2023.12.26
カゴ落ちメールとは?タイミングや回数などのポイント【例文あり】
ECサイトを運営している方の中には、「商品をカートに入れてくれたのに購入までたどり着かない」や「売上をもっと上げたい」といった悩みがある方もいるのではないでしょうか。メールを配信することで、購入まで後押しできるようになるでしょう。
本記事では、カゴ落ちメールの基本について解説します。また、文面の例や送付に便利なツールについても紹介していきます。本記事を読むことで、カゴ落ちメールを配信できるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- カゴ落ちメールについて
- メールの文面例
- メール送付に使えるツール
目次
カゴ落ちメールとは?
カゴ落ちメールとは、ユーザーに対して「カートに商品が残っている状態であること」をリマインドするメールのことです。商品をショッピングカートに入れたまま離脱した状態のことを「カゴ落ち」と言います。
ある調査によると、世界的に見てカゴ落ちは平均69.57%発生していることが判明しています。
出典:Cart Abandonment Stats|Baymard Institute
カート離脱は機会損失につながるため、カゴ落ちメールはネットショップ運営には欠かせない施策です。
カゴ落ちメールの重要性
カゴ落ちメールが重要である理由は、途中の離脱を防ぐことで購入率が上がることが期待できるからです。
ネットショップで商品を購入するには、商品を選択する、ショッピングカートに入れる、決済に進むといういくつかの工程があります。決済時の情報入力が面倒で離脱するユーザーも多く、そのまま忘れてしまうことも少なくありません。
カゴ落ちメールを送信することで購入の途中だったことを思い出して再訪してくれる効果があるので、どのネットショップでも導入すべき施策だと言えるでしょう。
カゴ落ちメールのコツやポイントは?
カゴ落ちメールを送付するときのコツやポイントとして、大きく分けて「配信タイミング」「送付内容」「送付回数」の3つがあります。ここからは、それぞれのコツについて解説します。
配信タイミング
カゴ落ちメールのポイントの1つ目は、配信タイミングです。配信は早い方がいいものの、早すぎるのもよくありません。
まだ購入を検討している段階でメールが届いても、そのまま決済に進んでもらえないでしょう。こうしたユーザーの心理を考慮して、3時間後、24時間後、7日後がいいと考えられています。
また、カゴ落ちメールは在庫が少なくなったときや値下げしたときに送ることも効果的です。取り扱っている商品や価格帯によっても異なるので、商材に応じて配信のタイミングを考えてみましょう。
送付内容
カゴ落ちメールのコツには、送付内容も含まれています。
まず、カゴ落ちメールは迷惑メールだと勘違いされないことが大切です。多くのユーザーは件名を見てメールの内容を判断するので、件名にショップ名を記載するなどの工夫を取り入れましょう。
また、配信の際は文面以外にも以下のような工夫が必要です。
カゴ落ちメールに必要な工夫 | 詳細 |
---|---|
パーソナライズなメールを送信する | 商品やユーザー属性に合わせた内容にする |
HTMLメールでビジュアル訴求する | テキストだけでなく画像も用いる |
クーポンコードやポイント情報 | クーポン配布はポイント付与などお得感を出す |
CTAへの導線をわかりやすくする | 購入ボタンを目立たせる |
配信では、A/Bテストを実施しましょう。A/Bテストとは、AパターンとBパターンを用意し、効果が高い方を採用する施策のことです。文面の改善を続けることで、より効果的なメールとなります。
送付回数
カゴ落ちメールのポイントの3つ目は、送付回数です。上述のように、1〜3時間後、24時間後、7日後の合計3回程度がおすすめです。
なお、カゴ落ちメールは頻度が多すぎるとしつこく感じられる可能性があります。ユーザーによってはメールマガジンの設定を解除されるでしょう。
メルマガ配信を解除されると、定期的なメルマガも届かなくなります。ユーザーへのアプローチ方法がなくなってしまうと、キャンペーンやセールの情報も届けられません。そのため、再送するとしても3日程度開けてから配信することを意識してください。
カゴ落ちメールの文面例
ここからは、カゴ落ちメールのタイトルや本文の例文を紹介していきます。どんな風にメールを送ればいいか分からない場合は、こちらを参考にしてみてください。
ここで紹介している件名や本文を例に、自身のECサイトに合わせた文面に変更しましょう。また、送るタイミングによっても文面を調整するよう意識してみてください。
タイトル(件名)
カゴ落ちメールの件名を作成する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 短く簡潔なタイトルにする
- 迷惑メールではないことが分かるようにする
- ユーザーへのヘルプをしているという印象を与える
メールを開くかどうかは、件名で判断されます。怪しい印象を与えると、迷惑メールと勘違いされてしまうでしょう。効果的なメールにするためにも、簡潔で短くして不快感を与えない工夫が必要です。
件名の例文は以下の通りです。
件名の例 | 意図 |
---|---|
お買い忘れはございませんか? | 買い物が途中であることを示している |
カートに入ったままの商品があります | カゴ落ちについて簡潔に示している |
◯◯様におすすめの◯◯があります | 商品について思い出してもらう |
本文
ここからは、カートに入れたあとの経過時間ごとにメールの例文を紹介していきます。メールの内容としては、以下のような情報を盛り込むと効果的です。
- 名前
- カゴ落ち商品の掲載
- ポイント情報やクーポン情報
カゴ落ちに関する情報はもちろん、ポイントやクーポン配布など、ユーザーにとってお得な情報を盛り込むことでショップを利用したくなります。
なお、メールについては以下の点に注意しましょう。
- サイト名を分かりやすく記載する
- 注意書きがあれば記載する
- 何回かに分けて送信する
ここからは、具体的な例文を紹介します。
カゴ落ちから数時間後に送るメールテンプレート
カゴ落ちから数時間後に送るメールのテンプレートは以下の通りです。
○○さま いつも【サイト名】をご利用いただき、誠にありがとうございます。 【商品名】がカートに入っています。お買い忘れはございませんか? 【カートの商品画像】 送料や支払い方法などにつきましては、ヘルプをご覧ください。 ご利用いただけるポイントやクーポンをご用意しておりますので、 気になった商品がございましたら、ぜひこの機会にご検討ください。 |
このメールの注意点は、カートの商品画像を掲載することです。画像を掲載することで、メールの内容が直感的に分かるようになります。
カゴ落ちから1日以内に送るメールテンプレート
カゴ落ちから1日以内に送るメールのテンプレートは以下の通りです。
○○さま いつも【サイト名】をご利用いただき、誠にありがとうございます。 ○○さまが閲覧した商品をもとに、おすすめ商品をご案内いたします。 【カートの商品画像】 関連商品 人気商品ランキング レビューや評価 購入手続きのリンク ご利用いただけるポイントやクーポンをご用意しておりますので、 気になった商品がございましたら、ぜひこの機会にご検討ください。 |
このメールのポイントは、関連商品を紹介していることです。この時点でカゴ落ちの商品の興味がなくなっていたとしても、ほかの商品を訴求できます。
また、人気商品ランキングなど関連情報を掲載するのもいいでしょう。ほかの商品に興味を持ってもらうきっかけになります。
カゴ落ちから数日後に送るメールテンプレート
カゴ落ちから数日後に送るメールのテンプレートは以下の通りです。
○○さま いつも【サイト名】をご利用いただき、誠にありがとうございます。 ○○さまが閲覧した商品をもとに、おすすめ商品をご案内いたします。 【カートの商品画像】 関連商品 ポイント状況 クーポン情報 ご利用いただけるポイントやクーポンをご用意しておりますので、 気になった商品がございましたら、ぜひこの機会にご検討ください。 またのご来店を心よりお待ちしております。 |
数日後にメールを送信する際は、ユーザーにとってお得な情報を盛り込むように意識しましょう。たとえば、ポイントがどれくらい溜まっているのか、どんなクーポンを利用できるのかが分かると、ショップを利用しようと思ってもらうきっかけになります。
また、ポジティブな印象が残り、今後利用してもらえる可能性もあるでしょう。
カゴ落ちメール送付に使えるツール
ここからは、カゴ落ちメールを送付できるサービスを紹介します。本記事でおすすめするサービスは以下の通りです。
SaleCycle | ポップアップ表示も可能 |
---|---|
カートリカバリー | ダイナミックリマーケティングあり |
Cuenote FC | カートリマインド機能で自動配信 |
GENIEE ENGAGE | 送信回数・時間のカスタマイズが可能 |
Privy | A/Bテストができる |
ここからは、それぞれのツールについて解説します。
SaleCycle
出典:SaleCycle
SaleCycleは、株式会社クローバーテックが国内サポートしているツールです。
公式サイト | https://salecycle.clovertech.jp/ |
---|---|
強み・メリット | ポップアップ表示も可能 |
SaleCycleでは、カゴ落ちメールだけでなくブラウザでカゴ落ちしそうになったユーザーに対してポップアップ表示することが可能です。
ほかにも、サンクスメールやアップセルメールなどの配信もできます。こうした機能により、コンバージョン率向上を目指せます。
カートリカバリー
出典:カートリカバリー
カートリカバリーは、株式会社イー・エージェンシーが提供しているツールです。
公式サイト | https://www.submit.ne.jp/cartrecovery |
---|---|
強み・メリット | ダイナミックリマーケティング |
カートリカバリーには、ダイナミックリマーケティングという機能があります。この機能により、カゴ落ちした商品をバナー広告に表示することが可能です。カゴ落ちメールと組み合わせることにより、クリック率やコンバージョン率の改善になるでしょう。
Cuenote FC
出典:Cuenote FC
Cuenote FCは、ユミルリンク株式会社が提供しているツールです。
公式サイト | https://www.cuenote.jp/fc/ |
---|---|
強み・メリット | カートリマインド機能がある |
Cuenote FCにはカートリマインド機能があり、カゴ落ちしたユーザーに対して自動でリマインドメールを送信してくれます。
また、カゴ落ち状況をグラフ化してくれるので、分析にも役立ちます。サイトの現状を客観的に把握することで、リカバリー施策を立てられるでしょう。
GENIEE ENGAGE
GENIEE ENGAGEは、株式会社ジーニーが提供しているツールです。
公式サイト | https://geniee.co.jp/engage/ |
---|---|
強み・メリット | 送信回数・時間のカスタマイズが可能 |
株式会社ジーニーでは、送信回数や配信時間のカスタマイズが可能です。商品やサービスに合わせて配送のタイミングを変更することで、ユーザーに対してしつこい印象を持たれなくなるでしょう。
配信メールは、HTMLメールでの送信が可能です。
Privy
出典:Privy
Privyは、Shopifyで利用できるポップアップ型のマーケティングツールです。
公式サイト | https://apps.shopify.com/privy?locale=ja |
---|---|
強み・メリット | A/Bテストができる |
Privyでは、A/Bテストの実施ができます。A/Bテストを取り入れればより効果的な方を採用できるため、PDCAサイクルを高速化できます。またデザインも豊富なので、自社サイトに合わせてカスタマイズできるでしょう。
カゴ落ちメールと併せて行いたいカゴ落ち対策
カゴ落ち対策のためには、カゴ落ちメール以外にも施策を行うべきです。効果的な施策として、大きく分けて、「ユーザー体験の改善」と「ECサイト自体の改善」の2つがあります。
カゴ落ちメールと合わせてこれらの施策を行うことで、売上向上に繋げられるでしょう。ここからは、それぞれの実施すべきカゴ落ち対策について解説します。
ユーザー体験の改善
カゴ落ち対策において、ユーザー体験を改善することは大切です。ユーザー体験を見直す際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 送料や手数料などの追加コストをなくす
- 商品到着までの日数を明記する
- エラー内容や返品ポリシーをわかりやすくする
- 配送方法を増やす
このような工夫を取り入れることで、ユーザーの不安や不満をなくなります。最後まで満足してサイトが利用できるようになると、カートに入れたまま放置することが減り、カゴ落ち率改善につながります。
ECサイトの改善
カゴ落ち対策において、ECサイト自体の改修も重要です。ECサイトの改善ポイントとしては、以下の通りです。
- 決済方法の種類を増やす
- 会員登録なしで購入できるようにする
- 購入フローや入力フォームの改善
ほかにも、Web接客システムやチャットボットを利用して、ECサイトの改善を進めるのも一つの手段です。ネットショップは実店舗とは違い、店員が対面でサポートすることができません。そこでこうした機能を取り入れることで、対面での接客に近い体験を提供できるようになります。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
カゴ落ちメールを配信することで、購入に至らないユーザーに対して購入を促すことができます。配信ツールを用いれば自動化もできるので、ぜひ本記事でご紹介したツールの導入も検討してみてください。
もしカゴ落ちメールの作成や配信についてお悩みがある場合は、テクノデジタルのECサポートにご相談ください。弊社ではネットショップのコンサルティングや運営サポートを行なっています。事業や業界に合わせてご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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