2023.12.04
フロントエンドとバックエンドとは?開発の流れと各エンジニアに求められるスキルを解説
アプリ開発を手掛けるエンジニアには、大きく分けてフロントエンドとバックエンドに分かれます。フロントエンドは、主に文字入力やボタンをタップ(クリック)させるといったユーザーの目に触れる部分を指します。
バックエンドは、サーバーやデータベースなどユーザーから見えない部分を指す言葉です。両者の開発領域は表と裏の関係にあり、使用言語も異なることが一般的です。そのため、それぞれのエンジニアに求められるスキルにも違いが出てきます。
今回は、フロントエンドとバックエンドについて解説し、それぞれの開発の流れとエンジニアに求められるスキルを紹介していきます。
この記事でわかること
- フロントエンドとバックエンドとは
- フロントエンド開発の流れ
- バックエンド開発の流れ
- フロントエンジニアとバックエンジニアに求められるスキル
目次
フロントエンドとバックエンドとは
フロントエンドとバックエンドは、Webやアプリを開発するうえで表と裏のような関係性にあり、開発領域のみならず使用言語にも違いがあります。はじめに両者の特徴について見ていきましょう。
開発領域
フロントエンドは、WebサービスやWebアプリにおいてユーザーが目にする部分、もしくは操作画面などを指します。たとえば、文字入力やボタンのタップ(クリック)、各種選択画面などが挙げられ、そのほかではバックエンドのソフトウェアと直接関わる部分も含まれています。
別名をクライアントサイドなどといい、ブラウザでのプログラム実行なども手掛けることが特徴です。近年ではスマホの普及に伴い、フロントエンド開発ができるエンジニアの需要が高まっています。
バックエンドはサーバーで作動するソフトウェアのことで、ユーザーから提供された情報をデータベースに保存することや、サーバーからデータを呼び出してユーザーに提供するといった処理を行います。主な領域がサーバーサイドであることが、フロントエンドとの大きな違いです。
使用言語
両者で使用する主な言語には、次のようなものがあります。フロントエンドでは、近年JavaScriptのフレームワークやライブラリを使った開発も増加しています。
フロントエンドとバックエンドで使用する主な言語 | |
---|---|
フロントエンド | バックエンド |
HTML CSS JavaScript TypeScript React Vue.js(JavaScript) Next.js(JavaScript) Nuxt.js(JavaScript) | Java JavaScript PHP Python Ruby |
フロントエンド開発の流れ
開発領域が違うと、開発における流れも異なることが多いです。ここでは、両者の開発の流れについて解説していきます。
1.画面全体の初期設計
フロントエンドでは、ユーザーが見るビジュアル全体の設計から着手します。表示されるページごとに提供する情報や操作性を考えることや、別のページへの遷移についても検討します。その際、遷移図を作って、全体的な初期設定を行うことが最初の作業です。
2.コンポーネント定義
初期設定が終わったら、そのサイトやアプリで共通して使用する要素や部品を定めます。たとえば、全ページで共通するナビゲーションやボタンなどが挙げられます。
なにを共通のコンポーネントにするかをあらかじめ定めておけば、開発工数を減らすことにも貢献するため、認識のずれがないよう入念に定めることが大切です。また、このステップをコンポーネント設計と呼ぶ場合もあります。
3.アクション・レスポンス定義
ユーザーがボタンを押したり、スワイプしたりしたときの反応(レスポンス)を定義するステップで、主にレスポンスの表示や画面の遷移といった部分を定めます。近年では、レスポンスや遷移に対するスピードが重視されることから、表示時間なども決めることが多いです。
たとえば、ボタンをタップしても、次のページが表示されるまで時間がかかった場合、多くのユーザーはそのページから離脱しようとします。アクションに対するレスポンスのスピードは、開発するものの操作性に直結する重要な要素であり、この工程は慎重、かつできるだけ使い勝手のよさを追求することが大切です。
4.HTML・CSSマークアップ実装
HTMLやCSSなどのマークアップ言語を使って実装します。これまで行ってきたコンポーネント定義や、アクション・レスポンス定義に沿ってページを作り上げていきます。
5.JavaScript・TypeScript実装
つづいて、JavaScript・TypeScriptを使って動きを付ける処理を行います。このステップでは、バックエンドエンジニアとも連携して作業することが多く、実装した際の外部API(ソフトの機能を別のソフトから呼び出す仕組み)との通信仕様なども決めます。
6.ブラウザ検証
すべての実装が終わったら検証を行います。画面遷移からのすべての工程が定めた通りに実装されていることはもちろん、表示のスピードや乱れがないかなど、機能的な部分も確認する作業です。
場合によっては、ユーザーに動作確認をしてもらうこともあり、その際はアクションやレスポンスのスピード感や表示時間などのチェックをお願いすることもあります。
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バックエンド開発の流れ
バックエンドでの開発には、主に4つのステップがあります。順に解説するのでぜひ目を通してください。
1.企画・要件定義
開発をするうえではじめに行うのは、企画と要件定義です。発注者にヒアリングを行い目的や希望を把握したうえで、企画と要件定義を行います。要件定義は発注者が希望する開発にはどんな機能が必要なのか、開発する目的はなにかを明確にしたものです。可視化しない部分の開発だけに発注側のニーズを丁寧に汲み取ることが重要です。
2.設計
要件定義のあとは設計に移ります。設計はどうやってシステムをつくるかを明確にした設計図のようなイメージです。このとき細部まで配慮して設計しておくと、今後の工程を進めやすくなるので、できるだけ詳細につくることをおすすめします。
作業に携わる人全員がわかりやすい状態にしておけば、認識の相違なども起こりにくく、また異常などのトラブル防止にも貢献します。
3.実装
詳細な設計を経て、次は実装に移ります。設計した内容に沿って実際にプログラミングを行い、発注者のニーズに寄り添った機能を形にしていく工程です。このとき機能がたくさんある場合は、機能ごとにチームで分担することもあります。
このステップでは、システムができるだけスピーディーに作動するようにコードを短めに書くことや、チームで分担する際は誰が見てもわかるように書くことがポイントになります。とくにフロントエンドと連携する必要がある場合は、スピーディーな動作は非常に重要なところとなってきます。
4.テスト
すべての実装が終わったら、いよいよサーバー環境でシステムがきちんと動くかを確かめます。機能ごとに分担して作業した場合はそれぞれ単体でテストを行います。単体テストで問題がなければ、機能同士を組み合わせて結合テストを行い、問題がなければ統合テストを行うのが一般的な流れです。
なお、統合テストは発注者が実際にシステムを使う場所や環境で確認します。場合によっては、工場やオフィスなどに赴き、正常な状態と異常が生じた際を検証します。異常が発生してから復旧するまでの時間を計ることもあり、万が一への備えも含めてテストを行うことが多いです。
自社の業務効率を向上させるためには、適切なシステム開発が重要です。こちらの記事では、システム開発の主な手法や開発の流れを解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに求められるスキル
フロントエンドとバックエンドはどちらもWeb系の開発技術者ですが、担当する開発領域や使う言語には違いがあり、具体的に必要なスキルも異なります。いずれかのエンジニアを目指したい場合、現場で求められるスキルや知識が気になる方もいることでしょう。
そこで本章では、それぞれのエンジニアが現場で求められるスキルや知識について解説します。エンジニアを目指す方にとって、今後の方向性を見極めることにも役立つのでぜひ目を通してください。
フロントエンドエンジニアの場合
フロントエンドエンジニアで最も大事なことは、大きくわけて2つあります。1つはHTMLやCSSなどをはじめとしたプログラミングスキルが挙げられます。それぞれの言語ごとに役割が異なり、HTMLはページの原型を、CSSは見た目を整える、JavaScriptは動きを付けるといった役割があり、それぞれの理解を深めておくことが必要です。
また、近年ではJavaScriptのライブラリやフレームワークを使った開発も増えていることから、こうした進化にも対応していかなければなりません。変化の早い業界でもあるため、日々学びの姿勢があることも大切な要素になります。
2つ目は、各種デザイナーの意図を汲み取りプログラミングに反映するデザインスキルが挙げられます。センスが問われることはもちろんですが、重要なのはデザイナーの意図をしっかり汲み取ることです。そのため、デザイナーをはじめコーダーなどとのコミュニケーションスキルも求められるでしょう。
バックエンドエンジニアの場合
バックエンドエンジニアで求められるスキルには、大きくわけて3つあります。1つ目はフロントエンドとは言語の種類が異なるものの、Java・PHP・Ruby・Pythonといった言語を使ったプログラミングスキルが挙げられます。サーバー側で処理する開発に携わるため、言語に対するスキルや知識は必須です。
また、複数の言語を扱えると携わる開発の幅が広くなるため、できるだけ多くの言語の習得をおすすめします。
2つ目は、MySQLなどのデータベースに関するスキルや知識が挙げられます。具体的には、端末から入力されたデータをサーバー内のデータベースで検索したり、保存したりする処理などを指します。さらにWebとサーバーの間で通信するので、Apacheなどのネットワークの管理や、そのほかのWebサーバーソフトへの知見もあると仕事の幅が広がる可能性が高いです。
3つ目は、不正アクセスの防止などセキュリティに関する知識やスキルが挙げられます。ネットショップやゲームアプリでの課金は、サーバー側で決済処理を行うため、不正アクセスなどを予防するために高セキュリティなシステム構築が必要です。そのため、必然的にセキュリティに関するスキルや知識が必要だといえるのです。
まとめ
今回はフロントエンドとバックエンドについて開発領域や使用言語の違い、開発の流れやそれぞれに求められるスキルなどを紹介しました。WebサイトやWebアプリを開発する場合に両方のエンジニアは必要不可欠であり、それぞれに役割をこなすことでニーズを満たすシステムができます。今後はこれらの違いを踏まえて、要望を伝えることをおすすめします。
また、新しくWebサイトやWebアプリの開発を検討している方は、株式会社テクノデジタルにお任せください。ニーズを汲み取り、ときに新たなご提案を行いながら、ビジネスに寄り添った開発をお手伝いします。規模に関わらず対応しますのでぜひ、株式会社テクノデジタルにご相談ください。
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