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EC-CUBEとは?主な機能やできること、メリットについて詳しく解説

ECサイトの新規立ち上げを検討している担当者の中には、EC-CUBEが気になっている方もいるのではないでしょうか。ほかにもEC-CUBEのメリットやデメリットを知ったうえで導入を決めたい方もいるかもしれません。

本記事では、EC-CUBEについて解説します。また、メリットやデメリット、費用や導入方法について解説します。本記事を読むことで、EC-CUBEを導入するかどうかの判断材料を得られるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。


この記事でわかること

  • EC-CUBEの主な機能
  • メリットやデメリット
  • 費用や導入方法

EC-CUBEとは

EC-CUBEとは

出典:EC-CUBE

EC-CUBEとは、株式会社イーシーキューブが運営しているネットショップを構築するシステムです。2006年にリリースされ、現在でもロングセラーシステムとして利用されています。

ネットショップをゼロから構築する場合、ノウハウや技術が必要です。しかし、EC-CUBEは用意されているデザインをカスタムするだけで構築できるため、商品や販売方法にこだわりがあってもオリジナリティを反映したネットショップに仕上げられます。

EC-CUBEでできること・主な機能

EC-CUBEでできること・主な機能

EC-CUBEでネットショップを構築すると、以下のような機能を利用できます。

上記の機能があれば、ネットショップとして問題なくリリースできるでしょう。ここからは、それぞれの機能について解説します。

1.ECサイトの構築・デザイン

EC-CUBEはデザインカスタマイズ性が高いため、ネットショップを通してブランディングが可能です。主な機能として、以下があります。

EC-CUBEの構築・デザイン
デザイン ・ページ管理
・フリーページ作成
・ブロック機能
・レイアウト管理
・テンプレート機能
・favicon設定
・SEO管理
スマートフォン ・レスポンシブ対応
・スマホ専用サイト機能
開発 ・デバッグモード機能
・プラグイン機能

デザイン機能では、ページの編集やレイアウトの管理ができます。ほかにも、作成したネットショップに対して「description」「keyword」「robot」などのmeta情報設定も可能です。SEO管理によって、検索結果に表示されやすいネットショップになるでしょう。

ほかにも、スマートフォンでも見やすいデザインにするための「レスポンシブ対応」や、機能を追加するための「プラグイン機能」があります。

2.カート機能・会員機能

カート機能とは、ショッピングカートのことです。会員機能とは、会員登録に必要な機能のことです。どちらもネットショップには不可欠な機能であり、EC-CUBEでは、以下のような機能が備わっています。

EC-CUBEのカート機能・会員機能
カート ・ショッピングカート機能
・配送時間指定
・お支払い方法選択
・複数お届け先入力機能
・商品一覧カート追加機能
・カート情報永続化
・ポイント購入機能
会員 ・会員(マイページ)機能
・お気に入り機能
・非会員購入機能
・お問い合わせフォーム

配送時間の指定を行う機能があるため、ユーザーのスケジュールやニーズに合わせて配送ができます。また、カート情報永続化によって、前回ログイン時のカートの状態を復元できるため、購入のチャンスを逃しません。

3.商品管理

商品管理には、ネットショップの構築や運営に役立つ機能が揃っています。

EC-CUBEの商品管理
商品管理 ・商品検索・一覧
・商品画像複数登録
・カテゴリ管理
・タグ管理
・商品規格管理
・商品詳細フリーエリア
・在庫情報登録
・販売制限
・商品キーワード登録
一括登録・編集 ・商品一括変更機能
・商品情報CSV
・カテゴリ情報CSV

商品管理機能によって、サイズや色の規格別に管理できます。また、タグやカテゴリで登録することによって、グループごとに商品を表示することが可能です。

商品登録の際は、CSVファイルで登録できるため、ひとつずつ手作業で入力する必要がありません。一括で登録できるため、作業効率向上になります。

4.店舗・売上管理

受注管理や顧客管理、メール管理などバックエンドに欠かせない機能も備わっています。

EC-CUBEの店舗・売上管理
受注管理 ・受注・売上状態表示
・受注情報編集
・受注情報検索/一覧
・新規受注情報入力
・対応状況設定
・対応状況一括変更
・配達用メモ登録
・ショップ用メモ登録
顧客管理 ・顧客情報登録/編集
・お届け先管理
・問い合わせ番号(出荷伝票番号)入力
メール管理 ・各種メール送信
・出荷メール一括送信
CSV・PDF ・納品書PDF出力
・受注/配送/顧客情報CSV出力
・出荷CSV登録
店舗管理 ・店舗設定
・特定商取引ページ編集
・会員規約設定
・新着ニュース管理
・支払い方法/手数料設定
・支払い方法利用条件設定
・配送料無料条件設定
・配送業者/配送料/配送時間設定
・商品別税率設定
・ポイント設定
・各種メールテキスト設定
・管理者登録
・セキュリティ管理

ネットショップでは注文した顧客に対して確認メールを送る必要があります。EC-CUBEには各種メール送信機能があるため、心配ありません。出荷メールの一括送信機能もあります。

EC-CUBEのメリット

EC-CUBEのメリット

EC-CUBEでネットショップを構築するメリットは、以下の通りです。

ここからは、それぞれのメリットについて解説します。

手軽に始められる

EC-CUBEの大きなメリットは、手軽にネットショップを始められることです。

本来ネットショップをゼロから構築するには、莫大な工数がかかります。規模によっては1年ほどかかることもあり、高度なノウハウやスキルが必要です。初心者が構築するのは厳しいでしょう。

一方で、EC-CUBEにはネットショップに必要な機能がすべて揃っています。自社のネットショップに取り入れたい機能をカスタマイズするだけなので、簡単です。

日本語に対応している

EC-CUBEは日本語に対応しているため、言語の違いで困ることはないでしょう。ネットショップのサービスによっては、海外のサービスを日本向けに展開していることがあります。ただ、公式サイトが日本語に対応していないため、知りたい情報を得られず苦労することも珍しくありません。

日本語に対応しているサービスなら、困りごとがあっても公式サイトを確認するだけで解決できることもあります。問い合わせも日本語でできるため、不安に感じる必要はありません。

拡張性が高い

拡張性が高いことも、EC-CUBEのメリットです。ネットショップの運営を始めると事業規模が大きくなり、新たに機能を追加したくなることがあるでしょう。EC-CUBEなら、必要な機能をプラグインによって拡張することもできます。

EC-CUBEの公式プラグインは、以下の通りです。

EC-CUBEの公式プラグイン(無料) 概要
売上集計プラグイン 任意の期間、商品別、年代別で売上集計結果をグラフと一覧で表示
Site Kitプラグイン 管理画面にてPageSpeed InsightやGoogle Search Consoleの計測結果を確認
おすすめ商品管理プラグイン おすすめ商品の表示をブロックとして追加
クーポンプラグイン 発行したクーポンコードを入力すると購入時の割引に対応

上記以外にも、350種類以上のプラグインが用意されています。中には無料のプラグインもあるため、必要に応じて手軽に追加できます。

無料でダウンロードできる

ダウンロード版のEC-CUBEは、初期費用が無料です。初期費用がかからないため、お試し感覚で利用できるでしょう。

ネットショップを構築したはいいものの、しばらく利用してからイメージとのギャップに気が付くケースもあります。

また、これから事業を始める方や、事業を始めたばかりの方が、まとまった資金を用意するのは難しいです。用意した資金をつぎ込んで失敗するのも怖いと感じるのではないでしょうか。

EC-CUBEなら初期費用無料なので、「コストをかけたくない」「とりあえず触ってみたい」という方におすすめです。

困ったときに検索しやすい

EC-CUBEは有名なサービスなので、困ったときにインターネットで解決できるケースが多いです。

マイナーなサービスや海外のネットショップを利用していると、インターネットで解決できないことがあります。海外のサービスの場合、日本語での問い合わせもできません。

多くの人が利用しているEC-CUBEなら、インターネットで解決できることが多いので便利です。初めてネットショップを運営する方にとっては、心強く感じるでしょう。

ダウンロード版からクラウド版に簡単に引越しできる

EC-CUBEでは、ダウンロード版からクラウド版に簡単に引越しできます。使い勝手を確認してから導入したい方は、無料のダウンロード版を使用してからクラウド版を利用することが可能です。

まだネットショップを運営するか決め切れていない方でも、気軽にお試し感覚で利用できるでしょう。

EC-CUBEのデメリット

EC-CUBEのデメリット

EC-CUBEのデメリットとして、以下が挙げられます。

あらかじめデメリットを理解しておくことで、欠点をカバーしながら運営の準備を整えられるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。

クラウド版は利用料金がかかる

EC-CUBEのデメリットは、クラウド版には利用料金がかかることです。

ダウンロード版なら無料でインストールできるのですが、クラウド版はプランによって利用料金が発生します。事業を始めたばかりでまとまった資金が用意できない場合は、利用料金がネックになるかもしれません。

コストが気になる場合は、ダウンロード版を利用してみるといいでしょう。

ダウンロード版はシステム構築が必要となる

ダウンロード版を利用する場合、システム構築が必要となります。ダウンロード版は無料で利用できることが魅力ですが、構築するためにはプログラミングやデザインなどのノウハウが必要です。万が一構築できたとしても、運営後のトラブルも自社で対応しなければなりません。

もしこうしたノウハウがない場合は、ECサイト制作会社に依頼するのもひとつの方法です。構築後の運営ノウハウももらえるため、サポートしてもらいたい場合におすすめです。

ダウンロード版はセキュリティの対策が必要

ダウンロード版には、セキュリティ対策が必要になることもEC-CUBEのデメリットです。セキュリティ対策ができていないと、悪意のある第三者からサイバー攻撃を受ける可能性があります。被害が大きいと個人情報が漏洩し、ネットショップはもちろん、会社の信頼も失うことになるでしょう。

ネットショップのノウハウがなく、どんなセキュリティ対策をすればいいのかわからない場合は、クラウド版の利用を検討してみましょう。あるいは、ECサイト制作会社に構築と合わせてセキュリティ対策を依頼すれば安心です。

EC-CUBEにかかる費用

EC-CUBEにかかる費用

EC-CUBEにかかる費用は、プランによって異なります。

プランの特徴 Liteプラン Standardプラン
初期費用 無料 70,000円
月額費用 6,800円~ 49,800円~84,800円
決済手数料 別途ご契約 別途ご契約
主な機能・サービス EC-CUBE基本機能
商品登録 無制限
独自ドメイン対応
SSL標準提供
セキュリティ対策
Liteプランの機能すべて
Git管理・編集履歴機能
カスタマイズ機構解放
ステージング環境
エラーログの取得

※2024年6月現在 Liteプランは新規受付停止中

※2024年4月現在 クラウド版は新規受付停止中

「Liteプラン」と「Standardプラン」の2種類があり、Liteプランなら初期費用が無料です。

プランを選ぶ際は、自身の目的に合わせて導入することが大切です。初期費用だけに注目していると、本来の目的を達成できないことがあります。あらかじめ目的を整理しておくことで、選びやすくなるでしょう。

EC-CUBEの導入方法

EC-CUBEの導入方法

EC-CUBE4系ダウンロード版をインストールする前に、以下についてチェックしておきましょう。

チェック項目 内容
システム要件の確認 EC-CUBE最新版のシステム要件を満たしているか
サーバー準備 システム要件を満たすサーバーを用意する
データベースの準備 MySQL、PostgreSQLどちらかの空のデータベースを新しく作成する
メールアカウントの準備 EC-CUBEから送られるメールの送信元に必要なメールアカウント情報を用意する(メールアドレス/メールアカウントユーザ名/メールアカウントパスワード/メールサーバアドレス)
EC-CUBE最新バージョンのダウンロードファイル EC-CUBEの最新バージョンをダウンロードページから準備

準備が整ったら、インストールへ移ります。EC-CUBE4系ダウンロード版のインストール方法は、以下の通りです。

  1. ファイルをサーバーにアップロードする
  2. ブラウザからインストールウィザードへアクセスする
  3. パーミッション(ファイル権限)チェックする
  4. サイトの設定&メール設定を行う
  5. データベースを設定する
  6. データベースを初期化する
  7. インストール完了

インストールが完了すると「インストールが完了しました!」と表示されます。管理画面からIDとパスワードを入力し、ログインすることを確認しましょう。

なお、クラウド版は2024年6月時点で受付停止中です。

まとめ

まとめ

EC-CUBEはネットショップを構築するシステムで、2006年にリリースされて以来現在でもロングセラーシステムとして利用されています。

EC-CUBEはデザインカスタマイズ性が高いため、ネットショップを通してブランディングが可能です。日本語にも対応しているため、困ったときも安心して問い合わせができます。これからEC-CUBEを導入する方は、ぜひ本記事で紹介した方法を参考にしてみてください。

ネットショップの構築について疑問や悩みがある方は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではネットショップの構築を行っています。リリース後の運営サポートもいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。