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システム開発

2024.10.18

【EOL・EOSL】ミドルウェア・アプリケーションのサポート終了に伴う移行の流れ

現代の企業運営において、ミドルウェアとアプリケーションは業務の中核を成す重要な要素です。しかし、これらのソフトウェアは永続的にサポートされるわけではなく、多くは一定の期間を経てサポートが終了します。 これを「End of Life(EOL)」及び「End of Service Life(EOSL)」と呼びます。ミドルウェアとアプリケーションのサポート終了は企業にとって重大な問題となり得るため、その移行プロセスを理解し、適切に対処することが重要です。

EOL・EOSLの定義と影響

EOL(End of Life)は、技術(製品)やサービスに対する提供元によるサポートが終了する時点を指します。この日以降は、セキュリティパッチの提供など、公式なアップデートが期待できなくなります。

一方、EOSL(End of Service Life)は、EOLよりも一歩進んで、全てのサポートが終了する時点のことです。つまり、技術的な質問への回答や、製品の修理といったサービスも受けられなくなるということです。

これらのサポート終了は、セキュリティリスクの増加や機能不全を引き起こす可能性を高めます。そのため、企業は事前に適切な対策を講じておくことが不可欠です。

ミドルウェアのEOL一覧

ミドルウェア サポート期限(EOL)
PHP 8.1 2025年12月31日
MySQL 8.0(LTS) 2025年8月30日
Maria DB 11.2 2024年11月21日
PostgreSQL 12 2024年11月14日
Node.js 20(LTS) 2024年10月22日
Laravel 10 2025年2月4日

その他プログラミング言語のEOL一覧

プログラミング言語 サポート期限(EOL)
Python 3.8 2024年10月31日
Ruby 3.1 2025年3月31日
Perl 5.36 2025年5月27日

リスクについて

リスク

サポートが終了したミドルウェアやアプリケーションを使い続けることには多くのリスクが伴います。

主なリスクとして以下の点が挙げられます。

  1. セキュリティリスク
  2. サポート終了後は、新たな脆弱性に対するパッチが提供されなくなるため、システムが攻撃者の標的となりやすくなります。これにより、データ漏洩や不正アクセスのリスクが増大します。

  3. パフォーマンスの低下
  4. アップデートが行われないことで、システムのパフォーマンスが徐々に低下する可能性があります。これにより、業務プロセスに遅延が発生し、生産性が低下する恐れがあります。

  5. コンプライアンス違反
  6. 多くの業界では、特定のセキュリティ標準や法規制を遵守することが求められています。サポートが終了したソフトウェアを使用し続けることで、これらの基準を満たさなくなるリスクがあります。

アプリケーションの移行プロセス

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アプリケーションのEOL・EOSLに伴う移行は、ミドルウェアとは異なる要素も含まれます。以下のステップで進められます。

  1. アプリケーションの現状分析
  2. まず、現行のアプリケーションの使用状況、依存関係、パフォーマンスなどを詳細に分析します。これにより、移行時に考慮すべき点を明確にします。

  3. 代替アプリケーションの検討
  4. 次に、移行先のアプリケーションを選定します。これには、業務要件を満たすことはもちろん、既存システムとの互換性やユーザビリティを考慮する必要があります。

  5. 移行計画の策定
  6. 移行計画には、データの移行方法、ユーザーへの周知、トレーニング計画などが含まれます。特にデータ移行は慎重に行う必要があります。

  7. テストと検証
  8. 新しいアプリケーションが適切に動作することを確認するために、テストを実施します。特に、データの整合性や機能の動作確認を重点的に行います。

  9. 本番環境への移行
  10. テストが完了し、問題がないことを確認したら、本番環境への移行を実行します。移行後は、ユーザーからのフィードバックを収集し、必要な修正を行います。

ミドルウェアの移行プロセス

コード

ミドルウェアのEOL・EOSLに伴う移行は、以下のステップで進められます。

  1. 調査と計画
  2. まず、対象となるミドルウェアのEOL・EOSLのスケジュールを確認することが重要です。これには、製品ベンダーの公式アナウンスを確認することが含まれます。また、現在のシステム構成を詳細に調査し、どの部分が影響を受けるかを特定します。

  3. リスク評価
  4. 次に、サポート終了がもたらすリスクを評価します。具体的には、セキュリティリスク、パフォーマンス低下、コンプライアンス違反などが考えられます。リスク評価に基づいて、必要な対策を講じる計画を立てます。

  5. 代替ミドルウェアの検討
  6. 次に、移行先のミドルウェアを検討します。ここでは、新しいミドルウェアの選定、クラウドサービスの利用、または既存システムのアップグレードなどが考えられます。選定にあたっては、業務要件や予算、技術的適合性を考慮する必要があります。

  7. 移行計画の策定と実行
  8. 次に、移行計画を具体的に策定します。これには、移行スケジュール、担当者の割り当て、移行手順の詳細なドキュメント化が含まれます。計画が整ったら、実際の移行作業を実行します。この段階では、テスト環境での検証を行い、問題点を洗い出して解決することが重要です。

  9. 移行後のフォローアップ
  10. 移行が完了した後も、システムの安定性を確認するためのフォローアップが必要です。定期的なモニタリングとフィードバックを通じて、新しいシステムが問題なく稼働しているかを確認します。

サーバーOSのEOL対応について

ソフトウェアの寿命が尽きる(EOL)のは、ミドルウェアやアプリだけでなく、サーバーOSも同様です。サーバーOSのバージョンは、その上で動くアプリやミドルウェアと深く関係しています。そのため、EOL対応をする際は、システム全体をしっかり調べてから進める必要があります。

サーバーOSのEOLについては、別の記事で詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。

★EOL対応を約5ヶ月間で行う際のスケジュール例

スケジュール例

※内容によって工程とスケジュールは大きく変動します。

移行する際の注意点

注意

ミドルウェアおよびアプリケーションの移行において、いくつかの重要な注意点があります。

  • データのバックアップ
  • 移行作業に入る前に、必ず全てのデータのバックアップを取っておきましょう。万が一のトラブルに備えるためです。

  • コミュニケーション
  • 移行プロセスを関係者全員に周知し、進捗状況や重要な変更点を定期的に共有することが重要です。これにより、移行作業の透明性を確保し、問題発生時の迅速な対応が可能となります。

  • テスト環境の整備
  • 本番環境に移行する前に、十分なテスト環境を用意し、全ての機能が正常に動作することを確認します。これにより、移行後のトラブルを最小限に抑えることができます。

  • トレーニング
  • 新しいシステムやアプリケーションの使用方法について、ユーザーに対するトレーニングを実施します。これにより、ユーザーが新しい環境にスムーズに適応できるよう支援します。

  • フィードバックの収集
  • 移行後は、ユーザーからのフィードバックを積極的に収集し、必要に応じて改善策を講じます。これにより、システムの安定性とユーザビリティを向上させることができます。

まとめ

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ミドルウェアおよびアプリケーションのEOL・EOSLに伴う移行は、企業にとって重要な課題です。各プロセスを理解し、計画的に実行することで、リスクを最小限に抑えつつ、スムーズな移行を実現することができます。本記事が、移行プロセスの理解と実行に役立つ一助となれば幸いです。

株式会社テクノデジタルでは、現行システムの評価、移行計画の作成、移行の実行、および新システムの維持管理といったプロセスを通じ、既存のシステムからAmazon Linux 2023を含む最新OSへの移行をサポートします。またこの際、貴社のビジネスのニーズと期待を理解し、サービスを中断せず最小限のダウンタイムとリスクで移行を実現致します。

より詳細な情報や具体的な移行計画については、お気軽にお問い合わせください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。