2024.05.02
D2Cマーケティングの手法と戦略
ECサイトを成功させるために重要なマーケティングですが、どうやればいいかわからないと悩んでいる方も多いでしょう。
マーケティングは集客や購入、リピーターの獲得など目的に合わせた施策を行うことが大切になります。
そこで今回は、D2Cにおけるマーケティングの基本戦略と代表的な手法をご紹介します。
さまざまなアプローチ方法があるので、自社に合った手法をぜひ見つけてみましょう。
目次
D2Cとは
D2Cは「Direct to Customer」を略した言葉で、自社商品の企画や製造、販売などの全ての工程を自社で行う販売方法です。
小売店やECモールといった仲介業者を通さずに顧客に商品を届けるビジネスであることが特徴で、分野を問わず幅広い業界でトレンドになっています。
D2Cのメリットやデメリットなどに関しては以下の記事で詳しく紹介しています。
D2Cマーケティングの基本戦略とフロー
D2Cマーケティングの基本戦略は基本的に以下の4つに分けられます。
ここでは、それぞれのフローにおける取り組みや重要なポイントについて解説していきます。
集客
D2Cのマーケティングの1つ目のステップは、ECサイトへの集客です。
具体的に集客のためにできる施策は以下のとおりです。
- SEO
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告/SNSの活用
- アフィリエイト
- メルマガ
- Webプッシュ
- インフルエンサーの活用
マーケティングにおいてはCPAとLTVのバランスが重要になります。
なるべくCPAを抑えて集客を行うことが利益率の向上に繋がるため、最初は比較的コストがかからないSEOやSNS投稿による集客がおすすめです。
接客
集客の次は、サイトに訪れたユーザーへの接客を考えましょう。接客は新規顧客の獲得やリピーター率の向上にも欠かせない要素です。
顧客満足度を上げるためにできる主な施策は以下の3点です。
- サイトのUI・UX改善(見やすさや表示速度など)
- チャットボットやWeb接客ツールの活用
- 離脱防止ポップアップ
ユーザーの離脱を防止して、いかに購入率を上げられるかという観点で施策を考える必要があります。
購入時のフォロー
接客の後は購入時のフォローが必要になります。
ユーザーが商品を購入する際には、以下のような施策を取り入れてみましょう。
- 入力フォームの最適化(EFO)
- 在庫切れを無くす
- 会員登録なしでも購入できるようにする
- 送料や手数料を明示する
- 決済手段を充実させる
購入まで至らなかった場合は、アクセス解析ツールやヒートマップツールを利用して原因を分析し、対策を行うことが重要です。
購入後・離脱後のフォロー
購入後や万が一離脱してしまった後でも、できる施策はあります。
商品を購入した顧客や離脱したユーザーに向けて行うべき施策は、以下の通りです。
- リターゲティング広告
- メルマガやLINE公式アカウントでの配信
- 会員制度や会員限定クーポンの配布
- 顧客対応スピードの向上
- カゴ落ち対策
リピート率が高まるとLTVがより向上し、利益率もアップするメリットがあります。そのためには、顧客満足度を高めて自社のファンになってもらい、再購入を促す施策を行っていくことが大切です。
D2Cマーケティングの代表的な手法
D2Cマーケティングの代表的な手法は以下の7つです。
それぞれの特徴を理解し、自社のマーケティングにうまく取り入れてみてください。
SNS
D2Cでは、SNSを活用したマーケティングが用いられることが多いです。
SNSはユーザーとブランドの双方向でやり取りができるだけでなく、ライブ配信機能やアンケート機能などを利用して顧客の声を集めることも可能です。
また、自社ブランドに対するUGCを活用することで、ブランディング構築や商品のアピールを行い、ファンを増やすきっかけにもなります。
代表的なSNSとそれぞれの特徴は以下の通りです。
SNS | 特徴 |
---|---|
・視覚効果が高い ・ECサイトへの誘導がしやすい |
|
X | ・拡散力が高い ・リアルタイムで発信できる |
LINE公式アカウント | ・直接情報が送れる |
SNSマーケティングでは、それぞれのプラットフォームの特性を活かした活用ができるかがポイントになります。
特にInstagramは購買に繋がりやすいため、必ずアカウントを作成しておきましょう。
YouTube
YouTubeを活用して動画で商品をアピールすることも、重要な戦略のひとつです。
テキストだけでは伝わりづらい商品の使い方やサイズ感、質感などを動画で説明することで、使用するときのイメージが湧きやすく購入に繋がる可能性も高くなります。
インフルエンサーに依頼して商品を紹介してもらったりやYouTube内に広告を出稿したりする方法があるため、予算やターゲットに合わせて行うとより効果的です。
ポップアップストア
ポップアップストアを開いて顧客と直接対面する形で商品をアピールする方法もあります。
ポップアップストアとは期間限定で出店する店舗のことで、人が多く集まる場所でよく実施されます。
人手が多い場所だと集客の手間がかからないこと、また期間限定かつ場所もすでに用意されていることが多いので出店費用が抑えられることがメリットです。
SNSで宣伝したり投稿内容の拡散を狙ったりすることで、さらなる効果が期待できるでしょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは自社で運営するメディアを指します。取り扱う商品に関連したテーマのオウンドメディアを制作するのもひとつの戦略です。
- 商品に関する豆知識
- 商品の使い方
- お役立ち情報
- コラム記事
- インタビュー記事
特定のKWで検索上位を獲得するSEOは知識や予算が必要になるものの、集客やブランディングに繋がるため、ぜひ実施したい施策です。
メールマーケティング
会員情報を活用したメールマーケティングもD2Cにおけるマーケティング手法です。
メールマーケティングとは、あらかじめ用意されたリストに対してメールを送ることで購入を促したり商品を紹介したりするマーケティング手法を指します。
ここでは、既存会員や新規会員に向けて送付するメルマガとカゴ落ち対策メールのふたつについて解説していきます。
メルマガ
見込み客や新規・既存会員に向けてメルマガを配信することで、会員やリピーター獲得に繋がるのがメリットです。
配信頻度はユーザーが鬱陶しいと感じない程度で、自社の商品の訴求に繋がる魅力的なコンテンツの配信を心がけましょう。
また、配信回数だけでなく、見てもらいやすい時間帯を狙う、読みたくなるようなタイトルにするなど、ただ配信するだけでなく細部に気を配った工夫が重要になります。
メルマガと併せてクーポン配布やポイント付与を行うのもおすすめです。
カゴ落ちメール
カートに商品を入れたものの購入までは至らなかったユーザーに向けて、メールを送付するのも効果的な施策です。
商品をカートに入れたままの旨をリマインドすることで、購入をしてくれる可能性が高くなります。
カゴ落ちメールは配信のタイミングや回数、送付内容が重要になり、悪い印象を与えてしまうと購入に繋がらなくなってしまうので気を付けましょう。
カゴ落ちメールの詳細については以下の記事を参考にしてみてください。
有名人や著名人の起用
有名人や著名人を起用するのも重要な戦略です。
具体的な手法としては、インフルエンサーマーケティングとKOLマーケティングのふたつがあります。ここでは、それぞれの手法について解説していきます。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、SNSでフォロワーを多く抱えるインフルエンサーに商品を紹介してもらい、ユーザーの購入意欲をアップさせるマーケティング手法です。
インフルエンサーに依頼する際は、フォロワー数だけでなく、ブランドとの親和性やターゲット層と合っているかも非常に重要になります。
フォロワーとの関係性や投稿の質など、自社の目的に合ったインフルエンサーを選ぶことを心がけましょう。
KOLマーケティング
KOLマーケティングとは、専門性を持ち合わせたインフルエンサーを起用するマーケティングの施策です。
KOLとは「Key Opinion Leader」を省略した言葉で、業界や商品について専門知識を持ったインフルエンサーを指します。
一般的なインフルエンサーとは違い専門性があるのが特徴で、知識を活かした訴求力とフォロワーからの信頼性が期待できます。
KOLに依頼する際は、扱う商品に関する知識を持っている人を選びましょう。ターゲットとするユーザーの年代や性別と合っているかもポイントです。
ライブコマース
ライブコマースとは、動画のライブ配信を行いながら商品を紹介する販売スタイルで、ライブコマースを利用して自社商品をPRするのもD2Cマーケティングのひとつです。
ライブコマースは、文章や写真よりも商品の細かい情報が発信できたり視聴者がその場で質問できたりするのがメリットです。
一方で、ライブコマースと相性が悪い商品を選んでしまうとPRに失敗する可能性もあります。
アパレルや美容品など、ライブ配信でより魅力が伝わるアイテムにしたり視聴者とうまくコミュニケーションが取れる配信者に依頼したりすることが大切です。
D2Cマーケティングで見ておきたい指標
D2Cマーケティングで必ず見ておきたい指標にLTV(顧客生涯価値)とCPA(顧客獲得価値)があり、ふたつの指標バランスが非常に重要になります。
ここでは、LTVとCPAについて詳しく解説していくので、マーケティング指標の参考にしてみてください。
LTV(顧客生涯価値)
LTVはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の頭文字を取った言葉で、顧客が自社商品を利用している期間に、会社にどれだけ利益をもたらしてくれるかを表した指標です。
新しい顧客を獲得するのが難しい中、いかに継続して購入してもらうかや顧客ロイヤルティが重要視されており、そういった指標を測るためにもLTVが注目されるようになっています。
LTVの求め方は以下の通りです。
LTV=平均購入単価×粗利率×購入頻度×継続年数
また、「チャーンレート」と呼ばれる解約率で求める方法もあり、サブスクリプション型のサービスでよく取り入れられています。
LTV=平均購入単価➗チャーンレート
CPA(顧客獲得単価)
CPAは「Cost Per Acquisition」を省略した言葉で、ひとつのコンバージョンを獲得するのにかかった広告費用のことです。
求め方は以下の通りです。
CPA=広告費用➗コンバージョン件数
CPAは費用対効果を測るためにとても重要な指標です。CPAの目標値を決めずに運用すると、費用対効果が出ているのかが曖昧になってしまうので注意しましょう。
D2Cマーケティングの成功事例から見る、成功させるためのポイント
D2Cマーケテイングでの成功事例にはいくつか共通点があり、特に押さえておきたいのは以下の3点です。
- SNSを積極的に活用する
- ブランドの世界観を確立する
- 顧客データをしっかり収集して活用する
D2Cブランドで成功している企業の多くは、自社製品の優位性を活かすことやブランド独自の世界観を確立することができています。
マーケティングの施策を行う際は、ターゲットとなるユーザーに合わせたプロモーションを考えたりカスタマージャーニーの設計をしたりすることが必要です。
そのためには、顧客データの収集基盤を作り、データを分析していくことが重要になります。
また、SNSを使ったコミュニケーションを欠かさず行い、ユーザーの反応を適宜マーケティングに取り入れるのも欠かせません。
具体的な成功事例については、以下の記事を参考にしてみてください。
合わせて読みたい
D2Cブランドの成功事例19選!アパレル・美容・食品など業界別で紹介
D2Cビジネスの成功事例19選を紹介!アパレル、美容、食品業界など多岐にわたる事例を通じて、市場のトレンドや顧客の声を反映した戦略、SNSマーケティングの重要性を解説します。各ブランドがどのように顧客体験を向上させ、成功を収めたかを具体的に示します。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
D2Cマーケティングの手法にはSNSやYouTube、ポップアップストア、オウンドメディアなどがあります。
それぞれの手法によってアプローチの仕方は異なるため、特性を理解し目的をはっきりさせたうえで実施することが重要です。
本記事や成功事例も参考にしながら、どうすればユーザーを惹きつけられるのかを考えてマーケティングに取り組んでいきましょう。
テクノデジタルではECサイトの構築から運営、マーケティングまでさまざまなサポートを行っています。
ECサイトでのマーケティングに悩んでいる方はぜひお気軽にご相談ください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
新着情報
同じカテゴリの記事
新着記事
人気の記事