2024.02.16
ECサイトへポイントサービスを導入する方法は?メリットデメリットを解説
ECサイト運営者の方のなかには「自社サイトにどうやってポイントサービスを導入すればいいか分からない」といった悩みがあるのではないでしょうか。ほかにも「ポイントサービスの導入メリットや施策を知りたい」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、 ECサイトへポイントサービスを導入する方法について解説します。また、ECサイトにポイントサービスを導入するメリットや注意点、施策例についても触れていきます。本記事を読むことで、自社サイトにポイントサービスを導入する方法が分かり、準備できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ECサイトにポイントサービスを導入する方法
- ECサイトにポイントサービスを導入するメリット
- ECサイトのポイント施策の例
目次
ECサイトのポイントサービスとは?
ECサイトのポイントサービスとは、購入額に応じてショップで利用できるポイントを付与するサービスのことです。
ポイントサービスはショップで買い物する際の支払いに充てられたり、貯まったポイントで景品やオリジナルグッズと交換できたりします。こうした特徴から、ポイントを貯めるために特定のECサイトを利用し続けるユーザーもいます。
ポイントサービスの種類
ポイントサービスには、大きく分けて「共通ポイント(オープン型)」と「独自ポイント(クローズ型)」の2種類があります。
共通ポイント(オープン型)とは、さまざまな店舗で利用できる大手ポイントサービスです。国内では、以下のようなポイントサービスが有名です。
- 楽天ポイント
- Tポイント
- dポイント
- Pontaポイント
共通ポイントのメリットは、他業種からの流入を見込めることです。近年ではポイ活をするユーザーが増えており、ポイントを貯めるために加盟店を利用するユーザーも少なくありません。
独自ポイント(クローズ型)とは、自社サイト独自で展開しているポイントのことです。そのため、自社の都合に合わせて自由にサービスを設計できるというメリットがあります。
ECサイトにポイントサービスを導入する方法
ECサイトにポイントサービスを導入する方法は、以下のように3つあります。
- ASPカートのポイント機能を利用する
- ポイント管理システムを導入する
- オンライン決済サービスを導入する
自社で仕組みを構築して導入するのは手間がかかるため、これら3つの方法がおすすめです。ここからは、それぞれの方法について解説します。
ASPカートのポイント機能を利用する
ASPカートにあるポイント機能を利用することで、簡単にポイントサービスを導入できます。ASPカートとは、ネットショップに必要な機能があらかじめ準備されているサービスのことです。
たとえば、以下のようなASPカートはポイント機能が用意されています。
- Shopify
- BASE
- MakeShop
- future shop
ASPカートのポイント機能によくある基本機能の例は以下の通りです。
- 会員管理機能
- ポイント発行管理機能
- 分析機能
- 販売促進機能
ポイント管理システムを導入する
ポイント管理システムを導入することで、自社でシステムを構築しなくてもポイントを付与できるようになります。
ポイント管理システムとは、ユーザーのポイント獲得・利用状況を一元管理できるシステムのことです。例として、以下のようなサービスが挙げられます。
- CROSS POINT
- クレアンスメアード
- ネクストポイントサービス
ポイント管理システムには、一般的に以下のような基本機能があります。
顧客管理機能 | 情報管理 (氏名、性別、年齢、住所、職業、購買履歴など) |
---|---|
ポイント管理機能 | ポイント獲得・利用の履歴 ポイント還元率の設定 ポイント還元率の変更 有効期限の管理 会員ランクの設定・管理 |
販売促進機能 | クーポンの通知 メルマガ配信 |
オンライン決済サービスを導入する
オンライン決済サービスを導入して、各サービスに対応している還元率のポイントを付与することも可能です。代表的なオンライン決済サービスとして、以下が挙げられます。
- PayPay
- 楽天ペイ
- Amazon Pay
- d払い
- au PAY
オンライン決済サービスを導入するメリットは、新規会員数の増加を見込めることです。いつも利用している決済サービスが使えれば、安心してもらえるでしょう。
一方で、自社サイトへの囲い込みが難しいことがデメリットです。会員になっても、一回限りで終わってしまうことも少なくありません。
ECサイトにポイントサービスを導入するメリット
ECサイトにポイントサービスを導入するメリットは、以下のように4つあります。
- リピート率の増加
- 競合ECサイトとの差別化
- 新規ユーザーの増加
- 高度な分析による販売促進効果が期待できる
このように、顧客獲得からリピート率向上、分析とマーケティング施策まで幅広く活用できることがポイントサービスの魅力です。
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
リピート率の増加
ECサイトにポイントサービスがあるとお得感が生まれ、リピーターになってもらいやすくなります。リピート率が増えると売上が安定するため、マーケティング戦略としても効果的です。
ポイントサービスの効果的な活用方法として、ポイントに関する情報の通知があります。
会員ランク制度やポイント有効期限をお知らせすることで、リピート機会を増やす来店促進施策も実施できます。
競合ECサイトとの差別化
競合ECサイトとの差別化できることも、ECサイトにポイントサービスを導入するメリットの一つです。
同じ商品を購入する場合、ポイントが付与される方がユーザーによってお得感があります。こうしたお得感が付加価値となり、競合サイトとの差別化につながります。
また、日本人にはポイントが好きな傾向があります。こうした特徴から、ポイントサービスがないECサイトよりも、ポイントサービスがあるサイトの方が選ばれやすいと考えられます。
新規ユーザーの増加
ECサイトにポイントサービスを導入するメリットとして、新規ユーザーの増加が見込めることが挙げられます。
たとえば、ECサイトによっては新規会員登録時にポイントを付与するケースがあります。はじめからポイントがあれば、実質割引で買い物ができるため、初回購入のハードルが下がるのです。
こうしたサービスによって自社サイトにお得なイメージが反映されれば、リピーター獲得にもつながるでしょう。また、一度付与されたポイントを無駄にしたくないという気持ちから、積極的に利用するユーザーも現れます。
高度な分析による販売促進効果が期待できる
ポイントサービスがあれば、顧客情報の分析によって販売促進効果を期待できます。
ユーザーがポイントサービスに登録すると、顧客の性別や年齢、住居などの情報に加えて、購買データを入手できます。こうした顧客の属性や会員ランクに応じて施策を考えれば、よりユーザーに刺さりやすいマーケティングができるでしょう。
また、顧客情報の分析によって、顧客の購買傾向やニーズを把握できます。顧客情報に基づいたコミュニケーションができれば、顧客単価の向上だけでなく、LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながるでしょう。
ECサイトにポイントサービスを導入するデメリット・注意点
ECサイトにポイントサービスを導入するデメリットや注意点は、以下の通りです。
- 利益率が下がる
- 運用コスト・手間が大きい
- 有効期限をつける必要がある
- 会計上の処理の複雑化
ここからは、それぞれのデメリットや注意点について解説します。
利益率が下がる
ポイントサービスを導入するデメリットとして、利益率が下がることが挙げられます。ユーザーが買い物の際にポイントを利用することで、実質値引きの状態になってしまうからです。
こうした性質から、新規顧客を取り込みたいからと言って、むやみにポイント還元率を高くする必要はないと考えられます。
そこでポイントサービスを導入する際は、赤字にならないよう適切なポイント還元率を維持することが大切です。そのためには、ポイントの利用率や現在の利益率を確認し、シミュレーションしておきましょう。
運用コスト・手間が大きい
ECサイトにポイントシステムを導入した際に、運用コストや手間が大きくなってしまうこともデメリットの一つです。
その理由は、ポイントシステムの利用に運用コストが発生するからです。また、ポイントシステムがあることにより、ポイントの不正利用や問い合わせ対応などの業務が発生します。ほかにも、商品キャンセル時にポイントをどうするかといった対応も求められるでしょう。
こうした問題から、初めてポイントシステムを導入する場合にはスマホアプリやQRコードによるサービスがおすすめです。ポイント付与が簡単で、初心者にとっても扱いやすいです。
有効期限をつける必要がある
ポイントサービスを導入する際には、有効期限を設定するようにしましょう。有効期限があることで、期間が切れる前にポイントを使おうとする心理が働き、ECサイトへ訪問してくれる可能性が高まるからです。
ただし、有効期限は長すぎても短すぎても良くありません。長すぎると使用してもらえず、短すぎるとECサイトの信頼を失います。キャンペーンの実施状況や価格帯を考慮し、適切な有効期限を設定しましょう。
会計上の処理の複雑化
ポイントを使用した支払いは複雑になり、処理方法も一通りではありません。仕組みによっては処理に手間が増えることもあるため、要注意です。
たとえば、2021年4月よりポイントによる支払いは会計上で「ポイント引当金」として処理しなければならなくなりました。ポイントを付与した時点で仕訳をしなければならず、これが頻繁に発生する場合は、税理士と相談しながら実施するといいでしょう。
ECサイトのポイント施策の例
最後に、ECサイトのポイント施策の例を紹介します。施策の例は以下の通りです。
ECサイトのポイント施策の例 | 概要 |
---|---|
新規会員登録キャンペーン | 新規会員登録時、初回登録時にポイントを付与 |
友達紹介キャンペーン | 新規会員登録時、初回登録時にポイントを付与 |
メルマガ配信 | 開封でポイント付与、他キャンペーンの紹介 |
ポイントアップキャンペーン | 特定期間内に購入した場合、特定商品を購入した場合にポイントアップ |
会員ランク制度 | 会員ランクごとにポイント倍率アップ、条件変動 |
口コミ投稿キャンペーン | 口コミ投稿をするとポイント付与 |
カムバックキャンペーン | 前回の買い物から期間が空いている場合に付与 |
記念日・誕生日カムバックキャンペーン | 記念日・誕生日に付与 |
これらの施策を実施することで、ユーザーの購買意欲を高められるでしょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ECサイトにポイントサービスを導入することで、新規ユーザー数やリピート率の増加を期待できます。さらに会員情報や購入状況を分析することで、より高度なマーケティング施策を実施できるでしょう。
もしポイントサービスの導入について疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築からリリース後の運用サポートまで幅広く行っています。事業内容に合わせてソリューション提案いたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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