2024.07.23
Qoo10とは?特徴、出店方法、手数料を出店者目線で徹底解説
新しい販売チャネルを探しているマーケティング担当者の中には、Qoo10への出店を検討している方もいるのではないでしょうか。ほかにも、Qoo10のメリットやデメリット、手数料について知りたい方もいるかもしれません。
この記事では、Qoo10の基本情報について紹介します。ほかにも、メリットやデメリット、出店方法についても触れていきます。この記事を読むことでQoo10についての理解が深まり、出店するかどうかの判断材料を得られるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- Qoo10の基本情報
- メリット・デメリット
- 出店方法・料金体系
目次
Qoo10とは?
出典:Qoo10
Qoo10とは、2010年にアメリカのネットオークションサイト「eBay」が運営を開始したECモールです。「衝撃コスパモール」をコンセプトとしていて、商品の価格が安いことで注目を集めています。ジャンルも豊富で、ファッションやコスメ、日用品、食品、eチケットなどを取り扱っています。
出展者目線で見た特徴は、料金体系が非常にシンプルであることです。取引が成立した時にのみ料金が発生するため、余計な費用はかかりません。
また、審査や契約についてもわかりやすく、出店者登録して申請してから、およそ7営業日で出店できます。こうした特徴から、初心者にとっても始めやすいでしょう。
Qoo10ではどんなものが売れる?
Qoo10で売れやすい商品ジャンルは、以下の通りです。
- ビューティー・コスメ
- レディースファッション
- 食品
上記の商品ジャンルが売れやすい理由は、ユーザーの8割が女性であるからです。その中でも10代~20代が多く、全体の半数を占めています。
売れる商品の特徴は、価格が安いものです。セールが開催されると通常よりも安く購入できる商品をまとめ買いする傾向があります。ほかにも、日本では販売していない韓国コスメなども人気です。
Qoo10に出店をするメリット
Qoo10に出店するメリットは、以下の通りです。
これらのメリットを知ることで、目的意識を持って戦略を立てながら出店できるようになるでしょう。ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
共同購入システム
Qoo10に出店するメリットとして、共同購入のシステムがあることが挙げられます。共同購入とは、出店者が一定数量を設定して、その数量を超えて注文が入ると特別割引を行うプロモーション方法です。ほかのユーザーと購入して達成数量をクリアすることで、よりお得に買い物ができます。
このシステムを用いると、出店者は売れそうな商品をあらかじめ大量に仕入れて販売しながら、手数料を減らしてより大きな利益を得られます。「共同購入」という名前によって複数の注文からしか受け付けられないと思われがちですが、Qoo10では1件の注文から購入可能です。
ユーザーにとっては割引で商品を購入できるメリットが得られ、店舗にとっては商品を大量に購入してもらえるチャンスがあります。
集客力が高い
出店者にとって、Qoo10には集客力が高いというメリットもあります。モール自体が各種広告・アフィリエイト、価格ドットコムなどと提携していて、Qoo10が費用を負担します。
自分でECサイトを運営している場合、自分で広告やアフィリエイトの出稿を行わなくてはなりません。しかしQoo10なら出店しているだけで広告からも流入があります。広告もいくつか種類があり、アフィリエイト広告ではアフィリエイターが自分の媒体で商品を紹介してくれるので、認知拡大のチャンスもあるでしょう。
ほかにも、Qoo10ではモール内に特設ページが設けられています。特設ページはテーマに沿って商品を掲載してくれるため、商品やブランドの認知度が低くても、注目してもらえるチャンスを得られます。
物流の代行サービスがある
Qoo10の「QWMS」という物流代行サービスを利用することで、自社の物流に関する負担を軽減できることも大きなメリットです。
QWMSとは、指定の倉庫に商品を送ることで、受注から配送までの業務を一括して代行してくれるサービスです。Amazonの「FBA」にあたるサービスで、EC運用の負担を大きく減らせます。
発送業務以外には、商品のラベリングや在庫管理を依頼することも可能です。自社のリソースや運営体制にあわせて利用できるでしょう。
海外への販売ができる
Qoo10の海外販売機能を活用すれば、越境ECへの参入も実現できます。海外販売機能があると翻訳や決済、配送に関する手続きを一括で代行してくれるため、自社に越境ECに関するノウハウがなくてもスタートできます。
海外販売機能を利用する際も、海外ECサイトに出品登録したり出品者設定をしたりする手間はかかりません。国内向けのECサイトへの出店と同じような感覚で利用できます。
越境ECへの参入を検討しているけど、社内にノウハウがないという場合にも役立つでしょう。
Qoo10に出店をするデメリット
ここまでQoo10のメリットについて紹介しました。いくつかメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
これらのデメリットを理解することで、Qoo10の弱点を補うような施策を立てられるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
ターゲットが限られる
Qoo10のデメリットは、利用者層に偏りがあるためターゲットが限定されることです。上記でも触れたように、ユーザーの8割が女性でその中でも10代~20代が全体の半数を占めています。10代~20代の女性にウケないような商品を出品しても、なかなか売上を確保するのは厳しいでしょう。
また、Qoo10のユーザーに商品を購入してもらうには、ほかのモールに比べて安く出品しなければなりません。Qoo10には「コスパが良い」「ほかのECモールよりも安く買える」というイメージがあるため、価格によっては購入してもらえないでしょう。出品する際は、送料込みの料金を踏まえてどれくらい利益が出るか確認しておきましょう。
広告を活用する必要がある
Qoo10で売上を確保するには、積極的に広告を活用する必要があります。
Qoo10に出店しても自然検索からアクセスを集めるのは難しく、「メルマガやサイトにあるプロモーションを活用しないと難しい」という意見も多いです。こうした特徴から、広告を使ってどれだけ露出できるかが売上拡大のポイントとなります。
Qoo10のプロモーションには、以下のように2つの枠が存在します。
- 出店側から出稿申請する枠
- Qoo10が商品をピックアップする枠
Qoo10にピックアップされた場合、売上拡大を期待できるでしょう。このように、プロモーションを活用しなければならない点は手間ですが、うまく活用することで売上拡大に繋がるでしょう。
Qoo10の出店方法
Qoo10の出店の流れは、以下の通りです。
ここからは、それぞれの手順について解説します。
1.必要書類の準備
はじめに、必要書類を準備しましょう。出店に必要な書類は、以下の通りです。
- メールアドレス、電話番号
- SMS認証用のスマートフォン
- 事業登録証(法的身分証明書の写し)
- 通帳の写し
- 銀行口座情報
- 販売免許情報(必要に応じて)
なお、販売する商品によっては免許が必要になることがあります。たとえば、以下のような商品は免許が必要です。
商材の種類 | 必要な資格 | 具体例 |
---|---|---|
中古品 | 古物商許可が必要な場合がある | 絵画、洋服、カメラ、バッグ、本、雑誌 |
酒類 | 通信販売酒類小売業免許、一般酒類小売業免許 | アルコール度数1%以上の酒類・みりん |
化粧品 | 化粧品製造販売業許可、化粧品販売業許可など | 自社で化粧品を製造または輸入し、自社の製品として出荷 |
2.必要情報の入力
必要書類を準備したら、「出品者登録」のページから必要情報を入力していきます。入力が必要な情報は、以下の通りです。
- 法人番号
- 店舗住所
- 店舗名
- 店舗住所
- 企業所在地
- 代表者名
3.Qoo10内に出店するショップ情報の入力
続いて、Qoo10内に出店するショップに関する情報を入力していきます。ショップに関する情報として、以下の情報が必要です。
- ショップ名
- ショップの紹介・お客様へのメッセージ
- ショップのアドレス
- カテゴリ情報
なお、書類審査には1〜3営業日ほどかかります。
4.配送情報の入力
商品を出品するにあたって、どの配送会社を利用するかを選択します。ここまでの作業は、およそ20分程度で完了します。
5.審査
精算のために以下の情報が必要です。
- 銀行口座情報
- 通帳の写し
- 事業者登録証
事業者登録証・法的身分証明書の写しは、誰が出店するかによって必要な書類が異なります。
法人の場合 | 履歴事項全部証明書 (3ヶ月以内に発行されたもの) |
---|---|
個人の場合 | パスポート、運転免許証(表裏両面)、健康保険証の内どれか1つ |
個人事業主の場合 | 個人事業の開設・廃業等届出書 |
すべての情報入力が完了すると、出店審査に進みます。出店審査はおよそ7営業日を要します。
Qoo10の料金体系
Qoo10の料金体系では、初期費用と月額固定費は無料です。販売額に応じた手数料のみが発生します。販売額の計算方法は、以下の通りです。
販売金額の合計 |
---|
商品価格 + オプション価格 + 送料 |
販売手数料リスト
販売手数料は、以下のように商品カテゴリごとに異なります。
カテゴリ | 内容 | 販売手数料 |
---|---|---|
レディースファッション | レディース服 | 10% |
下着・レッグウェア | 10% | |
バッグ・雑貨 | 10% | |
シューズ | 10% | |
腕時計・ジュエリー | 10% | |
ファッション雑貨 | 10% | |
ビューティー・コスメ | スキンケア | 10% |
ベースメイク | 10% | |
ポイントメイク | 10% | |
キット・コフレ・福袋 | 10% | |
メイク小物 | 10% | |
UVケア | 10% | |
ボディ・ハンド・フットケア | 10% | |
脱毛・除毛 | 10% | |
ヘア | 10% | |
ネイル | 10% | |
香水 | 10% | |
メンズビューティー | 10% | |
ダイエット・矯正 | 10% | |
コンタクトレンズ | 10% | |
メンズ・スポーツ | メンズファッション | 10% |
メンズバッグ・シューズ | 10% | |
スポーツ | 10% | |
スポーツ (※ゴルフのみ) | 6% | |
アウトドア | 10% | |
自転車 | 8% | |
家電・PC・ゲーム | テレビゲーム | 8% |
キッチン家電 | 8% | |
生活家電 | 8% | |
OA・事務家電 | 8% | |
季節家電 | 8% | |
照明 | 8% | |
カメラ・光学機器用 | 8% | |
パソコン | 8% | |
PC周辺機器・消耗品 | 8% | |
テレビ・オーディオ | 8% | |
美容・健康家電 | 10% | |
電子タバコ・加熱式タバコ | 10% | |
スマホ・イヤホン | イヤホン・ヘッドホン | 8% |
本体(スマートフォン・タブレット・PC) | 8% | |
周辺機器(スマートフォン・タブレット・PC) | 10% | |
スマホケース・保護フィルム | 10% | |
日用品・生活 | 日用品雑貨 | 10% |
家具・インテリア | 10% | |
キッチン用品 | 10% | |
文具 | 10% | |
ホビー・コスプレ | 10% | |
アダルト | 10% | |
ガーデニング・DIY・工具 | 9% | |
ペット | 9% | |
カー用品 | 9% | |
寝具・ベッド・マットレス | 10% | |
楽器 | 6% | |
食品・サプリ・飲料 | ドラッグストア | 9% |
食品 | 10% | |
米・雑穀 | 10% | |
健康食品・サプリ | 10% | |
飲料 | 10% | |
お酒(ビール以外) | 10% | |
ビール | 6% | |
ベビー・キッズ | キッズ | 10% |
ベビー・マタニティ | 9% | |
おもちゃ・知育 | 9% | |
エンタメ・eチケット | K-POP | 10% |
CD | 6% | |
DVD・Blu-ray | 6% | |
本 | 10% | |
チケット・サービス | 6% | |
旅行・レジャー | 10% |
Qoo10と他のECサイトとの違いは?
Qoo10と他のECサイトを比較すると、以下のように異なります。
Qoo10 | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | au PAY マーケット | |
---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料 | 60,000円 | 無料 | 無料 |
月額料金 | 無料 | 4,900円 | プランにより異なる | 無料 | 4,800円 |
手数料 | 6~10% | 8%~15% | 売上に応じて変化 | 5.6% | 10% |
特徴 | 料金体系がシンプル | 集客力が高い | 会員・ユーザーが多い | 初期費用・月額料金が無料、手数料も低い | 会員・ユーザーが多い |
楽天市場を覗いてその他のECサイトでも初期費用は無料ですが、Yahoo!ショッピング以外のECサイトでは月額料金が発生します。
ほかにも、Qoo10は手数料しかかからないので料金体系がシンプルであったり、ほかのECサイトに比べてユーザー層が若いなどの特徴があります。
まとめ
Qoo10は「衝撃コスパモール」をコンセプトとしているECモールで、商品の価格が安いことで注目を集めています。ユーザーの8割が女性で、なかでも10代~20代の若年層に人気です。ユーザーのニーズに合う商品を出品しつつ、プロモーションなどを活用することが重要です。
Qoo10への出店について疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではQoo10をはじめとしたECモールへの出店サポートを行っています。出店後の運営サポートも行えますので、お気軽にお問い合わせください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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