2023.10.02
ECサイトの作り方|必須プログラミング言語とECサイトの効率的な作り方
プログラミングと聞くと、難しそうと感じることがあるかもしれません。 しかし、高機能なECサイトを作るためにはプログラミングが欠かせないため、開設前に最低限必要な知識を知っておく必要があります。
本記事では、ECサイトを作るために必要なプログラミングスキルや、作り方について解説します。成功させるためのポイントも紹介していますので、プログラミングを使ってECサイトを始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- ECサイトを作るために必要なプログラミングスキル
- プログラミングでできるECサイトの作り方
- ECサイトを作る手順
- ECサイトを成功させるためのポイント
目次
ECサイトを作るために必要なプログラミングスキル
ECサイトを作るために必要なプログラミングスキルは、主に以下の3つに分けられます。
- クライアントサイド言語
- サーバーサイド言語
- データベースの開発に必要な言語
それぞれの言語の解説に加えて、具体的にどのような言語があるかについても触れています。
プログラミングについてよくわからないという方にも、理解しやすい内容になっているのでぜひご覧ください。
クライアントサイド言語
クライアントサイド言語とは、ユーザー側のWebブラウザを動作させるのに必要な言語です。
たとえば、サイトに訪れた際に文字や画像を表示させたり、カーソルをメニュー欄に合わせると詳しいメニューが表示されたりといった動きを設定できます。
代表的なクライアントサイド言語として、以下の3つを紹介します。
- HTML
- CSS
- JavaScript
プログラミングスキルの土台となる知識で、比較的覚えやすい内容です。それぞれどのような言語か見ていきましょう。
HTML
HTMLとは「Hyper Text Markup Language」の略称で、Webサイトのベースを作るための言語です。
主にWebサイト上で文章を記載するために使われます。たとえば、文章の見出しや段落、表やリンクの挿入など、サイトに必要な要素を構築するのに必要です。
CSS
CSSとは「Cascading Style Sheets」の略称で、Webサイトの文字の大きさや色、配置など、主にサイト全体のデザインを決めるための言語です。
CSSを活用することで、HTMLで構成された文章の構成に対して、以下のような調整ができます。
- 文字を赤い太字にして強調する
- 文字や画像を中央揃えにする
- 文字と文字の間隔を広げる
文字と画像だけの簡単なWebサイトであれば、HTMLとCSSを使うだけで構築可能です。
JavaScript
JavaScriptとは、Webサイトに動きを与えるためのプログラミング言語です。
たとえば、以下のような動きはJavaScriptによって構成されています。
- 文字や画像のアニメーション
- ポップアップウィンドウの表示
- 検索バーに文字を入力した際の処理
HTMLとCSSで構成されたWebサイトにJavaScriptを加えることで、ユーザーの利便性や視覚的な満足度の向上などの効果があります。
サーバーサイド言語
サーバーサイド言語とは、サイトのデータがあるサーバー上で動作するプログラミング言語のことです。クライアントサイドサイド言語と異なり、ユーザーには見えない機能を作ります。
サーバーサイド言語はフルスクラッチでゼロからECサイトを構築したり、オープンソースでカスタマイズしたりする際に必要です。
サーバーサイド言語には、フロントエンドのプログラムから指示を受けて、データベースや外部APIなどとやり取りを行う役割があります。
よく使われるサーバーサイド言語として、主に以下の2つがあります。
- Java
- PHP
クライアントサイド言語に比べると習得するのが難しいですが、基礎的な情報を知るだけでもプログラミングへの理解が深まるので、ぜひご覧ください。
Java
Javaは、C言語をベースに開発されたプログラミング言語です。Javaはパソコンだけでなく、スマホアプリやWebアプリケーションの開発にも使用されます。
Javaの最大のメリットは、実行環境の自由度の高さにあります。一度書いたコードは他のコンピュータでも使え、プラットフォームを問わずに活用できるのが魅力です。動作環境にも依存することなくプログラムを実行できます。
JavaScriptと名前は似ていますが、まったく別のプログラミング言語なので、間違えないようにしましょう。
PHP
PHPは、動的にWebページを生成できるプログラミング言語です。他のプログラミング言語と比べると、仕様や構文が簡単なため習得しやすいのが特徴です。
Webページを制作するための機能を多く備えており、ECサイトの場合はショッピングカートや問い合わせページで活用されています。
PHPはサーバーサイドで取得した情報を、直接HTMLに記述し構築できるため、ECサイトを構築したい方は習得しておきましょう。PHPを利用している人が多いことから、作成時に悩んだとしても、情報を簡単に見つけられます。
データベースの開発に必要な言語
より高度なプログラミングを行うためには、データベースの開発に必要な言語の習得が必要です。
代表例として、SQLがあります。SQLとは、データベースを操作するための専用言語です。データベースとは、データを1つの場所に集めて保管し、必要な情報を抽出できるシステムのことです。
SQLはデータベースにデータを追加したり、必要なデータを取り出したりする際に使います。
ECサイトでデータベースを扱う際は、以下のようなデータを扱います。
- 顧客に関するデータ(名前や住所、電話番号など)
- 商品に関するデータ(商品名や金額、在庫数など)
サーバー上の膨大なデータをまとめて管理するには、SQLの存在は必要不可欠です。
【種類別】プログラミングでできるECサイトの作り方
プログラミングを使ってECサイトを作る方法には、以下のような種類があります。
- フルスクラッチ
- ASP
- ECパッケージ
- オープンソース
- クラウドEC
ECサイト構築にかけられる費用や労力によって、最適な方法は変わってきます。それぞれの特徴を解説するので、構築方法を決める際の参考にしてください。
また、以下の記事でもECサイトの種類について詳しく紹介していますので、あわせてお読みください。
関連記事:5種類のECプラットフォームを一覧で比較|最適な方法でサイトを構築
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、一からプログラミング言語を使ってECサイトを構築する方法です。
デザインや仕組みなど、すべて自分で行えるため、自由度が高く好みのサイトを作りやすいのがメリットです。ただし、ゼロベースからの構築になるため、多額の費用と膨大な労力が必要になります。
プログラミングの知識や経験が豊富なメンバーが複数いるようなチームであれば、フルスクラッチでECサイトを作成することは十分可能です。
ASP
ASPとは、インターネットを通じてECサイトのアプリケーションを提供しているプラットフォームのことです。代表的なサービスとして、BASEやSTORESなどがあります。
プログラミングスキルがなくても簡単に構築できるのがメリットです。サービス会社が提供するマニュアルに沿って操作するだけで、ECサイトを構築できます。初期費用が安く手軽に始められるので、多くの人に利用されています。
ただし、機能や決済方法などがサービス内のものしか使えず、カスタマイズ性が低いのがデメリットです。
ECパッケージ
ECパッケージとは、ECサイトに必要なベースの機能がパッケージ化されたプラットフォームのことです。プログラミングスキルがなくてもECサイトを構築できるので、初心者の人も使えます。
デザインやオプション機能も豊富で、カスタマイズ性が高いです。
ベンター(開発者)のサポートを受けられる点や、セキュリティ面が強い点などさまざまなメリットがあります。
ただし、初期費用や運用費用が高額なのがデメリットです。
オープンソース
オープンソースは、インターネット上で公開されているプログラムを利用して構築する方法です。
カスタマイズの自由度が高い割に費用は安いので、導入しやすいのがメリットです。
ただし、サイトのデザインをカスタマイズしたい場合、高度なプログラミングスキルが必要になる点がデメリットとして挙げられます。
クラウドEC
クラウドECは、開発会社が用意したクラウドサーバー上にECサイトを作る方法です。
ECパッケージと同様に、カスタマイズがしやすい点が魅力的で、中規模〜大規模なECサイトに向いています。
クラウドECの場合は、クラウド上にECサイトを構築するため、常に機能がアップデートされます。セキュリティにも優れており、自社ECを構築した経験の少ない人でも安心です。
高度なプログラミングスキルがなくても利用できる点もメリットとして挙げられます。
ただし、初期費用や運用費用が高いのがデメリットです。また、自社のサーバーにシステムがなく、プログラムの詳細を把握できないため、開発やプログラムに参加したい企業にとっては不便に感じるかもしれません。
ECサイトを作る手順
ECサイトを作る手順は、以下のとおりです。
- コンセプトを考える
- 作り方(プラットフォーム)を選ぶ
- デザインを設計する
- 商品を登録をする
- テストを実施する
- 運用を開始する
以上はほとんどの企業において活用できる手順です。手順通りに進めることでスムーズにサイトを構築でき、アイデアも浮かびやすくなるのでぜひご覧ください。
また、ECサイトの作り方については以下の記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。
関連記事:ECサイトの作り方・構築方法を一覧表で比較|個人から法人まで選び方を紹介
1.コンセプトを考える
はじめにコンセプトを考えましょう。
コンセプトとは「概念」や「考え方」のことで、ECサイトでいえば商品やサービスの魅力を一言で表すものです。ECサイトでコンセプトを考える際は、以下のようなことを決めていきます。
- ECサイトのターゲットはどのような人か
- どのような商品を販売するのか
- ECサイトの目指すべき方向性は何か
たとえば、以下のECサイトはそれぞれの目的やターゲットに合わせて、コンセプトを決めています。
ECサイト | コンセプト | 目的とターゲット |
---|---|---|
ZOZO TOWN | 「想像」と「創造」が行き交う街 | ・実店舗のような買い物気分の体験 ・実店舗で服を探す楽しさをECサイトでも味わいたい人向け |
ROSE WITH TOO | 女性のちょっとした幸せ | ・女性らしい繊細なデザインのスマホケースの開発 ・スマホケースにこだわりと持っている女性向け |
筋肉食堂DELI | レストランの美味しいお食事を、定期便で | ・高タンパク低脂質でありながら美味しい食事の提供 ・体づくりに気を遣っている人向け |
ECサイトの目的やターゲットを考えることで、コンセプトが導き出され、ECサイトに必要な機能も洗い出しやすくなります。
2.作り方(プラットフォーム)を選ぶ
コンセプトと予算から、ECサイトの作り方を選んでいきましょう。以下のプラットフォームやプログラムから選択します。
- フルスクラッチ
- ASP
- ECパッケージ
- オープンソース
- クラウドEC
利用するプラットフォームによって、ECサイトの作成方法や費用が大きく異なります。ECサイトに関わる担当者同士で十分に話し合い、慎重に選ぶことが重要です。
3.デザインを設計する
ECサイトの作成方法が決まったらサイトのデザインを設計していきます。
ECサイトの場合はデザインだけでなく、以下のような項目も決めていきます。
- 商品画像や説明文の位置
- 商品カートの位置や表示方法
- 購入や決済への案内方法
デザインを設計する際は、ユーザーの使いやすさを意識することが大切です。
ASPやECパッケージなどを利用してECサイトを作る場合は、デザインのテンプレートが用意されているため、プログラミングスキルがなくても簡単に設計できます。
4.商品を登録をする
サイトのデザインが決まったら、商品登録を行います。具体的に、以下のような項目を登録します。
- 商品名
- 価格
- 在庫数
- 写真
- 説明文
写真や説明文に関しては、ユーザーが購入したいと思えるような工夫が重要です。さまざまな角度から撮影した写真を掲載したり、紹介文を詳しく書いたりするのが効果的です。
商品登録はサイトを運営しながらでも行えます。実際に商品を販売し、売れやすい商品の画像や文章のポイントがわかってきたら、写真や紹介文を変更してユーザーの販売意欲を高める工夫が大切です。
5.テストを実施する
ECサイトを実際に運営する前には、必ず事前テストを実施してください。テストの時点で不具合に気付ければ、ユーザーの不満やクレームなどを未然に防げます。
自社のスタッフに商品検索から決済までの流れを操作してもらい、エラーがないか確認してもらいましょう。可能であれば複数の人に使ってもらいフィードバックを受けてください。
ECサイトの場合は、とくに決済システムが問題なく機能するかどうかが非常に重要なので、事前チェックは必ず行いましょう。
6.運営を開始する
テストを繰り返し実施して問題がなくなれば、運営を開始しましょう。
ECサイトの運営で重要なことは、継続的な集客です。どれだけいい商品を扱っていても、ECサイトの認知を拡大して流入してもらわなければ商品は売れません。
ECサイト上だけで販売戦略を展開するのではなく、各種SNSやWeb広告などを活用しながら商品をより多くの人に届ける工夫が大切です。
ECサイトの集客方法については、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:ECサイトの集客方法3選|集客のコツや低予算から回せる施策を解説
ECサイトを成功させるためのポイント
ECサイトを成功させるためのポイントは、以下の3つです。
- ゴールを明確化する
- 中長期的な予算を考える
- 販売活動に集中できる環境を整える
成功するためにECサイトの構築や運用でしたほうがよいことを把握できますので、ぜひ参考にしてください。
ゴールを明確化する
ECサイトで成功するには、ゴールを明確にすることが大切です。
目標が曖昧なままECサイトを作ってしまうと、サイトのデザインや機能などの方向性があやふやになり、失敗に終わる可能性があるためです。
ECサイトの構築や運用をする前に、KPIやKGIなどの評価指標を明確にしましょう。
「誰に」「どんな商品を」販売するのか考え、同時にKPIやKGIなどの具体的な数字目標を設定することで、ゴールまでにやるべきことが明確になります。
コンセプトも考慮することで、目標達成のために必要なECサイトの構築方法やデザインも決まるので、事前にゴールを設定しましょう。
中長期的な予算を考える
ECサイトを成功させるためには、中長期的な予算を考えることが大切です。ECサイトを作成する際は、初期投資だけでなく運用費用も考慮しなければならないためです。
初期投資はいくらかけられるのか、予想売上も含めて運用費用にいくら使えるのか、担当者同士で話し合うことが大切です。
ただし、コストを気にしすぎると、カスタマイズ性が乏しいECサイトの構築方法を選ぶことになってしまいます。
どのようなECサイトにしていきたいのか、中長期的に戦略を立てて、予算を考えていくことがECサイトを成功させるうえで重要です。
販売活動に集中できる環境を整える
販売活動に集中できる環境の準備もECサイトで成功するために重要です。ECサイトは構築だけでなく、日々の管理業務も重要で、販売活動以外にも労力を注がなければいけません。
しかし管理業務は、利益に直接結びつくわけではありません。
販売活動により集中するためにもサイトのアップデートやセキュリティー管理などは、外部への委託も検討しましょう。
委託することで費用は生じますが、販売活動に集中できる環境を整えられます。管理にかかる手間を減らすことで、集客や売上アップのための施策に時間を使えます。
プログラミングを用いて理想のECサイトを作ろう
プログラミングを用いてECサイトを作るためには、まず基本的な言語の習得が必要です。自社のプログラミングスキルや予算などを考慮して、ECパッケージやオープンソースなど、ECサイトの構築手段を選びましょう。
ECサイトで成功するためには、ゴールを設定することが重要です。事前準備を行いながら、ひとつずつ丁寧に進めていきましょう。
なお「プログラミングを使ってECサイトを作りたい」「どの構築方法を選べばいいかわからない」などの悩みをお持ちの方は、お気軽にテクノデジタルにご相談ください。
ECサイトの構築から運営、集客や売上などの成果アップに関することまでサポートいたしますので、お問い合わせお待ちしています。
投稿者
-
システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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