2024.06.15
ギフトECとは?市場規模や構築時に必要な機能・メリットデメリット
ギフト関連のアイテムを取り扱っている方のなかには「ギフト系ECサイトはどうやって立ち上げるの?」といった疑問がある方もいるのではないでしょうか。ほかにもギフト系ECサイトの代表例を知りたい方もいるかもしれません。
本記事ではギフトECについて、市場規模や構築時に必要な機能などの観点から解説します。また、メリットやデメリットについても触れていきます。本記事を読むことで、ギフトECへの理解が深まるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- ギフトECとはなにか
- 市場規模
- 構築時に必要な機能
目次
ギフトECとは?
ギフトECとは、ギフトを専用的に取り扱っているECサイトのことです。誕生日やクリスマスをはじめ、お中元やお歳暮などシーンにあわせた贈り物を用意しています。
一般的なECサイトとの違いは、ギフトに欠かせないアイテムが揃っていることです。たとえば、ラッピングやメッセージカード、熨斗(のし)などのアイテムを、結婚祝いや出産祝いなど、シーン別にそれぞれ取り揃えています。
そのため、目的や相手に合わせたプレゼントが可能です。
ギフトECの市場規模
ギフトECの市場規模は、今後も伸び続けていくと考えられます。矢野経済研究所の調査によると、2022年〜2024年の国内ギフト市場全体の数値は以下のように公開されています。
引用:ギフト市場に関する調査を実施(2023年)|矢野経済研究所
2022年〜2024年にかけて、市場規模は上昇傾向です。この3年間は連続して前年比が伸びています。
また、コロナ禍以降でもギフトの購入場所は「総合ECサイト」の割合が50%を超えているという調査も出ています。
EC業界では、結婚・出産祝いのような「フォーマルギフト」から、身近な人への誕生日プレゼントのような「カジュアルギフト」へのシフトが起こっているのも事実です。こうしたデータから、ギフトECは今後も成長を続けていくでしょう。
ギフトECサイトの構築・運用時に必要な機能
通常のECサイトの構築時と比較すると、ギフトECでは下記のような機能が必要になります。
- 複数配送先設定・分割配送ができる機能
- アドレス帳機能
- 複数のラッピング方法への対応
- メッセージカード同梱機能
- 熨斗(のし)への対応
- 名入れへの対応
- ソーシャルギフトへの対応
- 店頭受け取りへの対応
ここからは、それぞれの機能について解説します。
複数配送先設定・分割配送ができる機能
ギフトECを構築する際は、複数の配送先を設定できる機能や、複数箇所に分割して配送できる機能があると便利です。
お歳暮や結婚祝いのお返し、お中元などでは、一度に複数の相手に送ることがあります。こうしたニーズを踏まえると、分割配送機能が必要です。
それに伴い、送り先の件数に応じて送料を計算する機能や、ラッピングなどを個別で設定する機能も必須になるでしょう。
アドレス帳機能
ギフトECには、アドレス帳機能が必須です。複数の送付先を登録しておけば、次回購入時に登録した住所宛に配送先を指定できるため、ユーザーがその都度住所を入力する手間が省けます。
さらに、送付先を登録していることで、リピート購入につながる可能性があるため、運営側にとってもメリットとなります。
複数のラッピング方法への対応
ギフトECでは、複数のラッピング方法への対応ができる機能が必須です。
たとえば、季節やイベントに合わせてラッピングやデコレーションを変えたり、相手によって色を選べるようにしておくことでユーザーニーズを満たせます。シチュエーションに合わせてラッピングを選べるように、イメージ画像や写真を掲載し、実店舗で選んでいるような体験ができるとなおよいでしょう。
その際、有償のラッピングや特別なラッピングを選択した場合、その分の料金が加算されるようなシステムの用意が必要です。
メッセージカード同梱機能
ギフトECには「ギフトや贈り物にはメッセージカードを添えたい」といったニーズがあるため、メッセージカードの同梱機能も重要な要素です。
ただメッセージカード機能を用意するのではなく、いくつか種類を展開したり、文字のフォントも選べるようにしておくと喜ばれます。また、例文を挿入できる機能もあると、送る側が手間をかけずにメッセージを送れるでしょう。
熨斗(のし)への対応
お中元やお歳暮、出産祝いなどのギフトには熨斗(のし)をつける必要があるため、のしをつける機能や対応も必要です。
熨斗には大きく分けて「外熨斗」と「内熨斗」の2種類があります。外熨斗とはラッピングの上からかける熨斗のことで、一般的なものです。内熨斗とは、ラッピングの下に熨斗をかける方法のことです。お祝いのお返しである内祝いのように、控えめな表現にする意味があります。
熨斗ひとつとってもかけ方や名入れ、水引の種類が異なるため、どの用途にどう使うものなのかを記載しておくといいでしょう。
名入れへの対応
商品に名前を入れられる「名入れ」の対応ができることも、ギフトECを構築する際に重要な要素です。なかでも、以下のような商品は名入れのニーズが高いです。
- 財布
- 筆記用具(ボールペン・万年筆など)
- 名刺入れ
- ハンカチ・タオル
- お酒のラベル
- アクセサリー
名入れの対応をする際は、文字の大きさやフォント、文字色を選べるようにするといいでしょう。
さらに、文字数も含めてシミュレーションして表示できる機能があると、ユーザーにとって購入しやすくなります。その際にも、追加料金が表示できる機能が必要です。
ソーシャルギフトへの対応
近年では、URLを共有することでSNSにてギフトを送れるソーシャルギフト(eギフト)への対応も、重要なポイントです。
ソーシャルギフトは相手の住所を知らなくても簡単に送れるため、利用するユーザーが増加しています。誕生日やクリスマスのようなお祝い以外にも、友人への労いや遅刻に対するお詫びなどのシーンで用いられることも珍しくありません。
カジュアルギフトとして使用されることから、シーンに合わせて送れるようなビジュアルやテンプレートがあるといいでしょう。
店頭受け取りへの対応
ギフトを直接手渡ししたい人のために、店頭受け取りがあるといいでしょう。
特に実店舗をもつECサイトや百貨店などは、店頭受け取りが可能になると顧客満足度が高まります。品質の高い顧客体験を提供できれば、リピート購入にもつながりやすいです。
そのためには、オンラインとオフラインで在庫を一元管理するシステムが必要です。ECサイトとリアル店舗の連携方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
ギフトECのメリット
ギフトECのメリットは、以下の通りです。
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
リピーターが獲得しやすい
ギフトECのメリットは、同じユーザーが複数回利用する可能性が高く、リピーター獲得につながりやすいことです。たとえば、受け取った人が喜んでくれたり、機能やオプションが充実していたりすればまた利用してもらえる可能性が高まります。
その他の要因として、ソーシャルギフトやカジュアルギフトが普及している点も挙げられるでしょう。今後リピート購入の機会はさらに増えていくと考えられるため、顧客満足度向上を目指すことがポイントとなります。
年間を通して一定数の需要がある
年間を通して一定数の需要があり続けるため、安定して顧客を獲得しやすいことも、ギフトECのメリットです。
誕生日やクリスマス、お歳暮などは贈り物をするのにうってつけのイベントであり、年間で複数回あります。ギフトECとして気に入ってもらえれば、イベントのたびに購入される可能性があります。
また、受け取ったユーザーがギフトECの存在を認知し、顧客獲得につながることもあるでしょう。
ギフトECのデメリット
ギフトECのデメリットは、サイト構築にコストがかかりやすいことです。その理由は、一般的にはECサイトとは違い、ラッピングや名入れなどに必要な機能が増えてしまうからです。
また、URLで受信できるソーシャルギフトは、シニア層には難易度が高い点もデメリットとなります。ターゲット層が絞られるため、母数が少なくなる点はデメリットだと言えるでしょう。
ギフトECを運営する際のコツや注意点
ギフトECを運営する際には、ギフト訴求ができることだけでなく、以下の点にも注意しましょう。
ここからは、それぞれの注意点について解説します。
代引きは設定できないようにする
ギフトECを構築する際は、決済方法について商品代引きの選択ができないようになっているか確認しましょう。
ギフトとして贈る場合、送付主が支払いを行わなければなりません。代引き設定があると、誤って選択する恐れがあるため、システム上で選択肢からなくすことが重要です。
もし代引きの選択を不可にできない場合は、目立つように注意書きしておくと親切です。
梱包や包装を充実させる
競合サイトと差別化させるためにも、梱包や包装を充実させて選択肢を増やすこともコツのひとつです。
用途や季節に合わせて選べるように、豊富なバリエーションを取り揃えておきましょう。ユーザーの細かいニーズに応えられるようにすることで、顧客満足度向上につながります。
配送ミスがない体制作り
ギフトECでは、一般的なECよりも配送ミスがクレームに直結しやすいです。送り間違いが起こらないように、体制を整えることが重要です。
特に、手作業で行っているとヒューマンエラーが発生しやすくなります。注文から配送までの作業では、できる限り自動化することをおすすめします。
自分用やお試し用ギフトへの対応
ギフトECのユーザーのなかには、自分へのご褒美で購入したり、実際に贈る前に自分で試したりするために利用する方もいます。自分用やお試し用のギフトとして、簡易的な包装を選べるようにするといいでしょう。
また、セット内の商品をお試し用としてバラ売りしたりするなど、ニーズに応えられるような商品や梱包を用意するのもポイントです。
ギフトEC構築におすすめのサービス
ギフトECは、通常のECサイトよりも必要な機能が多いです。そのため、ギフトEC構築に特化したサービスを選ぶ必要があります。ここからは、ギフトECを構築できるサービスを紹介します。
aishipGIFT
出典:aishipGIFT
aishipGIFTは、ギフトECサイト構築に特化したASPサービスです。標準機能でソーシャルギフト(eギフト)に対応していて、カスタマイズしながらECサイトを構築できます。
aishipGIFTの特徴は、食品EC業界に強いことです。のし・ラッピングや複数配送といった機能のほかに、「店舗受取機能」や「三温度帯設定機能」にも対応しています。
ecbeing
出典:ecbeing
ecbeingは、中堅・大手向けに展開されているECサイト構築プラットフォームです。業界実績は15年あり、ECサイトの構築からマーケティング支援までサポートしてもらえます。
ecbeingの特徴は、電話・FAX注文にも対応していることです。インターネットが普及している近年ですが、インターネットに慣れていない高年齢層を取り込めるでしょう。注文情報は、オペレーターが代行入力してくれます。
ギフトECモールの代表例
ギフトECを始める際には、ギフトを専門に取り扱う、ギフトECモールに出品する方法もあります。ここからは、代表的なギフトECモールの特徴を紹介していきます。
TAMP
出典:TAMP
TAMPの特徴は、商品撮影やコンテンツ制作も依頼できることです。商品写真は購入に直結する重要な要素なので、プロに依頼することで魅力的な仕上がりになるでしょう。
コンテンツ制作においては、SEO向けのコンテンツも制作できます。Googleの検索結果で上位に表示されると、広告を打たなくてもアクセスが増え、ブランドや商品の認知拡大につながるでしょう。実際に購入してもらえれば、売り上げ拡大に貢献できます。
ギフトモール
出典:ギフトモール
ギフトモールは、「Anny」などのギフトサイトを運営する会社です。サイトにはギフトポイントがあり、購入金額に応じて付与されます。ポイントがあると再購入につながりやすいため、リピーター獲得も狙えるでしょう。
また、引き出物やパーティーの景品などの大量注文にも対応しています。BtoB向けの商品なら、法人からの注文にも対応可能です。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
ギフトECとは、ギフトを専用的に取り扱っているECサイトのことです。一般的なECサイトとは違い、メッセージカードやラッピングなどの機能が必要になります。ただ、誕生日やクリスマスは毎年あるイベントなので、リピーター獲得のチャンスがある点はメリットです。
これからギフトECを構築する方は、本記事で紹介したサービスやポイントを参考にしてみてください。
ギフトECについて疑問や悩みがある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築から、運営サポートまで行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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