2023.10.23
ECサイトリニューアルの戦略|手順や最適なタイミング、成功ポイントも紹介
「売上が低下している」「システムが古くなってきている」このようなお悩みから、ECサイトをリニューアルしたいと考えている方は多いのではないでしょうか?ECサイトをリニューアルするべきタイミングや、成功のポイントを知りたい方もいるでしょう。
本記事では、ECサイトのリニューアルが必要なタイミングや成功のポイント、リニューアルの手順をわかりやすく解説します。ECサイトのリニューアルを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ECサイトをリニューアルする方法
- ECサイトをリニューアルするタイミング
- ECサイトをリニューアル際のポイント
目次
ECサイトのリニューアルが必要なタイミング
ECサイトのリニューアルは、以下のようなタイミングが好ましいです。
- システムが老朽化している
- 事業拡大により機能が不足している
- スマホに対応していない
- 売上が低下している
- デザインが古くなっている
これらのうち、いずれかのシチュエーションに当てはまる場合は、リニューアルを検討しましょう。ここからは、それぞれのタイミングについて解説していきます。
システムが老朽化している
ECサイトのシステムが古くなっている場合は、リニューアルしましょう。ECサイトを開設した当初は最新のシステムを導入していますが、数年経てば老朽化してしまいます。
システムの老朽化によって、さまざまな問題が発生すると考えられるでしょう。具体的には、セキュリティの弱体化や最新の機能への非対応などが挙げられます。
こうした問題を解決するには、リニューアルが得策です。古いシステムのままだと最新の機能が導入できないため、サイトが使いにくくなっていきます。使い勝手の悪いサイトはユーザーが離れていくため、システムの入れ替えが必要です。
事業拡大により機能が不足している
事業拡大の段階で、ECサイトの機能が不足しているなら、思い切ってリニューアルするのもひとつの方法です。立ち上げ当初には問題なかったとしても、ECサイトの規模が大きくなるにつれて、以下のような機能が不足する場合があります。
- 販促施策
- 顧客管理方法
- 決済サービス
- 外部連携サービス
たとえば、ECサイトでは各顧客のステータスごとにDMを送る場合があります。こうした機能は手動で行うことは難しく、どうしても顧客管理システムが必要です。
さらに、ECサイトの運用元であるプラットフォームのサポート面も、事業の拡大によって物足りなくなることも考えられます。
スマホに対応していない
昨今ではECサイトをスマホで閲覧することが当たり前の時代になりました。そのため、スマホ未対応のままでは、集客において致命的です。
なかでも個人向けの商品はスマホに対応していることは必須条件です。ユーザーは隙間時間にスマホでチェックし、欲しいと思ったらその場で購入してくれる可能性があります。もしスマホで表示されたものがPC版のサイトだった場合、すぐに離れてしまうでしょう。
また、Googleのアルゴリズムがユーザビリティを重視していることから、スマホに対応することは、Googleの検索結果で上位に表示されるための重要な要素のひとつだと言えます。
売上が低下している
現時点で売上や訪問者数が減少している場合、リニューアルを検討するひとつの指標となります。その理由は、サイトの使いにくさが売上の低下につながっている可能性があるからです。
たとえば、ユーザーにとって目当ての商品が探しにくいことから購入に至らないのかもしれません。ほかにも、絞り込み機能が十分でないため、不便に感じているユーザーがいることも考えられます。
ただし、売上の低下が単に商品やコンテンツの問題であるかもしれません。そのため、すぐに施策に取り掛かるのではなく、売上低下の原因をあらためて話し合うことも重要です。
デザインが古くなっている
ECサイトのデザインが古くなっていてユーザーが離れている場合、デザインからリニューアルするべきです。
ECサイトのデザインのトレンドは日々移り変わっているため、Webサイトは10年経つとデザインが古くなってしまいます。デザインが古いままだと「このECサイトは安全なんだろうか?」とユーザーに不信感を持たれてしまうでしょう。
このように、ECサイトは使いやすさだけでなくデザイン面も重要なポイントです。デザインがダサいと、それが企業へのイメージにもつながる可能性があります。ユーザーを惹きつける魅力的なECサイトにするためにも、リニューアルするいいタイミングとなるでしょう。
ECサイトのリニューアルを成功させる5つのポイント
ECサイトをリニューアルさせる際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 1.現状のECサイトの課題をメンバーで共有する
- 2.リニューアルの目的を明確にする
- 3.現場スタッフや顧客の意見を反映させる
- 4.UI・UXを意識する
- 5.将来の事業計画を立てる
これらのポイントを意識することで、リニューアルのプロジェクトが進行しやすくなり、ユーザーにとって使いやすいECサイトになるでしょう。ここからは、それぞれのポイントについて解説していきます。
1.現状のECサイトの課題をメンバーで共有する
ECサイトをリニューアルする際は、課題をメンバーで共有することが大切です。メンバー内で共有することで、目的意識を持てるため効率的に進められます。
そこでまずは、現状のECサイトの課題を洗い出していきましょう。ECサイトにおいては、以下のような課題があると考えられます。
- システムが古い
- デザインが古い
- 外部サービスと連携できない
- 商品の購入ページがわかりにくい
課題を出し切ったら、チーム内で話し合っていきましょう。チーム内で話し合うことで、ECサイト以外にも、プロモーション活動や商品開発に関する問題などを把握するきっかけにもなります。
2.リニューアルの目的を明確にする
課題が明確になったら、リニューアルの目的を明確にしていきましょう。目的や目標を明確にしておくことで、リニューアルした後の評価がしやすくなります。
なお、目標を設定する際のポイントは、具体的な数字を取り入れることです。たとえば、以下のように設定すると分かりやすくなります。
- メルマガのシステム改善により訪問者数を10%増やす
- 販促施策を行い、平均購入額を20%上げる
このように目的を明らかにすることで、リニューアルの方向性が見えてきます。
3.現場スタッフや顧客の意見を反映させる
ECサイトのリニューアルにおいては、現場スタッフや顧客の意見を反映させることも忘れずに行いましょう。経営部門や管理者だけで話を進めないことが大切です。
なかでも、顧客と直接やり取りを行っている担当者(問い合わせ窓口)の情報は、リニューアルに活用できる貴重な一次情報です。顧客がECサイトに対してどのようなニーズを持っているのか、話を聞いてみましょう。
ただし、顧客を優先しすぎるあまり、現場スタッフの負担が増えすぎないよう注意が必要です。
4.UI・UXを意識する
リニューアルの際は、UI・UXも忘れずに意識しましょう。UIとは、「User Interface」の略で、入力操作や表示のことです。UXは「User Experience」の略で、サービスによって得られる体験のことを指しています。
UI・UXが重要である理由は、UI・UX設計によってユーザーが使いやすく満足できるサイトになるからです。とくに近年はUXが重要視されていて、サービスや商品を通じて得られる経験が感じられるようなサイト設計が必要だと考えられます。
たとえば食品を扱うECサイトであれば、レシピを掲載して実際に使っているイメージがしやすい工夫をするといいでしょう。
5.将来の事業計画を立てる
リニューアルに合わせて、将来の事業計画を立てましょう。リニューアルの目的だけでは、将来的な事業拡大にはつながりにくいことから、あらかじめ考えることが大切です。
そこで、数年後にECサイトがどうなっていてほしいか予測してみましょう。この時のポイントは、商品やサイトデザインのトレンドも考えておくことです。数年後を見据えて、事業計画を考えてみましょう。
また、他部署との連携を図りながらECモールへの出店やアプリの導入なども検討してみましょう。
ECサイトをリニューアルする際の手順6ステップ
ECサイトをリニューアルする際は、以下6つのステップで進めていきます。
- 1.リニューアル企画書の作成
- 2.プロジェクトメンバーの選定
- 3.リニューアルしたサイト像の検討
- 4.リニューアルを依頼する開発会社の決定
- 5.開発会社との業務フローの確認
- 6.リニューアルオープンに向けた準備
ここからは、それぞれのステップについて解説していきます。
1.リニューアル企画書の作成
はじめに、リニューアル企画書を作成しましょう。リニューアルの目的や現状の課題をあらためて明文化することで、チーム内で情報を正確に共有できます。
企画書を作成する際のポイントは、この段階で費用とスケジュールも明確にすることです。あらかじめ決めておくことで、プロジェクトをスムーズに進行できるようになります。
また、企画書を作成しながら、プロジェクトにどんな人物が必要かも見えてきます。そのため、企画書を通じてプロジェクトメンバーの選定にもつながるでしょう。
2.プロジェクトメンバーの選定
企画書を作成したら、プロジェクトメンバーの選定を行います。このステップでは、リニューアルをメインで進めるプロジェクトチームのメンバーを決めていきましょう。
プロジェクトメンバーを選定する際のポイントは、以下のようなメンバーを加えることです。
- チームリーダー
- EC業務に詳しい人
- 決定権を持つ人
特に、EC業務に詳しい人がいないと、現状の業務形態を反映できません。選定の際は、ECのチームリーダーと相談しながら進めていきます。
そして、メンバー選定の際は複数の業務を分担して、メンバーそれぞれの役割を明確にしましょう。
3.リニューアルしたサイト像の検討
メンバーを選定したら、どのようにサイトをリニューアルするのかメンバー内で話し合っていきます。これは実際にリニューアルに動き出す前に重要なフェーズとなります。
この際、ECシステムから構築方法を決めておくことも大切です。ECサイトの構築方法は、以下のように4種類あります。
- ASP
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
どんな方法で構築するかにより、今後の開発の進め方が決まってきます。
なお、開発会社を決める前に、開発業者へ提示する「提案依頼書」の作成が必要です。提案依頼書とは通称「RFP(Request For Proposalの略)と呼ばれ、開発の依頼内容をまとめたものです。
4.リニューアルを依頼する開発会社の決定
ECサイトのイメージが掴めてきたら、リニューアルを依頼する開発会社を決定していきます。そのためにまずは、開発会社のリサーチをしっかりと行いましょう。
開発会社のリサーチの際は、それぞれの開発会社のがどんなサイトを得意としているかチェックします。パターンに注目することで、開発会社の傾向が見えてきます。
リサーチの結果、興味のある開発会社が見つかった場合は、問い合わせてリニューアルの意図を伝え相談してみましょう。
5.開発会社との業務フローの確認
開発会社が決まったら、開発会社との認識をすり合わせを行っていきます。この認識のすり合わせのことを「要件定義」と呼びます。
なかでも重要なのが、業務フローの確認です。業務フローを確認する際は、実際にECサイトを運営する上で発生するお互いの業務を洗い出していきます。その際、ECサイトのデザインや決済方法、配送方法について確認しましょう。
この作業により、開発会社の視点から社内では気付けなかった課題を指摘してくれるメリットがあります。
6.リニューアルオープンに向けた準備
最後に、リニューアルオープンに向けて、要件定義をもとに準備を進めていきます。この段階で、利用規約について再確認しておくと安心です。具体的には、以下のような確認が必要になるでしょう。
- 契約成立のタイミング
- IDやパスワードの管理責任の所在
- 返品に関する説明など
ほかにも、以下のような業務が必要です。
- メールフォーマットの構築
- データの引継ぎ
- ドメインやURL変更の場合に伴うリダイレクト設定
サイトをリニューアルする場合は、旧サイトからのデータの引き継ぎが必要です。顧客データや商品データを抽出し、新システムに取り込んでいきましょう。
ECサイトのリニューアルに関するよくある質問
最後に、以下のECサイトのリニューアルに関するよくある質問についてお答えしていきます。
- ECサイトのリニューアルにかかる費用はいくら?
- ECサイトをリニューアルする際の補助金はある?
- ECサイトのリニューアルを顧客にお知らせする際のポイントは?
- ECサイトをリニューアルする際にURLの変更は必要?
ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトのリニューアルにかかる費用はいくら?
ECサイトのリニューアル費用は、ECサイトの種類やリニューアルの規模によって異なります。たとえば、小規模のものなら数十万から可能ですが、大規模なECサイトについては数千万までかかり、料金の幅は広いです。
こうした特徴から、費用についてはあらかじめ予算を決めておくことが重要です。
なお、ECサイト制作の費用相場については、以下の記事で解説しています。こちらも合わせてお読みください。
ECサイトをリニューアルする際の補助金はある?
ECサイトのリニューアルに関する補助金制度については、以下のようなものがあります。
IT導入補助金 | 5万〜350万円 |
小規模事業者持続化補助金 | 50万〜200万円 |
各自治体 | 5万〜100万円(自治体による) |
「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などがあり、条件に応じて補助金を利用できます。また、各自治体でも補助金制度を設けている場合があるでしょう。ぜひ自治体のホームページをチェックしてみてください。
ECサイトのリニューアルを顧客にお知らせする際のポイントは?
ECサイトのリニューアルを発信する場合は、その目的を明記しておきましょう。その際、変更点を具体的に記載し、目的との整合性を意識することで、ユーザーに興味を持ってもらえるようになります。
たとえば、デザインが変更になるならどんなコンセプトがあるのか、機能が充実した場合はどんな風に役立つ機能なのかも記載しましょう。
なお、リニューアルの際、旧サイトは使用できなくなります。ユーザーが困らないよう、一時的にサービスを停止する場合は事前に伝えておくことが大切です。
ECサイトをリニューアルする際にURLの変更は必要?
ECサイトをリニューアルする際は、URLを変更する必要はありません。それは、現在のサイトのURL(ドメイン)は引き継げるからです。URLをそのまま利用できれば、ブックマークしているユーザーもアクセスできて便利です。
ただし、使用しているプラットフォームによっては変更が必要な場合もあります。変更が必要かどうかは、サービス提供会社に一度問い合わせておいたほうがいいでしょう。
もし変更する場合は、「301リダイレクト」を行い、新しいECサイトへアクセス可能な状態にしておきます。
ECサイトをリニューアルして売上アップを図ろう
ECサイトが古いままだと、ユーザーから信頼を得られません。システムを刷新し、最新トレンドを取り入れてリニューアルすることで、ユーザーにとって使いやすいECサイトになります。
もし、ECサイトのリニューアルについてお悩みや疑問がありましたら、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの制作やマーケティング戦略立案を行っています。お客様の事業に合わせて提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
投稿者
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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