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システム開発

2023.12.04

オンプレとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

オンプレとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

オンプレとは、近年主流となりつつあるクラウドと対照的なシステムの運用方法で、正式にはオンプレミスといいます。言葉の響きから難しそうな印象を受ける方もいるかもしれませんが、実際に導入している企業は少なくありません。


今回はオンプレについて詳しく解説するとともに、歴史やクラウドとの違い、メリットやデメリットを総合的に解説します。システムの運用に携わる方やオンプレに興味がある方はぜひ目を通してください。

この記事でわかること

  • オンプレとは
  • オンプレミスの対にあたるクラウドとは
  • オンプレミスのメリットとデメリット
  • クラウドのメリットとデメリット

オンプレとは

オンプレとは

オンプレとはサーバーやソフトウェアなどの情報システムを企業の施設内に設置して、管理・運用することを示します。別の言い方をすれば自社運用ともいえる状態で、on-premiseと表記します。


英語表記に使われているpremiseは「構内」という意味があり、ネットワークやサーバーなどが施設内に設置された状態で運用できる環境のほかに、データセンターでハウジングするケースも含まれる事が多いです。


ここで言うハウジングとは、施設と別のデータセンター内に顧客所有のシステムを設置して、管理・運用する状態を指します。データセンターの一部のスペースを借りて運用することからオンプレに属すると解釈されます。


データセンターは、自社よりもセキュリティや安全性が優れ安心できることや、電源設備も十分に整っていることから、社内に設置できないときや不安があるときに利用するケースがあります。

オンプレミスの歴史

本来、企業におけるインフラ構築はオンプレミスが主流で、もともとはとくに名称もついていませんでした。2000年代になってクラウドという運用方法が登場したことにより、それと区別するためにオンプレミスと呼ばれるようになります。


クラウドが登場する前までは、大切な情報は自社管理が安心という概念が一般的でしたが、東日本大震災などの大規模自然災害などの経験を経て、これらの概念が覆り、自社運用には物理的・経済的な限界があることが広く知られ、IT業界の進化も進んだことから普及が加速したといえるでしょう。


クラウドを導入する企業は増加していますが、従来のスタイルを維持する企業もまだあります。代表的なところでは、官公庁や金融機関などの機密性の高い情報を保有する団体などが挙げられます。基本的にはシステムの規模が大きい分コストや工数は増大します。


そのため、今後はクラウドを採用する可能性はあるものの、各社の動向は未知数なものがあるでしょう。

オンプレミスの対にあたるクラウドとは

オンプレミスの対にあたるクラウドとは

オンプレミスと対象的な位置づけにあるクラウドとは、英語のCloud(雲)に由来した呼び方で、インターネットを空にたとえたときに雲のようにデータがある、というイメージからきています。


Googleをはじめ、Chromeなどのインターネットブラウザを介して利用するのが一般的で、ユーザーが自分で環境を整備する必要がなく、初期コストがほぼかからないことが特長です。では、両者の具体的な違いを見ていきましょう。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスとクラウドの違いは、管理・運用するシステムが社内にあるか社外にあるかにより区別します。社内にあるのがオンプレミス、社外にあるのがクラウドと解釈してOKです。


物理的な管理・運用の場所だけでなく、初期コストにも違いがあります。オンプレは一から設備やシステム開発を行うため、費用が大きくなりがちなのに対し、クラウドはユーザーが自分で設備投資する必要がないので、それほど費用がかかりません。


もしコストが発生したとしても、従量ごとに支払うサブスクリプション型の契約が一般的です。また、インターネット環境が必須であり、オンプレはオフラインでも操作可能なケースがあります。

オンプレミスのメリット

オンプレミスのメリット

従来のシステム構築ともいえるオンプレミスには、どのようなメリットがあるのでしょうか。はじめに従来のスタイルを維持して活用することへの恩恵について、チェックしていきます。

セキュリティが高い

オンプレミスは、その会社で管理・運用を行うため、第三者が操作・侵入しづらくなるというセキュリティ面の強化が挙げられます。とくに機密性の高いデータを扱う場合は、信頼度を高めることができるでしょう。

カスタマイズ性が高い

システム構築をはじめ、ハード面やソフト面まですべて自社で準備して構築するため、ビジネスにベストなカスタマイズが可能です。また、既存システムと同一のネットワークに構築できる点もメリットといえるでしょう。社内の既存システムと連携や統合がしやすいので、複雑な仕組みだったとしても、その会社ならではのオリジナルで設定できます。

月額利用料がかからない

クラウドの場合、毎月の利用料金が発生しますが、ランニングコストの面ではクラウドほどかからないこともうれしいポイントです。長い目で見れば、トータルでの費用は比較的かからない可能性があるでしょう。

オンプレミスのデメリット

オンプレミスのデメリット

オンプレミスは魅力的なメリットがある一方で、把握しておきたいデメリットも存在します。効果的・効率的に活用していくためにも、本章でしっかり確認していきましょう。

初期コストが高い

設備投資をはじめ、一からすべてを構築するオンプレミスには、初期コストが高騰する傾向があります。自社で使いやすさやセキュリティの強化を求める場合、それに見合う機器を取り寄せられるということもあるでしょう。独自の保守費用や修理費用・人件費・電気代なども含めると、メリットに隠れた部分で費用が高くなりがちです。

導入に時間がかかる

システムを構築するといっても、ベンダーや担当者のスキルによっては稼働するまでに数か月かかる可能性があります。また、求める知識やスキルを持つ人材がいない場合は、育成したり新たに採用したりするといった、手間と時間がかかるでしょう。

前から着々と準備してきたならともかく、そうではない場合は時間が想像以上にかかることもあります。

自社で運用管理の必要がある

自由度の高いカスタマイズができるのが魅力でも、実際に社内だけで運用管理していくことは大変な作業です。なんらかの障害が発生した際にもすべて自社で対応しなければなりません。夜間に不具合が発生したときは、夜間の対応も求められるでしょう。


また、地震や台風などの自然災害により被害を受けたときは、設備に影響したり、最悪破損したりする可能性もあります。そうなれば、内部データの損失や新たな機器の設置・構築が必要となります。こうしたことから、オリジナルのシステム運用・管理ができる一方で、万が一の際には担当者の負担が膨大なものになることは覚えておきましょう。


自社でのシステム開発・運用に行き詰った場合、信頼できる会社への依頼も検討しましょう。こちらの記事では、システム開発会社に依頼するメリットやおすすめの会社を解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

クラウドのメリット

クラウドのメリット

クラウドは近年、企業のみならず個人の利用もどんどん増えています。利用するにあたってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

初期コストを抑えやすい

導入する際のメリットとして、初期コストを抑えられることが挙げられます。自分で各種設備への投資をしなくても良いことや、設備の維持・運用・保守にかかる人件費もかかりません。


また、クラウド利用時に必要となる月額料金は従量課金制が主流なので、利用した分だけの支払いとなり、必要以上の費用が発生しないことも利用しやすい部分といえるでしょう。

運用管理が不要になる

クラウドのシステム運用はサービスを提供する事業者が行います。オンプレミスのようにすべての管理・運用を行う必要はありません。アプリケーションのアップデートなどはほぼサービス提供事業者が行い、常に最新バージョンで利用できるのもポイントです。


自前で管理する負担を軽減できることに加え、さまざまなツールが提供されているのであらたに開発する必要もありません。こうした部分はメリットといえるでしょう。

導入してすぐに使い始められる

クラウドは一定水準の完成したサービスを利用できるので、導入後はすぐに使えることが魅力です。社内での環境整備もしやすく、スピードが命といわれるビジネスのうえでも役立つでしょう。オンプレミスの場合は、自社開発に数か月程度かかることが珍しくないので、このスピードの差は大きいです。


また、インターネットにつながる環境なら使用する端末に依存しないので、幅広いデバイスが使えるといえるでしょう。

クラウドのデメリット

コスト面や導入のしやすさなどメリットがある一方で、クラウドには知っておきたいデメリットもあります。ここでは、どんなデメリットがあるのか確認していきます。

カスタマイズ範囲に限界がある

クラウドはサービス提供事業者が提供する範囲での利用が基本となるため、ある程度限られたカスタマイズ領域となります。オンプレミスならビジネスに合わせて自由度の高い調整が可能ですが、カスタマイズ領域に限界があることはデメリットといえます。


とはいえ、業務に大きな障害となるようなことは稀で、一般的な業務においては支障がないことがほとんどです。ただ、オリジナル性の高い状態を希望する場合は、すべてを叶えられない可能性があるので、その点は事前に確認しておきましょう。

自社システムと互換性がない場合がある

サービス提供事業者が提供する仕様は、必ずしも自社と連携できるとは限らず、互換性がないこともあります。サービス提供事業者が推奨する環境以外で利用する場合は、とくに注意が必要です。


そのため、クラウドの活用を検討する際は自社と連携できるかを事前に確認しておくことをおすすめします。また、インターネット環境が必須となるため、オフライン環境で活用できない点もウィークポイントといえるでしょう。

まとめ

まとめ

今回は、オンプレミスとはなにか、クラウドとの違いやそれぞれのメリット・デメリットを紹介しました。通称オンプレは、独自性の高いシステムの構築や運用・保守には高いセキュリティをはじめ、自由度の高いカスタマイズができるなど、メリットがたくさんあります。


しかし、社内ですべて管理・運用しなければならない点や、万が一災害などが発生してサーバーにダメージを受けたときなどは、データの損失など深刻な影響が出る可能性があります。対してクラウドは、インターネット環境があれば幅広い端末に対応することや初期費用を抑えられるなど、オンプレのマイナス要素をカバーできますが、自由度の高い設定・調整や自社との互換性がない場合もあるなど、両者は互いに一長一短だといえるでしょう。


システム構築する際にオンプレかクラウドか迷ったときは、システム開発・各種アプリ開発の経験豊富な株式会社テクノデジタルにお任せください。ビジネスに沿った独自の開発はもちろん、運用・保守まで誠心誠意対応いたします。


また、どちらが適しているかも丁寧な説明とともにご提案いたします。ビジネスにどちらを導入しようか検討している方は、一度、株式会社テクノデジタルにぜひご相談ください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。