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動画コマースとは?メリットデメリットや成功事例

動画コマースとは?

ECサイト担当者の中には「動画コマースって何?」といった疑問がある方もいるのではないでしょうか。ほかにも動画コマースを利用するかどうか検討している方もいるかもしれません。


本記事では、動画コマースの基礎知識について解説します。ほかにも、メリットやデメリット、成功事例についても触れていきます。本記事を読むことで、動画コマースについて理解したうえで、自社で導入する準備が整うでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 動画コマースとは何か
  • 動画コマースのメリット・デメリット
  • 動画コマースの成功事例

動画コマースとは?

動画コマースとは?

動画コマースとは、動画コンテンツからそのまま商品を購入できる通販形態です。多くの場合、ECサイトにて動画を埋め込む形で掲載します。動画ならテキストや画像よりも詳細な商品情報を伝えられ、直接買い物ができるため販売促進に役立つでしょう。


動画コマースが注目されるようになった背景には、スマートフォンの普及があります。近年ではスマートフォンから検索してそのまま商品を購入するユーザーも増えています。動画コマースで成功するには、スマホで視聴しやすい動画を意識することがポイントです。

動画ECとの違い

動画コマースと動画ECとの違いは、動画コンテンツからそのまま商品を購入できるかどうかにあります。動画コマースは動画から直接買い物ができますが、動画ECはそうではありません。

動画ECとは、ECサイトに動画を埋め込む施策のことです。動画を掲載することでより多くの情報を伝えられるメリットがあります。

ライブコマースとの違い

動画コマースとライブコマースとの違いは、生放送しているかどうかにあります。動画コマースはECサイトに動画を埋め込むため、事前に制作したコンテンツです。

一方で、ライブコマースは生放送で配信するため、リアルタイムでユーザーと交流ができます。その場でコメントを読み上げることでユーザーの疑問や不安を解消できるため、販売促進につながります。

eコマースとの違い

動画コマースとeコマースとの違いは、定義の広さにあります。動画コマースは動画から商品を購入してもらうことを目的とした販売方法ですが、eコマースはオンライン上で商品を販売することです。

つまり、eコマースの方が定義が広く、動画コマースもeコマースに含まれています。動画の有無は問わないため、eコマースではテキストや画像を用いた従来のECサイトの販売方法が主力となります。

動画コマースの市場規模

動画コマースの市場規模

動画コマースの市場規模は、Daedal Researchが2023年に発表した調査によると、下記のような結果が出ています。

世界のビデオコマースの市場規模は、2022年の5,267億2,000万米ドルから、2028年には2兆7,900億米ドルになると予測されており、2023年から2028年までの予測期間中のCAGRは32%となっています。

引用:市場調査レポート|株式会社グローバルインフォメーション

近年では、YouTubeやInstagram、TikTokなどの動画配信プラットフォームも需要が伸びています。こうした状況から、今後も動画を活用したマーケティングがさらに活性化していくでしょう。

業界の中でもファッション・アパレル業界ではよく動画コマースが利用されています。アイテムのサイズ感や色味など、テキストや画像だけでは伝わりにくい情報をカバーできます。

動画コマースのメリット

動画コマースのメリット

動画コマースのメリットは、以下の通りです。

これらのメリットを理解することで、目的意識を持って動画コマースを導入できるでしょう。ここからは、それぞれのメリットについて解説します。

ECサイトへ遷移させる必要がない

動画コマースのメリットは、動画をクリックするだけで直接商品を購入できるため、ECサイトへ遷移させる必要がないことです。

従来のECサイトでは、動画を掲載していても視聴を止めてECサイトに移動して商品を購入してもらう必要がありました。動画コマースならこうしたステップを省略できるため、ユーザービリティの向上につながります。

コンバージョン率が向上する

動画コマースなら動画から直接商品を購入できるため、コンバージョン率の向上を期待できることもメリットのひとつです。

せっかく動画を視聴してくれていても、購入画面へ遷移する手間が発生すると、その間に購買意欲が下がってしまう可能性があります。

動画コマースではユーザーの離脱を防ぎつつ、動画によって購入後の使用イメージを想像でき、購入意欲を高められます。

販売チャネルの拡大

動画コマースのメリットとして、動画配信のプラットフォームを活用することで、ECサイト以外にも販売チャネルを獲得できることが挙げられます。

なかでも、近年では日常的に動画を視聴するユーザーが増えてきています。ECサイトに掲載した動画をYouTubeやInstagramなどにも投稿することで、効率的に販売チャネルを拡大できるでしょう。

商品の魅力が伝わりやすい

動画コマースを利用することで、音声やテロップなども入れられるため、従来のECサイトよりも商品の魅力を伝えやすくなります。

たとえば、アパレルならアイテムの着用感やコーディネート方法などを伝えられるでしょう。コスメならアイテムの発色や使用感、使い方についても具体的に説明できます。

このように、商品の詳細を伝えることで、購入意欲の向上につながります。

動画コンテンツが拡散されやすい

SNSと動画の相性がよく、拡散されやすい点も動画コンテンツのメリットです。ユーザーが自発的にシェアしてくれるようになると、コストをかけずに動画マーケティングを実施できます。

また、投稿を見たフォロワーが商品やブランドに興味を持ってくれる可能性もあるでしょう。自然発生的な拡散によって、潜在顧客へアプローチできる可能性も高まります。

動画コマースのデメリット

動画コマースのデメリット

動画コマースのデメリットとして、以下の特徴があります。

ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。

動画制作のコスト・時間がかかる

動画コマースのデメリットは、動画制作のコストや時間がかかり専門スキルや技術が求められることです。

たとえば、1つの動画を作るのに数時間から数日かかります。そのため、社内のリソースやコストを考慮しながら制作する必要があるでしょう。

もし社内に担当者や詳しい人がいない場合は、外注するなどの工夫が必要です。

効果測定が難しい

動画コマースには、通常のECサイトに比べて効果測定が難しいというデメリットがあります。

一般的なECサイトではクリック率と購入率で測定可能です。一方で、動画コマースでは動画視聴完了率や再生数・再生時間など、動画に関する指標も効果測定対象となります。

検討すべき指標が増えるため、効果測定のフローが煩雑になり、知見も必要になるでしょう。

サイトのパフォーマンスへ影響する

動画をECサイトに埋め込むことによって、ページの読み込み時間が長くなり、サイトのパフォーマンスに影響が出ることもデメリットのひとつです。

ECサイトはページの読み込み時間が長くなればなるほど離脱につながってしまいます。こうしたリスクを防止するためにも、遅くても3秒以内になるよう調整が必要です。

動画を埋め込む際にサイトが重くならないような工夫をしているサービスもあるので、埋め込み時のパフォーマンスを確認するといいでしょう。

動画コマースの成功事例

動画コマースの成功事例

動画コマースの成功事例を知ることで、自社でどのように動画コマースを取り入れればいいのか、イメージしやすくなるでしょう。ここからは、それぞれの成功事例について解説します。

INSECT COLLECTION

INSECT COLLECTION

出典:INSECT COLLECTION

INSECT COLLECTION(インセントコレクション)は、昆虫をモチーフにしている子供向けアパレルブランドです。洋服を着用している子供の様子を動画にすることで、使用感を確認できます。

また、ハートマークをクリックするとアイテムの詳細が表示されます。ポップアップが表示されると動画は自動で制止するため、商品詳細をしっかり見られるといった工夫も特徴的です。

Jack Bunny!!

Jack Bunny!!

出典:Jack Bunny!!

Jack Bunny!!(ジャックバニー)は、ゴルフ系のアパレルブランドです。

商品をクリックすると詳細ページに遷移し、動画が再生されます。再生時に洋服をクリックすることで詳細が表示されることを提示することで、動画コマースに親しみがないユーザーでも利用できます。

また、オリジナルキャラクターの「ジャックバニー君」をクリックすると、隠しコンテンツが表示されるのもポイントです。こうした工夫も、動画コマースを効果的に活用している事例だと言えるでしょう。

RUNA

RUNA

出典:RUNA

RUNA(ルナ)は株式会社ワールドが運営しているファッションサイトです。動画を用いながらアイテムをコーディネートで紹介していて、ボタンをクリックすると商品情報が表示されます。

また、アイテムごとにユーザーによるコーディネートが紹介されています。動画による投稿もあり、着用感や衣服の質感を確認できてユーザーにとって見やすいサイトです。

unico

unico

出典:unico

unico(ウニコ)は、雑貨や家具を販売するインテリアショップです。商品を紹介するだけでなくブログや特集などのコンテンツも掲載されています。

インスタライブではアーカイブが残されていて、アイテムごとにタイムスタンプも用意されています。気になる商品だけ見ることも可能なので、興味を持ってもらうきっかけになるでしょう。

ジョンマスターオーガニック

ジョンマスターオーガニック

出典:ジョンマスターオーガニック

ジョンマスターオーガニックは、ヘアケアやボディケア商品を扱っているコスメブランドです。

ECサイト内では、エイジングケアやクレンジングなどに関する動画を掲載しています。ユーザーの疑問や悩みを解決するようなコンテンツを載せることで、ECサイトの回遊率が高まります。さらに、商品の使い方も分かるため、購入するきっかけになるでしょう。

ニトリ ウチソト

ニトリ ウチソト

出典:ニトリ ウチソト

ニトリ ウチソトは、株式会社ニトリのECサイトにある動画コマースです。動画内にある商品をクリックすることで、商品情報を確認できます。

期間限定で買い物ができるコンテンツで、シーズンにあわせて商品をピックアップしています。たとえば、8月にはキャンプ特集が組まれました。ニトリの商品を用いながらキャンプ飯を作る様子が紹介されており、キャンプを楽しむイメージが伝わってきます。

ミウラタクヤ商店

ミウラタクヤ商店

出典:ミウラタクヤ商店

ミウラタクヤ商店は、健康食品の販売やダイエット情報の発信を行っているサイトです。fireworkによって動画コマースを実装しており、売り手の顔が見えないという問題を解決した事例です。

どんな人が商品を販売しているのかが分かるようになると、顧客との信頼関係を構築できるようになります。こうした工夫によって、顧客の購入体験向上につながっています。

メーカーズシャツ鎌倉

メーカーズシャツ鎌倉

出典:メーカーズシャツ鎌倉

メーカーズシャツ鎌倉は、ビジネスシャツをメインに販売しているアパレルブランドです。サイト内では商品をタップすると商品詳細を確認でき、効率的な情報収集が可能です。

また、ECサイトではYouTubeチャンネルの動画を掲載しています。コーディネートの紹介では着こなし方を学べ、またブランドコンセプトではメーカーズシャツ鎌倉の想いが分かります。

このように、コンテンツによって競合サイトとの差別化ができている事例です。

三愛水着楽園

三愛水着楽園

出典:三愛水着楽園

三愛水着楽園は、女性向けに水着を販売しているアパレルブランドです。

サイト内ではイベントで撮影されたものを活用しており、効率的に動画制作を行っていることが特徴的です。撮影工数を抑えることで、コストパフォーマンスが高くなり、制作期間も短縮できます。

動画コマースにおすすめのプラットフォーム

動画コマースにおすすめのプラットフォーム

動画コマースにおすすめのプラットフォームは、以下の通りです。

ここからは、それぞれのプラットフォームについて解説します。

MIL(ミル)

MIL(ミル)

出典:MIL

特徴 動画レポートで分析できる
制作パートナーが企画から納品まで対応
主な機能 ストーリー遷移
ポップアップ
スイッチング
電話リンク
クーポン
フォーム
SNSシェア
お気に入り

MIL(ミル)は、MIL株式会社が運営している動画制作プラットフォームです。累計法人会員1,300社以上の実績があり、23,000本以上の動画が制作されています。

MILで動画制作を行うと、動画レポートから分析が可能です。埋め込み先のクリック率などもあわせて確認できるため、マーケティングデータとして活用できます。また、管理画面から修正や改善ができ、スピーディーにPDCAサイクルを回せるでしょう。

Firework

Firework

出典:Firework

特徴 縦型動画とUGCで購買動線を設置
ライブコマースが可能
主な機能 ショート動画
デジタルショールーム
1:1動画接客
AVA (AIビデオアシスタント)
Shopify限定パッケージ

Firework(ファイアーワークス)は、Firework Japan 株式会社が運営している動画制作プラットフォームです。ライブコマースや縦型動画をはじめ、さまざまな大企業に利用されています。

Fireworkでは、縦型動画とUGCコンテンツによってスムーズな購買動線を設置できます。導線を改善することで、CVRの改善に役立つでしょう。

また、自社サイトやアプリからライブコマースができることも特徴です。ユーザーのコメントにリアクションしながら商品を販売することで、商品に興味を持ってもらうきっかけになるでしょう。

LEEEP

LEEEP

出典:LEEEP

特徴 タグひとつで動画コマースが可能
Instagramから収集・掲載できる
主な機能 動画コマース
UGC掲載
分析ダッシュボード
Instagram連携
インフルエンサーPR
スタッフ投稿
カスタムデザイン
API提供

LEEEP(リープ)は、株式会社REGALIが運営している動画制作プラットフォームです。

タグひとつで動画コマースを実装できるため、初心者の方でも簡単に利用できます。動画をアップロードする以外にも、Instagramライブやリールにも対応しているのが特徴です。

また、Instagramから収集したり動画を掲載したりできます。すでにInstagramを運用している場合は、効率的に動画コマースを始められるでしょう。

YouTubeで動画コマースに取り組む方法も

YouTubeで動画コマースに取り組む方法も

YouTubeにある「ショッピング機能」によって、YouTube上で動画コマースを実装することも可能です。

ショッピング機能はECサイトを運営する企業やクリエイターに向けて用意されている機能です。チャンネルのストアやリンクされているストアの商品を表示できます。

また、2022年7月からはShopifyとの提携も開始されています。Shopifyを利用しているなら、購入画面までスムーズに誘導できるでしょう。

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください

動画コマースは、動画から直接買い物ができる販売形態です。商品に興味を持った状態で購入画面まで誘導できるため、販売促進につながります。

動画コマースについて疑問や不安がある場合は、テクノデジタルにご相談ください。弊社では動画コマースの実装や運営サポートを行っています。ぜひお気軽にご連絡ください


投稿者

  • デジタルトレンドナビ編集部

    システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。