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ECアプリとは?アプリ化するメリットやECサイトとの違い、アプリ運用で成功するためのポイントを徹底解説

「これまでECサイトを運営していたが、最近伸び悩んでいる…」

「最近ECサイトがアプリ化されることが多いけど、アプリ化すると良いのかな?」


本記事では、このような悩みをお持ちの方へ向けてECアプリについて解説します。

この記事でわかること

  • ECアプリとは
  • ECアプリのメリット・デメリット
  • ECサイトとアプリの違い
  • ECアプリ運営を成功させるポイント

ECアプリとは?

ECアプリとは?

ECアプリとは、スマートフォンやタブレット端末で購入できるオンラインショッピングアプリのことです。

ECサイトと同様に、商品検索、購入、支払い、配送などの機能が備わっています。

代表的な例として、Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNなどがあります。

ECアプリを使うメリット

ECアプリを使うメリット

ECアプリを使うメリットは以下のとおりです。

  • ユーザーの利用時間や利用頻度が増え、アクティブ化しやすい
  • プッシュ通知などの機能によりユーザーをリピート化しやすい
  • 実店舗を持っている場合、オムニチャネル施策を取りやすい

ECアプリには、上記のように通常のECサイトでは享受できないメリットがあります。

ECアプリを使うメリットについておさえることで、ECアプリを活用するべき理由が明確になります。

ユーザーの利用時間や利用頻度が増え、アクティブ化しやすい

ECアプリをつかえば、ユーザーの利用頻度や利用時間を増やし、ユーザーのアクティブ化を図りやすいメリットがあります。

ECで商品を購入する場合、ECサイトではブラウザを立ち上げ、ECサイトを検索し、買いたい商品を検索しないといけません。

一方ECアプリでは、スマートフォンのホーム画面からタップすれば目当てのECにすぐたどりつくことが可能です。

また、ECアプリはECサイトよりもサクサク動く傾向にあり、ユーザーにとって利便性が高いので、利用時間や頻度が高くなります。

このように、ECアプリの導入によりユーザーの集客やアクティブ化を図りやすいです。

プッシュ通知などの機能によりユーザーをリピーター化しやすい

ECアプリではプッシュ通知やクーポン配布、ポイント制など、ユーザーをアクティブ化・リピーター化するための施策を取りやすいです。

ECアプリを活用することでユーザーの購買データを収集でき、売上向上につながるマーケティング施策を考えやすくなります。

とくにプッシュ通知は開封率が高く、新商品情報やクーポン情報など、ユーザーにとって役立つ情報をタイムリーに伝えられます。

ECサイトでもメルマガにより最新の情報発信はできますが、アプリのプッシュ通知の方がメルマガよりも開封率が高いです。

プッシュ通知などの機能を活用することでリピーターになってもらいやすいです。

実店舗を持っている場合、オムニチャネル施策を取りやすい

実店舗を持っている場合、ECアプリを使うことでオムニチャネル施策を取りやすくなります。

プッシュ通知などでキャンペーン情報の配信ができたり、GPS機能により店舗検索や店舗独自のキャンペーン配信などができたりします。

また、会員証機能を活用した独自ポイントや位置情報から近隣店舗でのクーポン配信など、実店舗への来店をうながすためのさまざまな施策が可能です。

いわゆるO2Oマーケティング施策を取りやすいので、実店舗を持っている方にとってECアプリの導入はメリットが大きいです。

ECアプリを使うデメリット

ECアプリを使うデメリット

ECアプリを導入するデメリットは以下の3つです。

  • OSアップデートや不具合対応など、運用保守が大変
  • 運営するECサイトの認知度がないとダウンロードしてもらえない
  • 開発のコストがかかる

ECアプリの導入には、システムや機能のアップデート対応などが常に発生します。

また、ECサイト自体の認知度が高くないとダウンロードされないため、集客の努力が不可欠です。

ECアプリ導入のデメリットについても、ここで理解を深めておきましょう。

OSアップデートや不具合対応など、運用保守が大変

ECに限らず、アプリはリリースしたら終わりではありません。

リリース後も、OSが更新されるたびにアップデート対応の必要が発生したり、予期せぬ不具合やバグが発生したりした際にはその対応が必要です。

とくに不具合発生時はその対応を後回しにしてしまうと、ユーザーから失望されてしまい、アプリから離脱されてしまいます。

ECサイト自体のブランドにも傷がついてしまいます。

ECアプリを運用する中で生じるOSアップデート対応やバグ対応などが常に発生するため、運用保守が欠かせない点はデメリットです。

運営するECサイトの認知度がないとダウンロードしてもらえない

ECアプリは、アプリがダウンロードされなければ意味がありません。

アプリをインストールしてもらうためには、ECサイト自体の存在を知ってもらわないといけません。

運営しているECサイトの認知度がないと、なかなかダウンロードしてもらえない点がデメリットになります。

ECサイトの認知度が高くない場合、アプリをダウンロードしてもらったら特典を配布するなど、インストールされるための戦略が必要です。

また、ECアプリのダウンロードを増やすためには集客が大切です。

ECサイトの集客については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。


開発のコストがかかる

ECアプリの開発に少なからずコストが発生する点もデメリットといえます。

アプリを作るにあたっては、システムエンジニアやプログラマーに開発依頼をするため、開発費用がかかります。

開発費以外にかかるコストは以下のとおりです。

  • デベロッパー(Apple Developer Program、Google Play)の登録費用
  • 改修費用(最新OSのバージョン追随、機能追加、障害対応)

AndroidとiOS両方に対応するアプリを作る場合、500万円〜程度かかると言われています。

ECアプリの開発にはコストがかかる点を忘れないようにしましょう。

ECアプリとサイトの違いは?

ECアプリとサイトの違いは?

ECアプリとサイトとの違いは、以下のようなものがあげられます。

  • インストールの必要性
  • 通信速度の違い
  • 見た目や機能性の差

それぞれ詳細に解説します。

インストールの必要性

ECアプリとサイトのもっとも大きな違いは、インストールの必要性があるかないかです。

ECアプリは使う前にアプリをダウンロードする必要がある一方、ECサイトは特に何かをインストールする必要なく、ブラウザ上で閲覧できます。

アプリのインストールには通信が発生するため、容量の大きなアプリのダウンロードには時間がかかる点に注意が必要です。

通信速度の違い

通信速度はECサイトとアプリの大きな違いをあらわすポイントです。

ECサイトの場合、通信速度は電波状況や回線速度によってかわります。

一方ECアプリの場合は、一度ダウンロードしてアプリを使うので、モバイル端末のROMにデータが蓄積されます。

アプリ内のコンテンツが更新されるタイミングで通信が発生するので、通信料を抑えながらの閲覧が可能です。

回線速度に依存せずスムーズに閲覧できるので、通信速度の面ではアプリを使う方が優位です。

見た目や機能性の差

見た目についてはECサイトとアプリとで大きな差は発生しません。

ECサイトのデザインをアプリにも流用するケースはよく見られます。

機能面については、アプリとECサイトとで大きく異なるのがプッシュ通知の存在です。

プッシュ通知にてキャンペーン情報などを配信することで、ユーザーと接点を持ち続けられます。

ECサイトのメルマガでも同様のことができますが、開封率はプッシュ通知の方が高いです。

また、会員証や位置情報による近隣店舗からのクーポン配布など、ECサイトではできないような機能がECアプリにはあります。

ECアプリの種類

ECアプリの種類

ECアプリには以下の2種類があります。

  • Webアプリ
  • ネイティブアプリ

ここでは、それぞれの作成方法について解説します。

それぞれの作成方法について理解することで、自社にあったアプリ開発方法の選択ができるようになります。

Webアプリ

「Webアプリ」とは、ネイティブアプリのように端末へインストールしなくてもGoogle chromeやSafariなどインターネット上で利用できるアプリのことです。

Webアプリの例は以下のとおりです。

  • Gmail
  • YouTube

ユーザーが表示する際はOSに対応したアプリのインストールは不要で、PCで表示するWEBサイトと変わりはありません。

アプリのインストールが不要なので、Appstoreなどのアプリストアへの申請も不要です。

OSの制限もないので、アプリの開発や保守にかかるコストがかかりません。

ただし、位置情報機能やプッシュ通知などの機能がブラウザによって制限されているため、利用不可です。

ネイティブアプリ

「ネイティブアプリ」とは、特定のコンピュータ機種やOS上で直接実行できるプログラムによって構成されたアプリケーションソフトのことを指します。

Google PlayやAppstoreなど、各アプリストアからインストールして利用します。

ネイティブアプリでできることは以下のとおりです。

  • 位置情報によるマーケティング施策
  • プッシュ通知
  • スマホカメラ
  • 会員証機能・ポイント配布

ネイティブアプリではアプリならではの機能を有効活用し、さまざまなマーケティング施策を実施できます。

ただし、アプリを制作してからアプリストアに登録する必要があるので、開発コストがかかります。

またリリース後も定期的なアプリ機能の保守・不具合修正などが必要です。

ネイティブアプリの作成方法は、以下の2種類があります。

名称 概要 メリット デメリット
フルスクラッチ型 ECアプリで使う機能やデザインをすべて0から企画・開発をする すべて自分たちで制作できるので、カスタマイズの自由度が高い 開発期間が長く、開発費用が多くかかる
ASP型 ECアプリ構築のために必要な機能を備えたシステムのこと。テンプレートを活用してECアプリを作成する フルスクラッチ型よりも費用を抑えてアプリを作れる カスタマイズの自由度が低い

自社に開発スキルのある方がいない場合や費用を抑えてアプリを作りたい方は、ASP型の利用がおすすめです。

ネイティブアプリ制作におすすめのサービス2選

ネイティブアプリ制作におすすめのサービス2選

ネイティブアプリ制作におすすめのサービスを2つ紹介します。

  • Yappli
  • Appify

2社ともASP型のECアプリ構築サービスなので、フルスクラッチ型よりもコストを抑えたECアプリ構築が可能です。

それぞれのサービスには特色があるので、詳細に解説します。

ここでの説明を理解することで、コストを抑えてECアプリを構築する方法を理解できます。

yappli

yappli

引用|yappli公式サイト

サービス名 yappli
初期費用 要見積もり
月額費用 39,800円~
機能 ・フリーレイアウト
・エンベッド動画

・ウェブビュー
・生体認証
・タイマー配信
・プッシュ通知
など

yappliはアプリ開発に必要なプログラミングスキルが不要でアプリを制作できるサービスです。

従来アプリ開発においては、実装する機能に応じてプログラミングスキルが必要でした。

しかし、yappliでは実装する機能のプログラムコードの部分をテンプレート化しているため、アイデアさえあれば誰でもアプリを作れます。

Appify

Appify

引用|Appify公式サイト

サービス名 Appify
初期費用 無料
月額費用 月額1,000米ドル~
機能 ・抽選販売

・店舗管理
・プッシュ通知の自動化

・登録ボーナス
・店舗読み取り用QRコード発行

AppifyはECサイト構築サービス大手のShopifyが手がけるアプリ制作サービスです。

初期費用無料で利用でき、月額は1,000ドル(約135,000円〜)から使えます。

AppifyをとおしてShopifyで構築したECサイトとの連携ができ、オンライン販売だけでなくオフラインのマーケティング施策との連携が可能です。

Shopifyを使ってECサイトを構築している方にとってはメリットの大きいサービスといえます。

ECアプリ導入の成功事例

ECアプリの導入で成功した企業の1つはニトリです。

ここではニトリのECアプリ導入の成功事例について解説します。

ニトリ

ニトリ

引用|ニトリアプリ公式サイト

ECアプリをとおしてニトリがユーザーに提供しているサービスは以下のとおりです。

  • アプリ会員限定でポイント付与
  • 店内商品の位置情報を表示する機能
  • 画像検索に類似したニトリ商品を紹介する機能
  • 好みのコーディネート画像から類似のニトリ商品を検索できる機能

アプリをとおして、ニトリではオムニチャネル施策を実施し、オンライン販売・オフライン販売の連携を強化しています。

ユーザーとしては、ニトリアプリを使うことでポイントを貯められるだけでなく、好みのコーディネートからおすすめ商品を紹介してくれるので、理想のライフスタイルを実現させやすいです。

アプリユーザー数は1,000万人を突破しており、ECアプリとして成功しています。

ECアプリを成功に導くためのポイント

ECアプリを成功に導くためのポイント

ECアプリ運用を成功させるためには、以下のポイントを抑えましょう。

  1. ダウンロードしてもらうための施策を打つ
  2. プッシュ通知を有効活用する
  3. 購入と結びつくためのコンテンツを用意する

ECアプリの運用を成功させるためには、まずはアプリをダウンロードしてもらうことが必要です。

ECサイトの目立つ位置にアプリダウンロードの導線を貼ったり、アプリ会員限定のクーポンやサービスを用意したりすると、アプリがダウンロードされやすくなります。

ダウンロード後は、プッシュ通知に力を入れましょう。

プッシュ通知はメールマガジンなどよりも開封率が高く、購入につながりやすいです。

時間限定のクーポンを配布するなど、ユーザーが行動しやすいような配信を行うと運用の効果が高まります。

また、購入に結びつけるようなコンテンツの用意も大切です。

先ほど紹介したニトリの事例のように、商品購入後のイメージを持ってもらうようなコンテンツを用意しておくと、ユーザーが購入後のイメージをつかみやすく、購買につながりやすくなります。

ECの売上アップのために、アプリ制作を検討しよう!

ECの売上アップのために、アプリ制作を検討しよう!

ECアプリではプッシュ通知や位置情報共有など、ECサイトではできないことを実現できます。

プッシュ通知はメールマガジンよりも開封率が高く、リアルタイムでの効果測定が可能です。

実店舗との連携もしやすく、オンラインとオフラインのマーケティング施策を効率良く連携できます。

しかし、アプリリリース後は定期的なメンテナンスが必要だったり、開発コストがかかったりする点はデメリットです。

テクノデジタルでは、貴社のECの業績を伸ばせるよう、アプリ構築やECサイトとの連携など、幅広くお手伝いをしております。

ECアプリ運営に興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。