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2024.05.22

改善提案書の書き方やネタの見つけ方を解説!【例文・テンプレート付き】

改善提案書の書き方やネタの見つけ方を解説!【例文・テンプレート付き】

「改善提案とは何だろう?」「改善提案書を作成したいけど、書き方がわからない」

このような悩みはないでしょうか。

社内で行われる改善提案ですが、そもそも改善提案とは何か理解していないと、提案できません。改善提案を理解しても、初めて改善提案書を書くとなると、書き方がわかりません。

この記事では、改善提案書の書き方やネタの見つけ方を詳しく解説していきます。例文とテンプレートも載せているため、本記事を読んで、改善提案書を作る際の参考にしてください。

改善提案とは?

改善提案とは?

改善提案とは、会社内の業務の課題を発見して、実際にどう改善するか提案することです。

改善提案は管理職だけが提案するわけではなく、現場で働いている従業員も提案する必要があります。現場で実際に働いている社員の視点からも改善提案すると、より業務効率化を図れます。業務の手順軽減、材料のコストカットなどの改善点を報告する書類が改善提案書です。

業務の問題を見つけるためには、ムリ・ムダ・ムラと3Mを発見することです。従業員や業務で使用している機器に能力以上に負担があるか(ムリ)、いらない業務や過剰に受注していないか(ムダ)、従業員の能力ごとに業務の成果が違っていないか(ムラ)を見ます。3つの視点を持つと、現在の業務内容が明確になり、改善点を探せます。

問題を見つけたら、次に必要なのは、具体的な改善案です。改善点は上司などに許可をもらわないといけないものから、すぐに改善できるものまで様々です。改善提案は必ず大きな問題の改善案をしないといけないわけでありません。コストが100円カットできる改善案でも、複数提案すると、大きくブラッシュアップが可能です。小さな課題でも見逃さないようにしましょう。

ネタ切れしない改善提案の見つけ方

ネタ切れしない改善提案の見つけ方

改善提案は1回提案しただけでは終わりません。その都度、課題や問題を見つけないといけませんが、何回も改善点を見つけるのは難しいです。ここでは、以下のネタ切れしない改善提案の見つけ方3つを紹介します。改善のネタが見つからない人は参考にしてください。

作業手順を書き出す

改善提案の見つけ方1つ目は、自分が実際にしている業務の作業手順を紙やパソコンに書き出して、客観的に見る方法です。

ただ自分の業務を頭で改善点を考えると、細かな部分を見落としてしまい、改善点が見つけにくいです。紙やパソコンに文字として、作業手順を全て書き出していくと、細かい流れも把握できるため、どこにムリ・ムダ・ムラがあるか発見できます。

例えば、業務の流れを書き出していると、業務に使う道具がいつも同じ場所に置かれてないため、道具を探す時間がムダな点だと課題点をピックアップできます。

例だと、小さな課題で、改善しても1〜2分ぐらいの時間短縮です。しかし、改善を10個積み重ねると、10〜20分の時間短縮と大きな改善につながります。細かい改善点を見つけるため、実際の業務の流れを書き出してみましょう。

現場の社員に聞き取り

改善提案の見つけ方2つ目は、自分以外の現場の社員にヒアリングする方法です。

いつも同じ業務を行っていても、やりにくいと思っている箇所やめんどくさいと感じている部分は人によって異なります。自分以外の社員に聞き取りすると、自分では思ってもみなかった改善点を発見可能です。

ただし、ヒアリングする際は、いきなり聞かないようにしましょう。急にだと、改善点が出にくいため、世間話から始めて、話の節々から不満や不便に思っている点を探りましょう。

ヒアリングには、音声を自動で文字起こしする議事録作成支援ツール「TEXTA」がおすすめです。

他社の成功・失敗事例を参考にする

改善提案の見つけ方3つ目は、他社の改善提案の成功・失敗事例を参考にする点です。

同業他社の改善成功・失敗事例を参考にすると、作業している業務の改善提案のネタを見つけやすいです。さらに、該当する業務内容で改善に成功した場合、どのぐらいメリットがあるのか具体的にわかり、失敗事例の要因を把握して、同じミスを防止可能です。

例えば、工場業務で生産量を向上させるために、新しい機器の導入を考えるとします。機器の導入前に、他社が同じ機器を導入している事例を確認できると、どのような成果が発生したか具体的にわかります。他社の具体的なデータがあることで、本当に導入すべきか判断でき、上司に改善提案書を提出する際に、採用されやすいです。

他社の改善提案の成功・失敗事例を参考にするのはネタを見つけたり、アイデアを修正したりする際に大切です。しかし、注意したいのは、必ずしも他社の事例がすべて同じではないため、丸パクリせずに自社の環境や状況にマッチした改善提案にしましょう。

伝えるのに必要な改善提案書の記入項目

伝えるのに必要な改善提案書の記入項目

ここでは、例文やテンプレートに載せている以下の記載項目8つを順番に解説します。項目ごとに書く内容を理解すると、相手に伝わりやすい改善提案書が作成可能です。

以下の8項目で特に重要なのは「期待されるメリット」と「結論」です。「期待されるメリット」は名前の通り、改善提案をするため、具体的な改善するメリットをプレゼンする必要があります。「結論」は明確なゴールを決めて、他の項目とズレないようにしましょう。

タイトル名

改善提案書の1番上に記入する共通箇所です。最低でも、提案日と提案者は記載するようにしましょう。上司に提出するのではなく、指定の窓口などに提出する場合は、左上に提出先や担当者の名前を載せましょう。

例文では、「事務業務改善提案書」や「工場業務改善提案書」と大雑把なタイトル名にしてますが、提案する内容によっては、改善内容に軽く触れる程度のタイトル名にしても大丈夫です。

例えば、「データ入力の自動化による作業軽減の改善提案」をタイトルにすると、読む相手が改善内容を把握して読み始められます。

現状の課題

現状の具体的な作業内容や問題点を載せます。読む相手が提案する業務に詳しくない場合、作業内容や手順をできるだけ丁寧に載せましょう。書く際には、数値を使って定量的に表現するのが大事です。例えば、作業時間や工数などが該当します。

改善提案の目的

ここでは、現状の課題を踏まえて、改善提案する目的を記載します。具体的な改善提案の内容を記載する前の大まかな効果などをのせます。

改善提案内容

改善提案内容では、具体的な業務改善するための手段を載せます。「改善するように頑張ります」のような曖昧なものではなく、具体的に実行可能な改善内容を記載しましょう。

期待されるメリット

全項目の中で、一番重要なポイントです。「現状の課題」であげた問題点を解決するのを目的に書きましょう。メリットや予想される成果はできる限り定量的に表現しましょう。

注意点として、改善提案書を作る間に目的を忘れて、前項で載せた問題点とズレたメリットを載せてしまうケースがあるため、気を付けましょう。

実施スケジュール

実際に業務改善をする際にかかる予想スケジュールを載せます。ある程度余裕を持ったスケジュールにすると、採用された場合に問題なくツールや機器購入、人員導入が行えます。

予算と資源

業務改善を実施する場合にかかるツールや機器、人件費などのコストを載せます。正確な見積もりが難しい場合は、概算でも載せると、読む相手にどのぐらいコストがかかるか想定可能です。

結論

最後に、改善した場合のゴールを明記します。結論以外の項目をゴールに繋がるように載せると、結論に説得力が増します。逆に、ゴールとズレた内容を記載すると、説得力がなくなるため注意しましょう。

一から作らなくてもいい改善提案書の例文

一から作らなくてもいい改善提案書の例文

初めて改善提案書を書く人は、どうやって作ればいいのかわかりません。例文があると、書き方がわかり、自分の会社に沿った改善提案書を作れます。

ここでは、事務業務と工場業務での改善提案書の例文を紹介します。

【例文】事務業務の改善提案書

事務業務改善提案書

提案者:

[提案者の名前]

提案日: 2024年3月20日

1: 現状の課題

現在の事務業務において、以下の課題を2点確認されています。

・書類の手作業による作業時間がかかりすぎている。

・データ入力のミスが発生しやすい。

2:改善提案の目的

業務改善の目的は、業務の効率化を図り、作業時間の短縮とデータ処理の正確性を向上させることです。

3:改善提案内容

以下の2つの改善策を提案します。

電子文書管理システムの導入:

手作業による書類処理を減らし、効率的な文書管理を実現します。

データ入力の自動化:

エラーの少ないデータ入力を可能にするソフトウェアの導入を検討します。

4: 期待されるメリット

業務の作業時間が約20分短縮可能

データ処理のミスの低減により、20%の作業負担軽減が可能

5:実施スケジュール

電子文書管理システムの導入: 2024年4月〜5月

データ入力自動化ソフトウェアの導入: 2024年6月~7月

6:予算と資源

電子文書管理システム: ¥500,000

データ入力自動化ソフトウェア: ¥300,000

各ソフト導入に伴う研修費用:¥200,000

7: 結論

この提案が実施されれば、事務業務の20%の効率化が期待でき、社員の作業負担が軽減されると共に、全体の生産性が向上します。

【例文】工場業務の改善提案書

工場業務改善提案書

提案者:

[提案者の名前]

提案日: 2024年〇月〇日

1:現状の課題

現在の工場業務において、以下の課題を2点確認されています。

機械の稼働率が低く、生産性が不十分。

品質管理の過程での不良品の発生率が高い。

2:改善提案の目的

この提案の主な目的は、工場の生産性を向上させ、品質管理を強化し、作業員の安全を確保することです。

3:改善提案内容

以下の改善策を提案します。

機械の自動化と更新:

最新の自動化技術を導入し、機械の稼働率と生産効率を向上させます。

品質管理システムの導入:

先進的な品質管理システムを利用して、不良品の発生を抑制します。

4:期待される効果

生産効率の向上により、30%のコスト削減

品質が約20%上昇による顧客満足度の向上

5:実施スケジュール

機械の自動化と更新: 2024年4月〜6月

品質管理システムの導入: 2024年7月〜8月

6:予算と資源

機械の自動化と更新: ¥2,000,000

品質管理システム: ¥800,000

システム導入にする研修費用: ¥400,000

7:結論

この提案が実施されれば、工場の総合的な生産力が向上し、長期的な経済的利益が見込めます。

読まれる改善提案書を書くポイント5つ

読まれる改善提案書を書くポイント5つ

せっかく作った改善提案書も、読まれないと意味がありません。書類を作成する前に、わかりやすくするためのポイントを押さえないと読まれる改善提案書を作るのは難しいです。

ここでは、以下の改善提案書を書く際のポイント5つを詳しく解説します。書く際のポイントを理解して、読まれる改善提案書を作りましょう。

①読む相手を考えて書く

読まれる改善提案書を書くポイント1つ目は、読むターゲットを考えて、改善提案書の内容を書く点です。

改善提案書は基本的に直接上司か会社の管理者に提出します。提出する相手により、改善提案する業務に対する理解度が異なります。

業務内容を問題なく理解している相手なら、細かく内容を書く必要はありません。しかし、業務をあまり把握してない相手の場合、詳しく業務内容を載せる必要があります。

改善提案書を作る際は、提出する相手の業務内容の理解度を把握しましょう。

②内容が完璧に入っているか

読まれる改善提案書を書くポイント2つ目は、改善提案すべき業務内容をすべて改善提案書に記入する点です。

入れるべき情報を網羅していると、読む人に業務内容の改善点と改善によるメリットなど、知らせたい内容を過不足なく伝えられます。

今回紹介している改善提案書の例文はあくまでも例えなため、すべての情報を載せるのが難しいです。しかし、伝えるべきポイントを抑えて、全項目を埋めれば、必要最低限の情報を網羅できます。

③数値を使用し定量的に書く

読まれる改善提案書を書くポイント3つ目は、数値を使用して、改善点や改善によるメリットを定量的に書く点です。

数値を使って、定量的に表現すると、提出先の相手に改善提案の内容をズレなく伝えられます。

逆に、数値を使用しないと、相手に正しく伝わりにくいです。

例えば、「〇〇ツールを導入すると、作業時間が短縮可能」では、どのぐらい作業時間が短くなるかわかりません。一方で、「40万円の〇〇ツールを導入すると、作業時間が約20分短縮可能」では、具体的な効果やコストがわかり、正しく相手に伝えられます。

正確に相手に提案内容を伝えるためにも、極力数値を使い、定量的に書くようにしましょう。

④簡潔に書かれているか

読まれる改善提案書を書くポイント4つ目は、簡潔かつ客観的に書いて、相手に説得力のある内容にする点です。

基本的に、改善提案書は自分や同じ作業している相手からの情報を元に記載します。しかし、それだけでは主観的な情報だけでなく、長すぎる内容になりやすいです。客観的な情報も取り入れると、簡潔かつ説得力が高い提案内容にできます。

⑤結論を明確にしているか

読まれる改善提案書を書くポイント5つ目は、提案によるゴールを明確にして、業務改善の効果やメリットを上司や管理者にわかりやすく伝える点です。

改善提案のゴールを明確にすると、成果やメリットがわかりやすくなり、上司や管理者に改善すべきか判断しやすいです。結論以外の全項目は、結論を意識して書けば、説得力が増します。

例えば、「30%コスト削減させる」が結論の場合、改善提案の即効性が高いと、採用される可能性が上がります。会社にどのぐらい影響を与えるか考えて、明確なゴールを設定しましょう

改善提案の例文を利用して、うまく提案していこう!

改善提案の例文を利用して、うまく提案していこう!

ここまで、改善提案の書き方からネタの見つけ方までを解説しました。

改善提案は会社の業務を効率化するために必要なことです。しかし、初めて改善点を見つけるのも大変なうえ、継続して課題を発見するのは難しいです。他社の成功・失敗事例を参考にしたり、実際に作業している業務内容を書き出したりすると、ネタ切れを起こしづらいです。

改善提案書の書き方も、例文やテンプレートがあるため、何を書けばいいのか迷わないで済みます。改善提案の例文を活かして、問題なく提案を行いましょう。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。