|ビジネスプロセスの重要性について

ステップ2|ビジネスプロセスの重要性について

ビジネスプロセスの重要性は、企業が顧客に価値を提供し、利益を得るための基本的な流れを明確にすることにあります。このプロセスを通じて、業務が標準化され効率化が図られます。

ビジネスプロセスを適切に設計することで、従業員間のコミュニケーションが改善され、意思決定が迅速になります。

さらに、ビジネスプロセスの可視化で業務の再現性や品質の向上が期待でき、企業の競争力強化につながります。

ここから詳しくみていきましょう。

あらゆる業務や事業を可視化する

業務や事業を可視化することで、業務のプロセスやフローを明確にし、誰が何を行っているのかを把握できます。

また、業務の効率化や問題の発見、内部統制の強化などさまざまなメリットが得られます。

事業を行う上で必要なこと

ビジネスプロセスの主な目的は、効率性の向上や品質管理の確保、顧客満足度の向上などです。

可視化によって改善の余地や問題点が明確化され、持続的な改善が可能になります。

ステップ3|ビジネスプロセスを活用するメリット

ステップ3|ビジネスプロセスを活用するメリット

ビジネスプロセスの活用によるメリットはいくつかあります。

業務プロセスの可視化により課題を早期に発見し、「標準化」と「効率化」で属人化を減らします。

また、リアルタイムの進捗確認でトラブルを未然に防ぎ、非定型業務にも対応して大幅な効率化を実現します。

ボトルネックと改善ポイントが分かる

業務プロセスの可視化により、組織全体から部門レベル、さらに大きなビジネスプロセスから小さなビジネスプロセスまで結びつけることが可能です。

組織全体のビジネスプロセスを包括的に分析することで、各部門やプロセス間の連携不足や無駄な手間、資源の浪費などが明らかになります。

つまり、より効率的でスムーズなビジネスフローを実現するための最適化が容易となるのです。

課題管理表の作成をすることで、ビジネスプロセスの中で発生するボトルネック解消に役立ちます。

以下の記事で課題管理表作成について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。


作業の属人化を防ぎ明確化する

ビジネスプロセスを明確にすることで、業務を標準化・効率化できます。

業務の流れを誰にでも分かりやすくし、作業の属人化を防ぐことが可能になります。

特定の個人に依存せずに、誰でも同じアウトプットを出せるようになるため、業務の効率化や業務の進行がスムーズになります。

もし、業務を進める上で、進行中のビジネスプロセスの改善が必要と感じた場合は。上司や関係者に相談してみましょう。

その上で、業務改善提案を行ってみるのはいかがでしょうか。

業務提案書の詳しい書き方については、以下の記事で紹介しておりますので、ご参考下さい。


ステップ4|ビジネスプロセスマップ&ビジネスプロセスフローについて

ステップ4|ビジネスプロセスマップ&ビジネスプロセスフローについて

ビジネスプロセスに関連する用語はさまざま存在します。

こちらで説明する「ビジネスプロセスマップ」と「ビジネスプロセスフロー」も代表的な用語です。

簡単に言えば、「ビジネスプロセスマップは全体像を示す静的な地図」であり、「ビジネスプロセスフローはその地図上での具体的な道筋やルートを示す動的なナビゲーションガイド」と考えられます。

ビジネスプロセスマップとは

ビジネスプロセスマップとは

ビジネスプロセスマップとビジネスプロセスフローは、似ているようで異なる概念です。

ビジネスプロセスマップは、ビジネスプロセスそのものの全体の構造・関係性を示す静的な図であり、ビジネスプロセスの全体像を把握するのに役立ちます。

例えば、ビジネスプロセスの段階・手順・役割・情報フローなどを視覚的に表現します。

ビジネスプロセスマップイメージ図

このマップは、組織内の異なる部門や関係者がビジネスプロセスを理解するために使用されます。

また、業務フロー全体を俯瞰し、特定の部分に焦点を当てる際に役立ちます。

ビジネスプロセスマップは、ビジネスプロセスの設計から改善、コミュニケーションの補助にも活用されます。

ビジネスプロセスフローとは

ビジネスプロセスフローは、ビジネスプロセスの特定の部分や手順を詳細に示す図表です。

例えば、下図のようにより具体的で詳細な情報を提供するものです。

ビジネスプロセスフロー図

このフローでは、各ステップや手順が明確に示され、その間の関係や情報の流れが視覚的に表現されます。

また、顧客サービスのプロセスの一部として、問い合わせに対する処理フローがあります。この場合、顧客からの問い合わせが受信された後、それがどのように処理され、対応が行われるかが明確に示されます。

ビジネスプロセスフローは、特定のプロセスを理解し、改善・トレーニングの補助をするなど、具体的なアクションや決定の支援に役立ちます。

ステップ5|具体的なビジネスプロセスについて

ステップ5|具体的なビジネスプロセスについて

ここでは、具体的なビジネスプロセスについて述べていきます。社会にはさまざまな業界や業種が存在しています。

具体的な例を大中小のビジネス規模で解説していきます。

ビジネスプロセスは業界や業務によってさまざま存在する

具体例として小売業界を挙げて大~小規模のビジネスプロセスを見ていきましょう。

業界(例:小売業)  主なビジネスプロセス
大規模 多くの店舗や倉庫を管理する必要があり、在庫管理システムや物流管理が複雑になる。
中規模 店舗数や取り扱う商品の種類が比較的少なく、在庫管理や顧客対応がそれほど複雑ではないが、ある程度の規模のビジネスプロセスが存在する。
小規模 1つまたは数店舗のみを運営することが一般的であり、在庫管理や顧客対応が比較的簡素化される場合がある。

これを他の業界や規模にあてはめてください。

ビジネスプロセスマネジメント(BMP)について

ビジネスプロセスマネジメント(BMP)について

ビジネスプロセスマネジメント(BPM)は、ビジネスの成果や顧客満足度の向上を目指し、ビジネスプロセス全体を継続的に評価・改善する手法です。

具体的には、業務の可視化、効率的なリソースの配分、品質管理、リスク管理などの手法を活用して、ビジネスの運営を最適化します。

また、BPMはビジネスプロセスの定期的な見直しとその改善、実行によって成り立っています。

ビジネスプロセスの見直しと改善をする

「ビジネスプロセスマップ」や「ビジネスプロセスフロー」は、ビジネスを計画的かつ継続的に進めるために重要です。しかし、いざ実行に移すと、予期しない不具合が見つかることがあります。

ビジネスプロセスマップやビジネスプロセスフローは、ビジネスの成功(目的)のための手段に過ぎません。

そのため、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)では定期的にプロセスを見直し、その上で検討・改善をすることが必要です。

例えば、顧客からのフィードバックや市場の変化、内部の効率性の問題などを反映して、プロセスを修正することでビジネスの効率性、品質を向上させ、結果的に顧客満足度の向上が実現されます。

また、見直しと改善を繰り返すことで、組織は柔軟かつ迅速に対応できます。

実行部隊と共有しながら最適化をする

ビジネスプロセスマネジメント(BPM)においては、計画を立てる側と実行する側が別であることが一般的です。

そのため、ビジネスプロセスマップやビジネスプロセスフローを設計する段階での情報を、実行部隊と共有することが非常に重要です。

計画の段階では、プロセス設計者がビジネスプロセスマップやビジネスプロセスフローを作るのが一般的でしょう。

しかし、それを実際に遂行するのは実行部隊です。もし設計者と実行部隊の間に十分な意思疎通がない場合、ビジネスプロセスは計画通りに進まないことが考えられます。

現場との情報共有とそれに基づくPDCAサイクルをうまく回していくことが大切です。

ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)について

ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)について

ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)は、業務改革の一環として、既存の組織や制度を抜本的に見直し、プロセスそのものを再設計する手法です。

つまり職務、業務フロー、管理機構、情報システムを再構築し直すことです。

リエンジニアリングとは

リエンジニアリングとは、業務目的に向かって、既存のプロセスを抜本的に見直し、再設計することを指します。

業務改善が既存のプロセスの無駄を省き、効率化を図るのに対し、BPRはプロセス全体をゼロベースで再考し、最適化を図ることを目的としています。

BPRは従来の方法論にとらわれず、業務プロセスを全面的に再構築することで、業務の効率性や効果を飛躍的に向上させることを目指します。

大規模なビジネスプロセス変更の可能性あり

大規模なビジネスプロセス変更の可能性がある場合、BPRの実行にはさまざまな要素が関与します。

通常、新しいシステムの導入や既存システムの大規模な更新、組織の再編成、役割や責任の再定義など、業務全体にわたる大幅な変更が必要になります。

これらの変更は、企業全体の構造やプロセスに影響を与えるため、計画段階から適切なリーダーシップとリソースの配置が必要です。

このような変更は多大な労力と時間を要する可能性がありますが、その成果は大きなものです。

例えば、競争力の向上や市場での優位性の確保、効率性の向上、顧客満足度の向上などが期待されます。

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)について

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)について

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは、企業活動における業務プロセスの一部を一括して専門業者に外部委託することです。

現在、さまざまな業務がBPOの対象となっています。この章では、BPOの概要と具体的な特徴について説明します。

BPOの具体的な業務領域

以下にBPOの具体的な業務領域とその内容を示します。

業務領域 主な業務内容 など
人 事 従業員の採用、給与計算、労務管理など
総 務 施設管理、備品管理、イベントの企画・運営など
経 理 会計処理、資金管理、税務申告など
物 流 輸送、在庫管理、物流ネットワークの最適化など
製 造 製造プロセスの管理、品質管理、生産計画など

BPOは人事や総務などの間接業務から物流や製造などの生産業務に至るまで、さまざまな業務領域を対象としています。

グローバル化したBPO

BPOは日本国内だけでなく、世界各地に業務委託領域を広げる傾向にあります。

これは、業務の効率化やコスト削減のためだけでなく、グローバルな市場での競争力強化やサービス品質の向上を図るためです。

例えば、日本の大手自動車メーカーが製造部門の一部をインドのBPO企業に委託するケースがあります。この場合、生産インフラと技術力を活用することで、生産コストを削減し、製品の競争力を強化します。

また、日本のIT企業が経理や財務業務をフィリピンのBPO企業に委託することで、業務の効率化とコスト削減を実現しています。

このように、BPOのグローバル化は業務の効率化だけでなく、世界市場での競争力向上やサービス品質の向上にも貢献しています。

おすすめのビジネスプロセス作成サービス&ツール3選

おすすめのビジネスプロセス作成サービス&ツール3選

ビジネスプロセスの作成や管理に役立つおすすめのツールを3つ紹介します。

それぞれ独自の特徴と利点があります。

以下をご覧ください。

Salesforce

Salesforce
特徴 顧客関係管理(CRM)ソリューションとして広く利用されている。ビジネスプロセスを視覚的に設計し、カスタマイズするツールを提供。
コスト 「Starter 3,000円」「Professional 9,600円」
「Enterprise 19,800円」「Unlimited 39,600円」(1ユーザー)
公式サイト https://www.salesforce.com/jp/?ir=1

Microsoft powerapps

Microsoft  powerapps
特徴 ノーコードおよびローコードでアプリケーションを開発できるプラットフォーム。
ビジネスプロセスフローの簡単な作成とカスタマイズが可能。
コスト 2,998円 (1ユーザー)
公式サイト https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-apps

Octopath

Octopath
特徴 ビジネスプロセス管理(BPM)ツール。
視覚的なフローチャートやダッシュボードでプロセスを詳細に設計。
コスト 30,000円(月額)
公式サイト https://octpath.com/

ビジネスプロセスが事業を成功に導く

ビジネスプロセスが事業を成功に導く

ビジネスプロセスは、事業の成功に不可欠です。

効率的なプロセス管理により、リソースの最適活用や無駄の削減が実現し、戦略的な計画とデジタルツールの活用が、競争優位性を高めます。

さらに、ビジネスプロセスの透明性とチームの協力が、迅速な問題解決と持続的な成長を支援します。

そして、改善のための定期的なレビューと改革・革新が重要であり、これにより、ビジネスは市場の変化に柔軟に対応し、成功を維持します。

上手くビジネスプロセスをマネジメントして、事業を成功に導きましょう。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。