2024.01.31
XMLとは?HTML・CSVとの違いもわかりやすく解説
XMLとは、マークアップ言語の1つであり、プログラミングに携わる方なら見聞きしたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、具体的にどんな役割を担うのか、どんなシステムで使われるのかまでは、把握していないケースもあります。
今回は、XMLの役割や目的、ほかの言語との違い、XMLを使うメリット・デメリットについて解説します。Webやシステムの開発に携わる方はもちろん、技術的な部分に興味がある方はぜひ目を通してください。
この記事でわかること
- XMLについて
- HTMLとCSVとの違い
- XMLを使うメリット・デメリット
目次
XMLとは
XMLとは、データのやりとりで使用され、主に文章に関わるマークアップ言語の1つです。構造や意味、視覚表現などを記述することができ、やりとりそのものを簡単にできることが特徴です。データの管理においても優秀で、わかりやすい記述形式なので、さまざまなシステムに対応できます。
また、標準化推進団体である「W3C」によるオープン規格であり、ほかの言語に依存しないでデータのやりとりができるのも魅力です。似たような性質を持つ言語にはHTMLやCSVがありますが、次はこれらの言語との違いを解説します。
HTMLとの違い
Webサイトをつくるときに使用するHTMLは、マークアップ言語の仲間です。Webサイトの構造や見た目をつくることがメインであり、規定されている固定タグを使って記述します。ただし、タグそのものにデータとしての意味がないため、目視だけでどんなデータであるかを把握することは難しい面があるものの、限られたルールのなかで作成するので、プログラミングビギナーにも扱いやすい言語です。
一方でXMLは、データや文章を得意としており、自由にタグに定義できるほか、意味づけされるため、目視でわかりやすい面があります。また、データの追加・変更・保管などもできるのでHTMLよりも自由度や拡張性があるものの、制限が多いので記述に時間がかかる場合もあります。
CSVとの違い
XMLとCSVは、どちらもデータを記述する際に使います。前者はマークアップ言語であり、後者はテキストファイル形式でやりとりする点が大きな違いです。また、XMLはタグを使って記述しますが、CSVはカンマで区切って表現します。
CSVはXMLよりも早く登場した形式ということもあり、シンプルなデータの記述が得意です。両者はデータ管理の場面で混同するケースもありますが、異なる性質を持っています。
XMLでできること
自由度や拡張性が高いことから、さまざまな場面で活用されているXMLですが、できることにはどんなものがあるのでしょうか。ここでは具体的な事例をチェックしていきます。
データの記述や転送
まず、タグを使って記述する際に、どんなデータでも記述できることが挙げられます。タグとタグの間に記述する内容は文字や数字などを含め、長文でも対応可能です。記述する際はツリー形式なので、見た目にもわかりやすくさまざまな構造に対応できます。
また、あらゆるシステム環境で動作するので、データの転送や共有もしやすいです。たとえば、Webでのデータのやりとりの際にも処理しやすいため、複数人とデータを共有する場合や、さまざまなシステム環境でのやりとりに活躍します。
Webサイト・システムの開発
ツリー形式で記述できることから、Webサイトやシステム開発に用いられることが多いです。たとえば、業務システムやWebサイトの構造管理も得意分野です。たとえば、見積もりサイトの料金のシミュレーションなどは代表的で、ユーザーが入力した情報をシステムに転送して、料金の概要を表示するといったところにもXMLの特徴が生かされています。
ブラウザの種類や仕様に影響しないため、データや計算式の追加・変更などもXMLから行うことができます。
Webアプリケーションの開発
XMLは、これまでお伝えしてきたように、自由度と拡張性の高さ、システム環境を選ばないことから、幅広いシーンで活用されておりアプリケーション開発にも用いられます。XMLで記述した内容をバリデーションすることで、アプリ開発やWebサービス開発も可能です。
また、さまざまな構造構文があるので、用途や目的によってカスタマイズでき、多くのアプリケーションでXMLをサポートしていることなども、開発に利用しやすい点といえます。
XMLを使用するメリット
XMLは日常的にさまざまなシーンで使われていることがわかりましたが、自由度が高くて拡張性があるというほかにもメリットがあります。ここでは、XMLのメリットにフォーカスして解説していきます。
汎用性が高い
XMLの最大のメリットは、汎用性と拡張性の高さで、タグを自由に定義できることから内容を自由に変えることができます。加えて、世界基準で統一されている記述方式なので、環境を選ばないことから、転送をはじめ共有や管理がしやすい点も魅力です。
複雑なプログラミングとなる場合でもツリー形式での記述でわかりやすく、Webサイトのコンテンツやデータベースなどの大量のデータだったとしても、簡単に管理することができます。
プログラミング言語に依存しない
次に、プログラミング言語に依存しないことが挙げられます。たとえば、異なる言語間でもデータや情報を共有しやすいです。依存性がないことは、開発者にとって作業効率をアップさせることにつながり、チームや複数人で開発している場合などでも重宝する部分です。
また、XMLに対応するツールやライブラリがたくさんあるため、データ処理においても問題がない点もメリットの1つです。
再利用しやすい
世界基準で統一された記述方式により、ほかの人がインターネットを介して再利用できる点も魅力です。加えて、HTTPなどの仕様を策定している機関であるW3Cが策定したこともあり、オープンかつ無料で利用できることも挙げられます。
たとえば、企業の社内データの管理をXMLでしておけば、システムの仕様が変更になったとしても、一からやりなおす必要がなく既存のXMLデータをつかうことが可能です。さらに、基幹システムと別のシステムを統合する場合などにも、同じようにつかえるため、再利用しやすいだけでなく、時間やコストの削減にも貢献します。
XMLを使用するデメリット
メリットがある一方で、XMLにはデメリットもあります。これからXMLを学ぶ方や技術的な面に興味がある方はぜひ参考にしてください。
負荷が大きい
タグを自由に定義できる一方で、タグで囲まれたフォーマットをコンピュータで処理する際は負荷が大きくなります。どうしてもタグを使わないデータに比べると容量が大きくなるので、CPUやメモリへの負担は否めません。
パフォーマンスの低下を実感するほど負荷が大きい場合は、コンピュータの性能をあげることや、クラウドサービスの利用などの対策が必要です。今後XMLに携わる場合や習得する場合は、十分なリソース確保も検討する必要があります。
可読性が低い
可読性とは人がプログラムのソースを読んだときのわかりやすさのことで、XMLはタグを多くつかう関係からどうしても可読性が低くなることもデメリットの1つです。また、長くなった記述ならなおのこと、ストレスを感じやすい部分です。
また、既存のXMLファイルを編集する場合、長さによっては目視のみで確認しながら進めるのが難しいことも注意したいところです。こうした部分を負担と感じる前に、簡単に編集できるツールの利用を検討し、導入しておくことも大切です。
柔軟性が低い
記述に関しては構造がわかりやすい一面があるものの、構造に変更があった場合はそれに合わせて変更しなければなりません。前述したようにあとから編集することはなかなか大変な作業になるため、あまり変更されない業務に使うのがおすすめです。
また、そもそも自動処理することを前提としていることから、扱える技術者が多くはないといった点も柔軟性に欠ける部分です。XML化を行う過程でつまずいてしまうと、その後の業務にも支障が出ることも考えられます。
XMLの例
XMLが実際につかわれる例として、いくつか代表的なものを紹介します。普段の生活のなかでも身近なところでつかわれているものもあります。
XMLサイトマップ
サイトマップは、サイト内のページやファイルの場所や情報・関係性を伝えるもので、検索エンジンがこのファイルを読み込み、クロールを行います。XMLサイトマップを設置しておけば、効率的にクローリングが行われるメリットがあるのです。
Webサイトをつくったばかりで外部リンクが少ないときや、上位の検索表示を狙いたいときにも役立ちます。
RSSフィード
RSSフィードは、Webサイトをはじめブログなどの更新情報を入手できるものです。サイト側でこれを提供している場合、更新されると通知が届き、内容の一部またはすべてをチェックできることが特徴です。
Webサイト側がXML形式で発信すると、システム環境の垣根を超えてユーザーが情報を取得しやすくなります。
データベースのエクスポート
なんらかのデータベースを取得する際は、場合によっては膨大な情報量になることがありますが、エクスポートする際にXML形式にしておくことで、構造化された情報を保存することができます。
こちらの記事では、HTMLやCSSを使用した表の作成方法と装飾方法をコード付きで解説します。合わせてご覧ください。
XMLは汎用性の高いマークアップ言語
今回はXMLについてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。XMLは、マークアップ言語のなかでも汎用性・自由度が高く、どのような環境でもつかいやすいことが特徴です。開発環境に左右されずにデータを共有・管理できるので、大人数でやりとりする際にも活躍します。
一方で、コンピュータへの負荷が大きいことや、既存のXMLファイルの場合は、編集しにくい、現状ではXMLに精通した技術者が多くはないといった、ウィークポイントもあります。
しかしながら、お気に入りのサイトの最新情報を得られる点や、SEO対策にも有効活用できるなど、今後のWeb業界においてはさまざまな活用も期待されており、今後の活用次第ではビジネスにも大きく貢献する可能性がある言語です。
Web開発やアプリ開発に携わる方の場合、習得しておいて損はありません。これからスキルアップを目指すなら、ウィークポイントをカバーできる環境を用意して、取り組むことをおすすめします。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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