2023.12.11
カゴ落ちとは?13個の原因と購入率を劇的に上げる対策
ECサイトの運営者の中には、「自社ECのカゴ落ち率は平均より高いのだろうか?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。カート離脱を防止することで、機会損失が少なくなります。
本記事では、かご落ちが発生する原因について解説します。また、カゴ落ち率の平均値・計算方法や役立つツールも紹介しています。本記事を読むことで、離脱防止策が立てられるようになり、ネットショップの売り上げ拡大につなげられるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- カゴ落ちの13個の原因
- カゴ落ち率の平均値・計算方法
- カゴ落ちに役立つツール
カゴ落ちとは?
カゴ落ちとは、ECサイトにてユーザーがカートに商品を入れたまま放置し、購入しないままECサイトを離脱してしまう状態のことです。ほかにも、「カート落ち」や「カート放棄」と呼ばれることもあります。
かご落ち対策が重要視される理由は、対策するだけで売上を伸ばせるからです。新規顧客の呼び込みが不要になることから、広告費などのコストがかかりません。そのため、さまざまな施策の中でも、離脱防止策は最優先すべき施策であると考えられます。
カゴ落ち率の平均値
カゴ落ち率の平均値は、2023年の最新データによると約70%であるとされています。
出典:Cart Abandonment Stats | Baymard Institute
つまり、年間売り上げが1000万円だった場合、およそ700万円もの機会損失が生まれていると考えられます。売り上げ金額が高ければ高いほど機会損失も高くなるのです。
カートに商品を入れるほどに興味を持ってもらっていることから、商品ではなくECサイト側に問題がある可能性が考えられます。
カゴ落ち率の計算方法
カゴ落ち率の計算方法は、以下の手順で行います。
- カートに商品を入れた人数 – 購入者数 = 離脱者数(購入していない人数)
- 離脱者数 ÷ カートに商品を入れた人数 ×100 = カゴ落ち率
つまり、かご落ち率とは、カートに商品を入れた人のうち、どれだけの人が購入していないかを示すものです。かご落ち率50%の場合は、カートに商品を入れた人が1000人いると、そのうち500人が離脱していると考えられます。
実際に計算してみてカゴ落ち率の平均より高い場合、下記で紹介する対策を実施しましょう。
カゴ落ちにつながる13個の原因と対策
カゴ落ちにつながる主な要因は次のとおりです。
- 送料や手数料などの追加費用が高い
- 会員登録・アカウントが必要
- 返品ポリシーが明確ではない
- 配送方法の選択肢が少ない
- 買い物途中でエラーが出ている
- 入力フォームが長い・複雑
- 普段使っている決済方法に対応していない
- 商品の詳細や使用イメージがわかりづらい
- 購入前に合計金額がわからない
- 商品到着までの時間がかかりすぎる・わからない
- 購入フローが難しい
- カートに入れたまま放置してしまう
- サイトが信頼できない
なかでも、「送料や手数料などの追加費用が高い」と「会員登録・アカウントが必要」が主な要因となっています。
どの原因もユーザー体験に起因するものなので、競合優位性の獲得やリピート率向上のためにもサイトのUI・UXを改善しましょう。要因を知ることで、機会損失を防げるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
送料や手数料などの追加費用が高い
カゴ落ちの原因として多いのが、送料や手数料などの追加費用が高いことです。商品そのものは気に入っていたものの、トータルで費用を考えてみると高いと感じて断念するパターンです。
追加費用が高い場合は、以下のような対策が効果的です。
- 送料無料にする
- 送料無料クーポンを配布する
- 合計金額が分かるよう記載する
1つ目の方法は、送料無料にすることです。送料無料クーポンを配布するのもいいでしょう。
2つ目の方法は、最初から合計金額がわかるようにすることです。送料などの追加費用が発生する場合はあらかじめ記載することで、離脱を防止できるでしょう。
会員登録・アカウントが必要
カゴ落ちの原因として、購入時にアカウント登録が必要になることが原因になるケースも存在します。アカウント登録には住所やクレジットカード情報など、さまざまな記入が必要になることから、「面倒だ」「会員登録したくない」と感じるユーザーもいます。
対策としては、以下が有効です。
- 一時会員でも購入可能にする
- 登録フローを簡単にする
- 会員登録にメリットをつける
可能であれば、会員登録なしの一時会員でも購入できるようにしましょう。できない場合は、登録フローを見直して不要なフローを外すか、会員登録にメリットをつけることで会員登録するユーザーを増やせます。
返品ポリシーが明確ではない
返品ポリシーが明確に記載されていないと、ユーザーに不安感を与えてしまいます。返品ポリシーとは、ユーザーが購入した商品を返品・交換するための条件や期間などのルールのことです。
返品ポリシーがないと、「このショップで買っても返品してもらえないのではないか?」と疑われ、かご落ちに繋がります。
対策としては、返品ポリシーについてよくある返品理由も合わせて記載することです。事例が加わることで理解しやすくなり、安心して買い物してもらえます。
配送方法の選択肢が少ない
配送方法の選択肢が少ないことも、かご落ちにつながる要因です。ユーザーが希望する配送方法がないと、ほかのショップで購入しようと流れる可能性があります。
配送方法が少ない場合は、選択肢を増やすことが得策です。そのためには、ユーザー層がどんな配送方法を希望しているのか、調査する必要があります。
ほかにも、すぐに商品を届けて欲しいユーザーに向けて、有料の特急オプションを設けるもいいでしょう。状況に応じてユーザーニーズを満たせます。
買い物途中でエラーが出ている
買い物途中でエラーが発生すると、ユーザーがネットショップを離脱する原因になります。たとえば、カートに商品を追加できなかったり、決済時にエラーが出たりするケースです。
この場合、まずはどんなシステムエラーの原因を知り、解決することが大切です。そのうえで、以下の対策も取り入れてみましょう。
- エラーの内容をわかりやすく表示する
- サーバーを強化する
- ページのスピードを改善する
エラーの原因がユーザー側にあった場合、エラーの内容をわかりやすく表示することで行動を改善してもらえます。また、サーバーを強化したり、ページ速度を改善したりすることで、ユーザーの大量アクセスにも対応できるようになります。
入力フォームが長い・複雑
ユーザーがECサイトを離脱する理由のひとつに、入力フォームが長い、もしくは複雑であるケースがあります。入力時間が長いと途中で購買意欲を削がれてしまうからです。
この場合は、EFO(入力フォームの最適化)や入力フォームへのアシスト機能の追加が必要です。具体的には、以下の工夫を取り入れてみましょう。
- 入力フィールドにラベルを貼って分かりやすくする
- 郵便番号に応じて住所が入力される
- 入力漏れやエラー時は送信できなくする
普段使っている決済方法に対応していない
ユーザーが普段使用している決済方法に対応していないと、途中で離脱されてしまうことがあります。指定された決済方法が利用できない場合、再度サイトに訪問することもなくなるかもしれません。
この場合、まずは決済方法の種類を増やすことが重要です。なかでも、ECサイトではクレジット決済のニーズが高いため、優先的に導入しましょう。ほかにも、以下のような決済方法は人気です。
- コンビニ決済
- 商品代引き
- その他キャッシュレス決済
商品の詳細や使用イメージがわかりづらい
商品ページから商品の詳細や使用イメージがわからないと、購入をためらう人もいます。この場合は、どんな商品なのか、どんなメリットがあるのかを伝えることが重要です。
購買意欲が増えるページ作りには、以下のような工夫を取り入れましょう。
- 画像を複数掲載する
- サイズ・色・特徴を記載する
- 商品説明を掲載する
- 動画で使用方法を説明する
画像やテキストで詳細を伝えれば、興味をもってもらえます。また、動画も掲載するとより分かりやすく伝えられます。
購入前に合計金額がわからない
購入する前に合計金額がわからないと、「高そうだからやめておこう」と離脱されてしまいます。特に、商品の値段に送料が含まれていなかったり、商品の値段しか表示されていなかったりするケースです。基本的にユーザーは商品の値段と送料の合計金額を気にして購入します。
合計金額が表示できていない場合は、事前に表示できるようにサイトを設計しましょう。買い物かごに入れた時点で表示できるようになれば、ユーザーにとって使いやすいサイトになります。
商品到着までの時間がかかりすぎる・わからない
商品が到着するまでに時間がかかったり、どれくらいで商品が到着するのかわからなかったりすると、離脱されてしまいます。最近では即日発送するサービスもあるので、ほかのECサイトに流れてしまうでしょう。
このケースは、商品到着までの日数を明記することが対策となります。日数が分かればその日までは待ってもらえるでしょう。また、早く商品を届けて欲しいユーザーに向けて、有料の特急オプションを設けるのもひとつの方法です。
購入フローが難しい
購入フローが複雑になっている場合、ユーザーが離れる原因となっています。カートに入れても決済までたどり着かず、商品を購入してもらえません。
この場合は、購入フローを簡略することが得策です。そのためには、以下のような工夫を取り入れてみましょう。
- 購入フローのページ数を減らす
- 入力フォームを1つにまとめる
- 入力しやすいデザインにする
- ID決済サービスを導入する
たとえば、「Amazon Pay」のようなID決済サービスを導入することで、個人情報を入力する手間が省け、購入のハードルが下がります。
カートに入れたまま放置してしまう
中には、カートに入れたまま放置してしまうユーザーもいます。この場合、カートに商品を入れたのを忘れたり、買う予定はなかったりすることが原因となります。
対策としては、ユーザーにカートに商品が入っていることを通知するのが効果的です。具体的には、以下のような工夫を取り入れてみましょう。
- アプリプッシュ通知
- SNS活用
- カゴ落ちメールの配信
アプリなら、プッシュ通知でカートに商品を入れたことを思い出せます。また、SNSの配信頻度を増やしたり、カゴ落ちメールを配信したりするのもおすすめです。
サイトが信頼できない
サイト自体に不信感があると、信用してもらえず決済までたどり着けません。Amazonのような大手サイトは名前が知られていますが、ネットショップの知名度が低い場合、そうはいきません。
そこで、ネットショップには信頼性やセキュリティ対策について記載することが大切です。ショップを運営している会社の情報や、セキュリティ対策を行なっていることを記載することで、信頼性を高められるでしょう。
カゴ落ち対策に使える主なツール
本記事でおすすめするカゴ落ち対策ツールは以下の通りです。
- CART RECOVERY®
- SaleCycle
- PushOwl Web Push Notifications
ここからは、それぞれのツールについて解説していきます。
CART RECOVERY®
CART RECOVERY®(カートリカバリー)は、株式会社イー・エージェンシーによるカゴ落ち特化型MAツールです。
公式サイト | https://www.submit.ne.jp/cartrecovery |
---|---|
メリット | リカバリー額0円~3,333円の場合は無料 |
役立つ機能 | リカバリーレポート カート内トレンド |
CART RECOVERY®を利用するメリットは、リカバリー額が0円~3,333円である場合は請求が発生しないことです。そのため、少額の商品が多い場合におすすめです。
さらにカゴ落ち状況とメールの効果測定を行う「リカバリーレポート」やカゴ落ち状況を知れる「カート内トレンド」などにより業務効率化を期待できます。
SaleCycle
出典:SaleCycle
SaleCycle(セールサイクル)は、株式会社クローバーテックが展開しているかご落ちツールです。
公式サイト | https://salecycle.clovertech.jp/ |
---|---|
メリット | 利用料は完全報酬型 |
役立つ機能 | アンケートメール機能 予約商品リマインドメール機能 |
SaleCycleの利用料は全報酬型アフィリエイト課金となっています。売上に繋がった件数のみ発生するため、無駄なコストを抑えられます。
予約商品リマインドメール機能を利用すれば、ユーザーが予約商品や在庫のない商品を閲覧しても購入可能になったことをお知らせできます。また、ポップアップを表示したり、サンクスメールを送信することも可能です。
PushOwl Web Push Notifications
出典:PushOwl Web Push Notifications
PushOwl Web Push Notificationsは、Shopifyと連携可能な海外のかご落ちツールです。
公式サイト | https://pushowl.com/ |
---|---|
メリット | 写真付きでプッシュ通知ができる |
役立つ機能 | プッシュ通知機能 |
このツールはプッシュ通知機能が充実していて、値下げや出荷完了通知、セールのようなキャンペーンなど場面に応じて利用できます。
その際、写真付きでプッシュ通知できます。商品の写真があると商品の魅力を伝えられるので、販促にもつなげられます。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
カゴ落ちは世界でも約70%発生する事象であり、かご落ち率が下がるほど売上も向上します。主な原因は「送料や手数料などの追加費用が高い」と「会員登録・アカウントが必要」の2つで、かご落ち対策を取ることが大切です。
カゴ落ちについてはもちろん、ECサイトについてお悩みや疑問がある場合はテクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築からコンサルティングまで幅広く行っています。商材に合わせてご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事