2024.01.31
Flutterとは?できることや使用する際の注意点を解説!
Flutterとは、モバイルアプリに適したフレームワークです。
主に、AndroidとiOSに向けたアプリ開発に使用します。
今後、モバイルアプリ開発に携わりたい場合は、習得しておくことがおすすめですが、比較的リリースされてからの歴史が浅いため、社内であまり浸透していない、これから導入を検討するといったケースもあります。
そこで、今回はFlutterの特徴や使用する言語、使用する際の注意点などを紹介します。Flutterに興味がある方はもちろん、モバイルアプリ開発に関心がある方は、ぜひ目を通してください。
この記事でわかること
- Flutterとはなにか
- Flutterでできること
- Flutterの注意点
目次
Flutter(フラッター)とは?
Flutterは、スマートフォンアプリ開発向けのフレームワークです。フレームワークとは開発に必要な機能や枠組みをまとめたツールで、開発における基本的な土台ともいえるものです。これらを使用することで、一から開発する場合よりも短期間または効率的、かつ低コストで開発できることが魅力です。
また、2018年にGoogleがリリースしたオープンソースであり、今後スマートフォンアプリ開発に力を入れたい企業は、導入する価値があるといえます。主な特徴として、宣言型UIプログラミングができる、ウィジェットがツリー構造で見やすい、ホットリロードでスピーディーな開発を実現、マテリアルデザインを取り入れられるなどが挙げられます。
リリースから歴史が浅いとはいえ、機能性と将来性が高いので導入する企業も増えており、注目度も右肩あがりです。
Flutterで使用される言語について
Flutterで使用される言語は、Dart(ダート)といいますが、あまり見聞きしたことがないという方もいるかもしれません。Dartは、2011年にGoogleが開発したプログラミング言語であり、静的型付け言語をメインに使用するため実行速度が速いことが特徴です。
主に、仮想マシン、デプロイ、トランスパイラなどの実行環境で使用されます。また、JavaScriptの代替言語として設計されていることから、トランスパイラを使ってJavaScriptに変換したあと、Webブラウザで使うこともできます。加えて本来はJavaScriptでは解決できない問題も、Dartなら対処できるといったケースもあることから、近年ではとくに注目を集めている言語です。
Dart言語が注目されてこなかった背景
Dartは2011年に開発されてから10年以上も経ってようやく注目されるようになりましたが、それまでなぜ注目されてこなかったのでしょうか。その理由として、JavaScriptと類似していることとレベルにも大きな差がないことが挙げられます。
また、Flutterで開発する際に、Dartがマストというわけではないことや、Flutterがリリースされるまでは、国内でも情報が少ない状態だったことも影響しています。さらに当時は日本語に訳されていなかったため、英語での対応が必要だったことも関係していたと推測できます。こうした背景からこれまではあまり関心を持たれなかったのですが、近年では急速に注目度がアップしている言語です。
Flutterでできること
Flutterでは、次のような環境での開発ができます。
- iOS
- Android
- Webアプリケーション
- Windows
- Mac
- Linux
具体的には、次のようなアプリ開発が可能です。
- 地図アプリ
- 業務アプリ
- 画像編集アプリ
- マッチングアプリ
- ショッピングアプリ
- ライブ配信アプリ
iOSとAndroidにそれぞれ対応していることはもちろん、Webアプリにも同じコードを使用できるので、効率的かつ自由度の高い開発が可能となります。いいかえれば、さまざまなデバイスでつかえるアプリを効率的につくれる、ともいえるのです。
エンジニアにとってもパフォーマンスの向上が期待できるほか、プロトタイプとして小規模から開発したい、といった場合にも適しています。反対に、幅広いデバイスに対応する大規模な開発にも適応するため、今後の開発においてなくてはならない存在になる可能性があります。
Flutterが注目されている理由
Flutterは昨今、国内のみならず世界中で利用されるようになりました。しかしながらなぜ、これほどまでに注目されているのでしょうか。
フリーでオープンなフレームワーク
Flutterが注目される理由として、まずGitHubを使ったオープンソースなフレームワークであることが挙げられます。しかもフリーなので、誰でも取り組みやすいことも影響しています。オープンソースは、誰でも内容を閲覧でき、技術的な部分も公開されているほか、オリジナルカスタマイズが可能、改善点などがあればリクエストできるといったことがメリットです。
こうした自由度の高さはエンジニア同士の交流を深め、Flutterそのものの成長や発展、ノウハウの共有などを活性化させたといえます。
マルチプラットフォーム
Flutterは、複数のプラットフォームに対応できるマルチプラットフォームです。主な環境として、iOS、Android、Webアプリケーション、Windows、Mac、Linuxの6つが挙げられます。
本来は、開発環境ごとにAndroid ならJava・Kotlin、iOSなら Objective-C・Swiftなど別々の言語を使用しなければなりませんが、しかしFlutterなら個別に言語を習得する必要がなく、Flutterだけを学べば開発自体も1つで対応可能です。
こうしたことから個々の言語を習得する時間やコストを削減できるため、プログラミングのビギナーでも比較的スピーディーに、実践することができます。また、開発規模もプロトタイプのような小規模かつ急ぐ場合から、いろいろなデバイスに対応する大規模な開発まで対応できるのも、多くの現場で重宝される要素です。
また、複数の環境での開発をFlutter1つで管理できる点や、ネイティブ開発と同じように細部までチューニングできる、最新技術の先行リリースされることがある点も、注目度を高める要素といえます。
Googleが開発している
Googleは世界的にも有名な、インターネット関連サービスや製品を提供する会社ですが、Flutterは、このGoogleが開発しています。高いスキルを持つ人材が豊富にいるため、Flutterの運営が安定していることや、独自のコミュニティにも活気があります。
また、2021年と2022年にはそれぞれFlutter2、Flutter3を発表しており、今後の開発分野におけるさらなる発展が期待できることも、世界中から高い関心を集める部分です。Dartを学ぶことを含め、これだけの規模の企業が開発したFlutterを習得することは、個人のエンジニアはもちろん、企業としても今後の事業へのポジティブな影響が期待できるといえます。
整った開発環境
Flutterは、VSCodeなどをはじめとする統合開発環境におけるプラグインが豊富に用意されています。また、ほかのクラウドサービスとの連携もしやすいなど、効率的な開発ができる環境が整っていることも、1つの要素と言えます。
また、ホットリロードに対応しているので、テストの際にも迅速な変更点や動作の確認ができ、入力したコードの動作を見ながら開発を進めることが可能です。通常は、変更した内容を実機で確認することに多くの時間を費やすことが多いですが、そういった部分も即時に確認できるという利便性も多くのファンに支持されるところだといえます。
開発をスピーディーかつスムーズに進めたい場合にも、最適な環境といっても過言ではありません。
Google製品との相性
FlutterはGoogleが開発しているだけに、ほかのGoogle製品との相性がバツグンに良いです。各製品と連携することで優れたデザインやクラウドサービスを使えるのは、面倒な手間を省くだけでなくストレスフリーな仕事環境を演出できます。
そのほか、ほかのオープンソースコミュニティによるサポートも充実しているので、多言語テキストへの対応も可能となっています。こうした、誰にでも使いやすいことをベースとしている部分も、世界的に注目を集める理由の1つです。
Flutterを使用するときの注意点は?
Flutterは、フレームワークとして優秀であり、良い面ばかりが浮き彫りになっているケースが多いですが、実際に使用するときはいくつか注意したい部分があります。代表的なものでは、各OSに依存するカメラや通知などの機能を、すべてのOSに対応させることはできない点が挙げられます。
Flutterで開発したアプリだったとしても、各OSに依存する機能は個別に実装しなければならず、実装するOSによってはそれぞれに適した言語を使わなければなりません。
また、最近は日本語に対応しているとはいえ、日本語で記された文献などがまだ少ない傾向があります。深く理解するためには英語の資料を和訳するか、自身が英語を学びながら、といった手間がまだまだ多いです。そのため、何らかのトラブルが発生した際は、日本語で記された少ない情報から手がかりを見つける、というケースも想定できます。
さらに、リリースされてから歴史が浅いために、ライブラリが少ないことも注意しておきたいところです。
今後は増加することが予想できますが、ライブラリで実装できない場合は、自分で考え、場合によっては自身が開発しなければならない可能性も否めません。
年月の経過とともに、解消されていく可能性がある内容ではあるものの、Flutterは完全ではないことを念頭に置き、導入する場合はこれらを踏まえた対策が必要です。
次にこちらの記事では、ウェブ開発やAPIなどでよく利用されるJSONの基本を初心者向けにわかりやすく解説します。ぜひご覧ください。
まとめ
今回は、Googleが開発したフリーのオープンソースフレームワークのFlutterについて解説しました。アプリ開発を手軽かつ効率的にできるツールとして、世界中から注目を集めていますが、日本国内では課題もいくつかあることがわかりました。
しかし、工数やテストの変更確認に対する時間の削減、豊富なOSに対応していることなど、エンジニアなら魅力的に映る部分も多いことは事実です。将来性があり、小規模から大規模、さまざまなデバイスに対応するといった部分も含めると、今からFlutterを導入しDartを学習しておくことはきっと、今後の事業にポジティブな影響を及ぼします。
プログラミングビギナーの方やFlutterに興味がある企業・エンジニアは、ぜひこの機会にFlutterの導入を検討してみてください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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