2024.03.01
D2Cとは?B2Cとの違いやメリットデメリット、成功のためのポイント
ECサイトの担当者の中には「D2Cという言葉は聞いたことがあるけど、意味や具体例までは分からない」と思っている方もいるのではないでしょうか。ほかにも、「D2Cのビジネスモデルを始めてみたい」と考えている方もいるかもしれません。
本記事では、D2Cの基礎知識について解説します。本記事を読むことで、D2Cのビジネスモデルのメリットデメリットを把握し、成功のためのポイントを知ることができる でしょう。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- D2Cの背景・B2Cの違い
- D2Cのメリット・デメリット
- D2Cの成功事例
D2Cとは?
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、製造者が自社のECサイトで消費者に直接商品を販売するビジネスモデルのことを意味します。D2Cのビジネスモデルは、2000年代後半〜2010年ごろにアメリカで生まれました。
従来の販売方法とは異なり、製造者と消費者の間に販売業者や流通業者を介さないことが特徴です。
D2Cが広まった背景
D2Cが広まった背景として、インターネットやスマホ、SNSの普及が挙げられます。今の時代、企業はユーザーが持つ媒体から繋がりを持てるようになりました。インターネットを通じて直接購入することによって少量生産やカスタマイズできるといったメリットによって、D2Cが定着していったのです。
また、消費者の価値観の変化も関係しています。インターネット普及以前はものを所有することに価値がありましたが、インターネット普及以降は、ものやサービスの購入に価値が見出されるようになりました。
D2CとB2Cの違い
D2CとB2Cの違いは、仲介業者の有無にあります。D2Cは企業とユーザーが直接やり取りするため、仲介業者が発生しません。一方で、B2Cは企業とユーザーの間に、卸売業者や問屋、スーパー、コンビニのような仲介業者が発生します。
このように、D2CとB2Cは企業がユーザー個人に商品・サービスを販売するという点では一見似通っているビジネスモデルですが、仲介業者の有無によってメリットやデメリットが大きく異なります。
D2Cのメリット
D2Cのメリットは以下の通りです。
- 収益性が高い
- 売り方の自由度が高い
- 顧客データの収集と活用がしやすい
- ブランディングや世界観を伝えやすい
D2Cのメリットを知ることで、目的意識を持って取り組めるようになるでしょう。ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
収益性が高い
D2Cのメリットとして、収益性が高いことが挙げられます。従来の方法とは違い、販売業者や流通業者を介さないため、手数料や流通コストなどを削減できるからです。
企業がインターネットで自社商品を販売するには、Amazonや楽天市場のようなECモールへ出品する方法もあります。ただ、月額費用や販売手数料が発生するという点では、コストがかかってしまうのです。
こうした点から、D2Cは収益性が高いビジネスモデルだと言えます。
売り方の自由度が高い
D2Cは製造からマーケティングまでの流通の全工程を社内にてワンストップで行うため、売り方の自由度が高いというメリットもあります。
B2CやECモールでの出品とは違い、販売業者やプラットフォームの販売方法に従う必要がありません。そのため、D2Cなら独自のマーケティングやキャンペーンを展開できます。
たとえば、D2Cなら以下のような展開が可能です。
- SNSによる販売
- インフルエンサーの活用
- サブスクリプションの展開
- ポイント制度の導入
このように、消費者の購買意欲を高める仕組みを自由に導入できます。
顧客データの収集と活用がしやすい
自社ECサイトで商品を販売することにより、アクセスした消費者の滞在時間や離脱ページなどのデータを収集・蓄積できます。こうしたデータを分析することで、ユーザーニーズや自社サイトの課題を見つけられます。
スーパーやコンビニなどで商品を販売する方法では、ユーザーの行動を追うことは難しいです。一方で、顧客データを収集できれば一人ひとりの利用状況が分かるため、ニーズに応えやすくなります。その結果、市場ニーズに合わせた柔軟な戦略・商品開発ができるでしょう。
また、ユーザーとの関係性を構築しやすいため、リピートや口コミを促進できます。
ブランディングや世界観を伝えやすい
D2Cにて自社ECサイトで商品を販売するため、商品の特徴や魅力をユーザーに直接伝えやすいこともメリットの一つです。
たとえば、ECサイトでは商品ページのほかに読み物コンテンツを展開できます。商品に対するストーリーや世界観を表現することで、ユーザーの感情や価値観に訴えかけられるでしょう。
また、ユーザーニーズを反映して商品の改善サイクルを続けることで、満足度やロイヤルティの向上につながります。
D2Cのデメリット
D2Cのデメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 商品力が問われる
- 顧客開拓や環境構築にコストがかかる
- 売上が伸びるまで時間がかかりやすい
デメリットを知ることで、D2Cが自社に合うビジネスモデルかどうかを判断できるでしょう。ここからは、それぞれのデメリットについて解説します。
商品力が問われる
D2Cのデメリットとして、商品力がなければ、消費者の関心や購買意欲を引き出すことができない点が挙げられます。
たとえば、ECモールに出品した場合、ECモールの知名度や実施しているキャンペーンによって自社商品に注目してくれるチャンスがあります。一方で、自社ECサイトで販売する場合、商品の魅力以外でユーザーを惹きつけることが難しいです。
こうした性質から、自社で魅力的な商品を開発し、消費者に認知してもらう必要があります。
顧客開拓や環境構築にコストがかかる
D2Cでは自社ECサイトを構築する必要があるため、構築費用がかかってしまうこともデメリットです。自社でECサイトを構築する場合、以下のような準備が必要になります。
- デザインや機能の準備
- セキュリティ対策
- 決済方法
- 配送ルートの確保
ECサイト運用の経験がないと、集客やマーケティング施策を行うのは難しいかもしれません。このように、D2Cを行なうにはノウハウや運営の手間やコストがかかります。
なお、自社ECサイトとECモールの違いについては以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
売上が伸びるまで時間がかかりやすい
D2Cは中長期的な視点で成果を見る必要があるビジネスモデルであるため、売上向上の成果が出るまでにある程度時間がかかります。その理由は、自社商品の魅力を伝えるために、ブランディングやコンテンツマーケティングなどの、短期間では成果が出ない施策に取り組む必要があるからです。
こうした観点から、D2Cに取り組む際は複数の施策を行いましょう。たとえば、以下のような施策と相性がいいです。
- SEOコンテンツ
- Web広告の出稿
- SNSの活用
- インフルエンサーの活用
これらの施策にも取り組むことで、相乗効果を期待できます。
D2Cの成功事例
D2Cの成功事例として、以下の企業の例が挙げられます。
- BULK HOMME(バルクオム)
- Basefood(ベースフード)
- 17kg(イチナナキログラム)
- 土屋鞄製造所
ここからは、それぞれの事例について紹介します。
BULK HOMME(バルクオム)
出典:BULK HOMME
BULK HOMME(バルクオム)は、男性向けに洗顔料や化粧水、乳液などを販売しているECサイトです。
こうした基礎化粧品はリピートされやすい性質から、定期購入型コースを提供しています。ユーザーにとってはその都度購入する手間が省けたり、単品購入よりもお得に手に入ったりするメリットがあるため、リピーター獲得に成功しています。
Basefood(ベースフード)
出典:Basefood
Basefood(ベースフード)は「Base Bread」などの商品で知られる完全栄養食を販売している企業です。BasefoodはSNSやインフルエンサーマーケティングによって、知名度を高めていきました。サイト上では開発ストーリーも公開されていて、商品に興味を持つきっかけを作っています。
17kg(イチナナキログラム)
出典:17kg
17kg(イチナナキログラム)は、10~20代の女性向けに販売している韓国ファッションブランドです。
17kgではinstagramを中心に商品紹介を行い、インフルエンサーマーケティングも取り入れました。アパレルはinstagramと相性がよく、ターゲットの年齢層へのリーチに成功しています。
土屋鞄製造所
出典:土屋鞄製造所
土屋鞄製造所は、鞄職人によって手作りされているレザーアイテムショップです。
土屋鞄製造所では企画からアフターサポートまで一貫して社内で行うことにより、よりスピーディーにサービスを提供できるようになりました。顧客満足度向上により、ファンの獲得や囲い込みに成功しています。
D2Cを成功させるためのポイント
D2Cを成功させるためのポイントとして、以下の点が挙げられます。
- D2Cに適した商品を取り扱う
- 支払い方法の選択肢を増やす
- 競合差別化ができる商品力・ブランド力を培う
- スピーディーな商品配送を心がける
ここからは、それぞれのポイントについて解説します。
D2Cに適した商品を取り扱う
D2Cは中間業者を介さずに顧客と直接関係を築く必要があるため、顧客のニーズに応えられる商品を取り扱いましょう。たとえば、以下のような商品がD2Cに適しています。
- サプリメント
- 健康食品
- 化粧品
- アパレル
これらはECでの販売が多い商品です。特に、サプリメントや健康食品、化粧品はリピートされやすい傾向です。
支払い方法の選択肢を増やす
より多くのユーザーに自社ECサイトを利用してもらうには、支払い方法の選択肢を増やすことが重要です。支払い方法が増えることで顧客の利便性が高まり、購入意欲を高め、カゴ落ち対策になる効果があります。
なお、カゴ落ち対策については以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
競合差別化ができる商品力・ブランド力を培う
ECサイトでは競合が多いため、顧客に選ばれるためには商品力やブランド力を高める必要があります。
そこで競合と差別化するために、ユーザーの声やフィードバックを把握するようにしましょう。ユーザーニーズを商品開発や運営に取り入れることで、改善策を立てられるようになります。
また、SNSやコンテンツマーケティングを行ってブランドの魅力を発信することも大切です。ブランドに共感してくれるユーザーが増えると、ファンの獲得につながります。
スピーディーな商品配送を心がける
D2Cは自社で商品の配送を行うため、顧客に商品を早く届けられるよう体制を整える必要があります。ユーザーが希望したタイミングで商品を届けられるようになれば、顧客満足度の向上につながるからです。
たとえば、競合サイトでは配送までに5日かかるのに対し、自社サイトでは翌日配送できるなら、配送料が高くても自社が選ばれるケースもあります。
このように、取り扱い商品に応じて翌日配送にも対応できれば、より多くのユーザーに利用してもらえるでしょう。
ECサイトについて不安がある方はぜひご相談ください
D2CはECサイトで消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。仲介業者が存在しないため、利益率が高いというメリットがあります。また自社サイトを利用してもらえれば、顧客情報の収集と構築により、マーケティング施策に反映できるでしょう。
これからD2Cを始めるためにECサイトを構築するなら、テクノデジタルにご相談ください。弊社ではECサイトの構築を行っています。リリース後の運営サポートもいたしますので、お気軽にご連絡ください。
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システム開発、Webサイト制作、ECサイトの構築・運用、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、デジタルビジネスに関わる多岐の領域において、最新のトレンド情報や実践的なノウハウを発信してまいります。
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