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マーケットプレイスとは?他のECモールとの違いやメリット、注意点を解説

EC市場の規模がどんどん拡大していく中で、近年は個人でも参入しやすくなってきました。

ECモールの中でも、個人でも始めやすいのがマーケットプレイス型です。


そこで今回は、マーケットプレイスのデメリットやメリットについて解説していきます。

取引形態別のおすすめのECモールも取り上げているので、ECサイトへの出品を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

マーケットプレイスとは?

マーケットプレイスとは?

マーケットプレイスとは、売り手と買い手を繋げるオンラインでの取引市場を指します。

以下は、ECモールの3つの種類をまとめた表です。

特徴 代表例
テナント型 モールに出店料を払って出店する。 楽天市場、 Yahoo!ショッピング
マーケットプレイス型 出店ではなく「出品」がメイン。 Amazon
総合管理型 自社で運営しているECモールで複数のブランドを持つタイプ。 アパレルブランドなど

テナント型は実際のショッピングモールに店を構えるのと同じイメージで、売上に応じて出店料や販売手数料を支払います。

マーケットプレイス型は出品に重点を置いているため、誰でも気軽に商品を売れるのがメリットです。

総合管理型はさまざまなブランドを展開している企業が、自社のECモールでそれぞれのブランドのECサイトを運営するような形です。

マーケットプレイスのメリット

マーケットプレイスのメリット

マーケットプレイスの主なメリットは以下の4つです。

ここでは、それぞれの項目について解説していきます。

集客力・信頼性が高い

マーケットプレイスはすでに多くのユーザーを抱えているため、集客力が高いです。

そのため、イチから集客を始める必要がなく、時間をかけずに新規顧客を獲得しやすいのがメリットです。

また、マーケットプレイス自体の信頼性の高さも利用できます。

知名度が低い状態から顧客を集めたり信頼を得たりするのは、時間がかかるうえにコストも必要です。

しかし、マーケットプレイスであれば、ECサイトを持っていない人や新規の売り手でも集客力や信頼性を活用できるのが大きなメリットになります。

実店舗が不要

実店舗がいらないこともメリットです。

実際に店舗を構える必要がないため、準備に時間をかけずにすぐに販売をスタートできます。

また、実店舗の運営にかかる以下のようなコストを大幅にカットできるのも、メリットのひとつです。

  • 賃料
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 消耗品費
  • 車両維持費
  • 保険料
  • 宣伝費

マーケットプレイスはオンラインで完結するので、特に賃料や宣伝費がおさえられます。

店舗を運営するよりもランニングコストをかけずに販売ができるので、利益率のアップが期待できるでしょう。

EC事業が簡単に始められる

商品を出品するだけでEC事業をスタートできるのもメリットです。

テナント型は出店の申し込みから審査期間などを経て、実際に開店できるまでは1〜2ヶ月ほどかかりますが、マーケットプレイスであればショップページを作成せずに出品するだけで済みます。

ショップページや自社サイトを作る必要がないので、サイト構築にかかる時間を短縮できます。

また、商品の登録や売上、注文の管理なども簡単にできるため、テナント型や総合管理型と比べてECサイトの運用に関する詳しい知識がなくても運営することが可能です。

そのため、自社サイトや他のECモールよりも事業を始めるハードルが低いのが大きなポイントです。

市場調査が容易にできる

市場調査がしやすいのもマーケットプレイスを利用するメリットのひとつです。

同じような商品を販売している競合を調査しやすく、価格調査やユーザーからの反応を調べることができます。

商品の売れ行きが良くない場合は、競合の価格を調べることで適正価格を知れたりアイテムの説明文を参考にしたりすることもできるので、定期的な市場調査は非常に大切です。

また、自社商品への顧客からのフィードバックはすぐに反映できるようにしておくと、改善のスピードも早くなります。

マーケットプレイスの注意点

マーケットプレイスの注意点

マーケットプレイスの主な注意点は以下の3つです。

それぞれの各項目について解説していくので、メリットと合わせてよく理解しておきましょう。

価格競争が激しい

マーケットプレイスでは、価格競争が激しい点に注意しましょう。

ECモールではひとつのカテゴリーの中で似たような商品を出している人が多く、どうしても価格競争になってしまいがちです。

類似商品が多い場合、ユーザーは値段が安いものを選ぶ傾向にあるため、競合よりも値段が高いと売れず、逆に値段を安くしすぎても利益が上がらないなどのジレンマが起こる可能性もあります。

また、モールによっては購入者が値段を比較できるような機能を導入している場合もあるので注意が必要です。

出店者のブランディングが難しい

企業のブランディングが難しいという注意点もあります。

マーケットプレイスはあくまで出品がメインということもあり、テンプレートも決まっているため、ブランディングが非常に難しいです。

自社ECサイトを作る場合やテナント型、総合管理型と比べてショップページを持たないので、独自性が出しづらいです。

また、ページのカスタマイズ性も低く、購入者側からするとブランドの商品を買ったというよりもAmazonなどの「ECモールで購入した」印象しか残りません。

そのため、ショップの認知度を上げたりブランドのファンを増やしたりしたいのであれば、別の選択肢を検討するのが良いでしょう。

ランニングコストがかかる

マーケットプレイスを利用する場合、以下のようなランニングコストがかかることを覚えておきましょう。

  • システムやサービスの月額費用
  • 売上に応じた手数料

例えば、Amazonでは大口出品と小口出品にわかれており、大口出品は月額料金が発生しますが、基本成約料はかかりません。

一方で小口出品は、月額料金がない代わりにひとつの商品が売れる度に成約料がかかる仕組みになっています。

このように、プラットフォームに応じて手数料の割合や月額の費用などの仕組みが異なるため、利用する前にしっかりと調べておきましょう。

マーケットプレイスを紹介

マーケットプレイスを紹介

マーケットプレイスにも形態があり、自分のビジネスのスタイルや目的に合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、以下の3つの取引形態をそれぞれご紹介します。それぞれの特徴を比較しながら自身に合ったスタイルを見つけましょう。

【B to B】マーケットプレイス

B to Bの形態に向いているプラットフォームは、以下の4つです。

プラットフォーム 拠点国 特徴・強み
Amazon Business アメリカ 一定の条件を満たすとBusiness Sellerマークが取得できる。
Alibaba.com 中国 世界中の顧客をターゲットにできる。
Droppe スウェーデン ヨーロッパが中心。月額費用なし。
Global Sources 香港 出品者の信頼を担保するサプライヤー検証システムがある。

それぞれのマーケットプレイスでは、主に展開している地域や強みが少しずつ違います。

どのサービスも世界中にユーザーがいますが、日本語でのサポートがあるかどうかなどもチェックしてみるのがおすすめです。

【B to C】マーケットプレイス

AmazonやSHEINなどはB to Cにおすすめの取引形態です。

プラットフォーム 拠点国 特徴・強み
Amazon アメリカ 集客力が高い。FBAが使える。
eBay アメリカ 国内の競合が少ない。
AliExpress 中国 ユーザーに対して返金保証制度が付いている。
SHEIN 中国 SHEINの強みである需要予測やリアルタイム分析にアクセスできる。

B to Cのプラットフォームと言えばAmazonのイメージが強いかもしれませんが、その分出品者も多くなるため、国内ではまだ競合が少ないeBayもおすすめです。

SHEINは近年ファストファッションブランドとして急成長を遂げているため、アパレル関係のアイテムを出品したい人は検討してみても良いでしょう。

【C to C】マーケットプレイス

C to Cにおすすめの取引形態はメルカリやEtsyです。

プラットフォーム 拠点国 特徴・強み
メルカリ 日本 年代層が幅広い。初めてでも使いやすい。
Etsy アメリカ 世界中のユーザーが対象になる

メルカリは国内で最もメジャーなフリーマーケットサイトのひとつで、中高年層の利用も増えてきていることから、幅広い商品に需要があると言えます。

また、梱包のやり方や発送方法を見れるコンテンツも充実しているので、初心者でも始めやすいのがメリットです。

Etsyはアメリカ発祥のクラフトや手芸品を売ったり買ったりできるサイトです。国内のみならず色々な国の人へ商品を届けられるため、販売できるチャンスが増えます。

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

マーケットプレイスは、法人や個人が商品を自由に出品できるECモールです。

集客力が高く簡単に始められるのがメリットですが、価格競争になりやすくブランディングがしにくいことも把握しておきましょう。

また、事業タイプによっておすすめのプラットフォームも異なるので、ターゲットや扱う商材に合わせて適切な取引形態を選ぶことが大切です。

テクノデジタルでは、ECサイトの立ち上げから運用までさまざまなサポートを提供しております。

商品の出品を考えている方はぜひお気軽にご相談ください。

投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。