2023.09.28
ECサイトの売上を伸ばす方法13選|自社に合った対策を見つける方法も詳しく解説
ECサイトで売上を伸ばすには、多くの人にサイトにアクセスしてもらい、購入意欲を高めることが重要です。売上を獲得できるよう、自社の現状を把握して適切な施策を打つことが求められます。
しかし、売上を獲得するための要素や具体策を知っておかないと、誤った施策をしてしまうケースも少なくありません。
本記事では、ECサイトの売上を伸ばす方法を、売上獲得の要素ごとに紹介します。自社に適した対策を見つける方法も詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ECサイトの売上の構成要素
- ECサイトの売上を伸ばす方法
- 自社に合った対策を見つける方法
目次
ECサイトの売上を伸ばすための3つの要素と方程式
ECサイトの売上を方程式で表すと、以下3つの要素で成り立っていることがわかります。
売上=訪問者数×購入率×客単価
上記のように、「訪問者数」「購入率」「客単価」といったそれぞれの要素を向上させることで、ECサイトの売上を高められると考えられます。
そこで以下の章では、それぞれの要素について詳しく解説しましょう。
訪問者数
訪問者数とは、ECサイトにアクセスした人数のことです。
ECサイトにおいては、訪問者数を伸ばさないとそもそも購入者数が増加しません。いくら魅力的な商品を販売していたとしても、訪問者がいなければ認知されないからです。
もし想定よりも訪問者数が集まっていない場合は、優先的に対策する必要があります。訪問者数を伸ばすには、積極的に集客することが大切です。
購入率
購入率とは、「CVR(コンバージョン率)」とも言い、訪問者数のうち何人が購入したかを表す指標のことです。購入率は以下の計算式で算出できます。
購入率=購入者数/訪問者数×100
たとえば訪問者数が100人いてそのうち購入された商品が5件だった場合、購入率は5%です。
購入率が低い場合、ECサイト自体に問題がある可能性が考えられます。購入率を向上させたい場合は、購入者を増やすためECサイトを改善することが重要です。
客単価
客単価とは、顧客一人あたりが一回で購入する金額の平均値のことです。客単価は以下の計算方法で算出できます。
客単価=売上高/購入者数
訪問者数や購入率が安定しているのに売上が上がらない場合は、客単価の低さが問題だと考えられます。客単価を上げるには、サービスの向上やリピーターの獲得が必要になります。
ただし、戦略的に取り組まないと伸びにくいため、訪問者数や購入率の向上と比べると難易度は高いです。
ECサイトの売上を伸ばす方法4選|訪問者数を増加させる施策
まずECサイトの訪問者数を増やすには、集客が不可欠です。訪問者数を増加させるには、以下のような方法を取り入れてみましょう。
- SEO対策を実施する
- SNSを運用する
- Web広告を配信する
- インフルエンサーに商品紹介を依頼する
集客に力を入れることで、訪問者数が増え、ECサイトの売上が向上します。ここからは、それぞれの方法について解説しましょう。
なおECサイトの集客方法については下記記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:ECサイトの集客方法3選|集客のコツや低予算から回せる施策を解説
SEO対策を実施する
SEO対策に成功すれば、ECサイトの訪問者数を増やせます。SEOとは「検索エンジン最適化」とも呼ばれ、特定のキーワードで自社サイトを上位に表示させるための対策のことです。
SEO対策では、大きく分けて2つの施策を行います。1つは、キーワードに関連するページの作成です。たとえば「スニーカー 黒」というキーワードでページを作成します。作成したページが上位表示されるようになると、商品に興味を持ったユーザーがECサイトにアクセスしてくれるようになります。
もう1つが、HTML構造の見直しです。検索エンジンのアルゴリズムがECサイトの内容を把握しやすいように最適化することで、流入数の増加を期待できます。
このように、SEO対策は集客の効果的な施策です。ただし、効果が出るまでに時間がかかるため長期的な取り組みになるでしょう。
ECサイトで実施できるSEO対策については下記記事で解説していますので、ぜひお読みください。
関連記事:ECサイトで実施できるSEO対策とは?売上に繋げる具体的な対策を解説
SNSを運用する
近年ではSNSのユーザー数が多く、自社でSNSを運用しECサイトに誘導させることで訪問者数を伸ばせます。
SNSには以下のような媒体があり、それぞれ特徴が異なります。
媒体の特徴 | ユーザーの特徴 | |
---|---|---|
写真・動画中心 ビジュアルで訴求できる |
10~20代の若年層 | |
テキスト中心 画像・動画も投稿できる |
20代の若年層 | |
長文テキストを投稿できる | 20代~50代のビジネス層 | |
YouTube | 動画中心 |
10~50代 |
TikTok | 短い動画を投稿できる | 10~20代の若年層 |
SNSごとの特色を理解し、最適な媒体を選べば顧客と直接コミュニケーションを取れるようになります。SNSでは率直な意見をもらえるため、商品やサービスの改善につなげられるでしょう。
ただし、SEO対策と同様に、SNS運用も長期的な取り組みになりやすいです。
なお、ECサイトとSNSを連携させて集客する手順については下記記事で解説しています。こちらも合わせてお読みください。
関連記事:ECサイトとSNSを連携させて集客する手順|メリットや成功事例も紹介
Web広告を配信する
短期間で集客効果を高めたい場合は、Web広告が向いています。Web広告とは、SNSやWebサイト、アプリなどの掲載枠に配信できる広告のことです。
具体的には、以下のような広告があります。
特徴 | 課金方法 | |
---|---|---|
リスティング広告 | 出稿からすぐ効果を得やすい | クリック課金 |
ディスプレイ広告 | 視覚的なアプローチができる | クリック課金 インプレッション課金 |
ショッピング広告 | 商品情報を表示できる | クリック課金 |
SNS広告 | ターゲティング精度が高い | クリック課金 配信数型課金 エンゲージメント課金 |
アフィリエイト広告 | 売上に直結しやすい | 成果報酬型 |
Web広告を使った施策は広告費用が発生しますが、ターゲットを細かく設定して配信できるといったメリットもあります。ターゲティングに成功すれば、費用対効果の高い広告運用が可能です。
ECサイトにおすすめの広告については下記記事で解説しています。ぜひこちらもお読みください。
関連記事:ECサイトにおすすめの広告とは?短期間で効果的な8つの広告の特徴を徹底解説
インフルエンサーに商品紹介を依頼する
ECサイトの集客では、インフルエンサーマーケティングも施策の1つです。インフルエンサーマーケティングとは、SNSで多くのフォロワーを獲得している人に商品を紹介してもらう施策のことです。
インフルエンサーに依頼することで、そのファンに向けてプロモーションできるようになります。認知度を高められるため、集客には最適の施策です。
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーのファン層を把握して依頼することが重要です。インフルエンサーを選ぶ際は、自社商品のファンがどのようなインフルエンサーに興味があるのかリサーチする必要があります。
ECサイトの売上を伸ばす方法5選|購入率を向上させる施策
購入率を増加させるには、ECサイトの利便性やデザイン性の改善が必要です。以下の方法を取り入れれば、ユーザーにとって使いやすいサイトになるでしょう。
- 商品情報を充実させる
- 読み込み速度を改善する
- 幅広い決済方法に対応する
- 口コミ・レビューを掲載する
- カスタマーセンターを設置する
ここからは、それぞれの施策について解説します。
関連記事:ECサイトを改善するポイント7選|売上改善施策や課題を解説
商品情報を充実させる
ECサイトの商品ページは、商品が魅力的に見えるよう情報を充実させましょう。実店舗とは異なり、実際に手に取って商品を見られないため、商品情報を細かく掲載することが重要です。
たとえば、画像を複数用意してさまざまな角度から商品を見せることにより、どのような商品かイメージしやすくなります。さらに、商品の大きさ、重量、使い方などユーザーが何を軸に購入するかを考えて情報を記載することもポイントです。
ユーザーが商品を見つけやすくには、ECサイト内の検索機能でキーワードに引っかかるよう、タグ付けする方法もあります。商品を探しやすくなる効果があり、利便性が高まります。
読み込み速度を改善する
ぺージの読み込み速度が遅いほど離脱率が高いため、その場合は改善が必要です。
Googleによると、読み込み時間が1秒から3秒までで32%離脱率が増加、5秒までの場合は90%増加することがわかっています。
参考:Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed
そこでページの読み込み速度を向上させるには、以下のような方法が効果的です。
- 画像・動画の容量を減らす
- 不要なHTMLコードを削除する
- スクロールに応じて画像を読み込む
- フォントの読み込み時間をなくす
上記の工夫を取り入れれば、画像や動画を掲載しつつ読み込みが速いサイトになります。
幅広い決済方法に対応する
決済方法の種類を増やし、柔軟に対応できるようにすることも重要です。
クレジットカードだけでなく、ほかの決済方法も増やすことでユーザーが望んでいる支払い方法ができるようになります。希望の決済方法があれば離脱するユーザーが減り、購入率を高められます。
ECサイトの場合、クレジットカード以外に以下のような決済方法も取り入れましょう。
- 電子マネー決済
- 銀行振込
- ID決済
なかでも、ターゲットの利用率が高い決済方法は必ず対応してください。たとえば、10代がメイン層であれば電子マネー決済が必須になります。
口コミ・レビューを掲載する
口コミ・レビューを掲載するのも高倍率の向上には効果的です。
ユーザーの生の声があるとほかのユーザーに安心感を与えられるため、購入につながりやすくなります。また、購入者のリアルな意見がわかるため、サイトへの信頼性が高まるといった恩恵も受けられるでしょう。
ただし、購入者が自発的に口コミやレビューを記載してくれることは多くありません。口コミやレビューを増やすには、書いた人にサンプルを提供したり、クーポンを配布したりして促すことが大切です。
カスタマーセンターを設置する
ECサイトの利便性を向上するには、カスタマーセンターの設置も必要です。
もしユーザーに商品やECサイトの操作に関する疑問があっても、カスタマーセンターがあればいつでも解決できるようになります。お問い合わせに対して丁寧な対応をすることで、顧客満足度が向上して購入してもらえる可能性も高まるでしょう。
またサイトを利用したユーザーが利用することがなくても、カスタマーセンターがあるだけでユーザーに安心感を与えられるのもメリットです。
カスタマーセンターでは、以下のようにさまざまなチャネルを設けましょう。
- 電話
- メール
- チャットボット
- お問い合わせフォーム
ユーザーにとって最適なチャネルを選べるため、利便性が向上します。
ECサイトの売上を伸ばす方法4選|客単価を高める施策
ECサイトで客単価を向上するには、販売方法の見直しが大切です。具体的には、以下のような方法があります。
- キャンペーンを実施する
- 複数の商品をセットで販売する
- クロスセル・アップセルを狙う
- 条件付きで送料無料にする
上記の方法を取り入れれば、お得感のあるサイトになり、客単価の向上を期待できるでしょう。ここからは、それぞれの施策について解説します。
キャンペーンを実施する
セールやキャンペーンを実施することで、客単価の増加を期待できます。キャンペーンはユーザーの目を引き、すぐに行動を起こしたくなるものです。
そこで効果的なキャンペーンにするには、以下のように数字を盛り込みながらお得感のある内容にしましょう。
- 「3つ以上購入すると10%オフ」
- 「○○円以上購入するとポイント+20%」
- 「期間限定20%オフ」
キャンペーンを成功させるポイントは、期間限定にすることです。期限を決めることで「お得な期間のうちに購入しよう」と思うようになり、ユーザーの購入意欲を高められます。
複数の商品をセットで販売する
複数の商品をセットにして販売することにより、客単価を向上できる場合があります。それは、単品で一個ずつ購入するよりも一つあたりの価格が安くなるからです。
セット販売には、詰め合わせやギフトセットなどさまざまな方法があります。セットで購入するよりもお得感があるため、ユーザーはまとめて購入してくれます。
包装の手間はかかるもののECサイトとしては客単価が向上するため、最終的にはECサイト側もメリットを得られるでしょう。
クロスセル・アップセルを狙う
客単価を向上するための施策の1つに、「クロスセル」と「アップセル」があります。
クロスセルとは、ユーザーが購入・閲覧した商品と関連した商品をレコメンドして購入を促すことです。たとえば、購入画面などに購入する商品と関連のあるものを表示します。
一方アップセルとはユーザーが購入・閲覧した商品の上位クラスの商品をレコメンドして購入を促すことです。ECサイトでは、複数購入による割引やクーポンの配布がその一例です。
クロスセルやアップセルを狙うことで、顧客が商品に対し興味をもってくれる可能性があります。購入する商品が増えるほど購入金額も増えるため、客単価の増加が見込めます。
条件付きで送料無料にする
条件付きで送料を無料にすることにより、客単価を向上できる場合があります。「○○円以上購入したら送料無料」のような条件を付けることで、その金額になるようにユーザーが購入してくれるようになるからです。
なお、条件を決める際は、自社商品の特徴や価格などを考慮して金額を決めることが大切です。たとえば、2,000円の商品が多いのに「2万円以上で送料無料」としても大量購入してくれない可能性があります。
送料無料の条件は厳しくせず、自然に複数購入したくなるような価格を意識しましょう。
自社に合ったECサイトの売上を伸ばす方法の見つけ方
上記で紹介した方法のうち、自社に合ったものが何かを把握するには分析することが大切です。
- 購入率の高い商品を把握する
- ユーザーの属性を分析する
- 離脱率の高いぺージを把握する
- 競合のECサイトと比較する
やみくもに施策を取り入れるのではなく、分析結果を元に施策を行うことで、施策の効果を得やすくなります。ここからは、それぞれの方法について解説します。
購入率の高い商品を把握する
自社のECサイトにおいて、購入率の高い商品がどれなのかを把握しましょう。その際、購入率の高い商品と一緒に購入されている商品も把握することがポイントです。
購入率を軸に商品を見直すことで、自社で想定していなかった意外な商品が売上につながっていることなどを発見できます。
メインとなる商品がわかれば、それを軸にした対策を考えられるでしょう。たとえば、クロスセルやセット購入に活用したり、広告を出稿したりできるようになります。
ユーザーの属性を分析する
自社サイトにどのようなユーザーが訪問しているのか、属性を分析することも重要です。自社ECサイトを利用している層によって、集客方法が変わります。
ユーザー分析の際は、以下の要素を含めて分類しましょう。
- 性別
- 年齢
- 趣味関心
- 年収、
- 購入意欲
属性を振り分ければ、それぞれに対し適切な売上を伸ばす方法を見つけられます。
たとえば、高齢者がアクセスしている可能性が高いのであれば、サイトの文字や画像を大きくして見やすくすることで、利便性を高められるでしょう。
このように、ユーザー属性に応じて商品のキャッチコピーやメッセージ、詳細情報を設定することで、優先して伝えるべき商品情報を伝えられます。
離脱率の高いぺージを把握する
ECサイトを改善したい場合は、各ページにおける離脱率のチェックは重要です。離脱率の高いページが見つかれば、優先的に改善できるため効率的にECサイトを改善できます。
離脱率が高いページが見つかったら、その原因を探りましょう。たとえば、商品ページの離脱率が高いのであれば、以下のような原因があると推測できます。
- 商品情報に誤字脱字がある
- 商品情報が少ない
- 購入ボタンの位置がわかりにくい
- 商品レビューがない
原因に対して対策を立て、PDCAサイクルを回しながら効果測定を行えば、効果的なサイト改善になります。
競合のECサイトと比較する
競合のECサイトを調査して比較することで、自社が負けている部分を把握できるようになります。調査する際は、商品情報の内容やサイトのデザインなどできるだけ多くの情報を入手して、改善に努めましょう。
もし競合サイトに優秀な点があれば、自社サイトに取り入れてもいいでしょう。また競合サイトとは違う角度で訴求方法を考えることも重要です。商品情報を追加したり、見せ方を工夫したりすることで、売上の向上につなげられる可能性があります。
自社の課題を把握してECサイトの売上を伸ばそう
ECサイトの売上を伸ばすには、「訪問者数」「購入率」「客単価」それぞれの要素を伸ばすことがポイントです。ECサイトの成長段階に合わせ、各要素に効果的な施策を取り入れれば、売上拡大を期待できるでしょう。
自社のECサイトに適した施策を見つけるには、サイト分析が重要です。顧客層を整理し、課題ごとに施策を立案することで、効率的に改善できます。
テクノデジタルでは、ECサイトにおける集客戦略やデジタルマーケティング戦略の策定を行っています。顧客データを生かしたECサイトの分析はもちろん、ユーザー体験に即したコンテンツ設計も可能です。公式サイトではお問い合わせを受け付けているので、興味がある方はぜひお気軽にご相談ください。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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