2024.03.14
iOSアプリの開発に必要なもの!使用言語や手順を解説
近年、顧客との接点はメールマガジンやホームページだけでなく、iOSアプリも多く利用されています。iOSアプリの開発には、一定の知識が必要です。iOSアプリ開発に携わったことのない方は、必要なものをチェックして、知識の習得も含めた事前準備から始めましょう。
今回は、iOSアプリの開発に必要なものを紹介します。フレームワークやタイプの違うプログラミング言語を特徴と合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- iOSアプリ開発の準備内容
- iOSアプリ開発に適したプログラミング言語とフレームワークの種類と違い
- iOSアプリ開発の5ステップ
目次
iOSアプリ開発に必要なもの
iOSアプリ開発に必要なものは以下のとおりです。
- インターネット環境
- パソコン
- iPhone
- プログラミング言語
- フレームワーク
パソコンは、プログラミングのためのハードウェアとして必要です。Windowsのパソコンでも開発は可能ですが、iOSアプリのリリースの際は、macOSを経由する必要があります。可能であれば、Macのパソコンを用意することをおすすめします。
Macのパソコンを用意する場合は、以下のスペックが備わっていると安心です。
- バージョン:macOS 10.15.2
- CPU:Core i5(1.5GHz/2コア以上)
- ストレージ:SSDで256GB以上
- メモリ:48GB以上
iPhoneは、最新の端末と1・2世代前のものを用意することをおすすめします。iPhoneはアプリの運用テストのために使用します。端末の機種によって結果が異なる場合があるため、利用者の多い機種を用意しておくと、正確なテストが可能です。
プログラミング言語とフレームワークは、以下で詳しく紹介します。
iOSアプリの開発で使用する主な言語
iOSの推奨プログラミング言語は「Swift」です。Swift 以外にも主に4つの言語がiOSアプリの開発で使用されます。それぞれの言語の特徴を紹介します。
Swift
Swiftは、Apple社が開発したプログラミング言語です。iOSやmacOS、誰でも無料で使用できるオープンソースであるLinuxでも利用できます。Swiftは、ほかのプログラミング言語の特徴や仕組みを取り入れて作られているため、ほかの言語との互換性があり、モダンプログラミングしやすいところが魅力です。
Swiftは、これまでの言語よりも処理の速度が大幅に高速化しています。Objective-Cの最大2.6倍、Pythonの最大8.4倍です。またPlaygroundにより、コーディング中に動作やロジック確認できるなど、開発時間を短縮できます。
Swiftは、使い勝手がよく開発の手間や時間を減らせる万能な言語です。
C#
C#は、Microsoft社が開発したプログラミング言語です。元はWindows専用の言語として開発されました。しかし、現在はWindows以外にもGoogle社が開発したOSのAndroidや、macOSの2001年バージョンであるOSX領域でも使用できます。C#は、オブジェクト指向を採用しているため、独立性・拡張性・再利用性を実現しています。
C#は、Webアプリ開発やゲーム開発などで幅広く使用されています。また、クロスプラットフォーム開発にも対応しているため、Windows向けのアプリだけでなく、macOSやiOSのアプリ開発にも対応可能です。
Objective-C
Objective-Cは、C言語をベースとした言語です。C#と同じくオブジェクト指向化されています。Objective-Cは、iOSアプリ開発市場を独占してきたiOS専用言語といえるほどです。後継のプログラミング言語がSwiftになります。
コードの書き方がシンプルで処理スピードの早いSwiftと比べると、Objective-Cは使い勝手が劣るところが難点です。しかし、Swiftよりも歴史が長い分、ライブラリ数や知識が豊富なメリットもあります。
JavaScript
JavaScriptは、Webページに動きをつけるために使用される言語です。スライドショーやポップアップウィンドウなどの作成に用いられます。ブラウザとエディタの環境がそろっていればすぐに使用できるので、初心者でも利用しやすいところが魅力です。
JavaScriptは、Webページ作成用としての利用が多いですが、汎用性が高いため、iOSアプリ開発でも活躍します。
Python
Pythonは、オープンソースのプログラミング言語です。シンプルで読みやすいことから、Webアプリ開発やAI開発に利用されています。
得意分野は、データ分析や統計処理です。オープンソースライブラリである「kivy」を利用すれば、iOSとAndroidのどちらでも動作できるクロスプラットフォーム対応型のアプリ開発が可能です。Pythonは、簡易的なiOS開発におすすめします。
iOSアプリの開発に適したフレームワーク
フレームワークとは、アプリ開発のために使用するソフトウェア・コンポーネント・ライブラリをセットにしたものです。フレームワークを使用することで、開発時間を短縮したり、エラーを減らしたりできます。iOSアプリの開発には、以下の3つのフレームワークがおすすめです。
Xcode
Xcodeは、Apple社が開発したMac 専用のフレームワークで、iOSアプリの開発には欠かせません。Xcodeを活用すれば、Apple製品ならどのアプリの開発も手間をかけずに作成できます。Xcodeの特徴は以下の5つです。
- コード編集のアシスト機能を搭載
- ストーリーボードで直感的に操作できる
- コード編集しながらテストできる
- 公式のドキュメントが内部統合されている
- Gitが使用可能で利便性が高い
コード編集が容易な点や直感的に操作できる点からも、初心者でも扱いやすいフレームワークであることがわかります。また、SwiftやObjective-Cにも対応しているため、iOSアプリ開発のためのフレームワークといっても過言ではありません。
Xamarin
Xamarinは、クロスプラットフォームアプリのフレームワークです。これまでは、同じアプリであってもiOSとAndroidそれぞれの開発が必要でした。しかし、Xamarinを用いることで共通のプログラミング言語であるC#に置き換えて、ネイティブアプリ開発を行えます。Xamarinの特徴は以下の3つです。
- 開発期間や維持コストを削減できる
- プログラムの共通化によりクオリティを保てる
- C#によって効率的な作業が可能
iOSだけでなく、幅広いアプリに対応できるところがXamarinの魅力です。iOSとAndroidに加えて、UWP(Universal Windows Platform)にも対応できます。
Flutter
Flutterは、iOSとAndroidの同じソースを共有して、同時にアプリを作成できるフレームワークです。Androidアプリを開発してきたエンジニアにとっては、馴染みやすいでしょう。Flutterの特徴は以下の3つです。
- スマートフォンアプリだけでなく、WebやWindows、macOSにも対応している
- 複数のアプリに対応できるように変換する機能が備わっているため、コストを半減させられる
- プログラムの変更と反映確認を同時にできる
Flutterは、JavaScriptとプログラム文法が似ているため、JavaScriptに馴染みがあれば容易に使いこなせます。
iOSアプリを開発する手順
iOSアプリの開発は、大きく5つの手順に分かれます。用いられる方法は、水が流れるように進める手法を意味する「ウォーターフォール開発」です。ウォーターフォール開発は進むと後戻りはできないため、それぞれのステップを確実に実行することが重要です。
また、iOSアプリはそれぞれの手順ごとにチームを組んで、各ポジションの作業を分担することで、効率的に開発が進みます。
1.企画
企画では主に、以下のことを決めます。
- どんなアプリを作るか
- どんな機能を実装するか
- ターゲット層をどうするか
- コンセプトやデザインはどうするか
まずは大枠を決めてから、細かい部分を詰めていきます。企画は5つの中でもとくに重要なステップです。企画をしっかり固めておかないと、後の設計や開発でブレが出てしまい、場合によっては企画から練り直しになる場合もあります。
2.設計
次は、企画を元に具体的な機能を設計します。スケジュールに合わせて、アプリに実装する機能やデザインを設計していきます。設計のポイントは、開発するエンジニアに伝わるような設計にすることです。
また、設計にはProttやCaconなどのツールの使用をおすすめします。Prottとは、専門知識がなくても直感的な操作でプロトタイプを作成できるプロトタイピングツールです。
また、使用するユーザーが利用しやすいよう設計しなくてはいけません。近年のアプリは、誰でも利用しやすいものが主流になっています。
3.開発
設計まで完了すれば、具体的なアプリ開発に進みます。まずは、スケジュールとアプリの内容確認が優先です。アプリの全体像が把握できたら、アプリに合ったフレームワークとプログラミング言語を選択して作業に移ります。
作業中に不明点などが出た場合は、そのまま進めず、確認をしながら着実に進めていくのがポイントです。
4.動作テスト
プログラムが完成後に、設計通りに機能するか、エラーはないかなどの動作テストを行います。最終の動作テストは、ユーザーが実際に使用するiPhoneで行うのが通常です。
まずは機能別に単体でテストしてクリアできれば、アプリの動作テストを実施します。テストによってエラーやバグが見つかった場合は、修正して再度動作テストを行いましょう。確実に改善してからリリースに進みます。
5.リリース
動作テストをクリア後は、AppStoreにリリースします。Androidの場合は検証の後に、そのままリリースに移れますが、iOSはリリース前に「Apple Developer Program」への登録が必要です。Apple Developer Programには、リリースに必要なアプリタイトル・アプリの説明文・スクリーンショットなどの必要項目を用意して申請します。
審査は1週間から数週間かかるため、この期間をスケジュールに含めるのを忘れないようにしましょう。
こちらの記事では、アプリ開発におすすめの言語について解説しています。Webアプリ開発やネイティブアプリ開発のおすすめの言語も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
iOSアプリ開発に必要なものは、インターネット環境・パソコン・iPhone・プログラミング言語・フレームワークです。作業の工程数を減らすなら、パソコンはMacが適しています。また、iOSアプリの開発には、プログラミング言語はSwift、フレームワークはXcodeがおすすめです。
iOS開発方法はウォーターフォール開発が用いられるため、手順を戻すことができません。企画からリリースまでの手順は、確実に一つひとつ完了させてから進みましょう。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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