2024.06.14
JavaScriptのletとvarの違いを徹底解説
JavaScriptにおいて変数を宣言する方法にはいくつかありますが、その中でもletとvarは特に重要なキーワードです。それぞれの違いを理解することで、より効率的でエラーの少ないコードを書くことができます。
本記事では、letとvarの基本的な使い方から、それぞれの利点や欠点、そして具体的な違いについて詳しく解説します。JavaScript初心者の方でも理解できるように、実際のコード例や図を用いて説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
varとは
基本的な使い方
varは、JavaScriptにおける従来の変数宣言キーワードです。以下のように使用します。
[javascript]
var x = 10; console.log(x); // 10
varで宣言された変数は、関数スコープを持ちます。これは、変数が関数の中でのみ有効であることを意味します。例えば、以下のコードでは、関数内で宣言された変数xは、関数の外ではアクセスできません。
[javascript]
function test() { var x = 10; console.log(x); // 10 } console.log(x); // エラー: x is not defined
メリットとデメリット
varの主なメリットは、全てのブラウザでサポートされている点です。また、初期のJavaScriptプログラミングに慣れている人にとっては、馴染み深いキーワードです。しかし、varにはいくつかのデメリットもあります。
例えば、同じスコープ内で同じ名前の変数を再宣言できてしまうため、予期しないバグが発生する可能性があります。
[javascript]
var x = 10; var x = 20; // エラーは発生しないが、意図しない挙動になる可能性がある console.log(x); // 20
このように、varは便利な反面、使い方によってはエラーを引き起こしやすいキーワードです。
letとは
基本的な使い方
letは、ECMAScript 6(ES6)で導入された変数宣言キーワードです。以下のように使用します。
[javascript]
let y = 20; console.log(y); // 20
letで宣言された変数は、ブロックスコープを持ちます。これは、変数がブロック({}で囲まれた部分)の中でのみ有効であることを意味します。例えば、以下のコードでは、ブロック内で宣言された変数yは、ブロックの外ではアクセスできません。
[javascript]
{ let y = 20; console.log(y); // 20 } console.log(y); // エラー: y is not defined
メリットとデメリット
letの主なメリットは、ブロックスコープを持つため、変数の再宣言が防止される点です。これにより、コードの可読性が向上し、バグの発生が抑えられます。また、letは再代入が可能ですが、同じスコープ内での再宣言はエラーとなります。
[javascript]
let y = 20; y = 30; // 再代入は可能 console.log(y); // 30 let y = 40; // エラー: Identifier 'y' has already been declared
一方で、letのデメリットとしては、ES6以前の環境ではサポートされていないため、古いブラウザでは使用できないことがあります。しかし、現在ではほとんどのモダンブラウザがES6をサポートしているため、大きな問題ではありません。
letとvarの違い
スコープの違い
letとvarの最大の違いの一つは、スコープの範囲です。varは関数スコープを持ち、letはブロックスコープを持ちます。以下の例でそれぞれの違いを確認しましょう。
[javascript]
function testVar() { if (true) { var x = 10; } console.log(x); // 10 } function testLet() { if (true) { let y = 20; } console.log(y); // エラー: y is not defined } testVar(); testLet();
この例では、varで宣言された変数xは、ifブロックの外でもアクセス可能ですが、letで宣言された変数yは、ifブロックの外ではアクセスできません。
再宣言と再代入の違い
varは同じスコープ内での再宣言が可能ですが、letは再宣言が許可されていません。しかし、どちらも再代入は可能です。
[javascript]
var x = 10; var x = 20; // 再宣言可能 console.log(x); // 20 let y = 30; y = 40; // 再代入可能 console.log(y); // 40 let y = 50; // エラー: Identifier 'y' has already been declared
巻き上げの違い
varは巻き上げ(ホイスティング)されますが、letは巻き上げされません。これは、変数宣言がスコープの先頭に移動されることを意味します。ただし、letもホイスティングされますが、宣言の前にアクセスしようとするとエラーが発生します。
[javascript]
console.log(a); // undefined var a = 10; console.log(b); // エラー: Cannot access 'b' before initialization let b = 20;
varで宣言された変数は、初期化される前にundefinedの値を持ちますが、letで宣言された変数は、初期化される前にアクセスするとエラーが発生します。
まとめ
JavaScriptにおけるletとvarの違いを理解することは、効率的でエラーの少ないコードを書くために非常に重要です。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
特徴 | var | let |
---|---|---|
スコープ | 関数スコープ | ブロックスコープ |
再宣言 | 可能 | 不可能 |
再代入 | 可能 | 可能 |
巻き上げ | される(undefinedを返す) | される(アクセスでエラー) |
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事