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2023.12.04

ビーコンとは?他通信技術の違いやメリット・実際の活用例を紹介

ビーコンとは?他通信技術の違いやメリット・実際の活用例

「ビーコンという名前は聞いた事はあるものの、具体的な利用方法がわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ビーコンは、マーケティングツールとしても活用でき、集客率向上などが期待できます。


そこでこの記事では、ビーコンの特徴やメリット、他通信技術との違い、具体的な活用例について詳しく解説していきます。ビーコンをマーケティングツールとして活用したい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • ビーコンとGPS、Wi-Fiの違い
  • ビーコンの特徴やメリット
  • 具体的なビーコンの活用方法

ビーコンとは

ビーコンとは

ビーコンとは、Bluetoothの信号を発信するデバイスのことです。製品によって違いはありますが、小型で持ち運びやすく、省電力に長けています。


ビーコンから発信される電波の有効範囲は、半径10メートルから100メートル程度で、誤差に関しては1メートルから5メートル程度となっています。


ビーコンの主な種類は下記の4つです。

  • iBeacon(アイビーコン)
  • Webビーコン
  • VICS
  • 雪崩ビーコン

iBeaconは、省エネルギーが特徴であり、比較的低コストで手に入ります。Webビーコンは、Webサイトに埋め込まれた画像ファイルで、サイト訪問の有無や回数などが把握できます。


そのほかにも、VICSは道路に設置されており、事故や渋滞情報などの交通情報だけでなく、目的地までの所要時間なども把握できます。雪崩ビーコンは災害対策用品のひとつで、救難信号の発信や埋まっている人の捜索などに役立ちます。

ビーコン普及の背景

ビーコン普及の大きな要因としては、スマートフォンの普及が挙げられます。


そもそもビーコンの利用には、受信装置が必要不可欠です。そんな中、最も身近にある受信装置がスマートフォンであり、スマートフォンの普及がビーコン普及を後押ししています。


また昨今のスマートフォンは、Bluetooth機能が標準で搭載されています。Bluetoothを利用した機器も多くなっていることから、市場ではBLEビーコンと呼ばれるBluetooth Low Energy規格(BLE)を搭載したビーコンが、多くの割合を占めています。

ビーコンと他通信技術との違い

ビーコンと他通信技術との違い

ビーコンと似た特徴の通信技術は下記の2つです。

  • GPS
  • Wi-Fi

それぞれの特徴を踏まえて、具体的な違いを解説します。

GPS

ビーコンに似た通信技術のひとつが、GPSです。人工衛星からの電波を利用して位置情報を収集します。ビーコンとGPSの具体的な違いは下記のとおりです。

ビーコン GPS
位置測定における精度 ・GPS、Wi-Fiに比べると高い
・誤差は数メートル
・ビーコン、Wi-Fiと比べると低い
・誤差数十メートル
電波受信 ・Bluetoothに対応したデバイスならなんでも通信可能 ・ビルや樹木など遮るものが何もなく、空がよく見える視界がいい場所
通信範囲 ・Bluetoothが届く数メートル内
・地下や屋内でも通信可能
・世界規模
・広範囲
・地下や屋内では利用できない場合がある

多くの情報を広範囲から取得したい場合は、GPSの方が向いています。しかし、ビーコンに比べ精度は劣るため、エリア内で高い精度を求める場合は、ビーコンの方が適しています。

Wi-Fi

ビーコンに似た通信技術のもうひとつが、Wi-Fiです。無線LAN機能で、アクセスポイントを介して通信します。ビーコンとWi-Fiの具体的な違いは、下記のとおりです。

ビーコン Wi-Fi
位置測定における精度 ・GPS、Wi-Fiに比べると高い

・互いの信号による影響を受けにくい(電波の多い場所では精度が落ちる場合がある)
・ビーコンには劣るがGPSよりは高い

・Wi-Fiの信号が近くにあると互いに干渉し不安定になる
電波受信 ・Bluetoothに対応したデバイスならなんでも通信可能 ・専用のアクセスポイントが必要
通信範囲 ・Bluetoothが届く数メートル内
・Wi-Fiの電波が届く範囲内(50メートルから100メートル)

どちらも通信においては、地下や屋内でも利用できて電池消費が少ないため、長時間の利用が可能となっています。しかしWi-Fiは、複数のアクセスポイントがあると互いの電波に干渉し不安定になるため、正確な位置情報を高精度で測定したい場合は、ビーコンが適しています。

ビーコンのメリット

ビーコンのメリット

ビーコンには、具体的に下記のようなメリットがあります。

  • 位置測定精度が高い
  • 屋内や地下でも利用できる
  • 複数端末の同時利用ができる
  • 電池消費が少ない
  • さまざまなデバイスに対応
  • マーケティングでも活用できる

それぞれ詳しく解説します。

位置測定精度が高い

ビーコンは、GPSに比べると信号送信範囲が狭くなっています。しかし、その分精度の高い位置測定が可能です。


また、Wi-Fiのように他のアクセスポイントによる影響も受けにくいため、ピンポイントの位置測定が可能となっています。

屋内や地下でも利用できる

GPSの電波は、建造物や樹木などで遮られてしまいます。そのため、地下や屋内では利用できません。しかしビーコンは、Bluetoothに対応したデバイスがあれば、どこでも通信が可能なので、地下や屋内でも利用できます。このように、幅広い場所で活用できる所は大きなメリットのひとつです。

複数端末の同時利用ができる

Wi-Fiは、近くに他のアクセスポイントがあると、お互いの電波に干渉し通信が不安定になります。しかしビーコンは、お互いの電波に干渉せずに通信できるため、複数端末の同時利用が可能です。


このようにビーコンは、複数端末の同時利用ができるため、同じエリアに複数台のビーコンを設置し行動の追跡や分析などにも役立ちます。

電池消費が少ない

Bluetooth技術の発達により、電池消費が少ないところもメリットのひとつです。電池消費が少なければ、電池切れを心配することなく、長時間の運用が可能です。

さまざまなデバイスに対応

さまざまなデバイスに対応しているところもメリットのひとつです。


ビーコンは、Bluetoothに対応したデバイスであれば利用できます。そのため、Wi-Fiのように専用のアクセスポイントを設置する必要もありません。また、ビーコンに対応したデバイスのデザイン性も豊富で、大型のものからボタンサイズの小さいものまで幅広く流通しています。

マーケティングでも活用できる

ビーコンは、マーケティングでも活用できます。具体的には、顧客のスマートフォンにクーポン配布やポイント付与などが可能です。ほかにも、スマートフォンにいれたアプリから顧客の移動経路などの情報を収集し、顧客の動線に対応したレイアウト変更などもできます。


このようにビーコンは、顧客に関する情報収集などマーケティングにも役立ちます。また、テクノデジタルでは、豊富な経験や知識をもとにさまざまな集客戦略を提案してくれます。気になる方は、一度問い合わせてみましょう。

ビーコンの活用例

ビーコンの活用例

最後に、ビーコンの活用例について紹介します。今回紹介する活用例は下記の5つです。

  • 店舗・施設内など特定エリアでのマーケティング
  • 探し物お助けサービス
  • 見守りサービス
  • アバランチビーコン
  • 道路交通情報通信システム

それぞれ順に解説します。

店舗・施設内など特定エリアでのマーケティング

ビーコンは、店舗や施設内など特定エリアでのマーケティングに活用できます。


店舗内にビーコンを設置しておけば、電波が届く範囲内に入ってきた顧客に対し、リアルタイムでクーポン配布やポイント付与が可能です。


また、店舗内での行動も正確に把握できます。そのため、顧客に合わせたレイアウト変更など、効果的な誘導や販促が可能になります。

探し物お助けサービス

ビーコンは、発信される電波から正確な位置情報を把握できるため、探し物を見つける場合や貴重品紛失防止などにも活用できます。


具体的な手順としては、紛失を防ぎたい物にビーコンを取り付け、監視者が携帯するBluetooth端末と連携させます。ビーコンの電波が届かない位置に移動するとアラートが表示され、物の置き忘れなどを教えてくれます。

見守りサービス

ビーコンは、子供や高齢者などの見守りサービスとしても活用できます。

具体的な方法としては、見守り対象にビーコン端末を携帯してもらい、地域の施設や自宅などに受信スポットを設置します。そうすることで、ビーコンが発信した信号を受信した位置が記録されて、居場所の把握が可能になります。


見守り用ビーコン端末は、キーホルダー型やホイッスル型など、持ち運びやすい形状が多いため、ストレス無く携帯できます。

アバランチビーコン

ビーコンは、正確な位置測定が可能です。そのため、アバランチビーコンと呼ばれる捜索機器として活用されています。


アバランチとは雪崩のことを指し、具体的には雪崩に巻き込まれて埋まってしまった人を探すのに役立ちます。


雪崩に巻き込まれた場合、時間の経過と共に生存率は急激に低下します。そのため、迅速な救助が必要です。


しかし、広大な雪山での捜索は居場所の特定が難しく、多くの時間を費やしてしまう場合もあります。そんなとき、アバランチビーコンを携帯していれば、発信される信号を頼りに位置の特定がしやすくなります。

道路交通情報通信システム

ビーコンは、道路交通情報通信システムとしても活用されています。


具体的には、VICSセンターが提供する道路交通情報システムが挙げられ、車のナビゲーションなどに活用されています。VICSのビーコンは道路に設置されており、渋滞などの交通情報や目的地までの所要時間などの把握が可能です。


こちらの記事では、ビーコンを含めたIoTの活用事例などをより詳しく解説しています。ぜひあわせてお役立てください。

まとめ

まとめ

ビーコンは、Bluetooth信号を発信する端末のことです。通信範囲は狭いですが、Bluetooth機能付きの端末であればどこでも通信可能で、位置測定精度や省電力に長けています。


ビーコンに似た通信技術としては、広範囲の情報収集に適したGPSやビーコンには劣るものの、GPSよりは精度の高いWi-Fiなどが挙げられます。


しかし、GPSは電波の届かない場所では活用できません。また、Wi-Fiにおいては専用のアクセスポイントが必要であり、お互いの電波による影響を受け、通信が不安定になる場合があります。そのため、高い精度を求める場合は、ビーコンの活用をおすすめします。


ほかにもビーコンは、高い位置測定精度を活かし、顧客の移動経路などの情報を収集し、レイアウト変更などが実現できます。このように、マーケティングツールとしても活用でき、集客率向上などが期待できます。


またテクノデジタルでは、豊富な経験や知識、最新のテクノロジーを活用しさまざまな集客戦略などを提案してくれます。気になる方は一度問い合わせてみてください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。