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システム開発

2023.12.04

デプロイとは?ビルド・リリースとの違いや手法を解説

デプロイとは?ビルド・リリースとの違いや手法を解説

システム開発には、多くの工程があって専門用語も飛び交うため、システム開発初心者にとっては、用語の意味を調べるだけでも一苦労です。そのなかでもデプロイは、いくつもの環境で行われる工程であり、エンジニアであれば関わる機会が多くあります。


そこで今回は、デプロイの基本的な知識からビルドやリリースなど、ほかの作業との違いを紹介します。デプロイの主な4つの手法や、実施するうえでのポイントも解説していますので参考にしてください。

この記事でわかること

  • デプロイの基礎知識と関連する作業との違い
  • デプロイの4つの手法
  • デプロイ実施のタイミングと気をつけるポイント

デプロイとは

デプロイとは

デプロイとは、作成したプログラムを実際の環境に移して、利用できる状態に配置することです。

システム開発においては、以下の環境が用意されています。

  • 開発環境:システムやソフトウェアを開発する作業環境
    テキストエディタやターミナルなどのソフトウェアとパソコンやメモリなどのハードウェアがある
  • 検証環境:プログラミングしたファイルの動作を確認・検証するための環境
  • ステージング環境:検証環境よりも本番に近いテスト環境
    開発環境や検証環境では見つけられなかったエラーや問題点にも気づきやすい
  • 本番環境:実際に利用する環境

4つの環境の中でデプロイは、検証環境・ステージング環境・本番環境で利用します。デプロイは作成したプログラムを本番、もしくは本番に近い環境で稼働できる状態にする作業です。

デプロイと関連する作業の違い

デプロイと関連する作業の違い

開発作業にはデプロイ以外にも、ビルド・リリース・ローンチがあります。それぞれの具体的な作業内容とデプロイとの違いを解説します。

ビルド

ビルドとは、ソースコードに問題がないかを解析し、問題なければ実行ファイルに置き換える作業です。ビルド作業の中のひとつにコンパイルがあります。コンパイルとは人間が読んでわかるプログラミング言語を、コンピューターが理解できる言語へ置き換える作業です。

それぞれのソースコードのコンパイルが終わると、ファイル同士を組み合わせて調整します。この一連の作業がビルドです。そして、ビルドが終わった後は検証環境・ステージング環境・本番環境と利用する環境にファイルを配置しすると、デプロイが完了します。

リリース

リリースとは、公開や発表を意味する言葉で、IT業界以外にも幅広い分野で利用されています。IT業界でのリリースは、ユーザーが利用できるように商品やサービスを提供開始させることです。デプロイはシステムを利用できる状態にするまでの作業なので、デプロイ後にシステムを調整し、問題なければリリースします。よって、リリースはデプロイ後に行う工程です。

ローンチ

ローンチもリリースと同じく、公開や提供開始する意味の用語で、デプロイ後の工程です。ローンチとリリースはどちらも同じ意味ですが、IT業界ではローンチがよく使われます。しかし、ユーザーに向けてはわかりやすいようにリリースを使うのが一般的です。

ローンチとリリースは、相手によって使い分けると伝わりやすくなります。

デプロイの手法

デプロイの手法

デプロイは、実施する環境によって利用する手法が異なります。デプロイによるトラブルを少なく作業できる、4つの手法を紹介します。

ブルーグリーンデプロイメント

デプロイを置く環境で、現在の本番環境をブルーとするのに対して、新しい本番環境をグリーンとします。ブルーグリーンデプロイメントとは、ブルーをバックアップとして利用し続けながら、グリーンへ移行する方法です。ブルーグリーンデプロイメントは4つの手法の中で、最もデプロイ作業中のシステム停止を短くできます。

ブルーグリーンデプロイメントは、両方のシステムが同時に運用される手法です。万が一グリーンで問題が生じてもブルーに戻せるため、トラブルによるシステム停止が起きません。しかし、両方のシステムのサーバーリソースが必要なため、コストがかかる点がデメリットです。

イミュータブルデプロイメント

イミュータブルデプロイメントとは、デプロイ完了後にブルーを削除する方法です。デプロイ完了までは、ブルーグリーンデプロイメントと同じく2つのシステムが運用されます。最後の確認でグリーンに問題ないと判断できたら、ブルーを削除します。

デプロイ完了後はシステム環境がひとつになるため、ブルーグリーンデプロイメントよりもコストがかからず、サーバーリソースが圧迫されないところがメリットです。また、2つ運用するよりも管理しやすくなります。

しかし、万が一グリーンにトラブルが起きた場合は、ブルーがないためすぐには戻せません。トラブル時はブルーグリーンデプロイメントよりも、システム停止時間が長くなってしまうところがデメリットです。

システム停止時間が少しでも短くなるよう、グリーンに移行後はロールバックできるように、システムを整えておくのをおすすめします。

シンボリックデプロイメント

シンボリックデプロイメントとは、サーバー環境はひとつですが別にサーバー内に仮想環境を2つ用意する手法です。仮想環境のうちのひとつを現在のシステム、もうひとつを新しいシステムとしてデプロイします。そして、デプロイが完了したらシンボリックリンクによって、新しい環境へ移行させます。

シンボリックデプロイメントは、デプロイの自動化が可能なところやコストを抑えられるところがメリットです。また、ひとつのサーバー環境で複数システムが稼働させられるところもメリットですが、問題が起きた場合に複数のシステムに影響を及ぼすことが考えられます。

ローリングデプロイメント

ローリングデプロイメントはシステム環境を複数のサーバーに分け、個別にデプロイする手法です。ひとつのサーバーをデプロイしている間でも、ほかのサーバーは稼働したままのため、一部の機能が使えなくなる程度で済みます。デプロイはひとつずつでなくても、いくつかを同時にデプロイすることも可能なため、作業の効率化が可能です。

しかし、サーバーそれぞれに現在のシステムと新しいシステムが存在するため、誤って新しいシステムをデプロイしてしまわないように気をつけます。また、トラブル時のプロセスが複雑になってしまう点も考えられます。

デプロイを実施するタイミング

デプロイを実施するタイミング

デプロイを実施するタイミングは企業によってさまざまです。一般的には、アプリケーションのリリース直前やシステムの検証が終わったタイミングで行われます。デプロイは複数の環境で行うと、さまざまな角度からの問題点が確認できるため、各ポイントで行うのがおすすめです。

デプロイは手動と自動のどちらでも行えます。自動だと作業内容が統一でき、操作マニュアルの不要な点がメリットですが、手動は誰が行っても内容を統一できるようなマニュアル作成は必要ですが、デプロイのタイミングが明確です。どちらの方法が企業に合っているかを確認して設定します。

どのタイミングでのデプロイでも、夜間での実施がおすすめです。夜間は日中よりもアクセスが少ないため、トラブル発生時のユーザーへの影響を減らせます。

デプロイを実施するうえでのポイント

デプロイを実施するうえでのポイント

デプロイ実行時に、トラブルを少なく完了させるためのポイントを紹介します。新しいシステムを計画的に運用できるように環境を整えます。

デプロイの時間を最小限にすること

新しいシステムを計画的に運用するには、デプロイの作業時間を最小限にすることがポイントです。システムのリリースは、デプロイを完了させて動作テストをクリアしなければできません。デプロイが遅れるとリリースが伸びるだけでなく、ローリングデプロイメントであれば、作業時間中一部の機能が使えなくなります。

デプロイには、コンパイルやシステム環境へのファイルの配置など、いくつか作業工程があるため、それぞれの作業を効率的に行う対策が必要です。具体的には以下のポイントに注意しましょう。

  • データ量を最小限にしてエラーチェックをこまめに行う
  • 誰が見てもわかるように無駄なファイルをなくし、配置箇所を工夫する
  • シンプルなコードで内容をまとめる

安定した環境で実施すること

周りの環境に左右されることなく、計画どおりデプロイを完了させるには、自動での作業が適しています。デプロイを実行するタイミングを作れないなどの状況が発生しそうな場合に有効です。作業内容が統一された状態で実行できるため、安定した環境を確保できます。

しかし、自動の場合は実行中に意図しないトラブルが発生する可能性があるため、人間がチェックできる管理体制を整えておくことが重要です。もし、デプロイを手動で行う必要がある場合は、トラブルが発生することを考えた余裕のある計画を立てて、デプロイを開始します。

確実に実施できるようにすること

デプロイを実行するには、途中で中断できるか、常にロールバックできる状態になっているかの2点が確保されているかも重要です。デプロイが万が一失敗した場合の対策をしながらデプロイを実行することで、確実性が確保できます。

対策として、サーバーごとにエラーチェックを細かく行いながら配置する方法が有効です。問題が発生した場合もすぐに気づけるため、該当箇所のみの修正で済みます。また、こまめなバックアップをとっておくことで、修正に手間がかかってしまう場合は、ひとつ前の段階にて作業を再開する方法も選べます。

自社に合った手法で実施しよう

自社に合った手法で実施しよう

デプロイとは、作成したプログラムを実際の環境に移して、利用できる状態に配置することです。主に、検証環境・ステージング環境・本番環境で行われます。

デプロイの手法には、現在のシステムと新しいシステムを同時に運用するブルーグリーンデプロイメント、一度は新旧ともシステムを稼働するが、デプロイが完了したら現在のシステムを削除するイミュータブルデプロイメントがあります。


また、ひとつのサーバー内に仮想環境を2つ用意してデプロイ作業の自動化が容易にできるシンボリックデプロイメント、システム環境を複数のサーバーに分割して個別にデプロイできるローリングデプロイメントと、4つがシステムの停止を少なくデプロイできる手法です。

デプロイ実行時のトラブルを少なく完了させるためには、作業時間を最小限にする、途中で中断することを視野に入れる、常にロールバックできる状態にしておくなどの対策が必要です。

株式会社テクノデジタルでは、高度な技術を持った経験豊富なエンジニアがデプロイのお手伝いをしております。デプロイに関してお困りの際は、ぜひお気軽のご相談ください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。